2010年2月15日月曜日

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相模大野に住む友人からメールを受信。

「山にハイキングにいかないか?」

というわけで、丁度明日が休日なので
まだ行ったことがない高尾山に行くことになった。
この高尾山は列車(京王線)の駅から
降りてすぐに気軽に山登りができるという点が
かの有名なミシュランに評価されていることを
最近知った。余計にどんな所か気になった。




相模大野で待ち合わせ、そのまま町田へ。
町田からは横浜線で八王子へ。
始めは中央線で高尾に出ればと考えたが
京王線に高尾山口という駅があったことを
思い出し、友人が持参してくれたガイドブックを
見ると、やはり高尾山口である。

八王子から京王八王子は同じ八王子という
駅名なのに、少々離れた位置にあるため
乗換えに歩いて10分ばかりかかった。

京王線でまず北野へ。
北野から高尾山口へ行く列車に乗り換える。
(後々考えたら、高尾まで中央線の方が
乗換えがスムーズだった。)

新宿から中央線というイメージが強いためか
何となく高尾山は遠いと思っていたが
以外にも近いことを改めて発見(?)した。
ここ最近だが、利用客から好評を博しているようで、
土休日限定で新宿から直通運転を
実施していることもわかった。

第8回となる「高尾山の冬そば」キャンペーンを
開催しているため、臨時急行列車「高尾山冬そば号」」を
運転している。しかも本日限定だった。
鉄道オタクとしては撮影と乗る意味では大変興味が
ある列車だったが、まったく調べていなかった・・・orz


それはともかく、じっとしていると寒い。
山頂に着いたら食べるつもりで、買ったお菓子類を
リュックに忍ばせておく。

駅前からひたすら整備されたハイキングコースが
あるだけかと思ったが、観光客がかなり来るのだろう
土産物やだんごなどつい食べ歩きをしたくなるような
店が並んでいて賑やかである。

食べるのは山頂に着いてからのお楽しみ。
友人とは先ほど乗ってきた京王線の車内で
ガイドブックを見ながら行程を考えた。
まずはケーブルカーで途中まで行き、そこから山頂へ。
山頂を通り過ぎ、城山を目指した後に小仏峠に沿って
下山し、バスで駅まで戻るというルートである。



ほどなくして高尾登山電鉄のケーブルカー駅である
高尾山の駅舎が出迎える。
山の中らしい三角屋根がよいデザインである。
片道470円。隣にはエコーリフトと呼ばれるリフトも
動いているが、これに乗るかどうかは後々考えよう。




10:45に発車したケーブルカーはほどよく乗客を乗せ
ゆっくりと急な線路を登っていく。
ケーブルカーは伊勢原に住んでいた頃に登りに行った
大山ケーブルカー以来であり、ちょっと懐かしい。

女性の運転士による、ケーブルカーに関する説明には
確かに観光地がミシュランに認定されていることを
伝えていた。ドイツのタイヤメーカーが認めただけで
国際的に認められたとしてしまうようなこの島国気質は
正直あまり好きではない。

それはともかく、あまりの急な線路を登る光景は
しばらく乗っていないだけにちょっと新鮮である。
トンネルを抜け、中間が少し分岐するところに差し掛かる。
隣の線路を「もみじ号」と呼ばれる車両がわが「あおば号」と
ゆっくりとすれ違っていく。

さらに登っていく。線路はケーブルカーの中では急勾配の
部分を登っているという運転士の説明が入る。
それを過ぎて、もうひとつトンネルを潜れば終点である。
ジェットコースターが発車して坂を登り終えた後に一気に
落下するような形に線路が曲がっているが、もちろん
平坦にそんなことはなかった(笑)





ここから山頂に向けてハイキング開始。
こちらも振り返り、駅舎をみると「高尾山」。
どちらも同じ駅名??と思ったら、麓の駅は「清滝」である。

まだ山に入った感じがなかったが、ケーブルカーで
一気に500m近くの標高に来たためか、木々の間から
望む山々の景色で実感できるようになる。




さてこの後、予想もしない展開が待ち受けようとは・・・
途中の「蛸スギ」~浄心門までは良かったが。

浄心門の急な階段を登った後にその展開はやってきた。
一見すると単に雪が積もっていてまだ解けていないのだと
思ったが、歩き出すと!??


スケートリンクのように滑って、転びそうになる。
気をつけていても端のロープを捕まらないとまともに歩けない。
周りを見ると見事に転んだ人もいるが、案の定自分も
転んでしまい、後ろから声をかけられてしまう始末・・。

まさか、高尾山に来てスケートをやることになるとは
まったく思いもしなかった。階段の足元に張り出されていた
「通行にはアイゼンが必要」とはこのことだったのか。
浄心門の浄心って、心を浄化して上れという意味だったのか
と後になって思ってしまう。





何とかスケートリンクを通り過ぎ、ほっと一安心。
無事に山頂に到達。ここまでゆっくりと歩いて約1時間半。
山頂からの東京方面の景色が素晴らしい。
また城山、つまり西方面に連なる山々の景色も素晴らしい。
てっきり富士山はこの山々に邪魔されて見えないものと
思っていたが、しっかりと白く特徴的なその姿が見える。
だが、山頂付近に雲がかかっているのが少し残念。

店の看板に書かれた「とろろそば」という文字に惹かれて
とろろたぬきそばを注文する。900円という値段が高いが
ここまでの運搬料などを考えると、赤字かもしれない。
そんなことはもちろん、食べているときは考えられない。
少し動いてきたというのもあるが、暖かいそばは冬の
しかも一番寒いこの時期に食べるのがよいことを知る。
理屈抜きで旨い。ビールも飲みたくなってくるが、
まだ登山の途中である。下山したら飲むことにしよう。

さて城山へ登山を再開するも、そちらの方面へ続く階段を
降りた途中で断念することになった。
どう見てもこの先は専用の登山靴にアイゼン装着が必須だ。
見た感じ、先ほどのスケートリンクが続いていそうだ。
怪我をしてもつまらないので、安全のためにここは素直に
山頂から駅へ下山することになった。

下山の途中で後ろから救急車のサイレンが響いてくる。
どうやら怪我人が発生したようだ。我々のように甘く見て
先を登った途中で凍結した登山道で転倒したのかもしれない。




薬王院を通る途中で法螺を吹く行列に遭遇した。
列の真ん中には1本足の下駄を履き、歩きにくそうな天狗。
「高尾山献上そば行列」と呼ばれるもので、
件の「冬そばキャンペーン」が好評ということで、ここ最近
実施されるようになった行事とのこと。しかも本日限定だった。
高尾山にそば店が多いのは、大正時代に参拝客向けに
提供したとろろそばが有名になったのがはじまりらしい。
今では山頂まで各店が味を競い、観光地となった。

薬王院を過ぎたところで、暖簾と瓦屋根がよい雰囲気
甘味処の店が目に入った。おやきとだんごを2本頂く。
特に団子は見た目もよりもボリュームがあった。
小腹を満たすのに丁度よかった。




ケーブルカーとリフト駅の近くには展望台がある。
ちょっと気になるので寄って見ることにしたが、
どうやらコーヒーなどが飲める店内の方が見晴らしがよさそうだ。
コーヒーを飲みながらちょっと一休み。

東京方面まで一望できる。少し上には青い空に白い雲。
白い雲が横に動くとともに大きな影がいくつも出来ているのが
よくわかる。正面に目を向けると幾つものビルが見える。
こう見ると東京のビル街は本当にビル街だと認識できる。
これだけ離れてるのに同じ東京の山から、東京のビル街を
見つめるというなにやらちょっと不思議な気もするが、
眺めはいつまで見ていても飽きない。
このとき、私の頭の中ではジブリの「耳をすませば」の
BGMが流れていた。この展望台からの眺めもきっと
シーンのモデルにしたのかもしれない。





帰りは寒いことは覚悟でとなりのエコーリフトに乗ってみた。
リフトも昔、家族旅行で行った長野県の白馬で乗った以来で
ちょっと楽しい。正面の横断歩道にあるような信号機が
青になるとそばの係員の誘導でベルトに乗り、後ろから
やってきた椅子に乗るまでは少しドキドキする。

リフトがぶら下がるロープの柱には「揺らさないでください」という
注意書きがあるが、乗ったときからすでに少し揺れていて、
ちゃんと掴らないと前に振り落とされそうで少し怖い。
ずっと続くのかと思ったが、しばらくして揺れは収まった。
やはり風が冷たく寒い。悴む手で落とさないようにしっかりと
ケータイを持って撮影。足元を見ると落下防止用のネット越し
越しに意外に高いところにいることがわかった。
高所恐怖症の人にはちょっとお勧めできないだろう。

始めは久々に乗った新鮮さがあったが、しばらくすると
風の冷たさだけに意識が行くようになる。
春や秋ならともかく、冬の今の時期はちょっと厳しいかも。
まだ着かないかなと友人と言い合ったころにようやく
「山麓」駅に到着。乗るときはそうでもなかったが、降りるときは
足元のベルトから素早く左側に避けないとまたリフトで一周する
ことになってしまう。足が弱い人もちょっとお勧めはできない。


こうして高尾山頂まで小さな旅は終わった。
次回は城山まで登ってみたい。
正直、高尾山をちょっと馬鹿にしていたが色々と楽しめる。
ミシュランに認定されるのもちょっと納得。

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