2007年11月6日火曜日

つくもノヲ”X="1≠ 242







JRの電車に張られている「東京近郊路線図」を見ると
鶴見線は右下に黄色い線で示されている。
が、よく見ると南武線と浜川崎で接続している、鶴見からも
接続していることはすぐわかるのだが、全体の構成がわかりにくい。

乗ってみるとわかった。鶴見から扇町を本線として途中の浅野と
安善(あんぜん)でそれぞれ海芝浦と大川ゆきに分かれている路線だ。
路線図もこれまたおかしい。分岐こそしているが、浅野からも
安善からもすこしずれている。レイアウトのせいだろうか?

そもそも鶴見線に乗ってみようと思ったのは、読んでいる途中の
「タイムスリップ・コンビナート」に主人公が向かおうとする
海芝浦駅が登場するからだ。主人公に出向くように電話で話している
人が、その光景はまるで映画の「ブレードランナー」のようだという
言うくだりがある。その映画はよく知らないが、きっと色々なものが
ごちゃごちゃしている感じなのだろう。

実際に乗ってみる。まずは海芝浦へ行こうと乗り場へ行くと、
うまい具合に改札のすぐ後ろで12:20発の海芝浦ゆきが待っていた。
駅にある路線図を見てみる。浅野から海芝浦行きに分岐しているようだ。

電車はゆっくりと走っていく。途中の弁天橋へ着く。次が浅野だ。
てっきり浅野から分岐しているものと思っていたが、実際は
弁天橋を出てからしばらくして分岐する。元貨物線を転用したらしく
扇町方面と海芝浦方面にホームがあり、それぞれのホームが不自然に
陸続きになっている。

比較的海芝浦行きは出ているので、乗り換えを気にする必要はないが。

海芝浦に近づくにつれて、まさに工場の中を走る貨物線の光景に。
工場の敷地内を縫うように走っているので、間近にむき出しのパイプ
が見えたりしている。

目的の海芝浦に到着。確かに片側は工場、片側は海一面に面している。
写真では反対側に向かって、簡易改札機がありすぐ右折すると
「東芝京浜事業所」と書かれた出入り口がある。東芝の敷地内なので
関係者でないと入れない。

まっすぐ奥に公園というかベンチが所々にある細長い休憩スペースが
ある。ここは一般公開されているエリアで、誰でも出入り自由。
丁度昼休みの時間帯なのか、「TOSHIBA」と赤い文字の入った作業服
の人たちが何人か、思い思いに休んでいた。

折り返し13:56発の電車を逃すと、後1時間はやってこない。
時刻表では通勤の行き、帰りの時間帯であろう7時~9時、17時~20時
以外では1時間に1本しかない。
しかも線路の外は企業の敷地内であるため、部外者が歩くことは
できない。つまり電車が来るまでホームで待つ以外ないのだ。



そそくさと折り返しの電車に乗る。
こんどは弁天橋まで引き返し、今度は大川ゆきに乗り換えようと思ったが、
なんと朝の7時~8時で出た後は17時まで出ていない。
あと4時間近くも時間がある。一旦改札を出て歩き回ってみる。

扇町寄りに踏切がある。社員証がないと渡れない踏切である。
鶴見線がすでに企業の敷地の一部となっているようだ。





踏切から離れて、あたりをぐるっと一周したが
特に見るべきものもなく再び駅に戻る。たいして時間は潰れない。
京浜工業地帯だけに、すぐそばでタイミングよければ貨物列車の
先頭車の機回しが見られたりする。
バックする際に踏み切り直前で止まるので、踏切が一旦は鳴るけれど
すぐに止むという珍しい光景が見られたりもする。


仕方ないので14:09発で終点の扇町まで行ってみる事にした。

どうでもよいことだが、途中の浜川崎から単線になるため、
扇町から来る電車と浜川崎で待ち合わせる。

扇町に着くと、彼らが待っていた。猫2匹。ここの住人らしい。
人間を警戒する素振りもなく、飄々としている。






改札を出る。あたりを出歩いてみる。
そこで出会った「人工美」の数々をご覧頂きたい。
ただガスタンクの円球体ではなく、螺旋階段やパイプなどが絡み合って
もはや一種のデザインになっているかのようだ。
工場マニア必見の扇町。踏み切り向こうに人工美。駅の向こうに人工美。



駅は貨物駅らしく質素な作りだったけれど。

折り返し15:11発の鶴見ゆきで、途中の安善で降りる。

電車なら大川まで4分とあるので、歩ける距離だろうと見て改札を出る。
鶴見寄りに踏切があり向こう側へずっと広い道が続いているので、
まずその道を歩いてみる。しばらくすると左側に貨物線らしき線路が
寄ってくる。途中で車止めとなって終わっているが、以前は使われていた
のだろう、そこからまだ線路は続いており、しばらくして分岐した線路が
道路を横断して、向こう側の敷地へ伸びている。
敷地内に弁天橋でみたのと同じような黒いタンク車が何連も止まっていた。
帰りに先ほど線路の脇をよく見ると「米軍専用線」の白い杭を発見。

さらに進むと、木造の小屋が建っていた。だいぶボロボロの小屋には
「浜安善駅」の看板が掲げられていた。が、どうもこれ以上進んでも
大川駅には着きそうにない。というよりまるで方向が違っている模様。
※後で調べたら、1986年に廃止された安善~浜安善の廃線であることが
 わかった。20年以上も前から放置されていることになるが、
 線路に白く光っている部分があるので、まだ米軍専用線として使われて 
 いるということだろうか。

駅に引き返す。今度は改札出てすぐ横を走っている道を扇町方面へ向けて
歩いていく。歩いて気づいたが、鶴見線を境にこちらが住宅街になって
いるようだ。しばらくすると踏切がある。踏切を渡ってさらにまっすぐ
進む。右側に線路が沿って走っている。方向的に間違いないようだ。




歩いて15分くらいだろうか。ようやく見えてきた大川駅。
ホームはさらに狭い。朝の7時~8時に電車が発着したきり、17時まで
来ないから当然といえば当然だろうか。

海芝浦のように企業の敷地内に直結しているわけではないので、
駅の外に出られるが、路線バスも通る道を挟んで工場群が犇きあって
いるだけなので、特に見るところはない。
おまけに電車がほとんど来ないこともあってか、喫煙所はあるくせに
トイレがない。

終点側に向こう側へ通れる小さな踏切がある。
ホームでぼーと見ていると、たまにここで働いている人たちと思しき
人たちが渡っている。看板の注意書きによれば、場合によっては
貨車等が通る関係で、9時30から16時50分まで遮断機が下ろされて、
渡れないらしい。時間限定で渡れない踏み切り。
そして、9時~17時まで鳴らない踏み切り。都内に限れば、上野にある
銀座線の踏切並みに珍しいかも知れない。

歩いて安善まで戻って帰れば早いのだが、あえて大川から乗ってみたい
ので、17時19発の電車が来るまでじっとホームで待つことにした。

だいぶ空も暗くなりはじめ、17時になると改札からぽつぽつと人が
ホームに立ち始めた。若い人はほんんどいない。どうもお互いに親しげに
話しているのを見ると、昔からの友達同士が一緒に働いていたりしている
のが多そうだ。

17:09。17時始めの電車が近づいたことを踏切が告げる。
それほど利用者はいないのかと思ったが、それなりに車内の席が埋まる。
鶴見線も当初は勤務時間帯にダイヤを合わせていたが、
今は利用者がこのダイヤに合わせて利用しているという根拠はないけど
そんな感じがした。

安善に向かう。安善を出たらすぐに大川へ線路が分岐するのかと
思っていたが、実際は次の武蔵白石より、というよりすぐ傍を急カーブで
分岐している。だから安善へ向かう際に右側にすぐそばに武蔵白石の
ホームの灯りが見えるというちょっと面白いシーンなのだ。
これも元貨物線に無理やり客扱いように駅を設けた結果だろう。

途中で降りる人は少ない。鶴見に近づくにつれて乗ってくる人ばかり。
鶴見に近づくにつれて、少ないながらも若い乗客もちらほらと。

なんとなくイメージ通りだったけれど、実際に来てみて鶴見線が
他のJR線とは色々と異なっている部分があって面白かった。

※有名な国道も降りるべきだったと後悔・・・orz

0 件のコメント: