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【ウィークエンドパスの旅 1日目】特急「河津桜号」と河津桜
海老名
10:37発
↓ 1080F 相模線
11:04着
茅ヶ崎
11:24発
↓ 3755M 東海道本線
快速 アクティー
12:07着
熱海
12:12発
↓ 5643M 東海道本線~伊東線~伊豆急行線
13:40着
河津
15:25発
↓ 5649M 伊豆急行線
15:39着
伊豆急下田
16:17発
↓ 9078M 伊豆急行線~伊東線~東海道本線~総武本線
(東京から9079M)
20:09着
千葉 ※宿泊
またも少し古いネタを。
河津桜は早咲きで有名な桜。河津桜まつりは3月10日まで開催しているという。
もちろん、河津桜だけではるばる伊豆急下田まで南下したりはしない。
目当ては臨時列車 特急「河津桜号」。ここ近年走るようになった臨時列車だが
昨年同様に黒船列車で、運行区間が何と千葉まで延長されているではないか。
黒船列車は立川から南武線と南部支線の浜川崎、そして貨物線を経由して運転された事が
話題となって記憶に新しい異彩を放つ列車だが、その黒き列車が千葉で見られるという。
この機会を逃す手はない。
展望席の指定席券を無事に手に出来たと安心し、しばらくしてから買い間違いに気づくという
痛いミスを犯してしまった。
夜勤明けでは千葉始発の黒船列車には乗れないのである。
途中から乗る事は時間的に可能なのだが、普段は走らない千葉から錦糸町~東京の地下ホーム
を経て再び地上へ抜ける区間を拝むためには、始発の千葉から乗らなくてはならない。
幸い伊豆急下田発の帰りの黒船列車の指定席は手に入ったが、展望席は埋まっていた・・・。
千葉まで行ったら、そのまま宿泊する。
翌日は千葉から館山まで、これまた「河津桜号」に合わせたような期間で運行される
臨時列車 快速「おいでよ房総物語」号に乗る予定にしている。こちらも千葉では初となる、
「SLばんえつ物語号」の客車を使用することになっている。
普段は新潟~会津若松まで信越本線と磐越西線をSLに牽引されて走る臨時列車だが、
その客車を今回は赤いディーゼル機関車DE10が牽引して運行される。
今回はウィークエンドパスを最大限有効活用する、というと聞こえが良いが
ウィークエンドパス以外で余分な交通費を出さずに済むようなルートで伊豆急下田へ向かう。
小田急からなら町田と厚木・海老名からそれぞれJR線に乗り換えとなるが、定期は町田まで
ないので、厚木か海老名で相模線に乗り換えて茅ヶ崎を目指す。
茅ヶ崎から東海道本線。熱海から乗り換える伊豆急下田行きがリゾート21車両だったので
グリーン車に乗ってまで、短い時間で抱えた駅弁を食べる必要はなかった。
天候は悪いけれども、海を見ながらの駅弁は旅行気分が盛り上がってくるというものだ。
伊東まではJR伊東線だが、そこから先は伊豆急行線となる。路線上はそうなるが、
熱海から伊豆急行線という感覚だ。一部列車を除くと、ほとんどの列車が直通である。
熱海から伊豆急下田までは1時間半の所要時間だが、小田急なら新宿から箱根湯本まで
特急ロマンスカーに乗っている時間とほぼ同じである。
伊豆急行線に入ると、一旦は見えなくなっていた海が左手に見えるようになる。
右手すぐに山が迫り、海岸線を走っていることが展望席から眺めるとよく分かる。
そして運賃も高いのがよく分かる(笑)伊東から伊豆急下田まで約46kmで1570円。
対して我が小田急なら新宿から相模大野がだいたい同じ距離だが、360円である。
地元利用者でもない限り、一般の観光客が正直に正規運賃を払う者はいないだろう。
ウィークエンドパスはその意味で観光客には強い見方なのである。
2日間旅行できるなら私のような乗り鉄は万歳をせざるを得ない。
途中で見えた白い湯けむりが、本来の目的を忘れて途中下車して温泉街で一泊というのも
いかがと私を誘っているようだ。だが、またの機会までお預けとしよう。
単線故に途中駅では元東急車両や、スーパービュー踊り子号として見慣れた車両とすれ違う。
河津のホームに降り立つと生憎の雨。
傘を差しながら、河津桜原木を目指して15分ばかり西の方向へと歩いて行く。
川沿いに咲く桜並木にも少々期待していたが、まだ満開とはいかないようだ。
歩いても歩いても到着しない。方向は間違っていないはずだが、思っていたよりも遠い。
お腹が空いて来たので、見かけた食事処で昼ご飯にする。住宅を兼ねた小さな食堂で
おばちゃん2人が店を切り盛りしている。原木までの道を訪ねると、ここも見て行きなさいと
教えてくれたのは、来宮神社の大楠。神社まで来ると楠が見えて来るが、それを天然記念物と
勘違いして、見ずに帰ってしまう客が多いので注意してね、ともアドバイス。
まずは本来の目的である河津桜の原木へ。道なりに車の往来がある広い道に出て河津駅方面へ
戻ると撮影している人だかりが見えて来た。雨でもこうして人が訪れるのは私も含めて
桜好きの国民性が滲み出ているのだろうとつくづく感じる。
撮影料よろしく竹筒の募金箱にお布施し、1、2枚ばかり撮影。あまり長居はできない。
駅まで戻ると、まだ次の列車の発車までは時間がある。
駅前の飲食店で、「イカ焼き」「ビール」と書かれた紙にふらっと入ってしまった。
駅弁(個人的には駅弁とは思っていない)の「いかめし」が好きではないのに、
何故か注文してしまった。河津桜が満開でないのと、この雨で客足が鈍っているのか、
はたまた店員の人柄なのか、デザートにゼリーをおまけして頂いた。
遠い日(?)のお子様ランチをふと思い出し、妙に懐かしい気持ちになった。
店内に貼ってあった河津温泉郷のポスターに大写しの伊豆の踊り子扮する女性が可愛かった。
クロスシートに改造された元東急車両に違和感が無くもないが、
最大1時間半の乗車時間では、ロングシートではつらい。だが小田急はロングシート・・・
終点、伊豆急下田。特急「河津桜号」の発車まで時間があるので、再び近くの喫茶店へ。
たまたま入った喫茶店は落ち着いた雰囲気の店内。昭和の残り香を少し感じる。
昭和57年生まれだけれども、もう見かける事はできないだろう、「となりのトトロ」で
サツキが電話をするシーンで登場していたあのデザインっぽい電話機があった。
発車5分ほど前。すでに千葉行きの黒船列車はホームで待っていた。
乗り鉄としては普段乗れない車両が滅多に走らない区間に乗れるのは至上の喜びである。
元東急車両がそのまま千葉行きとなっても乗って行くだろう。
この頃には雨も止み、空はまだ雲が垂れ込めた伊豆の海は行きよりもはっきりと見えた。
展望席よりも、山側のこの席の方が結果的には良かったかもしれない。
展望席は全面展望だけならよいが、海側でないとその景色を山側から楽しむのは辛いだろう。
それも伊豆急行線を走っている間はそう思ったが、次第に外は暗くなりつつある。
JR線に入ってから、私の向かい席にも若い女性が座って来た。
雰囲気からして途中で降りると思われるが、妙に気を遣う。尤も何かの弾みで会話が
盛り上がってそのまま仲良くなって途中下車して・・という妄想はこの辺にしておこう。
伊東で5分ばかり停車。ここからJR線。それまでこまめに停車していたが、ここからは
特急らしく、主要な駅以外は通過していく。こちらはまだ雨が降っているようだ。
横浜からは横須賀線と同じルートになる。
品川を出てしばらくするとトンネルに入る。東京の地下5階ホームに向かうためだ。
東京では乗降時間が要するためか、数分停車する。先頭車付近では代わる代わるに
カメラを向ける人だかり。残念ながら撮影した写真はブレてしまった。
ここから錦糸町の少し前までトンネルがしばらく続く。
トンネルを出て、轟音が消える。すっかり夜になった向かうに街の灯りが輝く。
日中ではないので、ホームのカメラマンも数えるくらい。
終点の千葉に到着しても数人のカメラマンがカメラを向けていたが、
しばらくしてから黒船列車はゆっくりとねぐらへ戻って行った。
予約した駅前のカプセルホテルは私を除いてほぼ常連客の中高年の男性ばかりだった。
唯一の女性はホテルの従業員だが、お世辞にも若くはない。それによく忘れる性分らしい。
食事付きで予約したはずだが、何故か確認されておら私が初めて伝えて了解する始末。
このホテルはほぼ常連客で成立しているようで、この人たちが近所の馴染みの居酒屋のように
気軽に出入りする事が減れば、やがて消えて行くのだろう。
そして案の定、子持ちという野球好きのお父さんは誰々の政治家とは知り合いだとか、
何故かその話をし始め、やがて高校野球の話になったが、よく分からずに相槌を打つ。
話を聞く限り、どうやら北海道にある高校野球について色々と披露したかったらしい。
聞く分には構わないが、マシンガンの如く話し続けられてもこちらは困る。
また別の常連客が上の階にあるカプセルから降りて来たらしく、先ほどのお父さんと
話始めたかと思うと、この人も私に北海道の人かと聞いて来る。
いいえ、常連なんですかと聞くと、年金でこのホテルに滞在しているという。
常連は常連で話し込んで欲しいところだが、食事している最中で私を真ん中に挟んだ格好で
それぞれ座り込んだので、移動するにもできない状況だったのだ。
と、タバコ臭そうな常連客たちとは頃合いを見て先に自分のカプセルへと戻る。
風呂に入って早めに寝よう。なお、カプセルホテルでは珍しく蛇腹のカーテンは鍵を掛けられ
コンセントも配備されている。常連客を気にしなければ、値段と立地でかなり好物件である。
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