2007年2月26日月曜日

つくもノヲ”X="1≠ 087




25日。夜勤が続いたこともあってしばらく中止してましたが、
夜勤明けで明日1日休みがあるので、今回は前より少し距離を伸ばして
歩くことにしました。土曜の夜勤は、ほとんど業務対応が発生しない
のでかなり暇でした。どうせ暇ならと資格の勉強を少ししてから、
webの地図を開いて、さてどうしようかなとルートを考えていると
246号線が最初に目に止まりました。246号線も大和・鶴間方面へは
その先の本厚木まで歩いているので、今回は反対方向を歩いてみることに
したのです。地図でずっと辿ると三宅坂で皇居の手前でぶつかってT字路に
別れて、246号線はそこで終わっています。

距離を確認すると、30km強あります。今までも20kmまでは何度か歩いてきて
いるので、無理しないで休みながら歩けば5時間くらいでなんとか行けそうです。

というわけで、今回は勤務先の南町田を起点に246号線をはるばる皇居の手前に
ぶつかる三宅坂までのルートに挑戦です。

定時に仕事が明け、出発は9:15分。
愛用のウォークマンのイヤホンを耳にセットして、音楽を聞きながらスタート。

すぐそばの田園都市線をまたぐ橋をわたって、16号線との交差点から
246号線に入りました。天気予報では雨の心配はないようです。ただし、
すこし寒いです。これも少し歩いているうちに慣れてくるでしょう。

しばらくは田園都市線の右側を沿っていきます。
途中から左右が入れ替わったりしますが、今回のルートは基本的に最後の
三宅坂までこの田園都市線をなぞる形で歩いていきます。

長津田付近に来ました。長津田から横浜方面へ別れた横浜線をくぐります。


青葉台あたりから、だいぶ道の両側にビルやマンションが見えはじめてきます。

さて、前回は横浜市営地下鉄のセンター北駅から写真の手前側に246号線を
歩いて南町田へ戻ってきました。ここから先はまだ、一度も足を踏み入れた
ことのない道です。

しばらく歩いていると、看板が見えてきました。東京までは行きませんが
あと20km近くはあるようです。あと3時間。道のりは長い・・・・

また、歩いているとマクドナルドの面白い看板があったので、思わず
撮ってしまいました。写真ではわかりにくいですが、彼はただ棒に
つかまっているだけではなくて、左手に持っている旗をゆっくりと
振っていました。なにかけなげに頑張っている感じが良いです。

梶ヶ谷付近で田園都市線の下をくぐります。ここで行程の半分位でしょう。
写真右側が渋谷方面で、すこし行ったところに梶ヶ谷駅があります。



溝の口を通り越してようやく、二子玉川を渡る新二子橋に来ました。
この橋の右側には見ると二子玉川駅が遠くに見えます。
左側の川岸には野球ができるぐらいの広場があり、遊んでいる人たちが
見えました。いま寒い風が吹いていますが、もう少し春先になったら
きっと気持ちいいでしょう。



246号線をそのまま行けるのかと思いましたが、人が歩ける道は別れていき
二子玉川駅前の商店街に入りました。玉川高島屋SC(ショッピングセンター)
です。しばらく行くとまた246号線と合流しました。
ここからは別名玉川通りと呼ばれる道ですが、地下を走る用賀駅や
桜新町駅のあたりは商店街が続いています。


渋谷までは首都高速3号線がしばらく246号線の真ん中を高架で続いています。
三軒茶屋あたりまでは道路沿いには、チェーン店ではないラーメン屋や
中華料理店、カフェなどが結構軒を連ねています。首都高速なので、そういう
店があるのは意外でした。有料の駐車場の場所さえ知っていれば、車でも
便利だし、バス停もあり、また駅の出入り口が店と店の間にあるので
結構交通のアクセスは良い感じです。歩いている人も結構いました。

渋谷駅に到着しました。よくテレビで映されるスクランブル交差点です。
相変わらずここの信号待ちの人ははまるで満員電車のように多いです。

さて、信号待ちをしているとなにやら信号の向こう側に人ごみに埋もれた
緑色の物体があります。気になったので行ってみることにしました。




このときは記憶が曖昧で、確か「アオガエル」と呼ばれた電車だったと
思いましたが、あとでwebで確認したら渋谷~桜木町間を16年走っていた初代の
東急電鉄「5000系」だそうです。現在走っている5000系は2代目ということで
1954年当初から見たら、2代目もだいぶ長い歴史があるわけです。
中には渋谷周辺の歴史をパネルにしていくつか展示していますが、実は
あまりそちらに関心がなくて覚えていません(笑)
去年の10月からモニュメントとして設置したようです。
ハチ公前に置かれているので、まわりは待ち合わせの人でいっぱいです。
なかには電車とおなじように座席があるので、今でいうところの優先席で
少し座って休んでいきました。場所が場所だけにこの車体がここに
あるのはかなりインパクトがありました。


アオガエルを後にして、三宅坂までのラストスパートをかけます。
渋谷からはあと5kmくらいあります。ここからは名前が青山通りに変わります。
ひたすら真っ直ぐに歩いていきます。途中から赤坂御用地の石垣が左側に
沿っていきます。なんとなく石の壁に沿って歩く感じです。
だいぶこの辺まで来ると、足ももつれてきました。しかし、マメとか部分的に
痛めたところはないようで、歩く分には問題ないようです。




15時をまわって、念願のゴールである三宅坂に到着しました!
33kmを5時間45分で歩いた計算なので、いいペースだったと思います。
振り返ると最高裁判所で、お堀の向こうは皇居です。ここからは周りを
囲む森しか見えません。こうして見ると結構皇居全体は規模が大きいです。
皇居のまわりはちょうどよいジョギングコースになっているようで、
近くの大学生とおぼしき人たちが、結構走っています。
この皇居のまわりを1周したことはありませんが、けっこうな距離になる
とは思います。今の私の体力では歩くことはできても、走ればたちまち
息切れしてしまうことでしょう。疲れたら皇居内には一般に公開されている
広場があるので、そこで休んでいくこともできるので最適な運動場にもなって
いるのです。ここから銀座まで頑張って歩こうかとも思いましたが、ここまでも
だいぶ無理している感じなので、ここからは近くの地下鉄から銀座に向かう
ことにしました。



有楽町線でいく用がないので、これが初めての乗車です。
webでは有事路線として作られており、戦車を運ぶために作られたなどの
噂がありますが、戦車を運ぶには幅が足りないとか、そもそも地上に運ぶ
のには面倒だから違うとか、いろいろと情報が交錯していますが、本当の
ところはわかりません。有楽町線で2駅先の銀座一丁目に降りました。
この駅に降りたのは、前に行った銀座インズ3に一番近いからです。


改札を出て、出口の階段を上ってすぐに銀座インズ3の入り口です。
前にきたスパゲッティー屋であるジャポネに向かいます。
が、しかし・・・・・・・なんと、定休日でした・・・・・・・・・
これは想定していませんでした・・・・写真の通り、椅子はきれいに
仕舞われて静かです。となりのマクドナルドで妥協しようかなと
思いましたが、せっかく歩いてここまで来たのに、それは嫌だったので、
今度は秋葉原の私のお気に入りのカレー屋に向かうことにしたのです。


有楽町線では乗り換えが面倒くさいので、日比谷線で行くことにしました。
地下の連絡通路を歩いていくのですが、ここは連絡通路の一番端っこで
日比谷線の乗り場までは結構歩かされます。5分くらい歩いてやっと
乗り場に到着し、秋葉原駅で降ります。
しかし、ここではさらにショックが私を襲いました。
写真とは反対側から歩いてきたのですが、カレー屋のある秋葉原デパートの
入り口周辺は白い板で覆われています。最初は改修工事でもしているのかな
と思ったのですが、トランジスタなどの電気部品を売っている店がひしめく
狭い通路を歩いて、反対側に出てみると嫌な予感は的中してしまいました・・・

今年の1月には閉店したと張り紙には書かれていました。
あとでこれもwebで確認したら、去年の大晦日午後4時をもって閉店となり
閉店間際のこのデパートには多くの人たちが通路を塞ぐほどに集まったようです。
4時半にはガラスの扉は閉められ、そして写真のとおりにシャッターも閉じて
しまいました。一時期足繁く通っていた1Fのカレー屋ロワイヤルのスイートコーン
チーズカレーの大盛りを食べていただけに、そしてひさしぶりにそれを食べようと
楽しみにしていただけに残念です・・・・。

値段も大盛でも600円で、ほどよい辛さ、そしてとけたチーズがたまらなかった・・
こんなことになるなら、写真に残しておけばよかったな・・・・

カレー屋は他にもあるけど、いろいろな店で食べ比べてみたけど、やはり
この店が一番でした。だから私は閉店間際に写真だけ撮ろうと詰め寄る野次馬とは
違います。カレー屋を通して、私はこのデパートが好きでした。
閉店する少し前から、いろいろと店が入れ替わった来たらしいけど、それでも
結構お客さんが活発に行き来しているので、こうなるとは正直思いもしませんでした。

私が今でもたまにこの街に来る楽しみはこのカレー屋でスイートコーンチーズカレー
を食べることにあります。このカレーを食べてすこし気持ちいい汗をかいたあとに
缶コーヒーを飲みながら、ゆっくりと中央通りを歩いていくのです。
そして、CDとかゲームとか、良さそうなものを無駄に買って帰ったものでした。

このカレー屋に限らず、秋葉原全体で特に中央通りからすこし入ったところに
あるパソコンパーツとかも入れ替わったり、雑貨屋もなくなったりと変化が激しい
ことは知っています。極端な話、1ヶ月も来ないと知らない店ができているような
街ですが、それでもこのカレー屋を含めたアキハバラデパートが閉店するとは
思ってみませんでした。私にとってはそれだけアキハバラでのシンボリックな
ところでした。あのデパートの風景は、自分の頭の中に残っているものと
石田衣良の「アキハバラ@DEEP」の中でしか、見ることはできなくなりました。

少し前には交通博物館が70年の歴史に幕を閉じましたが、小さいころに一度連れて
いってもらった懐かしさから、近年も何度行き、昔に比べたらお客さんも減っている
ようで、そろそろかなと思った矢先だったのでそれほどショックではありませんでした。
それでも思い出がある場所だけにショックがないといえばありますが・・・・

その次に長い55年でしばらく来ていない間に閉店しまったのは、ショックでした。
これでおそらくよほど用がない限りはここには来ることはないと思います。

せっかく来た街だし、このまま帰るのも嫌だったので、中央通り沿いの店をまわって
何かよいCDでも、エロ本でも探してみましたが、見つかりませんでした。

エロ本の品揃えはよくなかったけど、実はあのデパートには唯一の書店がありました。
「秋葉原ブックセンター」です。この店で「アキハバラ@DEEP」に出会ったのです。
その唯一の本屋がない現在、あとは少しはなれたところにある「書泉」しかありません。
その書泉の入り口でふと振り返ると、ヨドバシカメラが見えました。
冬バージョンの雪の結晶が大きく点灯していました。この瞬間、大げさにいえば
なにかアキハバラのひとつの時代が入れ替わった感じを受けました。

あのアキハバラデパートは今後、どうなるのかは今これを書いている時点は
知りません。願わくばまた復活してほしいものですが、この時代ではそれも困難でしょう。


あともうひとつ、消えていくものがあります。
現在走っている旧式の中央線です。あのすべてオレンジ色の車体は新しい車両に
順次入れ替わっていく予定です。新しい車両はデザインも一新し、故障時に強い
今までにになかった機器の冗長化など、いろいろと画期的な面が取り入れられている
そうですが、デザインについては好きではありません。もう少しどうにかならなかった
かなという印象です。いまのオレンジ色の車体も老朽化などでいつ新車両になっても
おかしくなかったのですが、いざその時が来るとなると、小さいころから見慣れている
車両だけに寂しいものを感じます。

写真は銀座線の神田駅に戻る途中の横断歩道から、走っていく中央線を撮りました。
すっかり暗くなってしまったので、説明がないと何の電車かわかりませんね(笑)

今回歩いたことで、2つの発見がありました。
ひとつは渋谷駅の「アオガエル」、そしてアキハバラの「アキハバラデパート閉店」。
ひとつは時代を回顧して、そしてもうひとつは時代から消失していくものです。

2007年2月25日日曜日

つくもノヲ”X="1≠ 086


























「雲のむこう、約束の場所」

新海 誠 監督の長編アニメ第1作であり、処女作「ほしのこえ」
については森川嘉一郎著 「趣都の誕生 萌える都市アキハバラ」
で取り上げられています。その著書によれば、監督から、脚本に至るまで
すべてひとりで商業アニメと変わらないクオリティーを完成させたと
なっていますが、正確には音楽関係については他の方も担当しています。

「ほしのこえ」については、webで流されている予告編しか見ていませんが、
それは森川氏が述べている通り、やはり少人数であれだけのクオリティーを
完成させたのは、やはり驚くしかないでしょう。素人目の私からすれば
商業アニメとしても、十分通用するのではないかと思います。

最近夜勤が多い今日この頃ですが、仕事もせずにネットサーフィンを
していると、yahooでは同監督の最新作として「秒速5センチメートル」
という全3話の短編アニメーションを3月上旬に渋谷シネマライズにて
先行公開されると告知されています。yahooでは第1話の無料公開について
はすでに終了してしまいましたが、webの情報では離れ離れになった恋人に
電車に乗って、はるばる栃木まで会いにやって来るという展開で、電車内での
主人公はその描写だけがあるようで、特にストーリー性についてはいい評判
はないようです。といっても他人の評価なので、自分が見るまではなんとも
言えません。でもこれからお話しする「雲のむこう、約束の場所」についても
DVDをレンタルして観る前に予告編を見て、その独特の映像表現、その美しさ
については期待を裏切らなかったので、最新作についても同様の期待を持って
いいのではと思っています。予告編では地元の小田急線が新宿方面に走り去る
部分が再現されているので、その親近感もあるのかもしれません。
現実からアニメに切り取る試みとして、一切SFやファンタジーの要素はなく、
日常風景をそのまま再現しています。この表現方法はやはり、スタジオジブリの
「耳をすませば」の京王線 聖蹟桜ヶ丘駅とその周辺をモデルにして描写して
いる部分に通じているなと思います。だから「第2の宮崎 駿」と評価されて
いるのかもしれません。

さて、またしても前置きが長くなってしまいましたが
新海 誠監督についてはこんな感じです。

今回紹介したい「雲の~」ですが、その独特のストーリーもそうですが
写真のような絵のような、とにかく今までに観てきたアニメになかった描写が
気に入りました。幾多のシーンでこの話の象徴的な建造物である天に聳える
白い塔が出てきますが、そのシーンはこのようにスクリーンショットに
してしまったぐらいです。大げさに言えば、これを印刷して額縁に収めて
飾ってもいいのではと思います。そうしてもなお、見て飽きないし、
この記事を書いている時点でも頭の中にその印象は強くアニメではなくて、
絵として残っています。これまでもいろんなアニメをレンタルしては観て
来ましたが、大体が1回観たらそれで満足してしまうのですが、この作品
については3回観ました。1回目は通して観て、2回目と3回目は印象的なシーンを
中心に早送りしたり、巻戻したりしながら観ました。

そんなわけで、この作品はただ観るというのではなくて、表現はおかしいですが
まるで「愛撫するように」観る感じに似ています。

おそらく1回観ただけでは満足できないし、特にエンディングとともに流される
テーマを聴いてもすぐには「そういうことか」と気づくことは難しいのではと
思います。私はwebで個人の関連ブログを見て、エンディングの意味がようやく
わかりましたが、その意味もやはりその他人の捕らえ方だと思っているので、
それは一つの捕らえ方として、いろんな捕らえ方ができるのではと感じています。

流されるエンディングは一つですが、見方によっては異なったエンディングと
なるので、何度でも楽しんで見ることができる作品です。

私としては、エンディング付近のシーンがかなり好きです。

これだけ長いこと書きましたが、一言で言えば「騙されたと思って観て欲しい」
ということです。(なんか、ここまで来ると、キャッチセールスみたいですね)

同人誌に書かれているキャラクターがそのままアニメとして出ている感じなので、
人によってはそういうところが嫌いとかあるのかもしれませんが、それを抜きに
しても観て欲しい作品です。