2009年8月30日日曜日

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【北海道&東日本パスの旅 3日目】厚賀の海と日高版「いかめし」

青森
22:42発

↓ 201 津軽線~海峡線~江差線~函館本線
     ~函館本線~室蘭本線

  急行「はまなす」 ※車中泊

5:01着
苫小牧
5:50発

↓ 2221D 日高本線

7:10着
厚賀   ※周辺の撮影と朝飯
9:17発

↓ 

11:19着
様似   ※昼飯は駅弁?
12:08発

↓ 2232D 日高本線

15:19着
苫小牧
15:42発

↓ 2641D 室蘭本線~石勝線

17:14着
新夕張
17:39発

↓ 37D 石勝線
  特急 スーパーとかち7号

18:45着
新得
19:16発

↓ 3438D 根室本線~富良野線
  快速 狩勝

21:41着
旭川   ※ホテル宿泊


軽く寝られればと思って、目を閉じたが本当に眠ってしまった・・・。
ふと次に目が覚め、ポケットの携帯電話を取り出してみると5:02。
あわてて閉まりかけのドアに挟まれながらも何とか苫小牧に下車。
いやはや、危なく寝過ごすところであった。
寝過ごすところだったが、今考えると下手に座席が空いていたら
座ってこれほど眠れなかっただろうから、結果的には良かったかも。




苫小牧ではこれから乗る朝イチの日高本線まで発車に時間がある。
駅から10分ほど歩いたところにあるコンビニで、サンドイッチと
飲み物を調達し、改札そばのベンチで朝食タイム。
それでもゆっくりと食べていると発車10分前で改札が始まった。
ホームには気動車の2両編成。だが後1両は回送車両で乗れない。
信号待ちのため、発車は3分遅れ。苫小牧を離れ、勇払を出ると、
まるで緑の絨毯の上を列車が走っているような景色になる。
斜め向かいのボックスシートには父と子、親子で「鉄」らしい。
特に「鉄」と思われる父は、時折窓の外にデジタルカメラを向けている。


鵡川で3分程停車。ここまで連結してきた回送車両が切り離され
身軽な1両になって発車していく。運転士は車内アナウンスだけでなく
連結切り離しの作業に立ち会わないといけないまさにワンマン。




日高門別で反対方向の列車とすれ違い。





厚賀着。ここから15分程歩いて撮影ポイントとなる厚賀橋を目指す。
歩いて向かう途中に気になったのは白い蛾の死体がポツポツと
道路脇の芝生に見かけたこと。大量発生しているのだろうか。


日高本線の踏切を渡ると、厚賀橋が見えてくる。
厚賀橋は車道部分しかなく、歩道部分がないので待つのは危険だ。
欄干の袂なら多少スペースがあるので、ここでさらに20分待ち。
時刻表では様似方面からの列車、つまり向かって左から右へと
列車が橋を渡ってくるのだが、走る過ぎるスピードが分からないので
早めにデジカメをスタンバイ。



7:53。目的の列車がゆっくりと海を背に橋を渡りはじめる。
シャッターを切り、無事に撮影完了。
北海道ではおなじみのコンビニ、「セイコーマート」でトイレを借り、
ついでに髭剃りと洗顔も済ませる。
駅に戻ると駅舎には列車待ちの若い女の子が一人、ベンチに
座って待っていた。10代~20代くらいの白い服を来た女の子。
他には誰も待っていなかったので、妙な気まずさから駅舎を通り越し
そのままホームへと出て待っていた。
顔はかわいいという部類だろうか。我々以外に誰も来ないような
場所だったら、アレをしゃぶらせて口内射精をさせて嫌そうなその
表情を楽しむという妄想が出てきてしまう。大変変態である。


その女の子がふとホームへ出てきた。
やって来た8:38発の土休日、7/25~8/16に運転されるホリデー日高、
といっても外観は乗って来た気動車と変わらないが、
乗って行ってしまい、気動車が走り去ると私ひとりがホームに残された。

厚賀から再び列車に乗り込むが、当然席は埋まっていた。
先ほど厚賀橋から撮影した橋を今度は正面から見る。
橋を渡り、しばらくは海ギリギリのところを走っていく。
新冠を出ると少し海から離れてしまうが、車窓の景色は私の中では
ナンバー2になりそうだ。静内で少々停車するということなので、
駅弁があれば買って、車内で食べることにしようと思う。




静内着。時刻表では駅弁があることを示す「弁」があったが、
キヨスクのおばちゃんいわく、事前に予約しないと買えない
1000円の弁当だけしかないという。
と、向かいのそば・うどん屋を見るとお稲荷やおにぎりとともに
「いかめし」の小さい箱が売っていた。しかしそれ以外は駅弁らしき
ものは売っていない。仕方なく500円の小さな「いかめし」と、
お稲荷2個入りをひとつ購入した。
後で時刻表を読み返したが、よく見ると「日高名物 北海いかめし」と
ちゃんと記載されていた。有名な森駅だけかと思ったが、
日高にも「いかめし」があったのかと少々油断・・・。


静内から先へと列車が進むと、すぐ近くに牧場が見え始めてくる。
馬や牛がのんびりと寛いでいる姿が確認できる。
少しの間、左側の車窓には入道雲が見えていたが、
東へと寄ってしまって単線の直線の線路の向こうに入道雲という
北海道へ来るたびに求めていた景色にはなかなか出会えない。
目的の撮影は終えたことで安心してしまったのか、いつのまにか
意識が飛んでしまい、目が覚めると終着の様似に着く前だった。

様似駅の改札を出る。そばにある観光案内マップによると
ここから襟裳岬までは36km。徒歩で7時間はかかる距離。
駅前から出ている路線バスに乗らないといけないが、乗ってしまうと
今日予約している旭川のホテルをキャンセルしないといけない。
それに折角買った駅弁を列車内で食べることができなくなる。






折り返し苫小牧行きとして発車する列車のドアが開くと、
海の景色を見ながら駅弁を食べたいので、進行方向左側の
窓側席を確保する。発車まで少々時間があるが、襟裳岬に行かない
なら何もすることがない。発車まではぼーぅと何もせずに過ごす。
何もしないのが、きっと贅沢な時間の使い方かもしれない。





ようやく12:19。列車は苫小牧に向けて様似を離れていく。
発車してからおもむろに、先ほど静内で買っておいた「いかめし」と
お稲荷さんを広げて、東町から広がり始める海の景色を見ながら
お昼ご飯。自宅で食べたらそれほどおいしくはないのだろうが、
初めて自分で買った「いかめし」は食べてみると美味しい。
硬いイカの身の中にもち米は食べ応えがある。ビールのおつまみ
としてはよい一品かもしれない。そんな印象である。

開けた窓から、潮の香りが風に乗って車内に入ってくる。
しばらく間近に広がっていた海も浦賀駅周辺は家や商店街や
学校が密集していて人の生活臭が強くなる。
我が地元も海沿いならこんな風景なのかもと想像しながら、
列車はさらに走っていく。生活臭のする風景から、今度は牧場、
そしてまた海と、車窓の景色は単調ではないので飽きることはない。

静内を過ぎて、、海のそばを通るとき。
それまでの生暖かい風がひんやりと冷たい風に変わる瞬間。

鵡川では回送列車の切り離しの代わりに、子供の団体さんで
相席は埋まってしまった。車内はその子供で騒々しいのだろうが
窓を開けているので、入ってくる風の音で気にはならない。
前のボックスシートは家族連れだろうか、楽しそうな雰囲気。
父と母と男の子と女の子だろう。男の子は初めは、車窓に興奮
しているようだったが、次第に飽きてきたらしい。






途中、道路を併走していたバイクにまたがった若そうな男性に
意味もなく手を振ってみる。振り替えしてくれた。妙にうれしい。




苫小牧着。定刻。
これからから乗ろうとしている夕張行きは、輪行(りんこう)の若者、
つまり最近多く見かけるようになった自転車を持ち込んで列車など
で移動する「チャリ男」だけだなく、「チャリ女」の集団が乗り込んだ。
持ち込まれた自転車は車掌の指示により、乗り降りに影響しない
1両編成の一番後ろに集結されることになった。

夕張行きは沼ノ端を出ると、頭上を新千歳空港に着陸態勢の
飛行機が通り過ぎていった。


追分でサボ(サイドボード)交換。交換係のおじいさんが手際よく
窓を上まで全開にして、「夕張←→追分」に交換。
追分では20分ほど停車。空を見上げると雲行きは怪しい。
もしかしたら雨が振るかも知れない。
車窓から天気を心配しつつ、列車は新夕張へ。




新夕張では新冠まで特急列車に乗換え。新夕張~新得は、
本州側の蟹田~青函トンネル~木古内までと同様に普通列車が
1本も走っていないための特例で、自由席のみ乗車可能。
ここでも輪行であろう、デッキには袋に包まれた自転車が置いてあった。
輪行も元は競輪選手が練習場までを自転車で自走したことを
呼んだそうだが、競輪選手が使っているブレーキなしの
自転車を公道走行することは法律で禁止されている。
当初は鉄道では、自転車を持ち込めたのは競輪選手だけであり
会員証提示よる許可制だったらしい。それが、一般の人も
自転車を持ち込めるようにしたいという声から、一般人は専用の袋に
詰めさえすれば無料で持ち込めるようになった歴史があるそうだ。

それはともかく、私は自由席でぼーぅと1時間も座らない。
先頭車側に移動するのは面倒くさいので、どう呼ばれているのか
「後方展望立ち席」へと移動する。特に新夕張~新得は長いトンネル
区間があり、通常は車両連結時に使われるが、避難時の出口と
しても使われる扉があり、運転席が2階にあるため、扉の窓から
後方へ流れる景色の展望を楽しめるスペースがあるのだ。



18:03。占冠着。先ほどの「輪行」集団はここで降りていった。
右の空はすでに夕暮れに。


18:16。トマム着。この「後方展望立ち席」の存在を知っているのだろう
若いカップルが入ってきたが、既に先客である私がいたことに
男性が驚きと舌打ち半々の気持ちで反応を口にしたが、
「鉄子」だろうか、女性が後で見に来ようと促し、一旦その場から去った。
ここへやって来る時に聞こえてきた会話からどうやら、この存在を
知っていた彼女が驚かそうと彼氏を連れて行こうとしたらしい。


18:27。特急列車とすれ違うため、トンネル内4分間停車。




新得では快速旭川行きに乗り換える。
先ほど乗って来た特急列車と同じホームから、今度は帯広方面から
目的の列車がやってきた。ワンマンの気動車。
新得から先ほど駆け抜けてきたトンネルまでは一緒の線路だが、
そこからは富良野方面の線路へと分岐する。
つまり入り口1つなのに、出口が2つという珍しい構造のトンネルに
なっているのだ。だが、すでに窓の外は真っ暗。
すでに前面展望には先客がおり、後方展望と思ったが、
後方展望では手前に立ち入り禁止のロープが張られており、
窓に張り付いて展望を楽しむことはできなかった。
おまけに車内の灯が反射してよく見えない。
あきらめて空いていたロングシートからの窓の眺めで我慢する。


そしてロングシートの一番前寄りにはこちらに体育座りように
足を向けているお行儀の悪いお嬢様が座っている。
誰もここには近寄らないでとはちょっと違う雰囲気だったが、
それでも近寄りがたい。きっと宇宙人に違いない。

釧路行きの特急列車を通過待ちするため、
途中で停車していたが、しばらくしても列車が動く気配がない。
車内アナウンスですれ違うはずの特急列車が遅れているとのこと。
前面展望の先客である若い男性、運転士に話しかけている内容
からどうやら富良野から滝川行きへ乗り換えるらしい。
はじめは私も滝川行きへ乗り換えるルートを考えていたが
変更しておいて、結果的に正解だったらしい。
旭川に着きさえすれば、少しは遅れても当方影響はないからだ。
それでも運転士に尋ねたところ、富良野には10分遅れとなる
見込みとのこと。ただ富良野では通常ダイヤで少々停車時間が
あるため、それでダイヤ上では少々遅れが解消されることに
なるかもしれないと教えてくれた。
遅れてはいるが、富良野では滝川行きが接続するとの
運転士から車内アナウンスがあってか、&、じゃなくて安堵の
空気が流れたような気がした。

トンネルを抜け、落合に到着。整理券が出ないトラブル。
運転士がすぐに発券機横の蓋を開けて調べていたが、
どうやら故障らしい。その後も停車の度に運転士は見ていたが
直らなかったようで、乗車駅申告制となりそうである。
開いたドアから飛んできた蛾が一匹、ドア近くでフードをかぶっていた
若い男性のむき出しの膝の上にとまり、驚いた男性は「でこピン」
の要領で床にはじき落とす。それでも生きていることを確認すると
今度は足で踏みつけ、靴の裏にに張り付いた蛾の死体を要領よく
そばの壁に叩き落とした。寝ている間に列車が遅れていることに
今広げて見ている時刻を書いた紙を見て気づいた風だ。

途中の駅から乗り込み、隣に座り込んだ地元の若い女性2人。
よく言えば素朴、外見もファッションもお世辞には・・・だったが
もし付き合うならこういう女性だったら気を使わなくてもいいなと
思ったりもする。片方の女性が手にぶらさげている白い袋の
中身が透けている。北海道では有名な「ガラナ」。
これから向かう旭川にあれば買って飲んでみたいところ。

山部着。開いたドアからまた蛾が一匹入ってきた。
だが今度は車両の後部へと飛んでいき、今度はクロスシートに
座っていたおばさんにクリーンヒット。驚いて手で払ったが
先ほどの男性のように冷静に叩き落すができなかったため
また後部へと飛んで行き、ちょっとした悲鳴もあがる。
その後、ドアの外に出たのか、誰かが叩き落としたのか不明だが
飛んでいる姿は見えなくなった。

再度の運転士のアナウンスで富良野には12分遅れで到着し、
滝川行きに接続しているとのこと。
富良野に到着すると、車内の大半の人たちは降りていった。

クロスシートが空いたので、そこへ座ろうかと荷物を置いていると
確信犯的にカップルが向かいに座りだした。
直接言われた訳ではないが、雰囲気的に半ば強制的に他の
席にというより、元のロングシートに落ち着かざるを得なかった。
そしてクロスシートから車内のクロスシート側に目を向けると、
いつの間にかクロスシートはカップル専用席になっていた。
座っている人たちばかりでなく、途中から乗ってくる人たちも
カップルが多い。何かイベントでもあったのだろうか。
夏といえば、花火大会だろうか。

中富良野着。終着旭川までクロスシートはカップル専用席。
私のような無粋な孤独野郎を寄せ付けない雰囲気があった。





旭川到着。約10分遅れ。
一旦予約しておいたホテルにチェックインし、
フロントに尋ねたところ、この時間に営業しているラーメン屋は
ここから駅方向に少し歩いた飲食街、通称「さんろく街」へ
行けばよいと教えてくれた。
駅から右折した大通りには旭川でもお祭りがあったのだろう
祭りの余韻を引きずっている若いカップルや野郎の集団が
ベンチなどで騒いで屯していた。

少々歩き廻って見つけたラーメン屋はちょっと珍しい店。
「ラーメン食堂NOBU」を屋号に掲げるこの店はラーメンと
看板が出ていなければラーメン屋と分からないが、
厨房が2階にあるそうで、階段から店員が降りてきて
ラーメンが運ばれてきた。店員の気の良さそうなおばちゃん
いわく、元々違う店だったそうだが、何故か厨房が2階に
あったそうで、その構造をそのまま使っているそうだ。

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