2011年2月8日火曜日

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【北海道&東日本パスの旅 2日目】 ボックスシート戦線とリゾートしらかみ号 (下)











今日はよく晴れている。席は程々に埋まっているけれどゆったりした時間。
斜め向かいに案の定、メガネ氏の姿を確認。オールロングシートなら、
ボックスシートのような事件は起こす事もないだろう。
心配しても仕方ないが、唯一の心配は急行はまなすの自由席だろうか。
いなほの奥に白い雲、青い空。BGMは線路のジョイント拾う音だけ。
ヘッドフォンからの余計な音や携帯の余計な情報は要らない。
流れる景色とリズミカルに揺れる車内に身を任せて、何も考えない至福の時間。

遊佐。白シャツの学生さんが2人下車。
吹浦。迎えに来たのだろう、地元のおばちゃんが改札口の向こうで待っていた。
吹浦を出て再び左手に日本海が広がる。村上を出たときよりも心持ちは眺めが
良いような気がする。女鹿という小さな駅を通過する。
JRの首都圏を除いた特急列車メインで普通列車が少ないという路線は特に
各停という種別がない。鈍行列車でも通過してしまう駅が存在するためだ。

小砂川で特急いなほ号を待ち合わせのために3分程停車。
仁賀保。女の子と若い男性が降りて行く。駅員はJRの人ではなさそうな雰囲気。
向かいの座席にそばかすシスターズ。どちらも似たような黒縁メガネの女の子
2人組の会話の内容はアニメらしい。ガチャポンで出てくるようなポケモンの
玩具を弄りながら、ネガティブな空気が漂っている。
「腐女子」はこの東北にも存在するらしい。肌は荒れてお世辞にも可愛くない。
彼女たちだけに限った事ではないが、仲間内にしか心を開けなくなってしまい
社会性に乏しいようなタイプが多くなっているように感じる。

今まで気づかなかったが、火に油を注ぐ氏の姿も確認できた。
この2人には「はまなす」でも見かける事になるだろう。

子連れの親子、こどもがトイレのドアを開けるのに手間取っている。
普段列車を使わない親子なのかもしれない。

羽後本荘。4分停車。まとまった客が降りるわけではなかったが、
ロングシートはきれいに隙間が埋まる。と、メガネ氏は荷物を持って降りて行く。
どうやら、はまなす組ではなかったらしい。

岩城みなと。手前の家々の向こうに日本海。若者が数人乗り込んでくる。
大学生かもしれない。学校帰りでもなければ使うことはないのだろう。
道川。若い女性が一人乗車。国道沿いにガソリンスタンドが見えるが、
市街地という規模ではないけれど、小さな住宅街という様相だ。
下浜。上り普通列車と交換するために3分程停車する。地元の女の子だろう、
Tシャツにジャージのズボンにサンダルという格好で乗り込んで来た。
向かいのホームに上り列車が到着すると、こちらが先にホームを離れていく。

桂根を通過して新屋。JAとパチンコ屋は立派な住宅街からはまとまった客が
乗り込んでくる。主要駅に近づくほど乗り込んでくる客は増えてくる。
終点の秋田まではもう少し。この列車を最後にしばらくロングシート車両から
開放されるはずである。

秋田。定刻着。
リゾートしらかみの発車は2時間半後。昼ごはんとともに電池が心もとない
スマートフォンの充電をしておきたい。幸いにも秋田駅前にはソフトバンクがあった。
昼ごはんの間、ソフトバンクのショップに預けて充電をお願いする。

改札を出てから飲食店が集まっている側とは反対側へ歩くと、小さいながらも
インターネットカフェやチェーン店の喫茶店などがテナントになっているモールがある。
とある店で「ひゃっこしラーメン」なるものを食べてみた。見た目は冷やし中華だが
その味は間違いなくラーメンという少し不思議な食感である。秋田の新名物にするべく
ポスターが張られていたが、マスコミとテレビの力を借りないと名物として広まるのは
かなり時間を要するような気がする。

食後にふらっと喫茶店に寄りたい気分になるが、
北海道入りするまではあまりお金は使わないようにしないといけない。
といっても、これから乗るリゾートしらかみで5時間も何も食わず飲まずでは
旅を楽しむには厳しいだろう。ビールやおつまみ、軽いものなら少しは良いだろう。

構内のベンチに座って、駅前のロータリーを見下ろす。
将棋の駒のように並んだタクシーはほとんど待ちぼうけを食っているようだ。
いつ乗ってくるのかわからない客のために、無駄にエアコンを利かせて待っている。
燃料ばかりが食っていく。蒸し暑い車内でじっとしていられず、外でタバコでも
吸っていないとやっていけない仕事なのだろう。この職業も楽ではなさそうだ。

リゾートしらかみはすでにホームに待っていた。
3両編成の真ん中の車両は個室になっていて、4人掛けのボックスシートになっている。
フラットシートにもなるようになっているので、1人で4人分の指定席を購入して
5時間ばかりをいわば日中走る寝台列車のごとく、寝転がりながらということも可能だが
少なくとも私は個室を独り占めする勇気は持ち合わせていない。

窓側の席が良かったのだが、みどりの窓口を訪れたときにはすでに窓側は完売。
結構な人気のある観光列車のようだ。この列車は東能代から五能線を走るために
方向転換する。そのため、秋田出発時は五能線からの日本海を堪能するためには
進行方向右側の窓側席がベストであろう。

五能線の単線に入ってしばらくは展望ラウンジで前面展望を楽しむ。
車内アナウンスでは途中の絶景ポイントで徐行運転を実施すると案内している。
単線の向こうに入道雲。これが根室本線ならなお最高だが、奇跡に近いだろう。

岩館~大間越のトンネルとトンネルの間で停車してしまうほど徐行運転によって
絶景をこれでもかというほどに堪能する。絶景と一言で片付けるのは少し違うか。
村上で見るのと、山陰本線で見るのとはまた違う表情がそこにある、というべきか。
夕日に照らされているせいか、どこか穏やかな印象だけれど引き込まれてしまう風景。
世界遺産でなくとも、それが白神山地と呼ばれている事を知らなくても、見る者は
素直に唸ってしまうに違いない。私はその1人になっていた。

五能線は普通列車の本数はあまり多くはない。
直通列車も設定されているが、私のように関東圏から鈍行列車で北海道へ向かう序に
乗っていこうとすると時間があわずに難しい。五能線を乗り通すだけで5時間ばかり
時間を要するからだ。乗り通せても「はまなす」には乗り継げないので、青森で
一夜を過ごす事になってしまう。なるべく鈍行という旅としては不本意ながらも
このリゾートしらかみに乗らない事には五能線を乗り通すことはできない。
しかし、そうした拘りを捨てて乗っていくと指定席料金510円だけで乗れるというのは
勿体無いと思われるくらい、乗り得な観光列車であることに気づかされる。

能代。バスケの街ということでホームにバスケットゴールがある。
しかもイベントではこのバスケットゴールにボールを入れる事もできる日本唯一の駅。
岩館でも同じく3分ほど停車。日焼けするのではないかと思われるような夕日を浴びながら
鯵ヶ沢までの80kmあまりをその左手は日本海が目を楽しませてくれる。
というより、ひと時も目を離せない絶景が続くと言った方が良いだろう。
風合瀬、追良瀬、驫木。難読駅名が2つも出てくる有名な駅を通過するときはさらに
本気を出してくるから目を離すわけにはいかない。五能線ほど日本海に一番近く長い
距離を走る路線はなさそうだ。前面展望でも車窓からの眺めも息をつく暇はない。

横を沿う国道の青い看板には「鯵ヶ沢 24km」が見えるころには夕日の光も弱まるが
広がる海と空との境界が曖昧になるとこの風景も見逃せない。
完全に暗くなるまでは目を離してはならない路線であるようだ。

十二湖。青森までの観光客なのかと思っていたが、大半が降りていくところから
五能線沿いに宿泊するらしい。ここでまとまった客が入れ替わることになる。
一度は空いた隣の窓側席だったが、すぐに次の客によって埋まってしまった。

展望ラウンジ付近で千畳敷海岸を堪能して席に戻ってから意識が無くなったらしい。
車内販売で買った瓶入りの濃厚な味のリンゴジュースを飲んでから油断したらしい。

陸森田。そして木造へ。木造ではしばらく停車してほしかった。
駅舎の壁一面に怪しく目が光る遮光式土偶の「しゃこちゃん」をゆっくりと
観賞したかったのだが、どうやら駅へと向かう直前のカーブからその全貌を遠巻きながら
撮影できるシャッターチャンスを逃してしまったらしく、ホームに到着したときは
丁度死角となり、見られるじまい。発車してしばらくは「しゃこちゃん」の目からだろう
早く点滅する紫色の光をなんとか確認できただけであった。
陸羽鶴田。木造では(「きづくり」ではない・・ややこしい)日本一長いとされる橋が
あるそうだ。海から離れて内陸部を走るようになっても油断は禁物である。
先ほど車内販売で購入したリンゴジュースの生産地でもある板柳へ向かう途中には
右手を津軽富士こと、岩木山の雄大なシルエットが構えている。

板柳を出ると、川部までをリンゴ畑の中を列車は走り抜けていく。
寝台特急「あけぼの」で見たときよりもこちらはリンゴ畑はより近くに見える。

川部。ここで6分停車。定期列車を先に通すためである。
このまま青森へ向かうものだと思っていたが、列車はひとつ秋田寄りである弘前へ
スイッチバックのごとく戻る。寝台特急や特急列車との交換する事情があるために
一旦弘前に戻る必要があるのだろう。

弘前ではしばらく停車する。同じ青森方向へ向かう普通列車や特急列車を先に通すためだ。
車内アナウンスでも、臨時列車のためで定期列車を優先して運行すると流していた。
後から来た普通列車に乗れば、このリゾートしらかみよりも30分ほど早く到着するようだが
急ぐ用事でもないので、このまま終点までの1時間ほどをこの列車で楽しむことにした。
弘前から青森を走る時間帯が夕食として駅弁を食べるのに丁度よいのである。
早くから車内販売で購入しておいた「しらかみ弁当」の蓋を開けて、暗くなって見えない
車窓の代わりに駅弁の味を楽しむことにしよう。

特急列車が発車してからしばらくしてこちらも動き出すが、次の川部で運転停車。
上野へ一夜ひた走る「あけぼの」を先に通すためであった。夜に溶け込むような青い車両が
すれ違うのを見送り、こちらも再び発車する。

北常盤。18:43に運転停車。13分停車すると車内アナウンス。
弘前から1時間もかかるのは何度かこうした運転停車をするダイヤになっているためだ。
おかげでゆっくりと日本海の絶景に満足した余韻を浸りながら、駅弁を楽しめる。
定期列車が夜の闇の中をお先にと、横を走り抜けていく。

大釈迦。ここでも運転停車。別に伝えなくても良いのだろうに親切にも車内アナウンスでは
すれ違う上り列車が遅れていると教えてくれる。19:12に発車する。

19:24.津軽新城で最後の運転停車。上り特急列車とすれ違う。
そして終点青森。手持ちのiPhoneの電池残量は60%ほど。秋田でフル充電して5時間ばかり
撮影に使っていたが、このペースなら1日1回どこかで充電すればなんとかなりそうだ。

青森では駅前のカプセルホテルに向かう。ビルの4階にあって、本当は時間外なのだが
入浴だけを利用させてもらう。1000円なり。何度か利用させてもらっているが、
今回は青森に宿泊する予定であり、その際にこのカプセルホテルを利用するつもりだ。
毎回入浴だけというのも申し訳ない気持ちがあったり、なかったり。
ついでにフロントでコンセントを貸して貰えないかと尋ねたところ、携帯の充電なら
フロントで預かってくれるという。どうやら携帯の紛失事故が発生したらしく、
それからフロントで預かるようにしているという。

前回までなら20時には青森駅のホームに行っていないといけないが、
今回は事情が異なる。はまなすの指定席券を購入しているので、自由席確保のために
発車の2時間前からホームに並んでいる必要はないのである。

今年の夏販売から冒頭で述べたとおり、「北海道&東日本パス」の使用条件が変更になり
従来「はまなす」は自由席は追加料金なしで乗車できたが、自由席以外は乗車券と
急行券、指定席券が別途購入しないと乗車できなかったため、自由席戦争がこのきっぷの
利用時期には毎度繰り返されていた。

今夏からは、自由席についても別途急行券を購入しないと乗車できなくなったが、
指定席ならさらに指定席券を寝台ならさらに寝台券を追加で購入さえすれば、
乗車券を購入しなくても乗車できるようになった。また今までは「はまなす」限定だった
急行列車が「きたぐに」にも適用されるようになったので(はまなすと違って、こちらは
JR東日本区間のみ利用可だが)使い勝手が少し良くなったのだ。
同じ金を払って乗っていくなら、席を心配をしなくて済む指定席が精神衛生上よろしい。

同じ事を考えている者はいるだろうから、すでに指定席は埋まっているのかと思ったが
予想に反して難なく自分の好みの指定席を確保することができた。
デッキの人の出入りを気にしなくて済むように、車両の出来る限り真ん中の窓側席を確保。
夕食は先ほどのリゾートしらかみの中で済ませてあるので、後は時間が来るまで
ゆっくりと待っていればよい。

ドリームカーではない指定席は自由席と座席のグレードは全く変わらないが、
自由席と違って、一度車内検札を済ませてしまえば、折角寝ていたところを函館で再び
車内検札で起こされる事がない。この事は6月の「周遊きっぷ」の旅で学習済みである。
旅に出て毎度の事ながら、夜行列車には隣の席に若くてかわいい女の子は座っていない。
カップルを除けば、あとは私を含めてムサイ野郎ばかりで埋まっている。
同じ車両の前半分の網棚には「YONEX」と書かれたテニスラケットのバックが積んである。
どうやら試合か何かの帰りだろうか。静かでいることはありえない連中だろうが、
時間が経つに連れて静かになっていくので、大して気にはならない。

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