2010年5月25日火曜日

つくもノヲ”X="1≠ 542



JR東海の373系は2009年3月14日のダイヤ改正まで
青春18きっぷで旅をする人なら、ほとんどの方がお世話になっている
快速「ムーンライトながら」に使われていた車両である。

寝台特急や急行「はまなす」除いた客車による夜行列車が存在しない現在、
現代版の貴重な夜行列車といえるだろう。
指定席券を買うだけで青春18きっぷでも乗れる快速列車であったために、
青春18きっぷの利用期間外の利用客の少なさが目立つことになり、
それが本当の理由かは定かではないが、ダイヤ改正で定期運転は廃止され
大型連休などの季節運転に降格してしまった。
一時は臨時化された列車がまた定期運転に復帰するケースはあるので、
その可能性はあるが、この列車の場合は今までのまま定期運転に復帰しても
青春18きっぷユーザ以外の乗客が増える見込みはなさそうである。

5/22の17時半頃~5/23の6時頃まで東海道本線の辻堂駅ホーム拡張工事により
上り側の線路が使用できないための運用変更の案内はJR時刻表の3月号で知った。
列車を移動手段と見ている一般人には一本で往来できていた茅ヶ崎~品川間で、
茅ヶ崎や藤沢で乗り換えが増える迷惑な工事に他ならない。

だが、鉄道オタクとしては今回の工事は非常に歓迎なのである。
注目したいのは工事によって変更される運行ルートである。
上り列車が工事中の辻堂に停車しないだけなら、たいしたインパクトはない。
前回の横浜駅で行われた横須賀線の発着番線変更工事くらいのものだ。

茅ヶ崎を出る上り列車は次の辻堂は停車せずに藤沢に停車するのだが
その先のルートに心躍るものが!。
藤沢を出ると、次は何と武蔵小杉。
つまり、普段は普通列車では乗ることができない東海道貨物線経由で
運行するとなっているではないか!

いつくか貨物線を経由する臨時列車には乗ってきたが、途中の横浜羽沢駅を通る
この貨物線だけはどうしても乗車機会に恵まれなかったのである。
しかも普通列車で乗れるというのだ。この機会を逃すわけにいかない。
webで調べて初めて知ったが、平日運転の湘南ライナーやおはようライナーは
この貨物線を経由して運行されているが、普通列車では滅多にない機会だ。

もう少し調べていると、373系の存在に気づく。
冒頭で「ムーンライトながら」に使われた車両と書いたが、
そのための送り込み回送を兼ねて、はるばる静岡から各駅に停車して東京に向かう
普通列車として運行されていたが、「ムーンライトながら」が臨時化されてなお
理由は不明だが、この運行が継続されている。列車番号は338M。

茅ヶ崎を21:49に出発するこの373系は、普段なら東海道本線の川崎や横浜などに
停車しながら東京へ向かうのだが、22日の夜だけは貨物線を経由することになる。
つまり、横須賀線に出来た開業ほやほやの武蔵小杉に373系が停車するという
非常に珍しい光景を目にすることができるのだ。

仕事が日中勤務で、明日は夜勤であることが幸いした。
仕事が終わってすぐに向かえば、何とかこの373系に乗ることはできそうだ。
小田急で藤沢に出る。今回の工事による変更運用で、一部下り列車が
藤沢止まりになるというので、ホームの行き先表示機や列車の方向幕の
珍しい「藤沢」を撮影するべく、隣の大磯まで向かったのだが、
本数が少ないのか、待ってもすぐには来そうにない。




メインの373系に乗り遅れてはまずいので、一旦茅ヶ崎まで戻る。
ここでまたも驚くべき光景を見ることになった。
なんと、普段は湘南ライナーの発着以外では降りることができない
3番線と4番線ホームが使われているのだ。その事実に気づくまでに
少し時間を要したが、これは予想外であった。
茅ヶ崎からは東京方面に向かって、一番左側にある今回の貨物線を走るために
配線事情から臨時ホームを使うことになったのだろう。

「ムーンライトながら」以降、久々の姿をこの湘南ライナーホームで
見かけることになった。
もっと満員列車並みに先頭や最後尾のドア付近は混雑しているかと覚悟したが
同業者の熱気に包まれていたが、何とか見物する場所を確保することはできた。

工事中の辻堂を横目に373系は夜の貨物線を走っていく。
藤沢に停車。茅ヶ崎はわかるのだが、藤沢でも撮影している人がいる。
確かに373系を東京近郊で見かける機会は限られているが、藤沢だけなら
普段の停車風景と何ら変わるところはない。

藤沢を出てからが今回のハイライトになる。
普段ならこのまま川崎などへ向かうのだが、今回は貨物線を走っている。
しばらくは横須賀線と併走。

22:10頃。
横須賀線の東戸塚駅を過ぎるとしばらくトンネルへ。

横須賀線もトンネルに入るが、東戸塚を過ぎると分かれていく。
このトンネルは結構長い。新鶴見から梶ヶ谷貨物ターミナルを通る
貨物線のトンネルも結構長いが、雰囲気は似ている。
(梶ヶ谷貨物ターミナルを通る貨物線はホリデー快速鎌倉号などの
臨時列車で乗車することが可能)

22:20頃。
ようやく長い長いトンネルを終えると、京急の花月園前付近に出る。

22:24。
ホリデー快速鎌倉号と同じように、JR貨物の新鶴見機関区脇を走るが
今回はここから横須賀線へと転線していく。これも珍しい。
東海道新幹線が隣に見え始めれば、武蔵小杉に到着する。



22:28。武蔵小杉に停車。
ホームはもっと人であふれているのかと思ったが、それほどでもない。
駅名板が入るように素早く撮影して、急いで乗り込む。

22:30。多摩川を渡る。
下を潜る東急多摩川線の車両のヘッドライトが見えた。
そして西大井も軽快なスピードで通り過ぎていく。

22:35。
東急大井町線の下神明駅高架を潜るあたりで線路が分岐している。
湘南新宿ラインが使っている「大崎支線」と呼ばれるこの線路は
右に分岐したあと、大きく右に湾曲したカーブを描いて大崎まで結ぶ。
対して直進している線路はこの先は横須賀線が使っている線路で
「品鶴線」と呼ばれている。

武蔵小杉に停車し、西大井通過までは湘南新宿ラインと同じだが、
湘南新宿ラインは「大崎支線」から大崎へ向かう。
だが、今回はそのまま横須賀線の線路を走って品川へ向かっている。
その意味でもこの運行ルートは大変珍しい。

22:35。ようやく東海道本線へ合流。


22:42。
しかも品川では臨時ホームに到着するというおまけ付き。
まさか臨時ではない列車で、品川の臨時ホームに降りる機会が
あるとは思いもしなかった。これも貴重な体験であった。
品川の臨時ホームを出て、亘り線を使って本来の下り線路へ。
新橋、そして終点東京。この列車はそのまま回送となった。

茅ヶ崎のホームに張り出されていた時刻表によれば茅ヶ崎
翌朝6時発の列車までは、先ほどの貨物線経由で運転される。
乗ってきた373系はすでに夜間で、景色はよく見えなかった。
明るくなってから再度景色を拝もうと、藤沢のネットカフェで
夜を明かすことにした。


4時半ぐらいに店を出るつもりだったが、
眠さには勝てず、だらだらとしていたら6時を過ぎていた。
店を出たら、雨が降り始めていた。
結局朝の撮影機会を失ってしまったが、楽しい夜だった。


今回の列車、臨時列車として設定してくれないだろうか。
乗客は鉄道オタクばかりだろうが、収益になりそうな気がすると
思ったのは私だけでないような気がする。373系であれは、
なお注目度は高いだろう。

・・・という妄想をしてみた。

0 件のコメント: