2008年6月26日木曜日

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長津田駅で朝、信号機トラブルが発生した影響で
全列車各駅停車の運行となってしまった。

有楽町へ行くのに、これでは偉く時間がかかってしまう。
小田急線で新宿へ出ることにした。
中央林間10:23発の快速急行新宿行きは、11時01分に新宿到着。
ならば、VSEが検査で代走する予定になっているMSEを撮影しよう。






新宿到着。ロマンスカーホームには「スーパーはこね17号」として
青いロマンスカーMSEが発車を待っていた。
小田急電鉄のサイトにも公式で代走情報が出ているが、7月上旬まで
新宿発着のMSEを4回~6回拝むことができる。

次は「はこね31号」として14:40に出発する。
それまで時間が少し空いてしまうので、特急券を購入してから
このまま有楽町まで行って、例の店でインディアンを食べに行く。
新宿から丸ノ内線に乗っていくが、いつもの赤坂見附では
永田町まで5分ほど歩くことになる。
ふと路線図を見てみると、手前の四ツ谷では南北線と接続しており、
南北線は永田町で有楽町線に接続している。

試してみた。乗換時間はほとんど変わらない・・・。

インディアンはいつでも私を満足させてくれる。
いつもの店で食べるだけで幸せになれる魔法のスパゲッティー。
あるいは中毒性の強い「麻薬」と呼ぶべきか。
なかなか止められずもう1年半も店に通っている。

それでも1時間以上時間がある。永田町で南北線から降りたときに
考えたのは、日吉に行くことだった。
南北線は東急目黒線へ直通運転しているが、今月22日に武蔵小杉から
日吉まで延伸して開業したばかり。
ついでなので、行ってみることにした。
所要時間も永田町から急行なら30分程。行って撮影してすぐに
戻ってくれば丁度良い時間だろう。

田園調布からは東横線と併走区間になるので、タイミングが合えば
東横線との併走バトルみたいになりで、個人的に好きな区間だ。
もっとも東横線の方が速いけれど。



日吉に到着。
線路はそこで終わっているわけではなく、少し先まである。
折り返し線になっており、ポイントを使って今度は目黒行きとして
目黒方面のホームへと入線する。運行はこの繰り返しとなっている。
東横線の特急は通過してしまう駅だが、急行は止まる。
通勤でいつも使っている小田急とは速達性のレベルが違いすぎる。
急行もそれなりに速くて快適だが、特急はもっと速い。
日吉の少し先の菊名から乗ったとしても数駅であっという間に渋谷。
小田急ユーザからしたら惚れ惚れしてしまう。
しかし速い電車故に、朝夕ラッシュはすごいことだろう。

また日吉からは横浜市営地下鉄のグリーンラインもすでに開業して
横浜線の中山までを結ぶようになって、田園都市線と東横線との
乗換がより便利になっている。



今度は東横線で渋谷へとんぼ返り。急行だがものの20分ほどで渋谷。
速い。本当に羨ましい。
お陰で山手線で新宿に出ても、10分程の余裕があった。


ロマンスカーホームにはすでに「はこね31号」としてMSEが発車を待つ。
ビールとつまみのチップスターを携えて、自分の席に落ち着いた。
小田原までの1時間ちょっと。
開成あじさいまつりの開成臨時停車では、果たせなかった新宿からの
乗車リベンジを果たすことができた。

次回は横浜市営地下鉄のグリーンラインでも乗りにいってみようか。

2008年6月21日土曜日

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ウォーキングと西武線とTJライナーで行く日帰りの旅。
体力づくりと鉄道を存分楽しめるという強行軍コース。


まずはウォーキング。
自称散策アスリートが考えた今回のウォーキングコース。
国道16号線をひたすら、相模大野駅から八王子を通り、
拝島駅まで歩きとおしてみることにした。
地図によれば25km。所要時間は5時間。

八王子駅までは相模大野から往復して、町田まで歩いた経験がある。
問題は八王子から先、拝島までの間。体力を考えて歩いている間に
八王子駅前で一旦、休憩を入れることにした。
休憩を入れずに無理して歩いても、ペースが落ちるだけというのも
今まで何度か自分の体力で相談してきたことだ。

天気予報では夜に雨らしい。せめてウォーキングの間は天気が機嫌を
損ねることないようにと祈りながら、国道16号線を歩いていく。
見上げても雲が多くて、まれにちょっと青空が覗く程度。
そのうち雲ばかりになったかと思うと、少しの間だが日焼けする程の
強い日差しが差してきた。

それが続いたら、体力があまり持たないなと心配したが
幸いにもその日差しは雲の向こうに陰を潜めてくれた。
風も少し吹いてきたので、ゆっくりと歩くと気持ちいい。



八王子駅前のファースト・キッチンで昼飯とともにしばし休憩。
乾いた喉に氷なしのメロンソーダが旨い。








体力をだいぶ回復したところで、再び歩き始める。
ここからもうすぐかと思ったが、昭島駅までは結構長い。
タオルで流れてくる汗を拭きながら、ゆっくりゆっくりと歩く。
そしてようやく昭島駅そばの交差点に差し掛かる。
そのまままっすぐ行くと中央線の踏切を渡ることになる。






昭島駅までくれば、ゴールは近い。
単線の八高線が跨ぎながら中央線と合流するのが見えたら、目の前。
相模大野から6時間15分。ゴールの拝島駅は昭島駅よりもきれいだ。




次の目的であるTJライナーを乗りに行く。もたもたしてる時間はない。
西武線で拝島から西武池袋へ行くためには、途中の小平で本川越方面に
乗り換え、さらに所沢で西武池袋線に乗り換えて、終点池袋に向かう。
所沢で乗り換えると、ちょうど特急が待っていた。池袋までノンストップ。
池袋まで350円。快適に駅を通過していく。所沢から約30分ほどで池袋。




TJライナーが発車する東武東上線の池袋駅までは少し歩かされる。
次に来るのはTJライナー3号。20:00発の森林公園行きである。
案内に聞いたところ、発着ホームそばの券売機では発車の30分前から
着席整理券(300円)を販売するとのことで、他のホームから発着する
急行電車などを見ながら、券売機のそばで待つこと10分程。
係りの人の操作で発券可能になり、さっそく購入。
TJライナーのロゴが印刷された細長い紙が出てきた。



乗り場である5番線ホームは南口改札から向かって左端のホームだが
ここにTJライナーが発着する。専用ではなく、隣の4番線と同じ線路を
使っているので、他の電車も発着していく。
発車の20分前までには閉ざされた蛇腹の門には乗る人の列が並んだ。
2列で並ぶようにアナウンスがあり、待っていると15分前には門が
開かれた。狭いホームには各々乗車口に並んでいく。
隣の4番線やさらに奥の3番線に止まっている電車、車内や待っている
人の混雑を見れば、TJライナーで快適に帰りたくなってくる。
このTJライナーはもうご存知の通り、着席定員制である。
次の停車駅のふじみ野まで有効であり、ふじみ野以降は整理券が
無くても乗車可能。
ただし、池袋始発からの利用者で席が埋まってしまうので、
座って帰ることはほぼ不可能。座れれば運がいいだろう。

「指定席」ではなく、「定員制」なので、ふじみ野までの着席が
保証されるとはいえ、自分の好きな席に座りたい場合は早く並んで
おく必要がある。




そうして発車10分前。ゆっくりとTJライナーが入線してきたが・・・
ここで人身事故発生のため、一時運転見合わせのアナウンスが流れ
ホームに止まり、車内清掃が一通り終わり、さあドアが開いてのはずが
一向にドアが開かない・・・・

大山と中板橋の間で、人身事故が発生したため運転見合わせを繰り返す。
まだ開かないドアを目の前にして、アナウンスは流れる。

負傷者の救助中、警察との現場検証中、運転再開の方向とのこと・・・

警察との現場検証が終わり、運行再開に向けて安全確認中・・・

発車時刻の20:00を過ぎて14分。
まだ安全確認は完全に終わっておらず、事故にあった列車は発車した
状況でようやくドアが開かれた。さっそく狙っていた窓側の席へ。




だが席に座って、窓からホームを眺めても発車する気配はない。
そのままさらに待つこと20分程。
ドアが開かない隣の4番線ホーム、いつやって来るか分からず、
蒸し暑い中でずっと立って待たされることにイライラしている表情が
見て分かる。
鞄を上にしてしゃがみこんでしまった高校生と思しき女の子。
顔には眉間に皺が寄って、しかめっ面。

待っている彼らには気の毒だが、妙な優越感に浸れるひとときだった。
なかには気まずいのか、TJライナーに乗っている人のほとんどは
寝た振りを決め、早く発車するのを待っている風にも見えたが(笑)

車内アナウンスでようやく安全確認が完了、順次運行再開とのこと。

乗客の混乱と発車した電車が途中で停止してしまうことがないよう
スムーズに運行するために、順に発着させるところは素晴らしかった。
小田急とは違って、アナウンスにも誠意がこもっている。
「ご迷惑をお掛けして申し訳ありません」と何度もお詫びを入れていたが、
それが聞いているこちらも義務的でなく、本当に迷惑をかけてしまった
という気持ちが伝わってくるのだ。

ロマンスカーばかりに力を入れていないで、こういうところも
見習って欲しいと時折、小田急に想う。

本来ならすでにTJライナーが先に発車しているところだが、
円滑な運行のために先に2番線に停車していた急行 森林公園行きが発車。
次に3番線に入線してきた各駅停車が発車。
次にようやくTJライナーが発車することになった。



こうして定刻から45分を過ぎて、ようやく池袋を発車したTJライナー3号は
前を走る各駅停車で徐行したり、途中の成増で上り電車の入線待ちで
一旦停止することはあったが、後は順調に飛ばしていった。

駅を通過するたび、ホームで待つ人々の視線はやはりこちらに向いている。
だるそうに座っている高校生と思しき男性諸君もこちらを見ている。
ただ青いロマンスカーMSEほど強くはないが、優越感は少しあった。

3号はふじみ野、川越、川越市、坂戸、東松山と停まっていったが
途中でどっと降りるのかと思っていたが、ぽつぽつ降りることはあっても
ほとんどが終点の森林公園まで乗っていた。
ダイヤ通りなら、池袋から50分足らずで森林公園に到着するが
人身事故の影響で1時間10分程で到着したが、20分ほどのオーバーで
収めている。東武の迅速な運行対応に私にとっては高く評価したい。

こうして森林公園までの1時間ちょっとの乗車を堪能した。
乗ってみないとこの感じは分からないだろうが、
ロングシートが着席保証のクロスシートになっただけでもこれほど快適度が
違ってくるんだということに驚いた。
通勤帰りの疲れた身体にはたまにはちょっと贅沢して帰ろうという心情には
かなり応えているだろう。




ロングシートに変わり、それに乗って帰ろうかと期待していただけに
ダイヤ乱れの影響で回送となってしまったのはちょっと残念。
TJライナー3号として池袋に入線してきた時は、快速池袋行きとして
すでにクロスシートとなっていたので、どうやら次にTJライナーとして池袋に
向かう50090系の運行時刻を知っておけば、着席整理券なしで池袋までの乗車を
楽しめるようだ。

さて問題は帰りである。ダイヤ通りなら20:47に到着しているはずの森林公園。
人身事故の影響で、時計は22時少し前。
この時点で、終電に間に合うか?ハラハラドキドキの旅になるとは思わず。

ひとまず次にやってきた急行 池袋ゆきに乗り込む。すぐに扉が閉まり発車。

ここまで乗ってきたTJライナーも普段どおりなら、1時間足らずで到着する
ことを考えたら、それよりもいくつか停車駅が多いこの急行では池袋まで
1時間はかかると見込まないといけない。

普段使うことの無い、携帯の乗換案内で調べてみる。

乗っている急行が終点の池袋に到着するのは23時くらい。
そして池袋から新宿に出て、終電の小田急線に乗るためには、
池袋を23:20に発車する新宿方面の山手線に乗らなくてはならない。

ダイヤ通りなら、今乗っている急行を逃しても次の急行に乗ればなんとか
間に合う計算だが、今回は人身事故の影響でダイヤが乱れている。
先ほど乗ったTJライナーでは、車内アナウンスで全線運転再開と告げていたが、
どこかで列車が詰まって止まるとも限らない。また人身事故が発生とも限らない。
急行電車が駅に止まる度に、ドキドキすることになった。

その気持ちに最大限に応えるかのように、急行電車は通路を歩いていれば
まっすぐに歩けないくらいに左右に車体を揺らしながら、猛スピードで走る。
だんだんと池袋に近づいていく。
乗換案内で調べているとき、もうひとつのルート、和光市乗換の副都心線が
あったが、開業当初からのダイヤ乱れを経験している事を考えると
終電に間に合う無くなるリスクは極めて高い。
新宿三丁目から新宿まで、かなり歩かされるのでなお更だ。

和光市を発車して、成増に止まれば後は終点池袋まで止まらない。
成増で22:50過ぎ。これなら池袋には23時前後に到着できそうだ。

爆走中の車内を乗換に備えて、先頭車両まで移動する。
少しでも乗換時間を短縮するに越したことはない。
小田急線に乗り込むまでは油断は禁物である。

北池袋を過ぎて、一旦信号停止。また人身事故?と一瞬ドキリとしたが、
折り返しの電車の発車待ちのためだった。
すれ違いの電車が走り去るとゆっくりと池袋へ入線。
なんとか23時ちょっと過ぎ、無事に到着。

ここでタイムリミットは10分程。

駆け足で改札を抜けて、新宿方面の山手線に急ぐ。
なんとかやって来た新宿方面に乗り込む。これなら余裕で間に合いそうだ。

新宿には23:15過ぎ。行き慣れている中央口から小田急線の改札へ急ぐ。
本厚木行きのロマンスカー、ホームウェイ23号に乗れれば、
乗り過ごすことなく快適に帰ることができるが、予想通り満席だった。
仕方なく、快速急行相模大野行きに乗り込む。でも座ってはいけない。
乗り過ごしたら、戻りの電車はないからだ。

今回のダイヤ乱れにより、池袋で聞いた業務連絡では3号以降のTJライナーは
運行取りやめになったようだ。なかなか開かないドアを目の前にして
ホームで待っている間、乗るのは止めにしようかともふと考えたが
諦めなくて良かった。ただ人身事故発生のタイミングがもう少し早くても
遅くても終電に間に合わなかったことを考えると、恐怖の東武東上線の旅(笑)

2008年6月20日金曜日

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副都心線、新宿三丁目駅にも壁アートと吹きぬけを見つけた。
前回も訪れたが、見ているつもりでよく見てなかったようだ。

2008年6月18日水曜日

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田園都市線にやってきた紫帯の7000系。
ふと見上げると、有楽町新線だった頃の路線図。


秋葉原の例の殺人事件の新聞記事では、献花台に手を合わせる高校生と
思しき数人の写真とともに、事件を傍観し「記念撮影」に勤しむ人たちの
行動に疑問を投げかけている。

記事では、秋葉原(記事で「アキバ」と書いているのは、「オタク」と
同義のつもりだろう)という劇場で起きたこと、アキバがアニメに
代表されるような虚構の世界が身近にあったことが事件が起きた、
路上で血を流して倒れている人が目の前にいることを「珍しいイベント」と
認識してしまっているとした上で、自分に危険が及ばない限り、
関係ないことだという気持ちの表れだと分析している。

この点は前のニッキでも書いたことだが、自分のケツに火が点かない限り
行動することができないのが人間なのは、最近に始まったことではない。
人間そのものはいつの時代も変わっていないと考えている。
日本人に限定するなら、ちょんまげの代わりにネクタイとなり、
裃の代わりに背広を着て、草履の変わりに革靴で闊歩しているに過ぎない。
自分本位、強引に言ってしまえば自分勝手な性悪説はいつの時代も
変わっていないと強く思っている。
データを取っているわけではないからその根拠はない。
あえて言えば、自身がそういう人間だと自覚しているからだ。

だからテレビのニュースでこの事件を知ったとき、そんなイベントが
起きたのかという感覚だった。
自分には関係ないイベントで、現場にいなくてよかったなという気持ち。
遺族感情(という言葉も嫌いだが)の点から、こういう内容をニッキに
書くべきではないが、「遺族感情」という言葉には「(自分には関係ないが)
お悔やみ申し上げます」と相手に距離を置いている感じがして好きではない。
受験でいい点数が取れなくて、必死になっている人に「がんばれ」と
追い討ちをかけている行為と同じだと思うのだ。

そういう見方をしているので、事件発生で必ず登場する心理学専門の
大学教授などが「こうすれば事件は防げた」と主張しているのが、すごく嫌いだ。
自分と自分の家族に危害が及ばない限りは、口では何とでも言えるよと言いたい。
ならば意見ばかりしてないで、腕をまくって行動に移せよとも言いたくなる。
だから将来間違っても評論家とか、専門家を名乗るような者にはなりたくはない。

だがそれでも血の流れた現場に、献花台に携帯やデジカメのカメラ、報道カメラを
向けて撮影する人たちの気持ちが私にもわからない。
私も正直気になっていたので、現場には訪れたが、献花台の白いテントが
見えてきても、目の前の通りすぎて大量の花束、ペットボトルが置いてあるのを
見ても、興味本位で撮影しようなどとは微塵も思わなかった。

私が現場の被害者となったら、報道カメラや向けてくる携帯やデジカメのレンズに
睨みながらこう思う。「ほっといてくれ!」。

実は自分自身も宗教勧誘にしつこく付きまとわれた経験がある。
幸い殺されることはなかったが、とにかく逃げようと横浜線のホームまで来たが
電車を待っているそのホームまでにもやって来て、逃げようとする私を
一切放そうとしなかった。
その体勢でどうにか近くのキヨスクまで通報してくれるように乞うたが、
店員のお姉さんは困り顔するばかりで動こうとしなかった。
(実際私が店員でも同じだったと思う)

これも幸いにも異常を察知してくれたのか、鉄道警察隊と思しき人が
駆けつけたが、それでも待っている電車に乗り込み、ドアが閉まるまで私から
手を離そうとはしなかった。あのときは本当に怖かった。ただ怖かった。
同じ電車の別のドアから乗ったのではないかとそればかりが頭の中を駆け巡り
用心のために次の駅で一旦降りて、様子を見てから次の電車で帰宅した。

今から思うと大したことではないように思えるが、
横浜線のホームで殺されたかもしれないと思うと、ぞっとすることがある。
今回の秋葉原事件ではそんな体験を思い出した。

そんな経験からも私を含めた人間は自分本位で自分に危険や不安がない
安息の地にいる限りは、梃子(テコ)でも動かない生物だと感じている。

逆に言えば、安息の地にいても行動できる人間を私は「カリスマ」と呼ぶ。
それができない人間がほとんどだから、そうした「カリスマ」に憧れる。
たいていは憧れるだけで何もしないのだが。

最後に少し脱線するが、人間は他人を最初から好きなようにできていない。
初対面の人の話の内容をいきなり受け入れる人はいない。
半信半疑どころか、「無心全疑」である。勝手に私が作った四字だが
最初は受け入れる心は無く、話す内容も疑って冗談であるという前提で聞く。

たとえば、同世代と会話していてその人の話に「うそ?」とか「本当?」
というように反応していないだろうか?
自分の興味があるところは話してくる内容が嘘であっても、そんな反応は
ほとんどしないだろう。

テレビのお笑いもかなり影響しているだろう。
交わされる会話は冗談が前提になっている。もし真剣な話をする場合は
「マジな話なんだが」と断りを入れないといけない。

自分の興味があること、ハマッていることを一方的に喋るのは苦でないが、
相手の話を聞き、間を見て話し出すことは意外に難しい。
ノリやツッコミで話さないといけないという暗黙の了解ができている。
これが私は今も受け付けない。
(そうすると、融通が利かない話しにくい奴と苦笑、敬遠されるようだ)
メール先進国の背景には、こうした手間やエネルギーから開放されたいという
希望の表れだと思っている。

私も某掲示板で特定のスレッドに書き込みをすることがあるが、
他人の書き込みを見て強く感じるのは、掲示板の携帯メール化である。
面と向かって話したくないが、パソコンの前で知りたい情報は教えてほしい。
だが書き込まれる情報を嘘であるという前提を持っている。
(しかし、書き込まれた情報を本気にしてしまうこともあるかもしれない。
掲示板ではこうした嘘の書き込みを「ネタ」と呼ばれ、このネタに引っ掛けようと
する行為を「釣り」と呼ばれている。各スレッドではどれだけ本当に思わせるか
高度な「ネタ」の「釣り」合戦が繰り広げられている。)

東京の知られていない地下に関するスレッドを覗いてみると、雑談系の板とは
性質が違って、あまり「釣り」は見られない。
その代わり「●●の地下通路が怪しい」というような書き込みがほとんどだが、
この書き込みの真意として、誰かフィールドワーク(実地調査)してくれて
スレッドに詳細を書き込んで欲しいという気持ちが隠されている。
できるなら画像付きで「詳細キボン」(詳細希望)。

パソコンの前に座って、楽に情報を知ることに全く違和感を持たない者が
増えてきたなという苛立ちも強く感じるこの頃だ。
だからって、私は何もしないのだが。ただ感じていることを書きたかっただけ。

「私の目に見える出来事はイベントであり、ブログのネタである」

2008年6月17日火曜日

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勤務の関係で、開業初日に行けなかった副都心線に乗ってきた。
某掲示板で話題になっていたように、遅延に次ぐ、遅延でもう
時刻表が全く当てにならない。
この状態では定時運転が実現するのは、もう少し先の話かもしれない。

池袋から各駅下車の旅で、渋谷まで乗ってみたが、オーバーランして
ホームドアとの位置がずれ、位置修正していた場面にも遭遇。
私が北参道に下りるころには和光市から直通運転を取りやめて、
池袋~渋谷の折り返し運転となってしまった。

お陰で乗車中の車内からはトンネルの壁をよく観察できた(笑)
つまり、前の列車が詰まって信号停止が頻発していたということだが。
通勤路線なら、ストレスを溜めて職場に向かうことになってしまう。

前置きが長くなった。
直通運転している、西武池袋線にも併せて乗ってみることにした。


まずは有楽町で例の店でインディアンを食べて、腹ごしらえ。
有楽町線でまずは西武池袋線直通の準急小手指行きに乗り込む。
それまでスムーズに走っていた電車が、池袋に近づくにつれて・・・
とうとう減速したかと思うと、前の列車待ちで停止してしまった。

それだけではなかった。行先もわからない。
乗ってきた電車である黄色い帯の7000系は練馬に到着。
準急小手指行きから、各停小手指行きへ。
発車間際で更に各停清瀬行きに変わり、おまけに向かいのホームに
止まっていた黄色い西武電車が引き継ぐように、準急飯能行きとして
先に発車してしまった。
もうこうなると、西武池袋線にとっては単なるお荷物列車である。

小手先を目指していた筈が、清瀬行きに変わってしまったので
清瀬で下車してみることにした。駅から少し離れた歩道橋から撮影。
特に他にすることがないので、そのまま池袋へ戻ることにした。
有楽町線の池袋行きで戻ると、また途中の信号停止で時間を食うので
一旦西武池袋線の池袋へ戻ってから有楽町線に乗り換えることにした。


まずは副都心線の池袋。有楽町線とは別にある新線池袋として使われていた
ホームをそのまま使っている。新しくなった路線図では、
同じ池袋とあっても停車するホームがそれぞれ離れているから要注意だ。
有楽町線、副都心線それぞれ乗り換えるなら、小竹向原となる。
(小竹向原から先は池袋方面へは線路が分かれるため、ホームは別になる)

椅子はアクリルを分厚くした様な板状のものを曲げた洒落たデザイン。
降りる駅によって、描かれている模様は異なっていた。
ただし、座り心地はあまり良くなかったが。






準急だったので、要町と千川は通過。実際には前の列車詰まりの影響で
通過駅なのに数分停車。もう準急の意味を成していない。
そしてようやく小竹向原に到着。






そのあとも何度か信号停止を食らい、ようやく和光市に着く。
乗ってきた電車も普通志木行きだったのが、副都心線のダイヤ乱れに
巻き込まれて和光市止まりとなり、回送となってしまう次第・・・。
予想以上にひどい。





さてここから先が今回のメイン路線。
だが目当ての渋谷行きがなかなかやって来ない。
向かいの池袋からやってくる電車は団子状態。すでに後に列車が待っていた。
和光市から池袋を通り、途中新宿三丁目をそして終点渋谷へと至る副都心線。
十数分待って、ようやくやってきた。
これほどまでに各駅停車が待ち遠しい経験は初めてだ。


【雑司が谷】




予想はしていたが、なかなかすんなりとは行かせてくれない。
何度かの信号停止。
お陰でどの列車に乗ってもトンネル観察し放題(笑)
ようやく雑司が谷に降りることができた。
それまで池袋から先も線路が続いているのは見えていたが、
開業でようやくそこから先を覗くことできるようになったのだ。




さて、雑司が谷駅から外へ出てみる。
都電荒川線の鬼子母神駅が目と鼻の先にある。
都電荒川線にも都電鬼子母神駅があるが、それはひとつ池袋方面へ
ずれたところにある。
ならば、雑司が谷駅ではなく鬼子母神駅で良いのでは?




少しその辺を歩いてみると、昔ながらの商店街を通って鬼子母神の社がある。
商店街と、鬼子母神、そして歩いている人たち、走り回る子供たち、
都電を待っている中学生の女の子の後姿。なぜかほっとする空気があった。
東京だが、都会にはない空気がそこにある。
鬼子母神の境内には、駄菓子屋の店がある。懐かしくてつい買ってしまった。
ココアシガレット。32円。


都電荒川線にもこんな橋があった。ちいさな発見。


【西早稲田】







高度経済成長の雰囲気がまだ少しある見るからに古い団地が大きく聳え立つ。
その足元には公園が設けられ、ベンチには思い思いに地元と思しき人たちが
午後の談話に講じている。そして住居下のコンビニという具合に昔ながらの
寝具屋、クリーニング屋、個人経営の喫茶店に見上げれば、
運動会にあったような旗を吊るした紐がいくつも渡されていた。




各駅には洒落たベンチの他に、改札の外に目を引くアートがある。
その中で、個人的に一番面白かったのはこの「地下鉄之図」と題された絵。
写真ではわかりにくいかもしれないが、車両が二階建てになっている。
1階のドアから乗り降りし、階段で2階に上がるようになっているようだ。
しかもよく見ると、車両によっては横に寝そべっているだけでなく
湯船がつくられて、湯に浸かっている人たちもいる。なんとも奇天烈だ。

それだけ当時、地下鉄が走り始める前は道路の地下に電車が走ることなど
なかなか信じられていなかったわけだ。
「地下鉄の父」こと、早川徳次の計り知れない苦労が偲ばれる絵でもある。


【東新宿】





駅から降りても、駅周辺で見るところがない。
住所は新宿七丁目。新宿七丁目ってこういうところかという印象。
ホームは方面で別になっている。池袋方面は一階下のホームに下りる構造。
そしてホームは狭い。
南北線にあるようなホームドアみたいな壁。この後を急行が通過する。
各停と線路の配線が逆の気がするが、どうなのだろうか?


この駅では某掲示板でも話題になっていたオーバーランに遭遇。
しばらくそのまま止まったまま、ようやくゆっくりとバックして位置修正。
これが何度も起きていれば、いやでもダイヤは乱れると納得。


【新宿三丁目】





少し歩けば新宿だけに乗降客は多く、にぎやかだ。
個人のブログで言及したとおり、丸ノ内線との乗り換えは楽だ。
階段を少し上ったところにすぐにホームがある。
赤坂見附、銀座方面への移動には便利だろう。個人的に。
副都心線ホームに戻って、入線してきた電車を撮ったが、
色の具合でちょっと見ただけだと、丸ノ内線に見えてしまう(笑)

【北参道】







ここも同じく見るところがない。少し歩いていけば明治神宮だが
それなら次の明治神宮前が近い。
外に出たときはすっかり薄暗くなっていた。なんか時間が飛んだような
不思議な気分になった。例えるなら「地下鉄に乗って」の冒頭、主人公が
地下鉄の連絡通路を歩いて、外に出たらタイムスリップしていたシーン。
(といっても原作か映画を見ないとわからないネタですまない)

【明治神宮前】








ものすごく進みの遅いすごろくをしている気分になってくる。
どんな風景に出くわすか、楽しみにしていた小旅行気分から、
電車の遅延がさらに拍車をかけてくる。
駅の風景、椅子、改札外のアート、駅名版、駅前の風景。
だんだんと事務的にこなすモチベーションになってきてしまった。

JR原宿駅とは目と鼻の先。千代田線にも乗り換えができる。
ただし、新宿三丁目よりは若干歩かされる。
もうこの時点で、帰りは青いロマンスカーMSEで帰ろうと考え始める。



ホームの真ん中あたりへ行き、天井を見上げていただこう。
今まで無かった吹き抜け空間が、ちょっとした開放感を与えてくれる。
できるなら2階部分から、このホームを見下ろしてみたいが、
どうやらその場所はないようだ。


【渋谷】

この副都心線各駅下車の旅の終点。
そこは近未来の駅だった。







イスのデザインからすでにSFの世界。
2012年にはここから先、横浜まで東急東横線へ直通運転が予定されており、
ホーム2面4線の真ん中2線の線路は、すでに引かれている。
ホームとホームの間には、線路を跨ぐ形で通路が設けられているが、
東急東横線との直通運転が開業すれば、この通路も無くなる。
だからいずれは向こうのホームに止まっている電車にこの通路を走って
駆け込む乗車することはできなくなる。




逆にいえば、こうした風景が撮れるのは今のうちである。
ホームの端まで行くと、トンネルの向こうからやってくる電車が見れる。
振り返ると、まるでトンネルウォークをしているようだ。




横浜方面の端に行くと、天井にはあの話題になっている吹きぬけ。
携帯やデジカメで見上げて撮影する者がちらほら。
一番上の階にはいけるが、真ん中の階はまだ閉鎖されている。
その真ん中の階へ続いていると思しき階段もまだ入れない。
上から覗くと今は通路しか見えないが、東急東横線が乗り入れた際には
列車が走る光景を見ることになる。通過同士のすれ違いはさぞ迫力がありそうだ。


吹き抜けにも驚いたが、この改札へと続くエスカレータもカッコイイ。
写真ではちょっと伝わらないのが残念だが、実際にご自分の目でご確認を。
特に改札からエスカレータを降りるときに、感じるはずだ。
個人的に近未来、SFを想像させるこのエスカレータにダフト・パンクの
「ワン・モア・タイム」聞きながら乗るといい感じかも。




こうして各駅を降りてみたが、従来よりもより人の目がいくところに
デザインが重要視されており、地下鉄だけれどそれをあまり意識させないような
工夫が見られる。
コンセプトは「おしゃれな地下鉄」かもしれない。


【おまけ】


環境面にも配慮ということで、自然換気を使用するところも特筆すべきところ。
改札を出て、15番出口(東京メトロの渋谷駅構内案内図を参照してください)
には地上へ出るエレベータと隣には階段がある。
この階段、ちょっと昇ればすぐに地上に出るのかと思いきや、けっこう長い。
それこそどこまで続いているんだと突っ込みたくなり、長い長い螺旋階段を
昇っているような気分になってくる。エレベータを使わないと確実にくたばる(笑)

そのそばの天井を見上げると、地上の建物がちらっと覗けた。
まだ工事中のようだが、ここから自然換気するのだろう。


駅だけでなく、雑司が谷の都電荒川線のような小さな発見もあった。
それにたった数駅とはいえ、それぞれ降りて歩き回ってまた次の駅への
繰り返しだったので、さすがに歩き疲れた。いい運動にもなった。
これで遅延さえしていなければ、すこしは違ったかもしれないが・・。

運動不足と散歩を同時にしたいと思っている貴殿、出かけてみてはいかが?


あまりにも疲れたので、副都心線で明治神宮前に戻り
千代田線で大手町から青いロマンスカーに乗ったのは余談(笑)