2008年12月25日木曜日

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今年も無事にクリスマスを過ごせそうだ。
23日。少し早いクリスマスパーティー。



久々にウォーキング。
相模大野から定期券内の駅に戻って来るつもりが
途中の相鉄線、鶴ヶ峰駅を通り過ぎてから小田急線へ戻る道を
迷ってしまい、歩き回る羽目になってしまった。


ほんの小さな発見があったからよしとしよう。
相鉄バスの回送車には60km/h制限あるようだ。ちょっと新鮮。



新幹線のこんなアングルが見られる階段も。
高座渋谷だけかと思ったが。

4時間かけてぐるっとウォーキング。
相模大野駅~国道16号線~八王子街道~鶴ヶ峰駅~国道16号線~二俣川駅。


そして有楽町のジャポネは12/30~1/4までお休み。

2008年12月20日土曜日

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来年1/17、18にはEF55のさよなら運転が予定されている。
その17日、上野~横川までの「さよならEF55碓氷」に乗ろうと
思っているが、発売日の10時少し前から東京駅のみどりの窓口で
頑張るも惨敗。それから時間を見ては駅にあるMV(指定席券売機)の
画面を叩いてみても、相変わらず満席の「×」のままであり
入手できずに今に至る。

そして今日も日中帯は時間があるので、JR相模線の海老名駅まで
足を運んでみると、改札傍には数人のカメラを持った集団が
線路にレンズを向けている。
どうやらJR相模線と並行している相模厚木線からなにか列車が
来るのを待っているようだ。
相模厚木線は今は私鉄となっている相模鉄道のかしわ台~海老名間
から分岐してJR相模線の厚木まで続いている単線で、その昔は
貨物輸送で利用されていたが、今はその需要もなく列車の回送に
使われている。

私もしばらく待ってみた。すると単線の向こうから2つの前灯。



ゆっくりとしたスピードで近づいてきた列車は、
相模鉄道の黄色い事業用車両モヤ700形が同じく赤い帯の
相鉄車両(引退が噂されている5100形かな?)を牽いてやってきた。
図らずもよいものを見た。ちょっとラッキーな気分。

そして目的のMVを叩いてみるが、「×」のまま・・・。
やはり乗車日直前を狙うしかないのだろう。

そして今日20日は列車の旅では愛用している「JR時刻表」1月号の
発売日である。本屋で早速購入してきた。
家に帰って開いてみると、「さよならEF55碓氷」の時刻も
ちゃんと記載されている。

青春18きっぷと「ムーンライトえちご」の指定席券は購入してある。
「さよならEF55碓氷」の指定席券が購入できなかった場合も含めて
来月の連休はさて、どのような旅程にしようか。
「ムーンライトえちご」でひとまず新潟へ。そこから気になっている
筒石駅へ行ってみようかと考えているが、ここは時刻表と相談しよう。
時刻表を広げて、旅程をどう組むか考えるのもけっこう楽しい。

もう、旅は始まっている。

それから、これも前から気になっていた小田急が毎年大晦日~元旦に
終夜運転しているロマンスカー「ニューイヤーエクスプレス」の特急券も
購入しておいた。運行される一部は、あの青いロマンスカーMSEで運行。
すでに小田急電鉄のサイトにプレスリリースが出ているが、
「ニューイヤーエクスプレス11号」に新宿から乗車する予定である。
このロマンスカーは、普段は停車しない伊勢原にも停車する。
しかもMSEでの停車となるから、まだ夜暗いうちから私のようなカメラを
構える連中がホームで待っていることだろう。

大晦日はNHKの「ゆく年、くる年」を見ながら、
年明けを確認してすぐに駅へ向かうべく、自宅を出ることになる。

幸いにも今年は小田急全区間で各駅停車での運転も予定されている。
本屋で「JR時刻表」を買った後、私鉄が載っている別の時刻表を見てみると
小田急の大晦日~元旦にかけての終夜運転の時刻表が掲載されている。
「ニューイヤーエクスプレス11号」に乗る為には、新宿には夜中の3時30分
までには到着している必要がある。
時刻表を見ると、地元からは1時間に1本間隔とあって本数が少ない。
新宿から逆算すると、自宅を年明けすぐに出ないとならないのだ。

2008年12月17日水曜日

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地元そばにある標高303.4メートルあるZ山からの眺める地元の夜景。
前から気になっていたが、空気が澄んでいるこの時期に行ってみた。
ただし、標高が大体同じである函館山からの夜景には負けるが・・・



指定席券は運転日の1ヵ月前10:00から発売が開始される。
みどりの窓口か、MV(指定席券売機)で購入することができる。
そのMVに10時を狙って、指定席を購入することを
某掲示板では「10時打ち」と呼んでいる。

MVの操作に慣れていないこともあり、また好きな席を指定
できないこともあり、みどりの窓口で購入することに。
しかし「10時打ち」ならぬ、「10時待ち」は見事に惨敗・・・。

1/17の「さよならEF55碓氷」は全席指定席。
その指定席を確保するため、1ヶ月前の今日発売が開始される
10時の10分前に東京駅へやってきた。

5分前。八重洲北口改札そばのみどりの窓口に並ぶ。
10時ジャスト。少し前から右側の窓口に動きがないなと思ったら
サラリーマン風の男性も同じ列車の指定席を狙っていたらしい。
少し前から係員にスタンバイをしてもらっていたようだが、
その男性の背中越しに聞こえたのは、係員の「満席」の声。

その男性が退いた次だったが、確認してもらったが、やはり満席である。
大宮からも高崎からも満席とのこと。
それから30分ほど、他のみどりの窓口でも見てもらったが、満席・・・。

なぜかMVでは購入できるはずの1ヶ月先、1/17のボタンが表示されて
いないために確認できず。

それでも諦めきれず、帰る途中の新宿でも
MVで確認してみた。こちらは1/17のボタンも表示されていたが
何度か確認してみても、満席を示す「×」から表示が変わる気配はない。

こうしたイベント列車の指定席券発売日すぐに売り切れることは
なんとなく覚悟していたが、10時になると同時に完売になるとは
思っても見なかった。熾烈な指定席確保競争の厳しさを知った瞬間でもある。

12/6に運転された「EL奥利根号」には乗ってきたが、
今季で引退する電気機関車EF55が牽引するという大変貴重な臨時列車で
あることを知らずに、当日みどりの窓口で指定席を確保できたことを考えると、
今回も運転当日、1/17の早朝に賭けるしかないのだろう。

指定席が取れなかった場合は、列車の外から見守ることになろう。
上野から後続の普通列車で横川まで、撮り鉄の旅となるかもしれない。

2008年12月11日木曜日

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今は亡き「湘南急行」。
古参の5000系にて。



久々にミスタードーナツへ。
モンブランツリーとフロッキーシュー、それぞれチョコ味を食べてみた。
美味しかった。アメリカン・コーヒーはお替り自由です。



今日もこの子はカーテン・クライマー。

2008年12月9日火曜日

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小田急の検測車「テクノインスペクター」。
一般公募で決められた名前だが、もう少し何とかならなかったのだろうか。
「インスペクター」もまんま「検測」という意味だし。

そんなことよりも滅多に日中帯、見かける機会がないこのクヤ31だが、
急行列車に乗って前面展望を楽しんでいたら、途中の相武台前で
「試運転」と方向幕が掲げられた短い編成のステンレス車両。
よく見たら検測車だった。思わず振り返ってしまう(笑)

乗っている列車が各駅停車なら、すぐにでも降りて
舐めるように撮影したいところだが、海老名まで停まらない。
海老名で降りようか迷ったが、小田原まで行くだろうと予想して
本厚木で一旦降りることにした。

電光案内板には「回送」とあったので、一旦待避線ホームに停車するかと
期待していたが、やってきたのは普通の3000形。
しかも各駅停車新宿行きにするための回送だった。

が、構内に流れる業務アナウンスによるとこの回送は「臨時回送」の
通過を待ってから発車するらしい。
ここも通過するらしい。それならば走ってくる姿にカメラを向けることに。

もっと引きつければ良かったが、デジカメのシャッターが切れるタイミングが
未だにつかみ切れていない。だから怖くて早めにシャッターを切ってしまった。

どうやらこのまま小田原まで突っ走っていくようだ。
直後の急行で自分の最寄駅には降りずに小田原まで乗っていくことにする。







途中から急行とは思えないノロノロ運転、毎度の小田急名物だ。
伊勢原を出てしまうと、秦野まで待避する線路がないが
小田原までこの調子で運転しているところから、前方に微かに見えた列車は
急行列車らしい。だから待避させるわけにもいかない。

珍しい検測車が見れただけでなく
本厚木から小田原までのこれほどの長距離に渡ってのノロノロ運転も
そうそう滅多にないかもしれない。いや、いつもか。(笑)

ノロノロ運転のおかげで、普段の約2倍近くの時間をかけて
ようやく小田原に到着。右側の留置線に先ほどの検測車が停まっていた。
そういえば、前回も「丹沢もみじ号」が秦野へ向けて回送されるときも
この留置線に停まっていたことを思い出した。
側面の方向幕にあたる部分に「検測」と表示されているが、上から
プレートみたいなもので貼られているように見えてどうも頂けない。
旅客車両ではないから、これはこれでいいのかもしれないが。


パンタグラフは小田急車両では一部のロマンスカーを除いて
見られなくなった菱形。シングルアームはどうも好きになれない。
電気機関車のようなこの菱形が昔から好きだ。

主に営業運転が終わった夜間にこの検測車は活躍するはずだが
検査用に使うと思われるライトがついている。
車内のモニターで架線の状況を観察する為に、ライトはつけるのだろう。
なかなかよいものを見た。

2008年12月7日日曜日

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再び「ホリデー・パス」の旅。
今回の12時間の旅、目的は「EL奥利根号」乗車。


【臨時列車の指定席は・・・】

町田
10:32発

↓ 903K 横浜線 快速 
  
10:53着
八王子



夜勤明け、すぐに町田駅へ。

MV(指定席券売機)では、臨時列車の指定席が購入できない。
見るからに新人な駅員に尋ねてみると「時刻検索で購入」の返答。
しかし検索結果は新幹線だけ。駅員の話では乗車時間が短い、
つまり一番早く着ける列車しか購入できないのだという。
仕方なく、みどりの窓口に並ぶことになる。

満席なら列車を撮るだけにしておこうと思ったが、
案の定、始発水上からの指定席は満席だった。
しかし、高崎からは数席残っていたようでなんとか窓側席を確保。

町田駅からうまい具合に横浜線の快速に乗ることができた。
この先、高崎まで列車の遅延が無ければ余裕で高崎から乗車できる。


【電車と気動車に揺られて・・・】

八王子
11:17発

↓ 1161E 八高線
  川越行き

12:07着
高麗川
13:02発

↓ 239D 八高線
   
14:33着
高崎




個人的に東京近郊でローカルな鉄道と思っている八高線。
川越直通が多いので、途中の高麗川で乗り換える。
夜勤明けですぐに列車に乗り込んだものだから、列車の揺れも
手伝っていつのまにか眠りこけていた。
目が覚めたときは高麗川の少し手前。もう少しで川越まで
乗ってしまうところであった。
高麗川からは川越へ行く川越線と私がこれから向かおうとしている
高崎へ行く八高線に分かれる。
高麗川から先は非電化区間のため、気動車に揺られることになる。



次の電車まで約1時間もある。急ぐ旅でもない。
しかし高麗川駅の前には何もない。駅前に唯一あった食事所を
見つけるが、ここで食べたチャーシューメンは不味かった・・・





高麗川から気動車で約1時間半だが、時折スピードをあげて走る時の
エンジンの振動が座席に響くが、それでもまたしばし眠ってしまう。


【いまも現役、なつかしの湘南色】

高崎
14:39発

↓ 739M 上越線

15:42着
水上
15:47発

↓   

16:50着
高崎



緑と橙のツートンカラー。
俗に湘南色は東海道を走っていた湘南電車を思い出す。
今は東海道線と呼ぶ方がメインになってしまった感じがあるが、
今でも私は「湘南電車」と呼ぶ方がしっくり来る。

この湘南色115系に乗って水上まで目指す。
東京近郊ではなかなか乗る機会がない2段窓はそれだけでもうれしいが、
デジカメを持ち歩いて撮影する私にとっては格好の環境だ。


嵌め殺しの窓では不可能なアングル、すなわちすれ違いの列車を狙える。
線路脇で待っていてもよいが、すれ違いの列車に「被られる」ことがある。
被らないように予め調べておけばよいが、その場の思いつきで行動することが
好きな性格故に、2段窓の列車は非常に助かる。
沿線には三脚を立てた彼らたちが今か今かと列車が来るのを待ち構えていた。






さてこの列車に乗った理由。
時刻表では水上より手前の停車駅、後閑(ごかん)から終点水上の間で
これから乗ろうとしている「EL奥利根号」とすれ違うことになる。
この列車の進行方向右側、車両の一番東京寄りの席に陣取れば、
窓を開けておいても他の客に迷惑をかけることなく、この「EL奥利根号」が
すれ違うところを撮影することができる。






が、それだけの理由ならこの列車に乗らない。

水上から高崎へ戻る746Mは、「EL奥利根号」の後に発車する列車。
最初これでは「EL奥利根号」に乗れないなと思い込んでいたが、
携帯電話で乗換検索をしてみるとそうではなかった。

746Mは普通列車だが、「EL奥利根号」は臨時の快速列車だ。
だから後から出発するこの746Mが先に発車した「EL奥利根号」に追いつくことは
ないと思い込んでいたが、調べてみると途中の渋川で追い抜くのだ。

これは先に発車した「EL奥利根号」が渋川で25分ほど停車し、
その間にこの746Mが到着し、先に発車させるダイヤになっているためだ。

同じ考えを持つ人たちが多いと見えて、746M列車にはカメラや三脚、
小型の脚立を持った人たちでしばし車内は騒々しくなる。
水上まで乗ってきたときに気づいていたが、ちらちらと白い粒が降っていた。
こちらはもう雪が降り始めている。行きに雪を見る(笑)・・・独り言です

彼らのほとんどは高崎まで乗っていく人は居らず、途中の渋川、新前橋で降りていく。
線路を挟んだ向こう側のホームにダッシュして場所を奪取、・・・すいません、
また独り言を・・しているのをドアの窓越しに見えたので、
後から来る「EL奥利根号」を撮影するためであることはすぐにわかった。
だが、高崎まで乗っていかない理由は後になって判明した。


【そういうことだったのか・・・】

17:16着
高崎
17:34発

↓ 9732 快速 EL奥利根

19:19着
上野



遅延もなく、無事高崎に到着。
高崎に降り立つまで唯一心配だったのは列車遅延。
ここまでちょっとドキドキしていた。
高崎に無事降り立てば、「EL奥利根号」をゆっくりと出迎えるだけだ。

高崎は8番線ホームへ向かう。
案の定、上野寄りのホームには先客がいた。
カメラを構えて、これからやってくるEF55とEF64形の茶色い電気機関車が
青い客車を牽いてやってくるのを待っているのだ。

カメラを持つ先客でスムーズに撮影できないだろうなとは予想していたが、
この高崎で、EF55とEF64、茶色同士の電気機関車から先頭のEF55だけを
切り離す作業があることは知らなかった。





17:16。定刻にゆっくりとやってきた茶色の電気機関車。
その独特のフォルムは今はもうほぼ走ることはないであろう、EF55である。
鉄道模型や写真では見たことがあったが、実車を目の前で見たのは初めてだ。
一斉にカメラのフラッシュが瞬く。
ホームに停まってからも入れ替わり入れ替わり、カメラのレンズを
向ける人たちは絶えない。このEF55が切り離される時もわっと人だかりができる。

だから途中の渋川や新前橋で彼らは降りていったのである。
ようやく理由が分かった。
そして水上から高崎までの指定席が満席だったのも、高崎から先はEF55が
この高崎で切り離されて、EF64を先頭に走っていくだけであり
高崎ではこの貴重な切り離しのシーンが見られるからだ。

客車も寝台特急と違って、客車ならではの2段窓だ。
駅のホームで立ち売りしていた駅弁を車内から窓を開けて買っていた光景が
ちょっと思い浮かんだ。

列車がやってくるのをベンチに座って待っていたときに
駅弁を売る人たちがやってきた。「上州D51弁当」という弁当だが
あとでwebで調べたら、有名な弁当「だるま弁当」を製造しているメーカーが
製造した弁当らしい。売り子が掲げたプラカードには弁当の写真も乗っていたが
ホームのあまり明るいところではなかったので、よく見えなかった。
黒い器に入っているくらいかと思ったが、円柱側の黒い容器は蓋に蒸気機関車
の正面側を模したデザインになっているようだ。800円。

こうした駅弁を売ることを知っていたら、改札そばのNEWDAYSでビールや菓子パン、
ポテトチップなどを買って抱え込むこともなかったが、その場の思いつきで
始まった旅、仕方ないだろう。それよりも目の前の滅多に見られない電気機関車と
青い客車を前に、少しばかり興奮していたからそんなことはどうでも良かった。






乗るのはきっと最初で最後だろう、青い客車。
通路を隔てるドアだけ見れば、青森と函館を定期運行している急行「はまなす」
に似ている。座席はすべてボックスシート。銀河鉄道999に出てくるあのシートと
いえば分かるだろうか。
「はまなす」はリクライニングするクロスシートだが、背もたれはまるで
ベニヤ板のように硬い。だから夜行といえども寝られる代物ではない。
今回乗るこの青い客車のようなボックスシートの方がまだ寝られるかもしれない。

運よく窓側を確保できたが、後ろ向きで少し残念。
が、なぜか先客がいた。どうやら隣の通路側に座っていたらしいが、
誰も座らないだろうと思い、窓側に座っていたようだ。






どいてもらって、さっそく買ってきた缶ビールを傾けながら
菓子パンをほうばる。窓の外はもうすっかり夜。
車内アナウンスの前後に流れるミュージックが寝台特急や今はもうない寝台急行で
使われているあのミュージックだったので、ちょっとうれしかった。
あのミュージック、といっても乗らないとわからないものだが。

滅多に見られない列車を前に興奮して、勢いでホームで売っていた
記念のキーホルダーを買ってしまった(笑)

缶ビールは気持ちよく喉を通っていく。
こうしていると、遠くへまた列車旅をしてみたい気持ちになってくる。
鉄道オタクの端くれ、こうした列車に乗ると前面展望と後方展望が気になり
トイレに席を立ちながら、車両の端から端まで歩き回ることになる。


車両の一番後ろに行くと、数人が固まっている。
デッキには車掌室があるのだが、そこいた車掌と数人が親しそうに会話していた。
会話を聞いていると、どうやら数人は乗務する車掌の事を知っているようで
今回が初めてではない様子だ。が、ここで不正行為を目の前で見てしまった。
この「EL奥利根号」は下りは水上から走るが、水上から乗っている人だけに
配布されるはずの記念乗車券を彼らは車掌に頼み込んで貰っていたのだ。
車掌もそれがいけない事だと断っておきながら、仕方ないと手渡していた。
ここで車内トラブルにでもなって、列車遅延や事故になるよりはと考えての
ことかもしれないが。

目の前で手渡される記念乗車券、ここは黙っておくから私にも頂戴・・とは
さすがに言えなかった。言える雰囲気ではなかった。

水上から高崎までの指定席が満席だった、もうひとつの理由だったのだ。
水上から乗らないと記念乗車券は貰えないのだ。

席に戻る。先ほどの彼は向かいの席で眠りこけていた。
が、しばらくして目が覚めたようで窓の外をぼーと眺めている。
つまみに買っていたchipstarを食べ終えて、chipstarの蓋を思わず床に落として
とき、先ほどの先客が蓋を拾ってくれ、話しかけてきた。
今から思えばどうせ終点まで向かい合わせならと話しかけるタイミングを
狙っていたのかもしれない。

特急の通過待ちで本庄にしばらく停車した後、また走り出した頃だったが
あとは終点の上野まで、窓の外の見る余裕もあまりないまま、
彼が話すのを頷きながら聞く事になる。
実に話している時の顔が気持ち良さそうだ。
事実こちらが話すことには頷きはするが、あまり興味なさげだった。

だから後は彼が話すのを聞く側に回ろうと思ったのだ。
彼の知識と同等のレベルならもっと楽しかったかもしれないが
電車の走行音、つりかけ式やカルダン式や、東急や京急の車両形式を言われても
あのヘッドライトが四角いやつとか言われて、何とかわかるかわかないかの
レベルなので、知ったかぶりを徹するしかなかった。
だから話す内容の半分くらいしか分からなかった。

水上から乗ってきたという彼は記念乗車券を持っていて、見せてくれた。
昔よく見かけた硬券で、EF55-1ということで「5501」の番号が印字された2枚組み。
写真を撮らせて貰えれば良かったと思ったが、先ほどの事もあって
そんな気分ではなかった。

彼の話では今回の運転を皮切りに、EF55のさよなら運転があるから
きっとその時でも今回余ってしまったであろう記念乗車券を配布するのではという。
これも後でwebで調べたが、老朽化したEF55は今季限りで引退するらしい。
だから実は鉄道ファンにとっては見逃せないイベントだったのだ。

また携帯に撮ったというEF55の写真も見せてもらったが
ソフトバンクの510万画素という携帯で見る写真はもうデジカメ品質である。
その綺麗さとデジカメとほぼ遜色ない撮影の設定ができるところを見せられると
もうデジカメも不要だと思った。

大宮に停車。
大宮もきっとすごい事になっているだろうという彼の予想ほどは人だかりはなかった。
というより、一眼レフのようなカメラも含めて、夜では露出の調整も難しいだろうから
綺麗には写せないということだろう。

遅延なく上野を目指す。
大宮と上野の間で青い列車がすれ違った。1往復だけ運行している「北斗星」だ。
臨時列車と北斗星、青い列車同士がすれ違う、貴重な瞬間でもある。
数を減らしてきている京浜東北線209系が併走することで、上野の近くであることが
わかってくる。上越線~高崎線の旅はもうすぐ終わりである。








終点、上野へ定刻に到着。
寝台特急が発着する13番線ではなく、その隣の14番線ホームに入線。
普段は高崎線や宇都宮線(東北線)の普通列車が発着するこのホームには、
たくさんのカメラを向ける人たちが待っていた。
私もその中に加わって撮影。高崎同様に人だかりでうまく撮影できない。

しばし停車した後、茶色い電気機関車EF64の赤いテールライトが灯り、
静かに上野駅から走り去っていった。

そして先ほどまで一緒に話していた彼もいつまにか消えていた。
これが鉄道ファン式のさよならかと思ってみたり。


【他に臨時列車は・・・ない】

上野
19:42発

↓ 1936B 京浜東北線

19:49着
新宿
20:29発

↓ 2280Y 快速 湘南新宿ライン

21:28 着
茅ヶ崎
21:50発

↓ 2161F 相模線

22:14着
厚木




他に臨時列車がないか、新宿でウロウロしていたが無い様だ。
湘南新宿ラインで帰ることにしよう。
茅ヶ崎に到着。乗り換える相模線の発車までは15分ほどある。
ふと東京行きの行先案内板には21:47発は2ドアの表示。
そう、これは折り返し東京から出発する快速「ムーンライトながら」
として運行するための送り込み回送も兼ねているものだろう。

こうして12時間のホリデー・パスを使った旅は終わった。