2009年10月27日火曜日

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鉄道博物館に10/21より展示されはじめた0系新幹線。

少し前にさよなら運転されたことで記憶に新しいが、
初代の先頭車両が新設ブースで展示されるとあり、
鉄道博物館へ足を向けてみることにした。



大宮へは東北本線や京浜東北線で乗っているので
今日は違うルートで乗っていきたい。
ちょっと遠回りになるけれど、東武伊勢崎線で春日部へ。
春日部から東武野田線に乗り換えて大宮へ向かうことにした。

春日部駅前では小さい子供たちが赤い羽根募金の
募金箱を持って、大きな声で募金の呼びかけをしている。
その小さい子供たちの声を聞いてしまうと、そのまま無視することに
ものすごい罪悪感に襲われる。100円募金。
広告でも小さな子供の写真や映像が使われたりするが、
こちらは特に何とも思わない。やはり生身の子供には敵わないか。






0系新幹線は展示車両がずらっと並ぶ1階の屋外にあるランチトレインよりの
隅に新設のブースが設けられ、入るとその特徴的なまる鼻が鎮座していた。

ドア横の行先表示は今のような方向幕ではなく、プレート式。
車内の座席で特にデッキ寄りの座席は背もたれを前後に動かす方式で
どちらの進行方向にも対応できる。転換クロスのように回転する際の
前後の座席を気にすることがないのが利点だろうか。

デッキの壁を見上げる。
「日本車両」と書かれた銘板には昭和39年の白い文字。
まさに東京オリンピック開催にあわせて製造された初代車両である。
初代ゆえに青梅鉄道公園に展示されているものとは雰囲気がどこか違う。







またデッキの壁に隠されて見えない機器などもガラス越しに見えるように
改造されており、また車体の床下もよく見えるように、スカートに続く側面の
青いカバーが一部外されており、床下の機器だけでなく、スカートの裏側、
線路に接地している車輪までもよく観察することができる。
改めて観察すると、車輪とレールの接地面積はごく僅かであり、
それなのに200kmものスピードで走行できるその技術は驚くべきことだ。

トイレ。化粧室。
寝台特急でおなじみの和式で、ペダルを踏んで流すタイプ。
洗面台もレバーをひねる間だけ出るタイプ。栓をして水やお湯を貯めて使うことを
知らないと平成生まれの人には洗顔で戸惑うかもしれない。

0系新幹線が発着していた当時のホームではホームに寝そべったアングルの
写真など撮影できなかったが、今なら簡単にできる(笑)

ここで40目前という男性が話しかけてきた。
少し話したところ、私と同じく0系新幹線を見にやってきたという。
現在は秋葉原に済んでおり、そこから東の方面へ通勤しているそうだ。
前の只見線での旅でも臨時列車で相席になった18歳もそうだったが、
この男性も「土・日きっぷ」でこのきっぷのフリーエリア内で
乗り鉄と写真撮影を楽しむ旅を満喫しているようだ。
それは見せて頂いた男性の携帯電話の画面に表示されていた
数多の鉄道写真がそれを示していた。話す内容からもどうやら私と同じタイプらしい。
男性から自分の連絡先を教えたいとメールアドレスと電話番号を提示してきたので、
私も男性に連絡先を教えた。思わぬところでの出会い。
この男性は0系こそなかったが、100系の食堂車で食事した経験があるようで
新幹線の食堂車を知らない私にとってはうらやましい限りである。


帰りの小田急ロマンスカー。
10000系であるHISEも同じ日本車両製を示す銘板がデッキの壁にあるが
こちらは平成元年製。20年以上も0系が年上ということになる。

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10月24日、25日は東海道線に湘南電車がやってくる。
小さい頃に東海道線で見かけたあの湘南電車113系とあれば
撮影しないわけにはいかない。

だが、少々残念なのは横須賀線として長らく活躍していて
今は千葉方面で活躍している通称「スカ色」113系の4両が
連結されていることである。
東海道線にこのスカ色が走ること自体もかなりレアだが
懐かしさを求めてしまうと、このスカ色がちょっと余計に見えてしまう。

正確な時刻は鉄道ダイヤ情報などで調べていないので分からないが
東京を9:50頃に出発したこの湘南色とスカ色の4両+4両編成は
茅ヶ崎で鉄道グッズの販売等で90分ほど停車するようだ。





正午少し前、相模線で茅ヶ崎へ向かう。
相模線のホームではすでに先客が待っていた。
どうやら偶然にもタイミングが良かったらしい。
しばらく待っていると、東海道本線の臨時ホームでは
イベント関係者が鉄道グッズの販売するためのテーブルを置くなどの
準備が始まり、構内アナウンスが団体列車がまもなくやってくることを告げる。

てっきり東京方面からやってくるのかと思っていたが、
反対の小田原方面から方向幕が「団体」となっている「スカ色」4両を先頭にして
8両編成がホームにゆっくりと停車した。
よくよくルートを調べてみたら、まず東京から国府津まで運転されて、
その折り返しで茅ヶ崎に停車、そして大船から横須賀線となっていた。

もっとホームに人だかりが出来ているかと思ったが
臨時ホームで関係者や乗客以外は立ち入れないようにしたためか
予想したほどの騒がしさはなかった。
ただ、他の駅や沿線ではカメラのレンズが数多向けられていたことだろう。




場所は変わって、五日市線。
立川から奥多摩へ向かう青梅線の拝島から分岐している単線である。
車窓の風景は、青梅線の景色を縮小したような「ミニ青梅線」といった感じだろうか。
終点の武蔵五日市のホーム、その車止め寄りではレジャーシートを敷いて
中年の男性が数人、酒盛りをしていた。
花見ならぬ、電車見酒のつもりなのだろうか、近くの乗務員すら見て見ぬフリだ。

改札を一旦出て、何か観光できないかと思ったが、
奥多摩とは違って、駅前にはタクシーやバス乗り場のロータリーの他、
パンとコーヒーが飲める店が1軒あるぐらいで他は何もない。

17:21発のホリデー快速あきがわ号までその店で時間を潰すことにする。
時刻表を開く。東京から京葉線~武蔵野線経由で常磐線へと走る
快速「舞浜・東京ベイエリア号」の運転があるが、私にとっては時間が遅すぎる。
武蔵野線~常磐線のデルタ線を走り、我孫子で降りると22時前。
自宅に帰ると0時近くになり、明日の仕事を考えるとしばらく悩んだ末に止めておいた。

2009年10月25日日曜日

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【鉄道の日記念・JR全線乗り放題きっぷの旅 3日目】
風っこ会津只見号、お1人様お断り?「へぎそば」

郡山
6:57発

↓ 1223M 磐越西線

8:08着
会津若松
9:14発

↓ 9425D 只見線
  快速 「風っこ会津只見号」

12:12着
只見
13:00発

↓ 9427D 只見線
  快速 「只見風っこリレー号」

14:46着
小出
15:07発

↓ 1740M 上越線

15:51着
越後湯沢 ※へぎそば?を食べる
17:55発

↓ 1744M 上越線

18:33着
水上
18:36発

↓ 752M 上越線

19:39着
高崎
19:45発

↓ 248D 八高線

21:00着
高麗川
21:01発

↓ 2072E 八高線

21:47着
八王子
21:57発

↓ 2148K 横浜線

22:22着
町田


朝6時過ぎに目が覚める。なんとか「鉄魂」で起きれたようだ。
顔を洗い、ひげをそり、寝汗を流して、テレビで気象情報を
確認して、郡山駅へとホテルを後にする。




赤べこのキャラクター「あかべえ」が正面にも側面にも配された
クロスシートの車両で会津若松へ向かう。
郡山を出発した時は少々霧が出ていたが、しばらくして
霧は晴れてきて、太陽も顔を出してくる。天気の心配はなさそう。

7:29。臨時駅の猪苗代湖畔を通過。
次の関都の駅名票。一つ手前は「猪苗代湖畔」ではなくて、
「上戸」になっている。臨時駅といっても使われる頻度が
ほぼ使われないに等しいのだろうか。
広田では白いパーカーを来た10代の女の子がひとり下車。

会津若松では1時間ほど時間が空くので
「あかべえ」がデザインされた改札の外に出て、
ゆっくりと土産物を見て回る。











9時過ぎに再び改札へ。
すでに目的の列車はホームに待っていた。
キハ40系という形式、気動車2両である。
細いテーブルを挟んでボックスシートのように木製の椅子が
向かい合っている。先頭車となる1両目の後ろよりには
冬にも運行されるためか、だるま型のストーブが設置されている。

一通りの撮影を追え、自分の席へと落ち着くとすでに若い男性が
向かいに座っている。相席となったのは横浜から「土・日きっぷ」で
新幹線でやってきたという18歳。持参のバックには相鉄線と京急線の
それぞれの駅名キーホルダーがついていた。
誰かに話かけるのが苦手なタイプに見えたが、話しかけられると
自分が話しやすいところは結構話してくる人だった。






会津柳津は「aizu」が2回出てきて面白いとか、
展望専用だけにカーブで前の車両がよく見えるのが撮影しがいあるとか、
トンネルが結構多くて喋ってばかりいないで景色を楽しめと
言われているみたいとか、そうしたことにはあまり反応がよくなかったが、
私が持参したJR時刻表を開き、臨時列車の話には食いつきがよかった。
今回乗っている「風っこ会津只見号」よりも同じ只見線を走るSL列車に
興味があるようで、先日は「SLホエール号」に乗ってきたそうだ。
そして24日、25日には東海道線から今は消滅してしまった
湘南色の113系4両がスカ色の113系4両と連結して東海道線と
横須賀線に走るその臨時列車は撮影しに行くつもりらしい。
私も行くつもりだが、それは珍しさではなく、懐かしさのためだ。
小さい頃に見たあの湘南色こそが、湘南電車である。
高崎から水上へと走っている湘南色や、千葉方面で最近走り出した
湘南色を見ると、東海道線で走っていた頃を思い出す。

背中合わせで後ろの中年女性にも話しかけられた。
この女性は福島からやって来たそうで、先ほどの彼と同様に
只見で折り返し会津若松へと戻るこの「風っこ会津只見号」で
郡山まで戻る予定らしい。
私のように、只見から先を「只見風っこリレー号」に乗り継ぎ、
さらに小出から上越線の普通列車で帰ろうとするのは、
その女性曰く、「ローカル線マニア」だそうだ。

おしゃべりのネタも尽きてきて、ガラスのない素通しの窓から
もう少しで本格的な紅葉になりそうな山々と手前の川が
所々で少しの間だけだが、目を楽しませてくれる。
只見線は各駅(臨時駅を除く)停車する普通列車では4時間程だが
普通列車で行けば、景色ももっとゆっくりと楽しめそうだ。













只見に到着。
JR時刻表では只見線にはみどりの窓口がたったひとつの駅に
しかないように、駅弁も会津若松以外では駅弁を売っていないことに
なっている。だが今回は臨時列車が走っているために
只見市の協力で駅前のテントでは豚汁やからあげや五目ご飯を売っていた。
豚汁もからあげも五目ご飯も簡素な容器で、からあげも冷めていたが
それでも大変ありがたい。
おかげで終点の小出までお腹を空かせたまま乗ることは避けられた。
それに本当は100円の豚汁ももう残り汁で具もあまりないということで
無料でサービスしてくれたのもラッキーだった。






只見からは小出まで「只見風っこリレー号」に乗っていく。
「風っこ会津只見号」とは違って、接続用の臨時列車なので
先ほどの展望仕様ではなく、普通の気動車である。
方向幕は「普通」ではなく「臨時」になっているが。

只見から乗り継ぐ客か、小出まで戻る客か。
車内は程ほどに乗っている。
ボックスシートに腰を落ち着けて、先ほど只見駅前のテントで買った
五目ご飯とからあげを駅弁と思って食べる。










その駅弁代わりを食べ終えてしばらくして眠くなる。
ふと油断すると意識が飛びそうになるのを我慢していたが
それでもしばしの間、居眠りをしてしまった。
ふと目が覚める。まだ終点の小出ではないが、ここに来てようやく
忘れ物をしていることに気づく。先ほど只見まで乗ってきた
「風っこ会津只見号」の座席の下に会津若松で買ったお土産を
忘れてきてしまったのだ。前の旅行でやってしまったように
また落し物センターに問い合わせ、着払いで郵送の手があるが
大した額のお土産ではないので、途中の越後湯沢あたりで
また買いなおすことにした。





小出着。ここで水上行きまで2時間20分ほど待つことになる。
その間に2本列車があるが、いずれも途中の越後中里止まり。
ひとまず途中の越後湯沢まで行き、そこで1時間ばかりを
お土産を買いながらブラブラしてみようと思ったのだ。




越後湯沢では「へぎそば」を食べることにした。
駅構内のお土産屋でお土産用の「へぎそば」を売っていたからだ。
歩き回ったところ、駅前には2軒あり、うち1軒に行ってみる。

店頭に置かれたサンプル、そばに書かれているメニューには
ソバじゃなくて、そばだが2人前や4人前はあるようだが、
1人前はない。大勢で食べるものなのだろうか?

もう1件は17時から営業するようなので、その時間まで待って
再びその店へ行く。こちらもテーブルに置かれたメニューに
やはり1人前がない。店員に聞いてみると、ざるそばやとろろそば
がそうだという。つまり、同じソバでも2人前以上になると
大きな「へぎ」という木の器で盛られてくる。
そう、1人では食べることができない(できるかもしれないが)
暗にお1人様はお断りというちょっと珍しい名物かもしれない。

とろろそばが来るまで瓶ビールを傾けていると
登山客なのだろうか、中年の男性グループで店内の席は一気に
埋まってそれまで静かだった店内は賑やかになる。



越後湯沢から水上行きの普通列車に揺られる。
線路の状態が良くないのか、よく揺れる。居眠りできない。
かつて東海道線で走っていた湘南電車もこれほど揺れていたろうか?

高崎から八高線。
先頭車両のボックスシートに座っていると、見るからに落ち着きが
なさそうな少年がひとり。空いている席に座ったかと思ったら、
度々先頭の運転室寄りの乗降ドア付近まで歩いていき、ドア上の
路線図を眺めては今度は違う席に座る。そしてまたドアのところへと
その行動を繰り返している。きっと終点高麗川まで乗るのだろう。
八高線の高崎~高麗川まで走るこの気動車には窓にカーテンが
付いている。斜め向かいの高校生と思しき野郎は、カーテンで
顔を隠して携帯電話で話し始めた。そんな使い方があるのか(笑)