2012年1月3日火曜日

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新宿
2:16発

↓ 9124T  中央本線

2:34着
東京
2:44発

↓ 9284G  東北本線

2:51着
上野
4:15発

↓ 9445M  常磐線
    快速  常磐初日の出号

7:20着
いわき
8:02発

↓ 18M 常磐線
     特急 スーパーひたち18号

上野
10:28着


ここ毎年の初日の出は大晦日に小田急線に乗って、北千住まで行き
臨時特急ロマンスカーである「メトロニューイヤーエクスプレス」で
片瀬江ノ島まで乗って、江ノ島からの富士山と初日の出を拝むのが
いつものパターンだった。

その臨時特急もネタ列車として乗っていた身としては飽きてくる。
2012年の初日の出もこのロマンスカーで江ノ島まで行ってもいいが、
列車だけでなく、別の場所からも初日の出を拝みたいと思う。

旅行する予定をなかったけれど、また2012年1月号のJR時刻表を
買ったので、黄色いページを開いてみるとぴったりの臨時列車がある。

最初は銚子まで乗り換えなしで行ける特急 「犬吠初日の出号」に
乗ろうと思ったが、特急料金である事と向こうに着いても寒空の下で
しばらく待つ事、帰りは乗り換えが面倒な事を考えるとこの列車は
即時に却下された。

次に伊東や伊豆に向かう「伊東 初日の出号」「伊豆 初日の出」。

快速だが、帰りの乗り換えを考えると面倒だ。
普段の鉄道旅行なら気にしないが、徹夜で乗るとなれば、
帰りは乗り換えなしで居眠りできる方が良いに決まっている。

乗り換えなしで近場なら途中の熱海まで走る「熱海 初日の出号」。

こちらも快速列車なので、ホリデー・パスのフリーエリアから
はみ出す平塚〜熱海は950円。小田急線で新宿に出る分、
臨時列車はグリーン車指定席なので指定席料金が約2000円。
それにホリデー・パスを合わせた合計は7700円程。

お財布としては一番優しいプランだが、列車から降りて寒いのを
我慢しながら初日の出を待たないといけない。
おまけにWebの掲示板の書き込みを信じれば、どうやら運賃的に
同じ事を考える同業者が多く集まる列車、つまり鉄道オタクばかりの
列車らしい。

消去法だが列車の中から初日の出が拝めて、乗り換えも面倒でないと
いう条件で「常磐 初日の出号」に乗る事にしたのだ。
それに常磐線でもホリデー・パスのエリア外である土浦から先まで
遠出出来るのもちょっとした小旅行気分になれるのが良い。

帰りは普通列車もクロスシートがあるのでそれで頑張る手もあるが、
上野に着く頃にはお昼を回ってしまっている。少し金を出すなら
もう少し奮発してまだ乗った事がない特急列車で帰ることにした。

この臨時列車を選んだもう一つの理由は新宿駅や東京駅の終夜運転の
様子を見たり、各駅停車で東京まで走る中央線車両に乗って見ようと
考えたからでもある。

一番肝心なのは直前になってこの臨時列車の指定席券が入手できるか
どうかである。

出かける少し前、紅白歌合戦を見ながら年越しそばを食べ終え、
20時半ばかりに家を出た。指定席券売機なら海老名でも良かったが、
1台しかないので、4台ばかりある町田の方が後ろの待ち人を気にせずに
時刻検索で調べる事は出来るだろう。

年一度のネタ列車だから満席かと思いきや、グリーン車指定席料金の
ためなのか、空席わずかを示す「△」。やってみるものである。

町田からすぐに自宅に引き返す。
「ゆく年くる年」のテレビで見て年越しを迎えるのが例年の私の習慣
になっているのだ。紅白歌合戦が終わり、ゆく年くる年が静かに
年明けを知らせると、再び上野へ向かうべく小田急線に乗り込む。

この時に備えて、昼過ぎから夕方まで仮眠しておいた。
あまり眠気はなくて良い。それでも少々眠いのは確かだ。
余裕を持って上野まで行くためにはこの各駅停車で新宿まで頑張って
乗らないといけない。どのロングシート車両でも小田急線の普通列車が
一番長く乗りたくない車両だ。こういう日でなければ苦行でしかない。

途中うつらうつらしてようやく新宿に到着。
JRとの列車の接続は意外にもスムーズで、3時前には上野に到着。
上野の改札口のほとんどは閉鎖されており、開いていた浅草口に出る。
広い歩道橋の隅や、駅への入口脇にはダンボールハウスがぽつぽつと。
言わずもがな、冴える星空を見上げながら年越しをする人たちもいる。

1時間ではあまり遠くまでブラブラできない。
年越しそばではやはり腹持ちが悪く、すでに小腹が空いていた。
歩道橋を降りた所にある九州 長浜ラーメンの店内は何故かカップル
ばかりの入りづらい店内。そばに「ラーメン」の黄色い織があったが
正月は休業すると張り紙がされている中華料理屋。
探すと時間がかかりそうなので、目に着いた吉野家の自動ドアへ。
店内には2人。中年の客はいずれも暗そうな雰囲気が出ている。
東京都心のそばなのに、渋谷や新宿と違ってどこか暗い感じがするのは
ここが上野だからだろうか。

上野は何となく、常磐線で遭遇するというワンカップ酒をあおる
おじいさんのイメージがあって正直長居したいとは思えない。
このイメージはどこから来るのだろう。「ああ、上野駅」の歌なのか、
あの北への旅立ちにピッタリな13番ホームのせいなのか。

吉野家で頼んだチーズカレーと牛丼のハーフは無難に美味しかった。

臨時の快速列車は13番線ではなく、特急列車専用の16番線から発車。
特急ホームに見慣れぬ快速列車が停車しているのは珍しいが、
次の松戸まで停車しないのも珍しい。
臨時列車でないとお目にかかれないダイヤだ。

直前で入手できた席は一番先頭の6号車。
狙ったわけではないが、すぐ近くに展望室があって前面展望も
気兼ねなく、楽しめるのは年明けからラッキーな気分だ。

ある程度予想はしていたが、この車両の多くは同業者が占めている。
一見するだけで一般人とは違う雰囲気を出しているからだ。

同じテーブルの左隣にはやたらキョロキョロする若い男。
右隣のテーブルに座る若者は風呂に入っていないのか、臭い。

同じな車両では雰囲気がまともな一般人の男性は一人だけだが、
しばらくすると座椅子の背もたれに枕替わりに目を閉じてしまった。
あとは中年の女性一人と何故か、同じテーブルには若い女性が2人。
同じ仲間かと思いきや、全く会話を交わさないので別々らしい。
黒縁メガネの女性は分からないが、携帯電話をずっといじっている
女性はタラコ唇が残念な感じだが、置いてある切符から途中の水戸で
下車するようだ。実家にでも戻るのだろうか。

私の座るテーブルだけ何故かお見合いのような組み合わせだが、
黒縁メガネの女性とは初日の出の直前に少々会話したものの、
そこから恋というものに発展する事はどうやら無かった。

右隣からの体臭がたまらないので、避難するべく車内探検に出かける。
4号車だけはお座敷ではない一人掛けのリクライニングシートが10席
イベントで使うフリースペースのカウンター脇にある階段を登った奥に
あり、知っている人はいち早くこの席を確保するのだろう。

このフリースペースには座面収納式の補助椅子が幾つか設置されており
車内検札をしていた車掌(話し方が鉄道マニア臭かったが)に訊くと
誰でも自由に使えるとのこどで、しばらく夜行列車の気分に浸る。
フリースペースは今回使われないためか、暖房が入っておらず、
少し寒く感じる。それでも体臭の隣にいるよりは数倍マシである。

再び自分の席に戻ると、キョロキョロ野郎は必要もないだろうに
ノートパソコンを広げて、恐らく手のひらサイズの四角い黒いのは
GPS受信機だろう、画面には現在の正確な位置が表示されている。

一昔前ならパソコンでのGPSによる位置取得はクールだろうが、
今やGPS搭載の携帯電話やスマートフォンを出してきて、マップ上で
リアルタイムに現在位置を見られるご時世になっている。

perlやrubyなどのCGIの知識があれば、受信機やロガーに金を出さずに
無料で位置情報取得や記録してブラウザから確認できる簡単な仕組み
を作る事はそれ程難しくはない。
そんな話をした所でこのキョロキョロ野郎にはとても理解できないのは
火を見るより明らかではある。鉄道オタクに分かりやすく別の世界を
説明するのは、とても困難を極める。悩むのは馬鹿馬鹿しい。

前面展望が楽しめるとはいえ、まだ明けない闇ではほとんど何も
見えるものがない。初日の出を迎える頃まではただ退屈な時間だ。
じっとしても仕方ないのでしばしの居眠りをしておこう。

大津港で時間調整のために9分ばかり停車すると、
すでに空は明るくなっている。初日の出まではもうすぐだ。

大津港を出て、しばらく走ると海が視界に広がり始める。
徐々にスピードを落として行き、6:40頃過ぎに大津港〜勿来の線路上
でしばらく停車。去年までだと10分ばかり停車するようだ。
すぐ目の前に海と水平線が広がっている。

6:49。雲と雲の隙間から初日の出の赤い光が水平線上に見えたかと
思ったら、すぐに雲に隠れてしまった。全く見られないより良いが
去年の江ノ島で見たように、丸い太陽を拝みたかった。

列車はゆっくりと発車した。
しばらくは前面展望を楽しんだ後、いわきに到着する直前で
高く登った太陽がようやく丸い顔を明るく照らし出した。

今年の3月に実施されるダイヤ改正で一部新型のE657系に置き換えが
予定されている長年のエース651系でいわきからは上野駅まで乗って
帰ることにする。いわきの滞在時間はわずか40分ばかり。
改札出てすぐのすでに営業しているドトールでカフェオレを
一杯飲んでいわきを後にした。

スーパーひたち18号。停車駅が少ないと聞いていたが、
時刻表に寄るとどうやら停車駅が多い方のスーパーひたちであった。
恐らくこの乗車が最初で最後になると思う。行きの臨時列車内で
飲むつもりで買ったプレミアムモルツの500ml缶を開け、朝ごはんにと
車内販売で買った大船軒のサンドウィッチを食べる。

今年の年明けは常磐線で始まった。
果たして今年一年、私は生きているのだろうか。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

お元気ですか?

ya さんのコメント...

元気です。