2010年7月21日水曜日

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ジブリの絵職人 男鹿和雄展と同じく、ジブリの美術監督である
種田陽平展が今回も半蔵門線の清澄白河から歩いて15分ほどのところにある
東京都現代美術館で開催されている。
ジブラーの端くれとしては、是非とも見ておかなくてはなるまい。

ここ連日溶けるような猛暑が続くが、今回も日差しが強い。
熱の篭ったその日差しを数時間も浴びていれば日焼けしてしまうだろう。

入場料は1200円。
ただ背景画の展示だけだったら高いかなと思ったが、入って見ると
予想に反して非常に面白く充実した展示内容であった。

その目玉はアリエッティになりきり、現実で映画の世界を体験できる
いわば映画のセットである。美術監督である種田陽平氏の言葉では
「HOT SET」と呼ばれるが、実写の映画で使われたものではなく、
アニメで描かれているその世界を忠実に現実世界に再現したセットで
映画では実在しないセットだが、来場者はまるでアニメと現実との
境にいる様な不思議な感覚に包むところが、生きている様なという
意味で「HOT」と表現しているようだ。

細部まで手を抜かずに作り込まれたその世界を見ると
同じくジブリの背景美術を担当して来た男鹿和雄氏と同じ様な
仕事に対するこだわりというか、丁寧さに感心する。

男鹿和雄展でもそうだったが、ジブリ以外の映画でも担当したセットや
イメージラフなどが数多く展示されている。
そのなかで「スワロウテイル」で登場する架空の街である「円都」
(イェンティン)は中国や台湾などにありそうな混沌として
怪しげな雰囲気が何とも良い。アニメ「カウボーイビバップ」を
見ている影響もあるかもしれない。

展示の最後もアリエッティの世界をイメージする為のラフが幾つか
展示されているが、その中で一番興味が向いたのはアリエッティの
キャラが完成するまで服の色や髪型など印象が全く違う何種類かを
描いた女の子たちだ。始めはとなりのトトロで初めてトトロに出会った
メイの警戒心の無い無邪気なイメージがあった様だが、次第にその
人間への警戒心が高い少女がイメージされているのが分かる。

個人的には三つ編みで青い服か、ショートヘアのスタイルの女の子が
本編で登場するヒロインよりもかわいい様に思える。
最終イメージとした本編同様に洗濯バサミで髪を束ねたスタイルが
描かれているところで終わっているが、表情は緩くなっている。
本編では人間への警戒心を示す為か、登場してからほとんどの場面で
硬い表情で描かれている。

最後のアリエッティのキャライメージの展示が無ければ
展示されている資料をまとめた資料集には手は出さなかった(笑)
歴代の映画ポスターの販売を期待していたが残念ながら無かった。
目当てのさつきの髪型が両側から縛ったスタイルで雨の中、
トトロとバス停で待つシーンが描かれたポスターも含まれた資料集は
海外向けらしく、このポスターが小さくモノクロで載っている国内版
よりは値段が高く、約3000円する為に断念した。

清澄白河までの道のりもこの暑さでは次第に参ってくる。
一旦新宿に出てから小田急に乗る。最初は乗る予定は無かったが、
本日から運転開始されている最近恒例の臨時特急「湘南マリン号」に
乗るために藤沢へと向かった。






青いロマンスカーだが、満席では無かった。
余裕で席は買えたが、それもそのはず今日が平日だからだろう。
空席が目立つ車内だったが、休日限定で運転される地下鉄直通の
「メトロ湘南マリン号」は結構な利用客がありそうだ。

ここ毎年運転されているところから、利用客からは定評を得ている
のだろう。乗っている客のほとんどは終点の成城学園前で下車。

私のすぐ後ろに座っていたサングラスのおっさんが窓と座席の
隙間から足を投げ出していなければ、すぐに足を引っ込めたが
謝ろうという態度があれば、もう少し気分は良かったが・・・

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