2011年7月3日日曜日

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JRに臨時の急行が走っているわけではない。
臨時の快速ならまれにSLだったり、横須賀線で活躍した115系といった車両が走る事はあった。基近年なら「ニューなのはな」に代表されるようなジョイフルトレインは定番になっているが
最近なら前のニッキで記した、赤いディーゼル機関車ことDE10が新潟の「ばんえつ物語号」
として使用されている客車を牽引した、臨時快速「おいでよ房総物語」号が記憶に新しい。

ばんえつ物語の客車には、「ばんえつ物語」のロゴがそのままになっていたので
ヘッドマークは「おいでよ房総物語」なのに、という臨時列車でも珍しいケースだろう。
なので、千葉に居ながらして「ばんえつ物語」に乗った風に写真が撮れた(笑)

これから見に行く急行とは、いすみ鉄道がJR西日本が大糸線で走っていた車両を買い取り
毎週土日だけ、観光向けとして走らせているキハ52系である。
それまで何度かいすみ鉄道社長のブログを読んでいたが、予定が延び延びになって
ようやく最近運行されるようになった。

時間をちゃんと調べていなかったので、昼過ぎに出発したのだが
いすみ鉄道の乗り換え駅である大原に到着すると、目的の急行がホームに停車している。
どうやらこれから発車するらしい。グッズ販売と観光案内を兼ねたスタッフから急行の
指定席券を購入すると、私が最後の客だったらしく、すぐに動き出した。

片開きのドアが閉まるとゆっくりとホームを離れていく。
指定席と自由席の大きな違いはボックスシートかロングシートかの違い。
ただ途中の大多喜までしか乗れないので、どちらでもそれほど差はない様に感じる。

ただし、それは我々ペットボトル世代だけで、栓抜きでジュースやビールの蓋を開けていた
風景が当たり前だった世代には懐かしの栓抜き体験が出来るという特典が付く。

隣の若い男性は栓抜きを当てがい、コーラの蓋を開けんと四苦八苦していたので
声を掛けて、瓶を開けてあげた。あてがう角度に少々コツがいるが、開けた瓶を渡してから
思わず体験出来た喜びとともに、この人には悪いことをしたなと少し後悔した。

この急行が運行されるに併せて、途中の上総中川では駅名票が昔を懐かしんでもらおうと
国鉄(?)風のデザインになっている。車内をよく見渡すと、出来る限り大糸線で活躍していた
当時のままで走らせると社長が自身のブログで綴っていた様に、国鉄時代の中吊り広告がある。
「特急 白根号」の文字を見て乗りに行こうかなと思ってしまったが、今はJRである(笑)。
写真の吾妻線のかの有名な国鉄最短のトンネルを潜る183系国鉄色は最近でもたまに見かける
車両だから、違和感がなかったのだ。それだけ現代でも通用するデザインなのである。
(2004年11月27日、28日に懐かしの特急白根号として運行されていた様です。)

短い乗車区間だったけれど、社長の本気を垣間見る事が出来た。
観光列車と銘打っているけれど、車内外ともに貴重な動く鉄道博物館である。

車内でスタッフが販売していた復興応援切符を購入した。

被災したひたちなか海浜鉄道、三陸鉄道と同じ第三セクター鉄道として、
いすみ鉄道も含めた硬券タイプの入場券が各社1枚ずつ、「勝田」「盛」「大多喜」と
縁起の良い駅名の入場券が台紙付きになっているもの。

1000円で三社ともに応援できるなら安いものだ。いつかは乗りに行きたいと思っている。

大多喜から黄色い列車を待つ。オールロングシートが端から端まで埋まっている。
若い人もいるが、全体的に平均年齢は高めな車内。ほとんどが観光客だろう。
終点の上総中野では前回訪れた時は運転日でなかったために乗れなかった粟又の滝行きのバスが
発車を待っている。徒歩では1時間かかった日帰り温泉の小旅行を思い出した。

明るいうちに小湊鉄道も乗りたかったので、今回はそのまま待っているツートンの気動車に
乗り込む。前回は最終の17時発に乗ったが、しばらくは街の灯りがほとんどない様な人気がない
場所を走り、その日は走っているうちに霧で視界も良くない闇夜だったから、レトロな車内も
相まって別の世界に連れていかれるような不安があった。

今回は太陽の光が優しく差し込む車内なので、しばらくは人気が少ないという感じは同じだけど
印象は全く違う。とても穏やかでゆっくりとした空気が満ちている。
昼と夜でこれほどまでに印象が違うのは、初めての経験である。乗り鉄の端くれで、
JRの距離が長い路線では朝から夜まで乗り通す事もあったけれど、ローカル線となっている
路線では乗客がまばらで淋しいという感じはあっても、どこに連れていかれのだろうという
不安を感じた事は無かったからだ。

途中の上総牛久からは運転本数が急に多くなるように、乗客も急に増える。
夜間だとタイムスリップでもしたのでは思ってしまうような風景の変わりようだ。

帰りに乗った特急「成田エクスプレス」はほぼ貸し切り状態の車内。
車両を新調してまで運転されているのだから、たまたま乗った時間帯はガラガラで
お盆休みやゴールデンウイークなどの観光シーズンには席が埋まるのかもしれない。

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