2007年8月3日金曜日

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8/1。最終日は朝霧の根室で朝を迎える。
6:00に出発する始発の根室本線で釧路へ向かうため、モーニングコール
だけでは心配で、ベットに備え付けのアラーム、はたまた携帯電話にも
アラームをセットしていたが、最初のモーニングコールで目が覚めた。

今日こそは晴れてくれることを期待したが、上空は白く煙ったままだ。
窓を開けると、すずしい朝の風が流れ込んでくる。
シャワーを浴び、汗を流して早い朝飯に半分残した菓子パンをほうばる。
昨夜タイエーで買ったペットボトルの乳飲料を飲む。

ふと鏡台の引き出しを開けてみると、イエス・キリスト関係の書籍が
出てきた。2冊のうち、1冊にはモルモン経と金字で印刷されている。
もう1冊はどうやらロシア語版らしい。ホテルの備品だろうか?
それとも誰かが置いていったものだろうか?布教活動の一環??

そうこうしているうちに時間も無くなって来たので
ホテルをチェックアウトして、根室駅に歩いていく。

ロシアに近いだけに駅前の警察署にもロシア語の看板が。

根室駅の中に入ると、赤いスポーツウェアを着た若者の集団が先に
改札口付近に集まっていた。背中に「NEMURO BASKETTEAM」と
プリントされている。

しばらく見ていると、どうやらその周りの人たちはコーチとか
お見送りの人たちのようだ。彼らにコーチと思しき人が応援の言葉
をかけている。





そんな光景を見ているうちに改札が始まった。
切符にはんこを押している駅員に聞いたところだと、函館まで行って
試合があるそうだ。函館までは彼らと一緒の電車だろう。

発車まで少し時間があるので、最東端の駅の看板を撮ってみた。
乗り込んでしばらくして電車は定刻どおり、根室駅を離れていった。

朝霧の中を走っていく。東根室に停車。ここにも最東端の標識がある。
終点の根室は東根室より西寄りにあるため、本当は東根室が最東端。
なぜ、2つの駅にこうした看板が存在することになったかは謎だ。

しばらくは線路の少し先が霧で向こうが見えない。
雲の中を走っているようなそんな不思議な光景が広がる。
(運転士のそばで撮影するのはやめておいた)





さらにしばらく走っていると、雲と雲の間から時折太陽の光が
指してきた。このまま晴れるかと最後尾の窓から眺めていたが、
一面に雲が多くて、青空はたまに覗くくらい。







いろいろとアングルを変えて撮ってみたが、線路がメインになるように
した方がいい。昨日、花咲で撮ったようなアングルで向こうに夏空が
広がっていれば、何も文句はない。
かえりは電車を降りる余裕は残念ながらないが、それでもこの真っ直ぐな
線路が向こうに続く景色を思う存分、楽しめたのでよかったと思う。

終点まであと少し。ふと天井を見上げると扇風機がある。
中央のマークをよくみると、あの国鉄マークのままになっている。






釧路からは特急スーパーおおぞら4号で南千歳まで向かう。
ゆき同様に3時間半の鉄路である。しばらくは車窓からは朝霧に包まれて
向こうが霞んでいる緑の風景が続く。
この風景を見ていると、Windows XPの壁紙を思い出してしまう。

この特急も遅れることなく、定刻で南千歳に到着。
ここで次の特急スーパー北斗12号が来るまでは1時間ある。
降りたホームには石北線Okmを示すこんな石碑が設置されていた。



待合室にいても退屈なので、改札を出て歩いて3分のところにあるアウト
レットモール「レラ」に寄ってみた。昼食もここで済まそうかと思ったが
やはり電車の旅なのだ。最後まで駅弁でいこうと考え直した。
お土産を売っている店も探してみたが、どうやらない様だ。

そろそろ駅に戻ろうと思い、ふと空には入道雲が広がっていた。
この入道雲が花咲で撮ったときに・・・と愚痴はもうやめよう。




改札内のキヨスクで買った駅弁は「かに釜めし」(840円)。
横川の釜めしのように本物の釜でないところが少し寂しい。

入線してきたスーパー北斗12号。今回は指定席、自由席とも満席との
車内アナウンスがあった。自由席も満席であるため、通路にも人が
座っており、自由席難民ができてしまっていた。

指定席でなくても乗車することはできるのだが、今回のように旅の
終わりで難民になるのは御免こうむることだ。このときは指定席を
取っておいてよかったとつくづく思った。
それにみどりの窓口に行くのがあと少し遅かったら、この席だけが
取れずに今日中に帰ることはできなかったかもしれないと思うと
幸運だったと思うのだ。

そんな状態で取れた席だけに乗ってきた電車では唯一の通路側に
なってしまったわけだが、贅沢をいってはいけない。
取れただけでもありがたいことだ。
しかし地形のせいなのか、よく飛ばすとともによく揺れるので
乗り心地はあまりよろしくない。

先ほどの駅弁の蓋を開ける。さっそくほうばる。
外見の釜はともかく、とてもおいしかった。

函館までもゆき同様に長いこと乗ることになる。車窓からは他では
見られない細長い煙突がつく特徴ある屋根の家の風景が見られる。
後でwebで調べたら、ストーブとつながっていてそのため煙突らしい。



函館では最後の特急で北海道とお別れすることになる。
スーパー白鳥32号である。青函トンネルを抜けて、八戸まで走る。

食後のおやつを少々買い込んで、乗り込む。
通路のドアには北海道と本州をあしらったデザインがガラスに
施されている。なぜか下北半島が途中で切れてしまっているけれど。

いよいよ青函トンネルに入る。車内アナウンスでは青函トンネルに
ついての簡単な説明をしてくれる。最深部240mにはそれを示す緑と
青のランプがあること、北海道新幹線開通に向けて、新幹線規格に
なっていることなどを告げる。

16:29。知内を出てすぐにトンネル区間になる。本州側同様に
青函トンネルの前にいくつかのトンネルがあるのだ。
今どのトンネルを通っているかを通路ドア上の電光表示板で示してくれる。

青函トンネルに入った。しばらくは闇が続く。

16:36。北海道側の吉岡海底駅を通過。

16:40。最深部を示す、緑と青のランプを通過。

16:47。本州側の竜飛海底駅を通過。

16:56。青函トンネルを抜ける。

このあといくつかのトンネルを潜る。
長い津軽トンネルを16:57~16:59、その次の大平トンネルを17:01に
抜けて、ようやく本州の景色が現れた。



八戸に到着。ここから最後の電車である新幹線まで乗り換え時間に
あまり余裕はない。駅弁を買って、新幹線ホームに急がなくてはならない。
なんとか5分前にはホームへ降り立ち、乗り込んだ。
この新幹線を逃すと、どこかにもう1泊することになる。そうなったら
また寝台特急に揺られるのも悪くないかもしれない。





定刻にホームを滑り出したはやて32号の車窓からは
しばらく外の景色は見えない。さきほど買った今回の旅最後の駅弁
「十和田湖和牛 牛めし」(1050円)を頂くことに。さっそく食べてみる。
ゆっくりと時間をかけて味わう。
4回駅弁を買ったが、その中ではこの駅弁が私の中でNO.1である。

特にメインの牛肉がたまらない。添え物としての豆腐や、佃煮も
デザートのりんごが入ったゼリーもどれもすばらしかった。
きっとこればかり食っていたら病気になるだろう(笑)




盛岡では後続のこまち32号を連結するため、しばらく停車する。
新幹線のこの「イベント」を見た後はひたすら東京を目指すだけだ。
仙台に止まる。盛岡同様に駅前の景色はほとんど変わらない。
都会的なネオンが煌々と輝いている。
そんな景色を見ているうちに眠ってしまった。

ゆきの寝台特急が走る路線とほとんど平行に走るわけだが、
当たり前だが早い。新幹線と特急を乗り継げば半日で北海道入りが
できるのだ。しかし、それでは鉄道の旅としての楽しみを減らしている
ようで好きではない。それほど急ぐなら飛行機でも変わらない。
私は断然、寝台特急を選ぶ。今回はあまり時間がとれなくて帰りが
新幹線になってしまった。




大宮を出ると、次は上野。ここから見慣れた埼京線が並行して走るのが
見える。毎度埼京線のホームから眺めていたが、初めて新幹線から
眺めることになったわけだ。

東京終点。長い長いJRの旅はここで終わったのである。

それほど長いこと離れていたわけではないけど、小田急線のホームが
ひどく懐かしく感じられた。今回の旅で感じはつかめた。次回はもう少し
計画を練ろうと思う。まだまだ楽しめる余地はあると思う。

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