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今更ながら痴漢男を読んで、リアルにブルーになっている自分がいた。
電車男まではまだネタ、ねたと笑ってスルーする余裕があったが、
さすがに痴漢男だけは、webでアップされている原作を充実に再現した漫画を
読み通したとき、笑う余裕は無かった。
かなりの量があり、電車男よりもその辺りに転がる恋愛漫画よりもずっと
面白く、そしてリアリティーがある。
ネタだとしても許せてしまう。それだけスルーできない。
改めて自分がおかれている状況をまざまざと突きつけられた気分でもある。
顔には出していないつもりだが、日々過ぎていく時間の中で30歳を嫌でも
意識している自分がいる。今後の人生がほぼ決まるターニングポイント。
ネットの影響も少々あるが、現実問題そうだろう。
生活するために就く仕事の問題だけでなく、女性の存在は無視できないくらい
弱くなってきている自分がいる。
自分から動かないとこのままだろう。頭では理解している。
気持ちは理解していない。どこかにアニメのような展開を頭の片隅で
妄想する自分を捨て切れていない。
現在26歳。あと4年のうちにこれらの問題にカタを着ける必要がある。
美少女ゲームとして見ると、何にも気にならなかったことが
こうして漫画として見せられると、カップルを嘲笑う余裕が無くなってくる。
漫画だけのファンタジーとあしらう余裕も無くなってくる。
逆に美少女ゲームにはまったらもう抜け出せなくなるかもしれない。
ひきこもりにならないように、なんとか仕事に行っている気持ちと同じだ。
アニメとして見たら、感動のあとに激しいブルーな感情が襲ってくるだろう。
10代はテレビさえあれば、他はいらないと思っていた。
画面に映るアニメのキャラに今で言うところ「萌え」と同じ感情に酔っていた。
中学生になって、何の前触れもなくひとりの女の子を意識し始めるようになった。
その子と喋っているだけで楽しいと思う感情、明らかなこちらからの片思い
だったが、それはその子と同じ高校になっても淡く続いていた。
一回だけ、年賀状を送ってみたことがある。
ラブレター、そんなものを出す勇気はかけらもなかった。
どこかに送ってもらえるかもという下心があったが、予想に反して年賀状は
送られてこなかった。
これを境に女の子への、いや女性への特別な感情は沸いてこなくなった。
この時点までが今振り返ると、キモイながらも正常に恋心が機能していたんだと
思っている。それから惰性のように今に至る。
10代で酔っていたアニメのキャラへの感情とは完全ではないが決別できている。
二次元と現実の区別がつかなくて、・・とまでは幸いいっていないが
現実から一時的にも忘れる手段としては二次元という意識は残っている。
それでも二次元のような世界が、奇跡的に現実世界でも起きないかな、
あわよくばこの自分に遭遇しないかなと指を銜えている自分がいる。
1日だけのデートもカウントとして許されるのなら
バイトが同じだった近所の大学生の妹、この子も同じバイトで働いていたが
一緒に映画館でアニメ映画を見た後、マクドナルドで向かい合わせに座って
食べて、それで帰ったことがある。
人生初のデート、と呼べるのかは分からないが、私にとっては初めてのことで
それ以上のプランは思いつかなかった。それが最初で最後になるのではと
今も思っている。
あとは2、3通この子とメールしただけでそれっきりになっている。
その後のことは分からないが、この子もお姉さんと同じように青春を謳歌して
いることだろう。
後はひたすら人とあまり関わらないような仕事に就くことに気持ちが傾いて
いった。今でこそ仕事も何とか落ち着いてきて、今年3年目に突入するので
気持ちにも少々余裕が出来て、前述の「痴漢男」を読んで久々に眠っていた
女性への感情が目覚めた次第なのである。
が、片思いの女の子に奇跡的にも付き合うことになって
自分の家に招きいれたとしても、どんな会話をして、どんな行為に移せばよいか
まったく見当もつかない。
この20数年で自覚できたこと、熱しやすく冷めやすい性格であること。
つまり飽きやすいということだ。一時の感情に任せて、その子を傷つけてしまう
ことを恐れている自分、嫌われることを恐れている自分がまだ実際の行動を
阻んでいるようだ。
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