2011年2月8日火曜日

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【北海道&東日本パスの旅 10日目】 木古内→知内 18kmを歩いてみる

青森
10:57発

↓ 329M 津軽線

11:35着
蟹田
11:42発

↓ 4001M 津軽線~海峡線~江差線
  特急 スーパー白鳥1号

12:30着
木古内

↓ ※徒歩

知内
16:27発

↓ 4030M 江差線~海峡線~津軽線
  特急 スーパー白鳥30号

17:09着
蟹田
17:30発

↓ 342M 津軽線

18:11着
青森






早朝の特急列車で知内に降り、再度特急列車で蟹田に戻ってから
再び特急列車で木古内へという乗り継ぎを予定していたが、目が覚めたは10時過ぎ。
ここは大幅に予定を変更するしかない。知内に停車する特急列車は上りも下りも
2本ずつ。乗る予定だった朝の特急列車を逃してしまうと、江差線まで乗りつぶそうと
時刻表をにらめっこしても乗り継ぎがうまくいかない。
それで強行手段に出ることになった。距離があるので、路線バスで知内へ向かう事に
したが、無駄に出費をしたくない。距離を調べてみると20kmである。
この距離なら大丈夫だろう。納沙布岬まで4時間歩いた実績が背中を押した。

青森で待っていたのは悪名高きロングシート車両701系である。
すでに席は埋まっていた。それでもよい。私は前面展望を楽しむことにした。
発車してから2,3分ほどで奥羽本線と合流して左側へと離れていく。
津軽線に入ったのだ。それまでの複線は単線になり、奥内まで地元利用者が1、2人
乗り降りがあったが、その先はしばらくない。郷沢でおばさんが一人乗り込んて
終点の蟹田。ほとんどの客は特急列車へ乗り換え客に違いない。

特急列車の座席についているテーブルには青函トンネルの案内図が貼られている。
そのシールを見ると11:59に青函トンネルに突入するとある。
11:55。津軽今別を通過。いくつかトンネルを抜けて時間通りに青函トンネルへ。
車両仕切りのドア上にある電光表示板は表示するタイミングが少し遅れている。
少し前まで「青函トンネルに入りました!」という表示は無かったと思ったが、
新幹線開業を意識してのことだろうか。時折、天気予報も流れるのだが
「東京東京地方」という表示に何だか違和感がある。東京に地方が付ける必要って
ないような気がするのは私だけなのだろうか。
北海道は国土が広いので、「後志地方」といった使い分けは納得なのだが、
それをそのまま流用しているのだろうか。

車内探検に繰り出したが、後方展望も例のスペースは立ち入り禁止のバーによって
向こうに行ってはいけない雰囲気になっている。安全対策としては当然だろう。
そして以前の旅で前面展望を堪能して本当に良かった。立ち入り禁止になるとは
予想もしていなかったから尚更である。公然と後方展望を楽しめるのは、寝台特急
「カシオペヤ」か「トワイライトエクスプレス」、急行「はまなす」しかない。

踏切事故による衝突を重く見たことによる安全対策だが、キセル対策にも有効だ。
あのスペースに入って景色を楽しんでいて気づいたのだが、車掌から車内検札を
一度も受けたことがないのだ。そもそもここまで車掌が覗きにこない。
だからその気になれば、青森から函館も特急券なしで乗ろうと思えば乗れるだろう。

12:10。トンネルの最深部を通過。12:14。吉岡海底駅を通過。
12:23。トンネルを出てその1分後にはこれから向かおうとしている知内を通過。

次の木古内で降りて、知内までの20kmを歩いてみようという計画だ。
時間的にあぶない感じもあるが、ペースを乱さなければ何とかなるだろう。
16時27分の上り最終列車に乗り損ねたら、あと3時間ばかりは停車する列車はない。

国道228号線をひたすら知内方面へと歩き進むだけなので、迷うことはない。
駅前の県道を国道228号線に合流すれば問題はない。時刻表では駅間距離が13kmと
なっているが、国道228号線は海側に多少遠回りするので、歩く距離は18kmである。
時間にして3時間半。予定通りなら16時くらいには到着できるはずだ。

しばらくは左手に海を見ながら歩いていく。納沙布岬の時に比べたら日差しは弱い。
暑さが和らぐだけで、疲労感は全然違ってくる。道路の周囲は納沙布岬同様に時折
民家があるくらいだが、納沙布岬の場合はゴールとなる白い灯台が近づいている
事を歩きながら実感できたのが、こちらはひたすら車道の脇を歩くばかりで、
本当に駅があるのかと疑いたくなるほど、近づいている実感がないのが少し辛い。
だが、IphoneのGPSで確認すると確実に近づいている。しかし駅舎はまだ見えない。

歩いて2時間くらい経ったところで、トイレ休憩をするためにガソリンスタンドに
寄った。トイレを借りたお礼ではないが、自販機でジュースを買って飲みながら
休憩中していると、店員に話しかけられた。リュック姿でやってくる人などまず
見かけないからだろう。素直に木古内から知内まで歩いているというと、20kmほど
あると教えてくれた。青春18きっぷで旅をしていると話したが、よくはご存知ない
様子だったので、お別れの挨拶をして先に進むことにしよう。

しばらく歩くと知内川が見えてくる。足元のマンホールにはかつての特急列車を
モデルにしたデザインになっている。知内に近づいている実感が沸いてくる。
「道の駅 しりうち2km」の看板を過ぎて、しばらくすると正面に道の駅と
思しき白い建物が見えてきた。

道の駅「しりうち」に記念スタンプがあったので押す。
北島三郎のふるさとということで、北島三郎がデザインされたスタンプは
「道の駅 しりうち」。これでは知内駅に来た記念にはならない・・・
そういえば、ここへ向かう途中も北島三郎が交通安全を訴えかける蛍光色の
旗が風でそよいでいるのをいくつか見かけた。

記念スタンプには「北の玄関」となっているが、実質はひとつ隣の木古内である。
北海道新幹線が出来れば、このままの利用(されているのか疑問だが)状況なら
確実に廃止されて、信号場に戻される運命になるだろう。
木古内が北海道側の最初の新幹線停車駅となれば、かつて青函トンネルを出て
すぐのところにあった知内も昔話になるに違いない。

先ほど見た看板にも「道の駅」としか無かったように、写真でも見たとおり
主体は自動車でやってくる利用者のためのサービスエリアという感じであり、
その左側に申し訳程度に隣り合っているのが知内駅の入り口となる。

工事の事務所のようなアルミサッシの引き戸を開けると、正面に時刻表と運賃表。
上り下りとも2本。一日に4本しか特急列車が停車しない駅。
階段を上るところに乗車駅証明書の橙色をした発券機があるが、使う人はいるのか。
ボタンを押すと、車掌がハンディーターミナルで発券する乗車券のような紙が
一枚出てきた。シンプルに「知内駅」と書かれた白い紙。

駅前(?)ロータリーにあったトイレで急いで着替えをすると、発車10分前。
ガソリンスタンドを出るのがもう少し遅かったら、間に合わなかったかもしれない。
待っているホームのすぐ後ろでは黄色いヘルメットの作業員のおっちゃんと
おにいちゃん以外、人の姿はなかった。待っているのも私一人だけ。

札幌方面への貨物列車が通過していく。

かつての松前線廃止で、それまで信号場だったこの場所が地元の要請で旅客駅化
したという歴史を持つが、今では利用されている気配が感じられない。
駅前にやってくるのは車で乗り付けて来る者ばかりだ。発車時間が迫っても、
私以外に乗客は現れなかった。狭いホームに特急列車が停車しても降りて来る客は
一人もいなかった。

青森方面の最終列車に乗り込む。
16:38。吉岡海底駅を通過。16:41。トンネル最深部を通過。16:53。トンネル脱出。
知内から30分足らずで青森側に戻ってしまった。16:57。津軽今別を通過。
蟹田から普通列車に乗り換える。17:24に到着した701系は大半は学生さんと思しき
白いシャツと部活帰りだろうTシャツ姿の女の子達が駅舎へと吸い込まれていく。

海沿いの国道の青い看板には「青森 30km」。
郷沢。函館方面の特急列車の通過待ちのために4分停車。スーパー白鳥だろう、
緑色の車体がゆっくりとポイントを通過していく。この駅では仕事帰りと思われる
男性が肩にかばんを下げてホームの階段から降りていった。
後潟と油川でそれぞれ地元客を一人ずつ乗せただけで終点の青森へ。

青森二度目の夜。夕食はアーケードにあるとんかつ屋でとんかつ定食を頂く。

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