2009年8月30日日曜日

つくもノヲ”X="1≠ 476


【北海道&東日本パスの旅 4日目】 「天使のはしご」

旭川   ※駅弁購入
10:23発

↓ 924D 函館本線

11:25着
滝川
11:40発

↓ 2172M 函館本線

12:22着
岩見沢  
12:52発

↓ 1468D 室蘭本線

14:15着
苫小牧
14:33発

↓ 440M 室蘭本線

15:36着
東室蘭 ※トワイライトエクスプレスの撮影
16:06発

↓ 480D 室蘭本線

17:56着
長万部
18:02発 

↓ 822D 函館本線

21:07着
函館
21:15発

↓ 138D 函館本線~江差線

22:20着
木古内  ※ホテル宿泊





頼まれたお土産に六花亭の銘菓「マルセイバタ」を買いたいが、
行程ではこの旭川以外では買えないだろう。
駅そばのショッピングセンターである「ESTA」は10時開店。
4日目最初に乗らないといけない列車は10:23発。ゆっくりとおみやげ
を買っている時間がない。そんな心配をしつつ、ホテルで朝食を
済ませてとりあえず9時半には駅に向かうことにした。

杞憂だった。改札そばではすでにお土産屋が開いていた。
目的の「マルセイバタ」以外にもいくつかお土産を買い、
手荷物になってしまうので、その場で自宅へ発送をお願いした。



お土産代は4500円ほど予算オーバー。
滝川へ向かう列車で、窓から見ると雲の隙間から日が差してくる。
朝、旭川で目が覚めた時には路面が濡れていたから昨夜から
未明にかけて雨が降ったようだが、雨は止んでだけど
日差しは強すぎず、旅をするには快適な気候である。





滝川着。滝川から岩見沢まで普通列車に乗っていくが、
直前に発車するはずの札幌方面への特急列車が14分遅れ。
どうなるかと思ったが、特急列車は30分過ぎに到着し発車。
普通列車はすぐにホームへと入線。定刻の11:40に発車した。
普段なら席に座ってもしばらくは停車しているのだろうが、
今回は特急列車が遅れていたために少し慌しい発車になった。

赤い3両編成は岩見沢に定刻着。


岩見沢からは室蘭本線で苫小牧まで。
早めに先頭車両の乗車口に並ぶ。前に何人か並んでいたが
何とかボックスシートに座れた。駅弁はなかったので、
旅情はあまりないが、キヨスクで買った弁当だったが、
気動車のボックスシートで食べると旅の気分が出てくる。
相席の向かいのおじいちゃんとおばあちゃんさえ気にしなければ。

食後の睡魔が訪れたらしい。すっかりと眠ってしまったようで
車掌の声で目が覚めて、苫小牧着。
急行「はまなす」から降り損ないそうになった朝を迎えた駅だが、
今は旅の折り返し地点でもある。
「はまなす」とは違って、今回は木古内まで一駅一駅丁寧に
停車しながらゆっくりと走っていく。




東室蘭までの列車は午後の日差しを受けながら車内は
のんびりした雰囲気。この列車でも「輪行」の若い集団が
乗り込んでいる。列車旅と自転車旅で世間的には「ダブルエコ」な
旅・・・となるのだろうが、私はエコになるから旅をするのではない。
のんびりした時間が、時刻表から鋏で切り取って貼り付けるように
組みあせた時間を変わっていく車内と車外の景色が楽しめるから
列車に乗って旅をするのが好きだからだ。

社台で女の子がひとり下車。ロングシートに座っていたショートヘアの
かわいい女の子。無理矢理口内射精させて・・というまたも変態な
妄想をしながらも列車は発射、じゃなくて発射、あ、発車していく。

斜め前のクロスシートに座っていたおばあさんが立って向こうに
また戻ってきたりと忙しい。と思ったら、白老で一緒の席に座っていた
おじいさんと降りて行った。ホームを歩いていく姿が窓から見えた。
白老で老人2人。







東室蘭着。
乗り換えの列車を待っていると、向かいのホームには苫小牧方面から
二両の青いディーゼル機関車とともに緑色の客車編成が入線。
憧れの寝台特急「トワイライトエクスプレス」である。
午後の14:05に札幌を発車するこの列車は、函館を経て
青森へ、青森からは奥羽本線、羽越本線経由で新潟や直江津
富山を経て、大阪には翌日の12:52に到着。
ほぼ1日かけて日本を横断する優雅な寝台列車なのである。
今、溜めている500円貯金でいつかは乗ってみたいと考えている列車だ。
JRが出している「ナイスミディパス」、「フルムーン夫婦グリーンパス」
を除いて「ぐるり北海道きっぷ」のような割引きっぷなどでは
乗車利用ができない唯一の寝台特急であり、正当に運賃と特急料金と
寝台料金を払った乗客が乗車するような雰囲気がある列車でもある。
生きているうちに乗れるだろうか?
乗ろうと思った時に運行廃止になっていたりしないだろうか?

前回の冬に訪れた北陸への旅で青海川で不意に目の前を
通過していった憧れである緑の客車はまだまだ遠い存在である。

2両編成の白い気動車に乗り換える。
夏休みだからと思ったが、白と紺の制服を着た高校生集団が先に
乗り込み、あわやボックスシートが座られてしまうのかと思ったが
高校生の集団はこういう状況を心得ているのか、それとも
座りきれないと判断したのか、ロングシートに座った。
特に女子は迷わずにロングシートに落ち着いた。



何とかクロスシートの窓側は確保できたものの、相席が埋まる
息苦しい状況の中、列車はホームを離れていく。
車内を見渡すと、高校生の他に地元と思しき乗客もいる。
途中からベビーカーの子供連れも乗り込み、
いよいよ車内は地元色が強くなる。

崎守を出て、トンネルを抜けると海が車窓に広がってくる。
夜の間に、急行「はまなす」で通り過ぎるだけなので、
明るいうちにこうして海を眺めるのは初めてである。


稀府で先ほどの高校生の集団が降り始めた。
北舟岡はきっと北海道で海の眺めがよい駅に違いない。
もちろんスケールはあの海芝浦など比較にも及ばない。

伊達紋別。ここでほとんどの高校生が降りていく。
窓から眺める空は雲が多めだが、太陽の光が筋状に
何本も海へとつながっている。別名「天使のはしご」。
一時は賑やかだった車内も地元の利用者が降りて行ったためか
少し静かになった。最後までロングシートに座っていた高校生の
女の子は洞爺で降りていった。
東室蘭からずいぶんと長い時間をかけて学校に通っているらしい。



豊浦着。後の一両をここで切り離すため、少しの間停車。

大岸。駅前は海水浴もできるキュンプ場。いくつか張られたテントに
人が集まって寛いでいる様子が楽しそうだ。そしてトンネル。

礼文の次は小幌だが、この普通列車では通過してしまう。
次も駅があることを意識していないと、トンネルとトンネルの間に
僅かの間に見えた小さなホームは見過ごしてしまう。




長万部着。向かいで待っていた函館行きにダッシュする。
有名な大垣ダッシュだけでなく、長万部ダッシュも存在するのだ。
本日の行程で3時間乗車と一番長いから確実に座っていきたい。
無事に席に落ち着くと、右側の窓からは夕日が差し込んでくる。
しばらく併走していた国道の青い看板は「函館 102km」。




国縫で女の子が一人下車。駅で待っていた迎えの車に乗り込む
ところで、列車はホームをゆっくりと離れていった。

山崎。しばらく続く海は表現できない青と手前の緑色に広がる草原。
「新幹線早期実現」を訴える看板が横切る。実現すればこのあたりに
新八雲駅が出来る計画らしい。
このあたりから、車窓の前方に目を向けると函館を先端とする半島が
横たわっているのが見えてくる。
斜め向かいのボックスシートには夫婦での旅だろうか、北海道からの
帰りなのか、途中なのか、ふたり揃って時刻表を開いて調べている。
開いていたページから函館から特急にでも乗換えるのかもしれない。


八雲は特急列車も停車する大きな駅。待合室には特急列車待ちと
思われる人が何人も待っていた。地元らしき若い連中が少々乗り込む。

落部着。あの日の失踪事件で、乗ってきた北斗星が貨物列車の
通過待ちのために少々停車した駅であったことを思い出す。
丁度食堂車で朝食を食べていた時間だった。
ここまで来ると日はすっかり落ちて、夜がやってこようとしている。
先ほどの八雲からの若い連中はここで一斉に降りていった。




森着。19:20着。20分ほどここで停車する。
いかめしで有名な駅だが、この時間では駅弁は売っていなかった。
一旦改札を出て、そばにあったピザ屋に入ってみた。
ポテトとチキンのセットになっている「ポテチキセット」を注文しようと
思ったが、出来上がりに15分ほど時間がかかるという。
ここは諦め、駅そばにあった「セイコーマート」で弁当を買う。

駅に戻り、トイレへ入る時に先ほどのピザ屋の店員が休憩中
なのだろう、タバコを吸っていた。なんかその姿を見てから、
何となく注文しなくて良かったな思ってしまった。




森駅からこの列車は大沼公園経由、つまり昼間だったら駒ケ岳を
左に見ながら走っていくのだが、真っ暗な窓の先は何も見えない。
真っ暗な中をゆっくりと函館行きは走っていく。
姫川の次は東山だが、この駅もこの普通列車は通過してしまう。
この駅も小さな駅であり、窓を開けても注意深く見ていないと
やはり見過ごしてしまう。

大沼公園を出ると、銚子口経由、海沿いを走ってくるルートと
合流してすぐに大沼のホームへ到着する。

仁山~渡島大野。ここまで来ると函館は近い。
函館山から夜景には程遠いが、黒い大地に光の粒をばら撒いた
ような夜景が広がっている。
渡島大野からはすぐ後のボックスシートで鉄道オタクほどではない
お兄さんが向かいに座るおばちゃんの話相手をしている。
時刻表でも広げながら説明しているのかもしれない。
反対側の窓には反射してその若そうなお兄さんの姿が見えた。




函館着。今回は函館の少し先である木古内まで乗っていく。
木古内行きは、クロスシートは地元らしき利用者で席は
埋まっており、ロングシートで座って待つことにする。
途中で降りるだろうと思ったら、次の五稜郭で難なく席が空いた。
これで4日目最後の列車もクロスシートで旅が続けられる。

北海道の気候なのか、夜は窓を開けていると少し冷たい風。
乗客は少しずつ各駅で降りていく。
東久根別は駅前に団地。というより住宅街を走っている風景だ。
清川口で家族連れが降りていき、車内は一気に人が少なくなった。
上磯で特急列車の通過待ちのために4分停車。

上磯を出ると、函館の町を横から眺めることができる。
左から五稜郭タワー、市街、そして右に函館山が横に並んでいる。
しばらくして函館の街は見えなくなった。

茂辺地でさらに一人おばちゃんが降りていった。




木古内着。
時刻表に寄ればこの後しばらくして寝台特急「北斗星」が
この木古内駅を通過するようだ。駅員に尋ねてもしばらくしたら
やってくるだろうという回答だったので、すでに函館方面の列車は
ないので、灯りが落とされた暗いホームで待つ。
22:29.。2つのヘッドライトを点した電気機関車の後に青い客車が
走り去っていった。

改札を出ると、駅前はすっかりと夜の眠りについたように静かだ。
予想していたが、食事できるような店は開いていない。
祭りがあったのか、いくつもぶら下がっている提灯の光だけの風景が
「千と千尋の神隠し」のワンシーンを思い出した。

駅から10分程歩いたビジネスホテルのドアを開くと
すでにカーテンが閉まっているフロントには事前に電話予約のときに
言われたとおり、部屋の鍵が置かれていた。
奥では従業員らしき人たちのおしゃべりが聞こえてくるが、
誰もやって来る気配がないので、そのまま自分の部屋へ行く。
大浴場が23時までとなっていたので、急いで着替えをして、
今日の汗を流す。テレビを見ながら明日に備えて横になる。

0 件のコメント: