2007年10月13日土曜日

つくもノヲ”X="1≠ 227




10/09。
朝から新幹線で急ぐ旅。(大阪の客先会議)
小田原からひかり365号の自由席に乗り込む。
このまま新大阪まで乗っていっても時間的に間に合うのだが、
せめて指定席をと名古屋で後続ののぞみ111号に乗り換え。
指定席をとろうと前日の東京駅のみどりの窓口へ行ってみたが
名古屋からしか指定席が取れなかった。前日では無理らしい。

客先会議が無事に終了。同僚たちとのしばしのお茶タイムに
付き合った後大阪駅にて解散。
ここから私の自由な時間だ。そして急がない旅でもある。

今回は九州は熊本まで、ゆきもかえりも寝台特急に乗るという
計画を立てていた。しかもゆきはB寝台個室「ソロ」、
かえりはA寝台個室「シングルデラックス」と私にとって
かなり贅沢な旅なのだ。

ゆきの寝台特急「なは」は京都始発で熊本まで行く唯一の特急だ。
利用者減でここ数年で廃止されていく寝台特急が出ている中で
まだ頑張っているが、この「なは」も近いうちにこの青い車体が
疾走する姿が消えていくのも時間の問題だろう。

この「なは」は後ろに長崎行きの「あかつき」を併結している。
九州の鳥栖で切り離し、「なは」が熊本に向けて出発した後に
「あかつき」は長崎へ向けて長崎本線を走る。

かえりの寝台特急「はやぶさ」は熊本始発で東京まで行く
これも唯一の特急だ。門司で大分始発で日豊本線からやってくる
「富士」を後ろに併結する。ゆき、かえりとも下関、門司で
関門トンネルを通るために機関車交換があるが、「はやぶさ」、
「富士」についてはさらに門司駅で面白いものが見られる。
乗ったことがある人ならご存知の「イベント」である。



ゆきに乗る「なは」は京都を20:02に発車する。まだ時間がある。
何度か大阪会議のために出張しているので、京都や新大阪、大阪
周辺はまわっているので、今回は奈良に出てみようと思った。

奈良へ出るには、京都から奈良線に乗るか、大阪からなら大阪環状線
経由で大和路快速に乗ればよい。東京ならば湘南新宿ラインで小田原に
出るようなイメージだろう。

さっそく大阪からその大和路快速に乗る。環状線も快速だけに何駅か
通過していく。路線図では近いイメージを持っていたが、乗ってみると
やたらと時間がかかる。ちょっと寄って奈良の寺院などを歩き回って
なんて考えていたが、奈良駅には50分ほどかかった。ここで18時前。
帰りは奈良線で京都へ19時過ぎについていればいいやと思って
所要時間を改札にいた駅員に尋ねたら、1時間かかるといわれた。
おまけに1時間に3本しかない。

駅の規模もさることながら、駅前のこじんまりとした風景に拍子抜け。
京都駅のように規模の大きい駅前の風景と思っていた。
立っていた看板を見ると寺院などは駅からさらに2~3km離れたところに
あるようだ。見てまた駅に戻る時間はありそうにない。
駅前から正面を少し行ったところにこうしたどこにでもある商店がある。
特に面白そうな感じではなかったので、駅へ引き返す。

次の奈良線の京都方面は18:20発。所要時間は1時間と言われたが
もう少しかかるかも知れない。
それよりも所要時間が確実にわかっている大阪環状線経由の大和線に
乗って、京都へむかうことにした。
19時少し前に大阪に到着。ここから京都線に乗り換えて、新快速で
30分かかる。19時丁度発の新快速があったが、ホームを間違えたと
気づいたのは発車した直後のこと・・・orz

時間的にきわどいが、次の19:15発に乗ることにした。
途中で遅れてくれてはならない。京都に近づくにつれてドキドキ
してくる。なんとか無事に京都についた。定刻の19:45。





「なは」には車内販売がない。駅弁やお菓子など食料は予め仕入れて
おかねばならない。なので、あまり時間はないのだ。急いで今日の
夕飯の駅弁、そして夜食、ビールを入れた袋を携えてホームへ急ぐ。

今日お世話になる青い車体がすでに発車を待っている。
一番後ろの車両は「あかつき」のレガートシート車。
京都駅へはこの後ろに電気機関車を連結させて入線させたようだ。
もう少し早く着いていれば、その光景も見れたかもしれなかったが。






発車時刻が迫っている。ひとまず乗り込むことにしよう。
3号車のソロ。ここの6番が今回の寝床である。
上下2段式だが、下段は通路から直接引き戸を開けるタイプだが、
上段は階段を上がって、折り戸式タイプになっている。
どちらも最大4桁の暗証番号式の電子ロッキーで施錠できる。
写真ではわかりにくいが、ドアを閉めて黒いボタンを押した後に
番号を入力すると、数字の赤い表示が出る。赤いボタンを押せば
施錠される。開錠するときも同じ操作で開けられる。
ちなみに番号を間違えると「ピリリ」と鳴る。何度間違えても
大丈夫だが、押すたびに「ピッ」と電子音がなるので特に夜中では
意外とこの音が気になるので、なるべく間違えないようにしたい。

今回は上段。下段はベットこそきれいな長方形だが、通路に面して
ドアがあるため、人の足音などが気になりお勧めできない。
また上段部分にもぐるような構造なので、圧迫感がある。
上段は下段と比べて、構造上ベットの形がきれいな長方形ではないが
それを我慢すれば、上段だけに展望はすばらしい。

また空室でいたずらはしないように。
ドアを閉めなくても、暗証番号を入力して赤いボタンが押してあれば
ドアを閉めて施錠されるからだ。
いろいろと操作を試したが、中からはつまみをまわすことで施錠、
開錠ができるようになっているが、施錠した状態で外から閉めたら
どうかは怖くて試さなかった。
おそらく電子ロックキーで暗証番号を入れて施錠してから開錠する
ことができるのだろうが。

自分の部屋に入ると、窓とは反対側の壁には鏡や目覚まし時計、
読書灯、室内灯のスイッチ、そしてコンセントが設置されている。
一番右のボタンは非常ボタン。何かあれば押して車掌を呼ぶことが
できるようになっているのだろう。

閉じていた遮光シートを全開にする。荷物を置いて落ち着いたところで
しばらくして発車した。車内アナウンスがあり、どうやら前の電車で
障害物接触の事故発生で信号待ちをしていたようだ。

ここで前のニッキで書いたようにGPS取得実験をしようと思いついた。
電波受信を少しでもよくするために窓のテーブルにおいて実験開始。
コンセントが窓とは反対側にあるので、寝るときはコードが邪魔に
なってしまうが、それはどうしようもない。我慢しよう。

京都駅を発車してもしばらくは徐行運転となった。
しばらくの徐行運転の後、通常の速度に戻った。

さっそく車内探検を。
「なは」の1号車、2号車にあるB寝台。前回の北斗星と同じである。


戻って今度は4号車のB寝台デュエット。個室に2人まで寝ることが可能。
(2人分の特急料金と寝台料金を払えば、1人でも利用可能)
いわゆるB寝台ソロの2人用である。
上段個室の出っ張りがあるので、少し圧迫感がある。
Bソロと同じく、暗証番号式の電子ロックキーである。




5号車からは「あかつき」。まずはB寝台。
よくみると、壁にはこのような小さな額縁で飾られた絵がかけてある。



6号車。A寝台車。入るとすぐシャワー室がある。このシャワー室は
A寝台のみ利用できる。ちょうど使用中のランプがついていた。
電子ロックキーとは違って、こちらはカード式。確か車掌から渡された
カードは持ち帰り可能のはずである。
空室があったので、ちょっと覗いてみた。広さとしてはBソロを少し
広くした感じであり、それほど豪華という感じはしない。


そして7号車。B寝台シングルツイン。個室の中に2段ベットが設けられて
おり、上下で2人が寝られるようになっている。
上段は狭い上に窓がない。また2人用なので1人のスペースも狭い。
これならB寝台をそれぞれ2人分買ったほうが、値段にしても広さにしても
割りにあっているような気がする。

8号車。3号車と同じBソロ。上下2段式である。色使いもこちらのほうが
少し落ち着いた感じになっている。

9号車はB寝台車。同じように絵が通路の窓側にかけられている。


10号車。一番最後尾にあるレガートシート車である。
入るとすぐのところに自販機と電話が設置されているロビーがある。
レガートシートを利用するものにとってはなくてはならない場所だ。
レガートシートの後ろ半分は扉を隔てて、女性専用席になっている。
さすがに扉を開けて覗くわけにはいかなったが、今回は少なくとも
2人利用者がいる模様。寝ることを前提になっているので座席は
かなり後ろに倒せ、倒しても後ろの人に当たる心配はないらしい。
また倒したときに隣の人と目が合わないようにずらして配置されて
いる。また寝台ではないので、寝台料金は不要。


こうして車内探検しているうちに大阪駅に到着。
通路側の窓にはホームで電車を待っている人や行き来している人が
見える。せわしない時間とゆっくりした時間が窓を隔てている。

自分の個室の窓から、環状線を待つ人たちがホームに並んでいるのが見えた。
向こうもこちらを見ている人たちが何人かいた。
恥ずかしいよりもものすごい優越感を感じる瞬間である。


優越感に浸りながら、さっそく夕食の駅弁を広げることにしよう。
とんかつ弁当。昼も会議前にとんかつ定食を食べたのだが、
こちらは本当に肉厚のとんかつ。昼の定食など比較にはならない。
夜の大阪の流れる景色を楽しみながら、とんかつをほうばる。
そして食後に缶ビールをゆっくりと飲む、格別の時間。
日常では決して味わえない優雅な時間だ。同じビールでもなぜか
おいしい。


読書灯は無段階で明るさを調節できる。暗くすると流れる夜景が
よく見える。またビールを飲む。最高の時間だ。


21:26。車内放送では唯一の観光案内がある。
明石大橋のライトアップが数分間楽しめるのだ。列車はこのライト
アップの下をゆっくりとくぐっていく。
ちなみに読書灯だけにすると室内はこんな感じだ。



B寝台のプレートを見ていたら、寝台で「寝ムロ」なんて
洒落を思いついてみたり(笑)

何度目かトイレにたった際、よく見たら飲料水の設備を発見。
北斗星や急行「銀河」にはこういう設備がない。
ボタンを押している間は出るようになっている。

紙コップと書かれた金属の箱の中にはこんな形状のものが入っていた。
あまり量が入らない上に使う人はいるのだろうか?
そばの洗面台にもプラスチックのコップがあるので、使う人はいないと
思われる。よくわからないが、なぜ設置されているのかは謎だ。

窓の遮光シートも閉めて灯りをすべて消すと、ご覧のとおり真っ暗に。
こういうところも個室ならではの権利である。
もちろん、鍵もかかるからプライバシーも保ててもちろんオナ(自己規制)

22:10。車内放送が明朝まで一旦中止する旨を告げる。
いろんなサイト、ブログで書いているように寝台列車の夜は早い。
電気機関車のディーゼルエンジンの匂いが室内にもかすかに漂ってくる。
はじめは充電し続けている携帯電話の基盤が焦げたか、充電器がショート
したのかと少し焦った。(笑)

日付は変わって10/10。
しばらく横になっていたが、ふと目が覚めた。
12:10。尾道に停車しているようだ。

12:20。三原に停車。このあとは下関までは乗客の乗り降りする駅はない。

この後、時刻表では通過を示す「レ」が並んでいる時間帯だが、
実際は運転停車のためにいくつかの駅に停車する。
(ちなみに西村京太郎の作品でこの運転停車をはじめて知った)

01:22。広島駅に運転停車。

02:50。徳山に運転停車。
03:26。新山口を通過。


そして、最初のイベントである下関の機関車交換で7分間停車する。
ここまで牽引してきた青い電気機関車EF66から、赤いEF81に付け替えられる。
海を潜るトンネルを進むので、錆に強いステンレス車である必要があり
九州側で直流から交流に変わってしまうため、両方に対応した機関車である
必要があるからだ。

4:29。下関を発車した列車はしばらくしてトンネルに入った。
関門トンネルは約4分ほどで九州川へ出た。4:38。

下関ではまたしばらく停車する。同じ赤い機関車でもED76に付け替えるためだ。
うっかりして写真に撮るのを忘れてしまった。このもうひとつの「イベント」が
あることを忘れて、個室内で駅を見ていて気づいたが時すでに遅し。

これから先はもうイベントはないので、しばらく寝ることにした。
といっても、GPS取得実験中の携帯電話の状況が気になってあまり眠れなかった
けれども。

06:26。いや、もうひとつ「イベント」があった・・・orz
鳥栖駅での「なは」、「あかつき」を切り離す作業である。
もちろん、気づいたときはもうホームを離れていた。

06:33。久留米駅停車。

06:35。空模様は雲多めだが、正面に日の出を拝む。
2011年開通を目指す九州新幹線の工事中の高架がかなり邪魔だったけれども。

06:59。大牟田駅停車。
通勤通学の時間帯だろう、向かいのホームは改札から階段へ駆け足で行く
人たちが見える。ここでもせわしない時間とゆっくりした時間。






07:36。終点熊本に到着。
これからこの電車はそれぞれ「彗星」大分ゆき、そして「ゆうづる」青森ゆき
として発車する・・・わけでない(笑)
何故か方向幕がそうなっていた。今はなき「彗星」、「ゆうづる」。
ここ熊本で復活!!これは数少ない利用者へのさりげないサービス??

ヘッドマークもよく見ると、「なは」・「あかつき」連名になっている。
正確には鳥栖以降は熊本へは「あかつき」は走らないのだが、
これは少し前からの名残だろうと思っておこう。

熊本駅からは鹿児島本線の終点八代まで、普通電車が奥の0A、0B番線から
発着する。0A、0Bという珍しい番線はここぐらいだろうか。
昔は鹿児島中央(昔の西鹿児島)まで寝台特急が走っていた時代があったのだ。
そんな面影もなく、観光駅でもあるが、通勤通学駅でもあることを
電車から一斉にに降りてくる通勤通学客を見て知ることになる。

次のニッキから博多観光編に続く。

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