2007年9月16日日曜日

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15日。予ねてから約束していた元同僚とのハイキングの日だ。
JR青梅線の御嶽駅からバスで10分、御岳山(みたけさん)の
登り口がある。また頂上まではケーブルカーで行くこともできる。
東京方面から電車1本(ホリデー快速おくたま号のみ)でいける
ちょっとしたハイキングとして人気のあるスポットなのだ。

地図で見ると、標高は929m。それほど高い山ではない。
実際に歩いてみないと分からないが、運動靴でも大丈夫そうだ。
彼とは事前にいろいろと連絡を取り合い、当日は途中駅の立川駅で
落ち合うことになった。




小田急線を厚木で降りる。
通勤時間帯の相模線は八王子までの直通運転を行う。
そのため普段日中帯では見られない、横浜線とのすれ違いの光景に
お目にかかれる。

横浜線のホームに4両編成の短い電車が停車する。
だから、横浜線だと思ってずっと前で待っていたお客が少しあわてて
乗り込む場面もあったり。

八王子からは中央線で立川まで。このあたりも忌むべき新型車両が幅を
利かせ始めている。

約束の20分ほど前に改札口付近に着いた。
9時になって、彼から少し遅れるから乗り換え時間を調べてくれとの
メールを受信。清算窓口に立っている駅員に聞いてみる。

9:24発の青梅行きに乗ると、御嶽には10:43分に着くようだ。

9:15を少し過ぎて、彼は南武線ホームの階段を登ってきた。
残念かな、9:15発のホリデー快速おくたま号には乗れず・・・・

9:24発の青梅行きに並んで腰を落ち着けると、彼は改めて携帯を開く。
到着時刻を調べてもらったが、実際には10:27だった。
あの駅員はまだ、お客からの問合わせに不慣れだったのだろう、
手にしていたダイヤグラムも上手く確認出来ない様子だった。

用意した御岳山のハイキングコースの地図を見ながら
どんなルートでいこうかとしばし検討する。
下山後に青梅線の終点である奥多摩駅まで乗り、駅前の温泉につかり
ビールを傾けるという大事なプランがあるため、御岳駅へ戻る時間を
考慮しないといけない。

そう考えると、地図に書かれたルートをすべて回ってくるのは
できないだろう。いろいろ検討して、ひとまずケーブルカーは使わずに
御岳ビジターセンターまで歩いて、そこから次のルートを考えようと
いうことになった。

ケーブルカーに蛇行するようなルートがあり、1時間ほどでビジターセンターに
到達するようだ。

そうこうしているうちに乗り換えである青梅駅に電車が止まる。
昭和30年代の雰囲気を感じてもらおうと、時計や駅名版がレトロ調になっている。
だが、言われないとちょっと気づかないかも(笑)

10:09発の奥多摩行きはお馴染みの全身オレンジ色のタイプだ。
この車両もかつては東京や新宿でも活躍していたかもしれない。
都心を少し離れたところを走っているのは、どこか新鮮だ。

奥多摩終点まで単線になる。蛇行する谷に沿うように走っているため、やたらと
急カーブがつづく。また駅で上り電車とすれ違うので、同じ東京なのにゆっくりと
走っていく。車窓に展開する山と谷の景色をじっくりと堪能できる。

ひとりで乗っていると結構長く感じるが、今日は連れと一緒である。
しかも話しながらだから、楽しい電車旅だ。

車内を見渡すと、同じハイキングらしい格好の人がほとんどだ。
年代も偏りがなく、いろんな人が訪れているようだ。

御嶽駅に到着。この間の下見と違って、バス乗り場へ目指す人たちで
改札口周辺はしばし、にぎやかになる。
バスとケーブルカーの往復乗車券が1530円と100円お得なパスも
改札出てすぐのところで販売していた。しっかりとみやげ物を広げてテーブルも
用意されている。

往復乗車券にちょっと惹かれたが、ケーブルカーに乗らずに歩くことを
思い出して、バス乗り場へと向かう。

すでにバスにはご覧の通りの行列。それも10分の辛抱。

乗り込んでしばらくすると、バスはケーブルカーの滝本駅に向かって
走っていく。ある程度のスピードで走っていたが、途中から急坂になり、
歩いてさして変わらないくらいの速さになってしまった。あまりの遅さに坂を
登りきれずに転げ落ちるのではと心配になるほどだ。
ケーブルカーの駅に着く前に、なんだかすでにケーブルカーに乗っている気分(笑)

無事にバスは滝本駅に着いた。
web情報では急な坂と聞いていたが、バスも苦しむほどの急坂とは・・・・


滝本駅を横目に我々はハイキングルートを目指す。
初めの30分。急な勾配の舗装された道が続いている。
写真ではわかりにくいが、日ごろ運動していない我々にとってはこの坂道で、
すでに息があがってしまっている。

途中でケーブルカーの下をくぐる。ケーブルカーの姿は見えない。

しばらくは植林した木の中を蛇行しながら、登っていく
ときおり、気持ちの良い風が吹いてくる。




このペースだと時間がかかるかと思ったが、ほぼ時間通り1時間で到着。
中に入ると、ちょっとした展示コーナーになっている。
外に水飲み場もある。顔を洗ってべっとりした汗を流す。

しばしの休憩の後、山頂を目指して歩いていく。ビジターセンターの辺りは
住宅街のように見えるが、すべて民宿なのだ。そこを縫うように細い道を
歩いていく。

御嶽神社の少し前、上り坂の途中に「神代欅(ケヤキ)」がある。
最初、これが御嶽神社かと勘違いをしてしまった(笑)

神代欅に一瞥をくれ、さらに登っていくと御嶽神社へと続くみやげ物屋、飲食店、
がひしめくにぎやか通りに入る。
時間的に、ひとまず先の御嶽神社まで行ってから、ここで昼食となった。


御嶽神社、実はここが御岳山の山頂である。
神社へ登る階段をふと振り向くと、鳥居越しにはるか向こうに東京の街がかすんで
見える。ここから見る雲がなぜか、御嶽神社よりも神々しい。



いったん引き返して、おばあちゃんがいい感じ(彼によると)の喫茶とかかげた店で
かけそば(735円)を頼んだ。

ひと運動した後のそばを食べる、これは格別だ。一度体験すればわかる。

お腹が満足したところで、また御嶽神社へ。先の展望台まで行ってみようという
ことになったのだ。

お賽銭に100円放り込んだが、なにも願いは言わなかった。
なぜなら、あたりで聞こえる笙の音が明らかに録(ry
神社の授与所で1回200円のおみくじを引いて見た。中吉。当たり障りのことが
書いてあった。

笙の音はこの授与所から流しているようだ。


それよりも少し面白かったのは、奥の部屋で巫女がパソコン画面を見ていたことだ。
彼も見ていたようで、どうやら動画を見てらしい。
巫女とパソコン、この面白い組み合わせを写真にしようと思ったが、すでに席を
外していた。うむ、残念・・・



見晴台には大岳山へ続く道の途中にある近道から降りていくと、展望台へ続く
広い道に出る。しばらく歩くと展望台があった。

と思ったが、ヘリポートの離着陸場だった。のっぺりとしたコンクリートが長方形に
あるだけの他になにもない場所。ここは地図に載っていない展望台だ。

本当の展望台もさらに歩いた先にあった。
屋根つきのベンチがある。

そこでしばしくつろぐことにした。
風に流される雲の影がはっきりと見て取れる。はるか遠くに薄く左右に伸びた雲が
なんとも美しい。
心地良い風に吹かれながら、自分が今後転職を考えていることを話して、
人生の先輩でもある彼からいろいろと相談に乗ってもらった。

そうだ、身近に相談相手がいたんだと今更ながら気づいた。




展望台から戻って、先の七代(ななよ)の滝まで行こうと考えていたが、
実際には崩落で通行止めの箇所があり、どれくらいの所要時間かも調べていないので、
行くのは止めておいた。それにそろそろ下山しないとバスの時間、電車の時間も
あるから時間的にあぶない。

引き返す前にこんな場所があったので、思わず写真を撮った。
鳥居とコンクリートの構造物との不思議な組み合わせ。

ゆきは2時間近くかかったが、帰りは急坂ゆえに早い。
時間的に16:00のバスに乗れそうだ。滝本駅が見えてきた。発車の10分前。
すでにバス停には帰りの客の列ができていた。



16:00のバスは10分足らずで御岳駅に到着。
これから奥多摩駅へ電車に乗るが、次の電車は52分発までやってこない。
しばし空いてしまった時間をつぶすため、下を流れる多摩川の川原へと
降りて見た。そばに向こうへ渡れる吊り橋がある。

渡ると少し揺れる。この辺は「御嶽渓谷」と呼ぶらしい。
ついでに美術館もと思ったが、すでに閉館時間。

御嶽駅のホームでしばし待つ。朝早くから来て、登ったためかここに来て
うっすらと眠気が出てきた。このまま目を閉じれば眠れそうだ。

16:51。上り電車が入線。
そして続いて我々の乗る奥多摩行き電車がやって来た。
待っていた他の客はほとんどが上り方面の電車に乗り込んだ。

座ってしばらくして、いつの間にか眠っていた。
駅前は意外にも御嶽よりも賑やかだ。武蔵五日市駅に近いためだろうか
こちらの方が住んでいる人が多そうだ。

駅前を抜けて、「もえぎの湯」を目指す。
迷ったらと思って地図を用意しておいたが、目印が出ていて迷う心配はなかった。
他の歩いている人たちももどうやら同じところにいくようだ。


途中で横道に入り、しばらくしたところに階段がある。
その階段を降りると、谷にかかる「もえぎ橋」が歓迎してくれる。

揺れる橋を渡って、階段を登る。
そしてしばらく歩いていくと、建物が見えてきた。歩いて15分くらい。

ゆっくりと汗を流す。下に下りる階段があり、露天風呂もある。
屋内とどちらも入ったが、少々湯温は高め。あまり長くは入れない。




風呂の後、今回最後最後で楽しみにしていた夕飯である。

ここでは客がロッカーキーの番号を見せて、カウンターで注文する。
番号が呼ばれるまで、奥の座敷で待つというスタイルだ。

まずはビンの生ビールを2本頼んで、さっそく乾杯する
半分ほど飲み干す。この最初の一杯は最高である!!

つまみに枝豆、味噌田楽を添え、メインの鶏の・・・メニュー名を
失念してしまったが、鶏肉丼である。ごはんと一緒にほうぼる幸せ。
御岳山で疲れた体の湯上りにビールを飲みながらのこの心地よさは
言葉では説明できない。

混んでいた、やたらとはしゃぐ青年達に目をつぶれば
良かったかなと思う。

それでもアイスクリーム(250円)は(チョコレートの他に何種類かある)
少し割高な感じがしないでもない。甘くておいしかったけど。

20:10過ぎに駅に向かう。
次の電車が29分初なので、先ほど橋を少し足早に歩いていく。



ライトアップされた奥多摩駅。御嶽駅より力が入っている。

帰りの車中でも、転職について話しをしばし続ける。
次回も近いうちにまたハイキングに出かけようと立川駅で彼と別れた。
まさに有意義で少し疲れた日曜日であった。

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