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これもまたまた古い話。
小田急恒例の終夜運転。
今回は年に一度だけ、参宮橋に停車するロマンスカーに乗ってみた。
始発は本厚木からだが、発車時間の関係で「ゆく年くる年」をテレビで見る代わりに
浅草寺で除夜の鐘を聞きつつ、年明けを迎え、そのままロマンスカーで江ノ島へ。
江ノ島で初の日を拝んだら、そのまま家に帰る予定であった。
ニューイヤーエクスプレス2号から参宮橋に降り立つ。
参拝客の便利のために設定された列車だが、参宮橋も普段は見られない紅白の
鯨幕が飾られている。この日だけ、この駅は本来の姿に戻るという感じが正確なところか。
そのまま次の普通列車で新宿へ。
新宿から都営新宿線、馬喰横山から東日本橋乗換えで都営浅草線と乗り継ぎ、
年明け20分くらい前に浅草に到着。浅草通りから雷門、そして仲見世の奥へ続くのは
途方もない数の参拝客の行列。雷門前の交差点では車ならぬ、人の交通整で体を張る警察官。
年明け前からすでに仕事をしているのである。お疲れ様と言いたい。
仲見世をずっと人の行列が埋まっているのに唖然とし、ひとまず家族に頼まれた
東京名物とされている梅園のあんみつを購入する。
一つ400円強。高いけれども、老舗だけに味はしっかりしている。
ヨックモックのバターシガーロール、虎屋の羊羹、ユーハイムのバウムクーヘン、
六花亭の美冬とマルセイバターサンド・・そしてあんみつは梅園。まだまだ知らない名物が
たくさんありそうだ。
梅園も年明け前から商売に精を出していたのは恐れ入る。というより、梅園以外でこの時間帯に
浅草らしい銘菓は手に入らないような気がした。
除夜の鐘を探しまわる内に年明けを迎えてしまったようだ。
浅草寺の裏手の通りでは、にわかにあつまった地元同士が臨時で営業している居酒屋では
道端に出された椅子に肩を寄せ合うように集まり、すでに出来上がっていた。
再び浅草寺へ戻るべく、境内の露店を冷やかしながら見上げるとライトアップされている
東京スカイツリー。前に見たときより確実に成長している。私も成長しなくてはならない。
北千住から発車するメトロニューイヤー19号まで時間があるので、北千住駅近くのネットカフェで
少々時間をつぶす。同じように考えている若者が後から入店が続いているようだ。
私の隣の席には女性2人だったが、どうやら夫婦と娘さんらしい。
旦那さんはすぐ後ろの席のようなので、席を前後を変わってあげた。
変わる前から分かってはいたが、両隣の客の質が良くなかった。右隣の窓側に座る若い男性。
なにやら呪文を唱えている。きっと魔法使いだろう。それを声をひそめて笑っているのが
通路を挟んだじいさんばあさんコンビ。列車旅をしていると色んな客を目にしてきてはいるので
これくらいでは特に気にならない。それよりも眠いのでひとまず寝ておく。
今年も去年同様に初日の出は拝めそうだ。今年は寒波の影響で、天候が良くないため
ここ関東地方と他の一部の地域しか、見ることはできないという。
そのためか空を見上げると、テレビ局と思われるヘリコプターの姿が確認できた。
初の日出をしばらく眺める。やはり江ノ島丼を食べてから帰ろう。