2010年7月6日火曜日

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【周遊きっぷの旅 3日目】釧路湿原と足湯めぐり

釧路
10:56発

↓ 9332 根室本線~釧網本線
  くしろ湿原ノロッコ2号

11:20着
釧路湿原 ※撮影
13:40発

↓ 4736D 釧網本線

14:45着
摩周 ※足湯
15:06発

↓ 8736D 釧網本線
  摩周&川湯温泉足湯めぐり号
  (直通)

15:55着

15:57発

↓ 4738D 釧網本線

  ※原生花園、車内から撮影

17:14着
網走
17:18発

↓ 18D 釧網本線~石北本線~宗谷本線
  特急 オホーツク8号

20:59着
旭川


旅行後に知ったのだが、釧路にも名物があるらしい。その名は「スパカツ」。
根室名物のエスカロップはデミグラスソースがかかったカツの下がバターで炒めた
ライスなのだが、ライスの代わりにスパゲッティーというものらしい。
これは正確ではないかもしれない。有楽町でいつも食べているインディアンは
油で炒めたスパゲッティーの上にカレーソースがかかっているのだが、
このカレーソースの代わりにカツが載っているというのが正確かもしれない。

どちらにしても、この情報を知らずに釧路に訪れた為に食べてはいないのだが
次回訪問する機会があるのなら、ぜひ食べてみたいものである。

近年のビジネスホテルでは1泊1000円でノートパソコンを借りることができる。
少し前には無く、旅行先でネットをしたい場合は携帯電話か、ネットカフェを
利用するしかなかったが、少しでも利用客を増やしたいためだろう、こうしたサービスは
どのホテルも普及しつつあるようである。
今回宿泊した釧路駅前のホテルは駅の目の前でありながら、パソコンレンタル料込みで
6000円を切る値段。客室設備も文句はない。窓から駅前や発車していく列車が望めるし
ユニットバスもシャワーとカランの切り替えと洗面台の蛇口は別になっている。
(古いホテルで安いところだとこの蛇口が共用になっていて、おまけにシャワーと
カランの切り替えは出来てもお湯を止めることができないタイプだったりする)
そして髭剃りで難儀するのが、湯気で曇ってしまう鏡だが、曇り止めが施されている。
俺ミシュランなら5つ星を評価したいホテルである。
そのホテルの名は「釧路ロイヤルイン」である。ぜひお勧めしたい。

借りたパソコンで少しネットしてから寝ようかと思ったが、
窓の外は明るくなり始めていた。時刻は3時半。どうも夜更かし気味である。
さすがに寝ておかないと後の旅行行程に影響してしまうだろう。
睡眠を促すつもりで飲んでいたが、その酔いのためか歯磨きをせずに次第に眠くなり・・









起きたのは9時半。ゆっくりと朝ごはんとしたいところだが、あまり時間はない。
シャワーで寝癖を直してと髭剃り、寝汗を流して支度して駅へと向かう。
これから乗る「ノロッコ号」の指定席がないかとみどりの窓口に訪ねてみると、
ある程度は空いていた。すでに何度も運転されていることもあって、団体ツアーが
押さえていたり、「北海道&東日本パス」のシーズンでもない限りは発車直前でも
大丈夫そうな感じであった。






ホームへ行くと、緑色の客車がディーゼル機関車とともに待機していた。
只見線を走る臨時の「風っ子会津只見号」のようにトロッコ車両に改造されている。
ディーゼル機関車も緑色、丸いヘッドマークが掲げられている。
客層は予想通り、家族連れが多いようである。


東釧路を出た「ノロッコ号」はその名の通り、ゆっくりとしてスピードで走っていく。
車内アナウンスでは左手に世界最大といわれる釧路湿原とともに開かずの水門について
説明が流れた。釧路湿原の直前でさらにゆっくりと走るのは観察ポイントらしい。







釧路湿原のホームは期間営業とあって狭い。駅名板と列車をゆったりと撮影する余裕は
ないようだ。なぜならまだ乗っている客たちも一斉にホームに向かってカメラを向けている
からだ。駅名板の前にいたら撮影の邪魔になってしまうのである。
緑色の列車がホームからゆっくりと走り去る頃にはホームには私1人になった。
他の客は皆、展望台へと向かっているようである。





次に乗る列車も臨時列車だが、2時間後である。
急いで展望台に行って戻っても時間が余るだろうから、静かなホームのそばのベンチで
鳥のさえずりを聞きながら、駅弁を食べることにしよう。
天気に恵まれ、日向ぼっこのような陽気で鳥のさえずりが聞こえてくる。
そんな中で食べる駅弁は何と贅沢な時間なのだろう。もはやこれは癒しでもある。
5月中は天気に恵まれず、これは神様からのご褒美なのかもしれない(??)



実は先に駅弁を広げたのは、お腹が空いていたという他にも理由がある。
塘路方面から釧路へ戻ってくる「ノロッコ号」を撮影するためである。
駅弁を食べていると、11:54発の普通がやってきた。キハ54系。気動車1両編成である。
先ほどのノロッコ号とは対照的に客は若い男性が1人だけのようであった。
ホームを離れてから汽笛を鳴らして奥のカーブへと消えていった。

そばの駅舎として使われているロッジ風の小屋の扉を開けて中に入ってみる。
観光地ということできれいに整備されている。






ようやく列車の走行音が微かに聞こえてきた。
12:28発の「ノロッコ号」である。ゆっくりとこちらに走ってくる。
この頃には先ほどまで展望台にいたと思われる客が何人か待っており、
到着した列車に乗り込む。ほとんどの観光客は釧路湿原まで行って戻るという行程を
取っているようだ。一時にぎやかなホームもまた列車が走り去ってしまうと
鳥のさえずりだけの静かな時間が流れ始める。






ここでずっと待っていてはせっかく釧路湿原に来たのに肝心の展望台から眺めを見ずに
終わってしまう。その前に釧路湿原をバックに塘路からやって来る普通列車を撮影する
ために途中の道で待機する。やがて右から走行音とともにキハ54系の1両編成がゆっくりと
右から左へと横切っていった。
ここから少し急ぎ目に展望台へ向かう。片道がどうやら20分ほどかかるらしいので
展望台で見る時間を考えてちょっと急ぎ足で向かうことにする。

展望台へ行く途中に展望広場があるが、ここからでも十分に眺めが良い。
何人かはしきりにカメラを向けて撮影していた。
それを通り過ぎてもう少し坂を登り、さらに奥まで続く車道の途中に入り口がある。
そこを少し歩くと、視界が開けたところに出る。展望台からの眺めは雄大、としか
表現のしようがない。こればかりは自分の目で確認してもらうしかない。
写真ではうまく伝わらないであろう。関東にいては少なくともこれほどまで向こうまで
見渡せる自然の景色はない。山登りでも頂上からの景色はもちろん格別だが、それとは
次元が違うのだ。日本にいてオーストラリアのエアーズ・ロックを見ている感覚、
といえばわかりやすいのだろうか。国定公園にする理由が少し分かった気がした。




しばらく眺めていたいが、列車の時間もあるので先ほど来た道とは異なるルートで
駅へ戻ることにした。これも車道の途中から多少急ではあるが、直接駅まで行ける
階段が整備されている。踏み切りそばに民宿があり、そこでコーヒーでも飲みながら
ゆっくりしたいとは思ったが、2時間では足りないようであった。






列車到着の10分前に到着したが、他に待っている人はいなかった。
キハ54系の1両が向こうからやってきた。貫通扉の真ん中に普段は見られない
「摩周&川湯温泉足湯めぐり」の白いサボが掲げられている。
先程の普通列車とは違い、こちらは停車時間を使って足湯に浸かれるとあって
程ほどに客が乗っている。窓を開けると風に乗って牧場や畑からの匂いが届く。
心地よい風にリズミカルな走行音をBGMにしばらくは湿原を走っていく。


標茶。釧路を出てからようやく市街地らしい風景。家々が集まっている。
だが標茶を過ぎてしばらくすると、畑や牧場ばかりの広々としたところに国道が
寄り添う風景が続く。

茅沼。運がよければ冬はタンチョウが見られる有名な駅である。
もちろんこれから夏に向かうこの季節では空を見上げても一羽もその姿は見当たらない。






摩周。足湯めぐりの第一ポイントである。
標茶同様にこちらも一大市街地の様相を呈している。改札を出て左手そばに屋根つきの
座ってくつろげる足湯がある。お湯は少し熱めだが、慣れてくると気持ちがいい。
しばらく入っていたいが、この列車を逃すと今日中に旭川まで列車で行くことができない。
記念にバスタオルを購入。結局後々すぐに使うことになるのだが。






川湯温泉。こちらも18分停車するのでこの間に駅舎内にある足湯でしばらく寛ぐ。
見ず知らずの人たちと妙に親しくなれるのも銭湯とはまた違った魅力なのだろう。
こちらの湯温は摩周よりも熱めで、慣れるにはもう少し時間がかかりそうである。
買ったソフトクリームを舐めながら、列車に戻る。
この列車ではしばらく裸足で座っていても怪しまれない。
開け放った窓からは心地よい風。足湯だけでも結構気持ちよいものだと実感した。






先ほどの摩周、川湯温泉の足湯を通して会話が交わされたのか、釧路湿原で乗った時よりも
車内の空気がどこか暖かく感じるのは気のせいではないだろう。

緑。ここから通常のダイヤである。
運転台にもうひとり乗務員が乗っていたのは、緑に停車中の列車を運転するためだった。
この列車は緑から摩周方面へ行く「足湯めぐり号」として発車するようである。
もうひとりの乗務員がその列車へ乗り込むのを見送ってからこちらは発車する。

清里町。学生さん男女2人が乗り込んでくる。中学生だろうか。高校生だろうか。
女の子の片方は芋っぽく、もう片方はかわいい顔をしている。駅へ向かう途中の
コンビニで買ったらしいカップのサンデーを食べている。



南斜里。幅の狭いホームの背中は一面畑が広がっている。乗ってくる客はいなかった。
よく見たら、かわいい顔の女の子も一緒にサンデーを食べている。

中斜里。サンデーを食べていた体型が太目のその男の子は運転士に定期を見せて
降りていった。

少し開け放った窓から、風とともに牛の糞の匂いが漂ってくる。
先ほどの芋の子は咄嗟に開けていた窓を閉める。地元でも嫌いな人はいるらしい。

知床斜里で足湯めぐりで一緒だった団体さんを含めて殆どが降りていく。
リーダー(?)らしきおじさんは私に「どうも」とあいさつしてから降りていった。
こちらも会釈で返す。






知床斜里を出ると、右手に海が広がってくる。
冬で運が良ければどこまでも白き光景、流氷が見られる海として有名だが、
もちろんは見ることはできない。せめて生きている間に一度は目にしたい光景である。
今はどこまでも青き光景。穏やかに青く広がっている。そして手前に国道がない。
国道が手前を邪魔してないことが素晴らしい。流氷の光景は言葉もないに違いない。

冬は今の季節とは想像できない光景を目の当たりにする。
故宮脇俊三氏は本で書いていたが、夏の北海道しか知らないのでは誤解する。
冬の北海道にも行くべきであると。自分の目で確認してきて、少し理解できた。
高く積もった雪が国道を塞ぐのである。道によっては車の通行は不可能になる。
道路脇に立っている標識だけがその白い雪から少し顔を出してようやくそこに
道があるとわかる次第なのである。最初は車窓からの景色に目を疑ったものである。

だから流氷を見るなら列車で行くのが安全かつ、快適なのである。

止別。木造駅舎の味わい、屋根上の風見鶏のような馬のサインと駅舎の中の飲食できる
らしい実製の雰囲気が良い。機会があるなら是非途中下車したい駅である。

浜小清水。釧路方面の2両編成とすれ違い。

北浜。流氷の見える駅として有名な駅だが、駅舎のガラス戸越しにおびただしい数の
名刺等が「絵馬」のように壁にビッシリ貼られているのが見えた。

次の原生花園は臨時駅。駅とは反対側の道路沿いに車を止めている人が携帯電話で
こちらに向けて撮影していた。網走国定公園になっている小清水原生花園の最寄駅で
色んな花が一斉に咲き乱れるこの季節にあわせて列車が停車する。
この小清水町では、流氷の季節に合わせて熱気球を上げる祭りもあるらしい。
こちらは熱気球から流氷を眺めてみようという趣旨のようである。

鱒浦。先程まで乗っていた中年女性が降りていく。
駅名板に「B45」とナンバリングされているが、Bで始める路線名はあっただろうか?






網走から今回の行程では最後の乗換えになる特急オホーツク。
降りた普通列車から離れたホームですでに待っていた。
自由席は混んでいるかと思ったが、車内はガラガラであった。
始めは指定席と考えていたが、実は旭川方面に乗る場合は自由席が都合がよい。
先頭車が自由席であり、右側前方の席から前面展望を楽しめるからである。


美幌。ホームの向かいに普通列車が入線。サイドボードには「網走~金華」。
美幌を出てからワゴンサービスがやってきた。
・・・昨日の夜、ホテルの部屋でノートパソコンから秘境駅を紹介しているサイトを
運営している筆者の考察を読んでから、周遊きっぷだけではタダ乗りしているような
申し訳ない気持ちになり、自由席に乗せて頂く代わりに特急料金ではないが、
ワゴンサービスで缶ビールやホットコーヒー、おつまみを購入する。

夕日を浴びながら特急列車は走っていく。自由席も席が埋まり始めていく。
先頭車から2号車前半までは自由席だが、これが逆だったらガッカリするところである。
夕日の光が次第に弱くなっていく。もうすぐ夜になるだろう。昼から夕方、そして
夜の移り変わりを列車で旅していると良く感じる。


留辺蕊。この特急列車は旭川まで行く最終列車。だがホームには1人もいない。
右手を国道が走っているが、もうまもなく夜が訪れようとしている。
窓ガラスの自分の顔とにらめっこすることになるだろう(笑)

常紋トンネルに入る寸前でシカ2匹が横断。流石に運転士も心得ているようで
ゆっくりと減速して走っていく。


生田原。周りを山で囲まれた小さな街という印象。
右手に見えた「オホーツク炭化センター」と赤い文字が掲げられた建物から
かつては炭鉱で賑わっていたのだろうなと勝手に想像していたが、後で調べてみると
どうやら違っていたようだ。キノコ等培養で使われていたおが粉を炭化して
肥料などに再利用できるようにしているところらしい。

生野。板張りのようなホームを通過してすぐに右手に牛が数匹。

安国。網走方面の特急 オホーツクとすれ違い。


遠軽。ここからスイッチバックのような配線になっているために
方向転換し、一番最後尾になって特急列車は発車していく。
ここで車内検札。2つ後ろの席に座る若い女性はどうやら犬を連れているらしく、
犬の鳴き声で検札した車掌が驚いていた。

遠軽を出てすっかりと夜になり、正面のガラスに自分の顔が写る。
19:40。車内の照明が反射して外が良く見えないが、白滝を通過。
19:45。上白滝を通過。知らなければひっそりと通過してしまう駅である。






定刻に旭川到着。
夕食は旅行前から決めていた飲食店やスナックが集う「36(サブロク)街」にある
「ラーメン食堂 NOBU」に行く。電話してみると営業時間は22時までということで
あと30分しかない。歩いても間に合うかもしれないが、道に迷っているうちに
閉店してしまってもつまらないので、ここはタクシーで向かうことにした。

ラーメンと大瓶のビールで腹が満たされたら、後は明日に備えてホテルのベットで
寝るだけである。

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