2010年8月14日土曜日

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銚子電鉄が伊予電鉄から譲渡された新しい車両で運行予定と
ホームページで予告していたが、納車されてからは予定通りの
運行とはいかず、ようやく7月より運行し始めた様である。

新しい車両を見に行く為に、ふと銚子へ行って見ることにした。
出発する時間が昼過ぎと遅かった為、これはどこかで泊まる必要がありそうだ。


久しぶりの美容院で伸びてきた髪をサッパリと切ってもらうと
気持ちも入れ替わったように思える。
まずは有楽町のいつもの店で昼ごはん。そのまま京浜東北線で王子へ。
何となく都電荒川線に乗っている時に今回の銚子への旅をしようと
思いついたのだった。

町屋電停で下車。ここから成田まで京成線で一気に向かう。
そのまま乗り継げば今日中に銚子に着けるが、夜遅くなる。
適当に宿を探していたが、銚子へ向かう途中の佐原に一軒見付けた。


成田へ向かう途中で窓の外は徐々に暗くなり、成田に着く頃には
夕日として今日一日の終わりを告げようとしていた。

成田からJR成田線に乗り替え。佐原に着く頃にはすっかり夜。
駅舎の改良工事中の様で仮囲いで殺風景な改札を出る。
ほとんどの下車客は家路に急ぐ人たちだろう。
私のようにわざわざ泊まりに来る客はきっと他にはいないだろう。

地図で場所を確認していたが、道のイメージが違っていたので
再度、iPhoneのマップを使いながら宿に向かう。
途中の小川を渡って、住宅街の細道のような入口を進んで行くと
目的のホテルが見えてくる。外観から昔ながらのホテルである。


ただし、この昭和に建設されたタイプにしては優良物件だった。
6000円を切るのに、大浴場あり。レストランは22時まで営業しており
バナナやお菓子が無料サービスである。防犯上の理由で門限が
夜中の1時までや、自分の部屋のトイレの電球が切れていた点と
駅から少々歩く事に目を瞑れば、当たりの宿だった。

寝る前にアルコールを摂取したせいか、朝は7時前に目が覚めた。
寝起きすぐは胃腸のエンジンが動かない質なので、寝癖を直しながら
髭を剃りながら、テレビで今日の天気を確認しながらぼーっとする。

エンジンが少し動き始めた様なので、下のレストランに向かう。
お盆休みとあって、ほとんどの宿泊客は家族連れで賑やかである。
シーズンオフなら暇にしていそうな従業員のおじさんやおばさん方も
この時期はキッチンで喋っている暇は無く、忙しそうである。

最近のホテルではバイキング方式が多くなってきているが、
個人的には苦手意識がある。好きな物を食べたい分選べるのは良いが
朝食が始まったばかりの時間帯では混み合っているためにゆっくりと
落ち着いて選べないからだ。終了間際ならもちろん、ゆっくりと
選べるが、出発する時間が限られてしまう盲点がある。

その点、今回のホテルではすでにお盆に用意されている。
恐らく、小さい頃に家族とともに毎年夏の旅行で連れていって貰った
熱海の保養所が今回と同じ形式で朝食が出されていたのが当然、
という様に思っていたのが影響しているのかもしれない。

希望すれば、少量ながらもカレーが無料で付いてくる。
どうやらこのホテルでは未だに「朝カレー」が流行りの様だ。



10:10発の銚子行きに乗る。
朝早く目が覚めた為か、普段は食べない量の朝食を食べたせいか、
列車に揺られているうちに次第に眠くなってくる。

佐原から1時間弱で銚子に到着する。
降りたホームは前回とは違って、銚子電鉄と共用しているホームの
隣のホームだった為、一旦跨線橋の階段を上る必要がある。











まだ目的の列車はやってこない。風車を模した駅舎の周りには
私と同じ列車で降りてきた観光客達が今か今かと待っている。
奥の踏切の鳴る音が聞こえて、緑一色に塗られた2両編成がゆっくりと
ホームに入線してきた。ドアが開いてあっという間に席が埋まる。
だが雰囲気からして、そのほとんどは私と同じ様に観光目的だろう。
本当の利用者と思われる人はあまり多くは無さそうだ。










新車を走らせる余裕が出てきた様であるが、予断は許さないだろう。
まだこちらでは新車故か、以前の車両と比べるとあまり揺れもなく
乗り心地はいい様である。
次の仲ノ町で下車。車庫に留置されている車両達が気になったのだ。
駅で硬券の入場券を購入すれば、車庫を見学できる。
前回は駅や車内からの撮影で終わってしまったが、また違ったアングルで
撮影する事ができるのだ。仲ノ町はよく見渡せば、鶴見線の扇町の様に
工場の頭上を横切るパイプや背景にタンクや煙突が建っている。
異なるのはこちらが醤油製造の工場という点。ぬれ煎餅がその工場と
電鉄を通して間接的に触れ合っている。人間臭いのである。



どこかで昼ご飯を食べて帰る事にしよう。
無難に犬吠で下車。お土産店を兼ねた駅舎の中にあった観光マップに
終点外川のそばに良さそうな店があるようだ。

外川からすぐの踏切そばにその店はあった。
ここもお盆休みとあって、家族連れで賑わっている。

結論からするとこの店で注文したものは失敗だった。
メニューから美味しいそうな想像をした「ホタテの生姜焼」。
鉄板で出されたのはホタテの身を炒めたらしいものに、野菜炒め、
ご飯に味噌汁という具合である。アイスコーヒーも少なめであった。
そして店員のおばちゃん達はかなり愛想が良い。失敗であった。


最後は白い色の2両編成に乗って犬吠埼を後にする。
銚子で乗り換えた千葉行きの列車で少しまどろんで・・・

2010年8月7日土曜日

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連日天候に恵まれ、夏らしい強い日差しを見ていると
どこかに出かけずにはいられない。

小田急ユーザーとして、鉄道オタクとして見逃せないイベント列車が
今年も走っている。それが「メトロ湘南マリン号」である。
毎年恒例かと思っていたが、この北千住方面直通の設定は今年が
初めてということなので、是非とも乗りに行かねばならない。

しかもロマンスカーといえども、江ノ島線の大和を通過するという
意味でも大変珍しい運用でもあり、折角の機会を逃す手はない。
本当は北千住発に乗るつもりで、早起きするつもりが二度寝、三度寝
してしまい、結局目が覚めたのは午前11時過ぎ。
片瀬江ノ島発に乗るため、昼ご飯を済ませてから自宅を出発。

少しは日差しの強さも和らいできたが、それでも暑い。
ウォーキングをしたら、前回同様に3時間程で倒れてしまいそうだ。

小田急線に揺られて相模大野へ。相模大野から江ノ島線へ。
途中の中央林間で買い物をするために途中下車。
今月末に予定している旅行のためにもソックスを8足購入するためだ。

再度小田急線で片瀬江ノ島へ。藤沢から各停片瀬江ノ島行きに乗り替え。
一番最後尾の車両に乗っていると一人の若い男性乗務員。
手に抱えている行路表には「MSE 6」のカードが見えた。
どうやら「メトロ湘南マリン号」の乗務員氏の様である。



10数分程で終点片瀬江ノ島。向かいのホームには青い車体。
これから発車を待つ「メトロ湘南マリン号」のMSEに違いない。
改札にいた駅員は皆、アロハシャツ姿。夏気分を盛り上げる。



発車まで1時間ほど時間が余る。時間を潰すために駅近くの喫茶店に
しばらく避難することにした。店内は若い人たちばかりで入った瞬間に
場違いな所に来てしまったと思ったが、こういうのはあまり気にしない
ことにしている。しばらく時間が経てば、そんな心配はバカバカしく
なることが分かっているからだ。

けれども不思議とファミリーレストランや焼肉屋には一人で入ることは
何となく出来ない。事、焼肉に関しては皆で集まってでしか食べた
事しかないので、その経験が影響しているのかもしれない。





メトロ湘南マリン号は定刻に片瀬江ノ島を発車。
数々の宣伝で知名度が浸透して来たのだろうか、始発からまずまずの
乗車率である。やはり家族連れが多い。
子どもたちのはしゃぐ楽しそうな声が行楽特急に相応しい。

この青きロマンスカーは前に普通列車が走っている為か、江ノ島線は
ノロノロと特急らしくないスピードで走っていく。

17:10。相模大野で1分程、運転停車。
ここからようやく特急列車らしく、スピードを上げていく。
緩行線を走っていくのは、新宿行きのスーパーはこねが隣を追い抜く
ダイヤになっている為らしい。ロマンスカーがロマンスカーに
追い抜かれるという珍しい光景も臨時列車ならではである。
隣の急行線をEXEの10両編成が颯爽と追い抜いていった。

17:37。経堂でも運転停車。

成城学園前では町田についで、降りていく人が多そうだ。
だが、都内などの首都圏からもはるばる足を運んでくる家族連れも
程々にいる様な印象を感じた。

本当は終点の北千住まで乗り通したいが、そうなると厚木の相模川沿いで
実施される鮎まつりの目玉である、花火大会に間に合わなくなる。

霞ヶ関で降りるとすぐにやって来た代々木上原行きに乗り替え。
代々木上原からは良いタイミングでやって来る急行 小田原行きに
乗り替え。激混みかと思ったが、席は埋まっているがそれ程ではない。

だが途中の町田や相模大野あたりから混雑してくるに違いない。
そして浴衣姿のカップルを見て少し鬱になるのも毎年の事である(笑)




毎年恒例、このまつりが来ないと夏を過ごした気がしない。
それは「あつぎ鮎まつり」である。
そしてこのまつりの目玉こそ、2万発の打ち上げ花火である。
この花火がなければ、きっとこのまつりに足を向けることはないだろう。

まだ明るい夕焼けのうちに本厚木へ向かう小田急線の中から
その花火は咲き始めたのが見えた。とてもワクワクしてくる。
どうやら親父の祭り好きの血なのか、遺伝はちゃんと伝わっているらしい。(笑)

誘導の警官に訊ねたところ、河川敷なら立ち止まって観覧しても良いらしい。
相模大橋とあゆみ橋に挟まれた河川敷でしばし、夜空の彩を音ともに楽しもう。

2010年8月3日火曜日

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仕事の忙しさを理由にして、このところ運動をしていない。
具体的に言えば、意識的に足を動かしていない。

ここ連日、炎天下が続く。
夏らしい天気といえばそうなるのだが、この日差しでは3時間も
歩き続けたら、軽く火傷することは間違いない。
肌、特に常に露出する顔と腕はしっかりと日焼け対策をしないと
後で泣くことになるのはこの身を持って経験済みである。

日差しの強さがピークになる午前中は避けて、なおかつ明るいうちと
歩き始めたのは15時過ぎ。それでもしばらくは溶けてしまいそうな
日差しを浴びながら3時間足らずを歩き続ける。

本当は相模大野から自転車で江の島まで往復しようとしたのだが
ネットでは情報が載っていた自転車に訪ねてみると、地元ではないと
いう若い男性の店員は扱っていないという。

iPhone4を購入しに東京へ向かった時も某掲示板の書き込みを参考
程度としながらも半ば信じていた部分があった。
書き込みを信じると、入手すら困難なのかと思っていたのだが、
実際は8時間並び続けたが、銀座のアップルストアで購入することが
できた。ソフトバンクの販売店にはあまり在庫が回っていないという
だけであり、よく考えれば素直にアップルストアに行けば良かったのだ。

どんなに情報採取が便利になってもやっぱり最後は自分の足で出向いて
自分で確かめる事が大事なんだと改めて実感した瞬間でもある。

こまめに水分を取らないと道端に倒れてしまいそうな暑さの中を
吹き出る汗を拭きながら、買っておいたスポーツ飲料を飲みながら
いつもよりは遅いペースでゆっくりと前へと進んでいく。
しばらくはそれで何とかなりそうだったが、30程前に飲んだはずなのに
次第に喉が乾いてくる。口の周りも汗で不快になってくる。

もう少ししたら日が沈むだろう。だが汗でベタついた顔や腕を一度
綺麗に洗い流したい。青葉台の東急スクエアのトイレを借りることに
した。顔と腕の汗を流して人心地すると、そのまま店を去ろうとしたが
スターバックスのマンゴーティーの写真が掲げられた看板を見ると
我慢できなくなってしまった。

少々高いが、ここで無理して途中で倒れても仕方ない。
それに帰りは歩き疲れて眠くて、電車の中でこの文章を書いている
気持ちにはなれないかもしれない。

火照った体にはよく冷えたマンゴーティーが染み渡る。
マンゴーティーだけでは何となく寂しいので、おやつにチュロも注文。
外の席にしようかと思ったが、生暖かい風が吹いてあまり気持ちよく
なさそうだったので、冷房の利いた店内で休憩。

あまりの暑さにすっかりと溶けてしまった「アルフォート」の
ビスケットを溶けてしまったペースト状のチョコレートの中から
歯磨きをしぼりだすように一つ一つ出しては指でつまんで食べる。

買う前に溶けてしまうことを考えなかった自分が悪いのだが、
このアルフォートくらいしか、コストパフォーマンスがよくない(笑)
歩いている途中で見かけた一房100円のバナナの方が良かったか。

日が長いためにまだ明るいが、もうしばらくしたら暗くなる。
渋谷まで歩いて行く体力はないだろう。後は歩けるところまで・・・。
結局、激しい暑さが引くと汗の気持ち悪さだけが残って
二子玉川まで頑張ろうという気は失せて鷺沼から帰ることにした。

中央林間から小田急。
電光の行先案内板には臨時急行 町田行き。
去年の夏祭りシーズンからもう一年経ってしまったことに驚く。

2010年7月26日月曜日

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今週から猛暑をもたらした高気圧に変わり、寒気が流れてくる為に
暑さは和らぐという天気予報を見事に裏切り、本日も猛暑。
少し歩いている間に体から少し溶けているのではないかと思えるような
汗が吹いても吹いても流れてくる。

藤沢や鎌倉、そして江ノ電には何もかもを太陽が焼き付けるこの季節
が一番似合う。ドラマや漫画では夏の湘南がよく使われている。
この季節になると一度は訪れて見たくなるのである。

そこで今回は小田急から出ているフリーパスである、「江の島・鎌倉
フリーパス」を使ってみる事にしたのである。

夜勤明けの中央林間で購入。910円なり。
各停 片瀬江ノ島で終点の片瀬江ノ島まで乗っていくつもりだったが、
江ノ電の江ノ島までは少し歩いて行かないといけないのを思い出し
藤沢で江ノ電に乗り換える事にした。

始発の藤沢から乗った4両編成はしばらくは民家と民家の中を潜るように
ゆっくりと走っていくが、やがて道路上をしばらく走った後に腰越。
腰越を出ると、視界が開けてくる。進行方向右側に青い海。
江ノ電を思い出す時には必ずこの湘南の青い海が背景に浮かぶ。
もしこの湘南から江ノ電が無くなったらという事は想像できない。
個人的には湘南の風景の一部になっているのだ。

長谷から長谷通り沿いに歩いて見たが、これはというと店がない。
趣向を変え、海を望める店をと海沿いの国道を歩いていると
若いサーファーが集まりそうな雰囲気の店を見つけた。
若い女性2人が店を切り盛りしているようだ。

予想はしていたが、どのフードメニューも割高だ。
テリヤキチキンプレートを注文。見た目からも量は少ない。
こういう時には一緒にご当地ビールを頼むに限る。

江の島には「江の島ビール」があるが、この店では「鎌倉ビール」。
こちらのビールの方が飲みやすい。江の島の方は気を衒い過ぎている。
そんな印象である。ふと店員の女性の一人としばしのおしゃべり。
話してくれたところによると、日中のこの時間は海水浴客の為に
波乗りは禁止されているそうだ。9時〜17時まではその時間帯だそうだ。
道理でサーファーの姿を殆ど見かけない訳だ。

私が夜勤明けでこの店に偶然訪れた事を告げると、女性で夜間バイトで
働いた後に波乗り禁止時間となる9時まで波乗りをして、その後に
またバイトに行くというパワフルな方がいるそうだ。
私の体力ではとても真似ができない。ある意味感心してしまう。

この辺りは海水浴場としては外れにあたるらしい。
殆どの客は江の島駅からすぐのところに集まるようで、更に盛況な
海の家に客に流れているために昼間は閑散としているそうだ。
その変わり、海の家が終わった後は憩いと酔い処を求めるべく、
この店も賑やかになるようだ。店員の雰囲気も酒を飲んで酔って
楽しくというのがとても好きそうな感じである。

2人だけかと思ったが、後から仲間らしき女性が入ってきた。
4、5人くらいで切り盛りしているのかもしれない。
夜になれば横須賀のネイビーバーガーと海軍カレーを出す店の夜とは
また少し違った表情を見せるのだろう。

江ノ電から降りて見て、初めて出会う夏の湘南風景であった。