2011年2月8日火曜日

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【北海道&東日本パスの旅 11日目】江差線とともに

青森
7:30発

↓ 4041M 津軽線~海峡線
  特急 白鳥41号

8:38着
知内
9:39発

↓ 4014M 海峡線~津軽線
  特急 スーパー白鳥14号
  
10:23着
蟹田
10:25発

↓ 4095M 津軽線~海峡線~江差線
  特急 スーパー白鳥95号

11:19着
木古内
11:27発

↓ 122D 江差線

12:34着
江差
13:13発

↓ 125D 江差線

14:19着
木古内
14:31発

↓ 4026M 江差線~海峡線~津軽線
  特急 スーパー白鳥26号

15:17着
蟹田
16:28発

↓ 340D 津軽線

17:13着
青森






朝5時に目が覚める。窓のないカプセルホテルにしては目覚めは悪くない。
昨夜は早く寝たからだろう。窓から工事中の青森駅が見える。
路面が濡れているのは、昨夜から雨が降っていたらしい。

乗る列車の発車時間を勘違いして急いでホームに下りたのだが、特急列車がいる。
しかし発車してからこれが乗る予定だった普通列車だと気づいた。特急つがるに
使われる車両だが、車両運用の関係で蟹田まで回送を兼ねて客扱いしているのだ。
その事を頭の片隅に入れてあったはずだが、慌てているとどうしても見た目だけ
判断になるから、車体の色やデザインにかなり影響される。

仕方居ないので、乗り換える筈の特急列車に別途980円を払って乗るしかない。
本日の計画では再び知内駅に降り立ち、一旦蟹田に戻って今度は木古内へ。
そこから江差線を往復して再び、青森へ戻ろうというものだ。
蟹田での乗り換えが上手くいくのが少し心配ではある。

特急列車の自由席は2号車と3号車だが、2号車にはぽつぽつと座っている程度。
後方の4号車~7号車の指定席には函館まので修学旅行だろうか、小学生だが
中学生だがの団体さんで埋まっている。車内から窓越しには蟹田からの普通列車が
485系でやってきた。こちらも回送を兼ねて客扱いしているのだろう。
発車数分前にも、701系が弘前行きとしてホームに到着。白いシャツ軍団の男女は
これから学校に向かう学生さん達と思われる。また、別の学校と思われる修学旅行の
団体も歩いている。

発車すると青い客車や赤い電気機関車が一仕事終えて休んでいる。
これら回送列車を見て、後方車両の一部が騒がしくしているに違いない。
さらに進むと向こうに新幹線の高架が見える。新青森まで開業する新幹線はこの
高架を伸ばして北海道は札幌まで乗り入れる予定を立てている。
青函トンネルを越えて、新函館までは乗り入れが確実視されているが果たして?

大雨が降ったためにローカル線の急勾配を登るようなゆっくりとしたスピードで
特急車両は走っていく。安全確認のためらしいが、蟹田や知内で待っている人は
列車が来ないことを不安になりながら待っていることだろう。
蟹田でも修学旅行の団体さんが乗り込むようだ。JRにとってはお得意さんである
彼らによって後方はさらに騒がしい車内となっているに違いない。

蟹田は青春18きっぷなどの特例乗車の乗り換え駅なので、さすがにこの自由席も
混んでくるのかなと思ったが、大半は指定席利用の地元利用客という様子である。
新中小国信号場を通り過ぎて津軽線を左手に見た辺りで、少しスピードが上がる。

トンネルに入ってしまえば雨は関係ないためか、ぐんぐんとスピードを上げる。
8:26。津軽今別に到着。何人かの利用客が乗り込み発車する。こちらの駅は知内と
違って、数人の利用客が見られる分、新幹線開業後も残るものと思われる。

車掌に尋ねると、知内には8時56分頃に到着するとのこと。
8:30。青函トンネルに突入。その5分後にはおそらく安全上ギリギリの最高速度で
竜飛海底駅を通過している。19分の遅れを少しでも時間を稼げるトンネル内で
取り戻そうというJRの意地のようなものを感じるのは私だけかもしれない。

8:41。トンネル最深部を通過。白い蛍光灯が等間隔にものすごい勢いで後方へと
流れていく。新幹線だとこれが一本の白い棒になったりするのだろうか。
そして北海道まで新幹線が走っているのが当たり前の世代からすれば、
急行「はまなす」や寝台特急「北斗星」で青函トンネルを行き来していた事は
青函連絡船のように昔話となってしまうことだろう。

8:45。吉岡海底を通過。あと5分ばかりでトンネルを出るだろう。
知内に到着。私以外に降りる客はいなかった。本当に廃止されそうな気がする。

昨日はあわただしく列車に乗り込んで青森に戻ることになった知内駅。
青森方面の列車が来るまで一通りの撮影をする。木古内方面のホームに続く
階段を降りた際に大きな黒い蜘蛛がぶら下って、通りすぎた後に見えなくなった
ので、一瞬後ろのリュックにへばり付いたのかと焦ったが、見上げると階段の
屋根付近まですばやく回避していた。

昨日は夕方だったから利用客もいないのだろうと思ったがこの時間でもいない。
9:44。5分遅れでやって来た青森方面の特急列車。私一人を乗り込むと、列車は
ホームをゆっくりと離れていく。人一人が立つのがやっとの狭いホームと
必要最低限の設備に地元の要請で仕方なく造ってやったという印象である。
新幹線開業で吉岡海底駅とともにこっそり同じ運命をたどるに違いない。

9:46。再び青函トンネルへ。前方車両に乗っていたと思われる学生さん2人が
後方の1号車へと通り過ぎていったが、後方展望も見られずにがっかりして
また戻ってくるだろう。案の定、照れ笑いの顔でまた戻ってきた。

9:54。吉岡海底駅を通過。ワゴンの販売員は先ほどと同じお姉さん。
この列車は先ほど降りた列車と同じらしい。函館からそのまま折り返して
きたのだろう。黒縁メガネをかけたその人は再び私の姿を見て、オタクで
あると判断したに違いない。覚えていればの話だけれど。

9:58。再びトンネル最深部を通過。10:04。竜飛海底を通過。
10:13。津軽今別を通過。もうすぐ蟹田に着くが、無事に乗り換えが出来るか。
ここまですでに遅れは取り戻したようで、こちらの発車を待ってからの
発車らしいが、階段付近のドアでないと間に合いそうにないだろう。
ドアが開くと同時に跨線橋を渡り、反対側ホームへと階段を駆け下りる。
函館行きは私が乗り込むとすぐにドアが閉まる。間一髪で間に合った。

もう心配ない。あとは木古内から江差線に乗り換えるだけ。
階段付近から駆け込み乗車したので、最語尾車両から自由席のある車両へと移動する。
指定席車両は中学生らしき団体さんで埋まっている。修学旅行シーズンなのだろう。
JRとしては大口のお客さんだが、年々人口が減っているので、将来的には違う学校同士で
ようやく席が埋まるという状況も笑い話ではなくなるだろう。

先ほど北海道入りしたばかりだが、再び蟹田に戻って再度の北海道入り。
鉄道好きでも余程の「乗り鉄」で時間が確保できなければやる人はいないに違いない。
蟹田を出て10:38。今回見かけるのが3度目となる津軽今別を通過する。

津軽今別から津軽線の津軽二股に乗り換えることができる事を知っている人は限られる。
乗換え案内を一切しないので、知る人知る裏技的な乗換え駅という扱いになっている
ような気がしないでもないが、特急列車の停車本数が少ないとはいえ、同じ場所ならせめて
同じ駅名に出来なかったのだろうかといつも疑問に思えるポイントである。
津軽線にも津軽今別より距離にして6kmのところに、今別という駅があるので紛らわしい。
津軽二股、津軽今別という駅名を見ると、「二股したから今は別れている」と想像して
しまうのは私だけなのだろうか。

10:43。青函トンネルへ。10:49。竜飛海底を通過。10:59。トンネル最深部へ。
11時丁度に吉岡海底を通過。11:11。トンネルを出て先ほど降りたばかりの知内を通過して
知内から約20km離れた木古内まではわずか10分で到達してしまう。この付近を特急列車は
時速100km超で飛ばしていることになるだろう。京急なら川崎~横浜がずっと続いている
ような感覚か。(マニアの視点で語るとこうなってしまう)

木古内では隣のホームに江差行きが待っていた。
同じホームには函館行きも待っており、しばらくキハ40系同士が対面する。
これから乗る江差行きは函館からの直通列車なので、予想したとおり席は埋まっていた。
この列車で終点の江差まで乗っていけば、北海道内の路線については全線完乗となる。

今日もよく晴れている。盲腸線なので来た線路を折り返すしかない。
だから景色は帰りに楽しむことにしよう。ロングシートでは私のような観光客と通勤者風な
客が混じっている。渡島鶴岡。誰も乗らず。吉堀。黄色く塗られた貨車駅が出迎える。
周囲は山と稲穂の田園風景。誰も乗客がいないホームを列車はゆっくりと発車。

勾配があるのか、列車はゆっくりと走っていく。
次の神明までは結構長い。箱根登山鉄道に乗っているような気分になる。ゆっくりと進む
から余計に長く感じるのかもしれない。トンネルの途中でスピードを上げたと思ったら
再びゆっくりと進んでいく。川が蛇行して渓谷を縫う形で列車は進んでいる。
民家がひとつも見当たらない。よく見たわけではないが、家らしき建物は見つけれらない。
谷を出て、神明に近づくころにようやく家が一つ。周囲に家が見当たらないところは
この家の住人のために設けられているのか。乗客は一向に増えない。これでは江差線が
海峡線の一部でなかったら、当の昔の廃止になってもおかしくないと思わざるを得ない。

新幹線が通れば、間違いなく木古内から江差の線路に列車が走らなくなる日はやって来る。
その意味では今回が最初で最後の機会になるだろう。

湯ノ岱。地元の老人が一人下車。ここで久留里線のようにタブレット交換の光景。
現役のものを間近で見るのは何とも新鮮である。桂岡。湯ノ岱の同じ規模で民家がある。
江差線がなくなれば、沿線住民は唯一の足を失うため、バス路線に転換するのだろう。
陸の孤島の危機に反して、客は乗ってこない。

終点に近づくにつれて民家も多くなってくる。中須田。地元のおじさんが一人乗ってくる。
上ノ国で青春18きっぷの老夫婦が降り、制服姿の女の子3人と男の子が1人乗って来る。
風景はそれまで山の中から開けてきて、市街地らしい雰囲気になっている。

制服姿と今乗っている地元の高齢者がいなくなると、この江差線も時刻表の索引地図から
路線バスを示す細く青い線になるだろう。江差の駅前に飲食店はあるだろうか。
目の前に広がる海を目の保養にそのまま折り返しの列車に乗れればよいのだが、さすがに
お腹が空いてきた。2時間でもあれば周辺を歩き回れるのだが、そこまでの時間は無い。
せめて食堂ぐらいの店はないかと思ったが見事に何もない。海を眺めてもお腹は一杯には
ならない。沿線住民のために存続しているとなれば、JR側が余計な店を作る訳はない。
駅弁は残念ながら諦めざるを得ないようだ。木古内までの特急列車のなかで、買うしか
手立てはなさそうである。発車3分前になって学生さん達が乗り込んでくるのはよくある
光景だ。駅で待っていても仕方ないことが分かっているから当然である。

終点の江差で何をするでもなく、乗り込んだ折り返しの列車は発車する。

Tシャツ姿の女の子と男の子2人は同じ学校仲間だろう。上ノ国直前まで広がっていた海は
やがて山に隠されて市街地に入る。上ノ国でおじいさんが1人乗車。中須田で2人が下車。
学生さんが鞄をリュックのように背負うのは、どこに行ってもたまに見る光景だ。
白いシャツと黒いズボンの今時な若者と杖をついたおばあさんという組み合わせが何とも
面白いが、ホームを歩き出して後ろを振り返ると構内踏切で列車通過を待っている2人の姿
がだんだんと遠ざかっていく。桂岡。乗客なし。「函館 76km」と道路に青い看板。
列車はゆっくりと進んでいく。でも木古内まで出てしまえば、今乗っている江差線が
北海道での本当に最後の列車旅になる。でも淋しくはない。木古内から知内まで歩いたし、
歩いているうちに気持ちの整理がついたのか、スッキリした気持ちでお別れができそうだ。

湯ノ岱。3人下車。おじいさんとおばあさんとカメラをぶら下げた太目の若い男。
カメラの人は観光客かもしれない。この江差線もIphoneの電波は圏外であることが多い。
地下鉄以外ではこれほど圏外になるのは北海道ぐらいではないだろうか。

吉堀までのトンネルも行きとは違って下り坂になるためか、少し早いスピードだ。
そのためか、行きとは違ってあっという間に木古内に到着してしまったという印象だ。
もう少しだけ、「ひらふ」で出会った38歳氏のように北海道を旅していたい気分だが、
帰らなくてはならない。行ったら必ず戻ってくるのが旅である。心の中でお別れの挨拶。

八戸行きの特急列車に乗り換えてしまえば、もう振り返る事はない。
戻るべき青森が長いトンネルの闇の向こうに続いている。14:38。知内を通過した。
北海道内最後の駅に数人のカメラマンの姿。中学生か高校生の学生諸君だろう。

青函トンネルに入ってから少しの間だけ、車内が暗くなったのはパンダグラフから離線
したのかもしれない。明日の自宅へと戻る旅に備えて、今日は早めに寝なくてはならない。
竜飛海底を通過したら本州はもうすぐだ。明日は東北本線で帰ることにしている。
東北本線は新青森までの新幹線開業と同時に盛岡からは第3セクターの青い森鉄道に移管、
時刻表の索引地図からは青森から盛岡までが細い線になる。所謂、お別れ乗車である。

これを契機に青春18きっぷも廃止か?という噂がネット方面では囁かれているが、
(これを書いている2011年2月時点では冬の販売はあった。果たして春はどうだろう?)
北海道への旅は今回で最後になると思う。

特急列車のデッキへの仕切り扉はタッチ式。だが、実はシールの部分にタッチしても
うまく開かない事がある。よく利用する客は実はドア横のセンサーを指で押すとうまく
開くことを心得ている。私もやってみたが、なるほど気持ちよくすぐにドアが開く。

蟹田。普通列車が来るまで1時間ばかり時間を潰さねばならない。
喫茶店でもあれば良いのだが、唯一の一軒は準備中。仕方がないので、ディリーヤマザキで
アイスクリームと缶コーヒーを買って、堤防に座って目の前の海を眺めることにしよう。

アイスクリームを食べていると、何かもらえるのかと期待しているのか白い鳥が何羽か
周りに集まってくる。だが一定の距離を保って、それ以上は近づいてこない。
なんだか若い女性的な鳥だなと感じてしまったが、何もくれないと悟ったのかしばらくして
順繰りに別の場所へ飛び立ってしまい、またも淋しい雰囲気になってしまった。

地元で見かけない余所者を観察するが如く、犬を散歩に連れて目の前を通り過ぎていく
おじいさんが1人。さらに反対方向からはわざとなのか、聞こえるような大きなくしゃみを
して威嚇(?)していたおじいさんが近づいてきたが、いつのまにかどこかへ姿が消えた。

それ以外に人の往来はなく、よく晴れている。

青森からは久々にキハ40系。蟹田では青森から来た三厩行きとすれ違うためにキハ40系の
並びが実現する。ボックスシートには各1人ずつ程度。前方のロングシートには白いシャツ
の学生さんが1人。郷沢。貨物列車と交換するために4分停車。
蓬田。地元と思しきおばさんとおばあさんが乗り込んで来る。2両編成の気動車は動き出す。
北海道の旅は終わった事を告げるかのように、右手から夕日が差してくる。
中沢。2人乗車。おばあさんともう1人は仕事へ向かう若い男性だろうか。
青森から特急列車で八戸へ向かうのかもしれない。あるいは東京へ出張だろうか。

後潟。若い女性が1人乗車。細めの黒いズボンと白いポロシャツという姿だったが、
私の鈍い目では高校生なのか、あるいは若い奥さんなのか見分けはつかない。
前寄りのロングシートに座った。
奥内。地元の若者と思しき男性が一人乗車。若者にとっては青森は東京のような都会として
何か用事をしにいく町なのだろう。
津軽宮田。3人乗ってきて、2人が降りていく。降りていく2人は高校生の女の子か。
紺のスカートがホームから遠ざかっていく。乗り込んだのはおばさん2人と若い女性。
昼間の時間帯はあまり乗客の変化がないのだが、この時間帯は青森へ向かう客が多い。
早朝の列車なら学生さんで混雑しているのかもしれない。
油川。学生とおばさんが1人ずつ降りていった。入れ替わりに制服の団体さんがわんさかと
乗り込んでくる。皆、青森に住む学校帰りの学生さんなのだろう。

次は終点の青森。すぐに夕食にして、早めに寝ることにしよう。

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