2009年9月25日金曜日

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【ツーデーパスの旅 1日目】快速「お座敷外房」

町田
6:00発

↓ 544K 横浜線

6:29着
東神奈川
6:32発

↓ 507A 根岸線

6:34着
横浜
6:50発

↓ 1600E 東海道本線~山手線
  快速 湘南新宿ライン

7:23着
新宿
8:04発

↓ 山手線~中央本線~東北本線~総武本線~外房線
  快速 お座敷外房

10:34着
安房鴨川
12:16発

↓ 184M 外房線

14:55着
千葉
15:47発

↓ 453M 総武本線~成田線

17:18着
佐原
17:23発

↓ 541M 鹿島線

17:44着
鹿島神宮
17:49発

↓ 180D 鹿島線~鹿島臨海鉄道

19:15着
水戸 ※宿泊


始発列車はギリギリのところで間に合った。
地元の小田急線は始発に乗り遅れてしまうと、JR線だけで旅をする計画が崩れてしまう。
始発列車はまだ朝日の出ていない少し暗いうちから町田へと向かう。
薄いぐらい中に線路の2本の白い線が向こうまで伸びている。

車内は席が埋まるほど。立っている客はほとんどいない。
5時代の始発列車だが、この時間から何をしに行くのだろう。
もちろん通勤の方はいるだろう。だが、運転士寄りの席に座る4人の女性は
地元スナックのママとその女の子達という感じで、店仕舞いして家に帰る途中だろうか。

町田からJR線の旅は始まる。そしてツーデーパスの旅の始まりである。
まずは横浜線で東神奈川へ。予定よりも1本早い列車で横浜、そして新宿へ。






新宿から今回のメインである快速「お座敷外房」がやってくるのを7番線で待つ。
特急「新宿さざなみ」が発車してから8時少し前に列車が東京方面からやって来た。
快速「すいごう」でも使われているジョイフルトレイン「ニューなのはな号」の車両であり、
ボックスシートもお座敷にもなる6両編成。
側面の方向幕も「すいごう」で使われる味気ない「快速」かと思ったが、
今回はちゃんと列車名称と行先が書かれたものになっている。

はじめて座ることになったお座敷タイプだが、通常は通路にあたる部分にテーブルが
固定され、その下は掘りごたつのように足を入れたり、荷物などを入れられるように
なっている。そして仲間や家族連れと話しやすいように、テーブルを挟んで向かい合わせで
座るようになっている。だから、周りが家族連れやカップルばかりの乗客のなかで
ひとり旅をしようとしている私にとってはしばらく気まずい思いである。
でもそれを気にしていたらせっかく乗った列車も楽しめないので、堂々と構えることにした。
買っておいたパンやおつまみを食べながら、ビールを飲みながら流れる景色を見ながら
次第に東京を離れていくことを実感する。

それまで座っていなかった他の席も途中駅から人々が乗り込んで埋まっていく。
ひとり、私と同じくこの列車に乗ることだけを目的であろう中年のおじいさん以外は
家族連れかカップルで賑やかな車内になる。

右も左も会話が弾んでおり、飲み会で孤立してしまう人の気持ちとなったが、
この状況を打破してくれたのは1歳の男の子であった。
左となりに座っていた家族連れの子供2人のうちのひとりだったが、
退屈しのぎにお父さんかお母さんかもってきた白いWiiテレビも飽きてしまったらしく
抱かれたお父さんの背中越しに男の子がこちらを見たのがはじまりだ。

こちらが笑うと、向こうもうれしそうに笑い返す。
珍しく人見知りをしない男の子であった。今も人見知りの気がある私にしたら
知らない人にも笑顔を向けられることがうらやましい限りである。
そんなことをしているうちに気まずさもなくなってきて、お父さんとも少し会話する
きっかけを持つことができた。やはりというか、行先は同じく安房鴨川であり、
鴨川シーパラダイスへ行くそうだ。






終点間際になって進行方向左側に海が見え始める。
「お座敷外房」となっているのに、ずっと内房と勘違いしていて右側に見えるものと
ばかり思っていた。だから新宿から乗り込んだときに左側の席は失敗したと思ったが
何も考えずに取った席とはいえ、失敗ではなかった。

安房鴨川着。ここで先ほどの家族とはお別れ。
鴨川シーワールドでも寄ればよいのだろうが、ディズニーランドほどの勇気がなくとも
やはり行くのは何とも心苦しい。行ったところで先ほどの家族連れとまた会ってしまう
ことを考えれば、止めておくのが賢明だろう。



万が一にも彼女ができたら、デートスポットとして覚えておくのはよいのかもしれない。
地元の友達に連れて行ってもらったスナック、ピンクサロンの女の子か、
あとはアルバイトをしていた高校生時代に同じアルバイトの女の子と会話したくらいで
まともにデートすらしたことがない私にとっては妄想もよいところだろう。

辛うじてデートといえるのは高校生時代のその子と映画を一緒に見に行き、
帰りにマックで食べたその日だけで、それっきり女の子と一緒にどこかへ行く
ということは今までない。風の便りでその子は今、デザイナーとして頑張っているそうだ。
上にお姉さんがいるが、その人も同じアルバイトの人であった。
他のアルバイト仲間の女性陣は去年、お互い打ちあせたように次々に結婚していき、
この姉妹だけはまだそういう縁談がないらしい。
しかし、姉妹ともに男性と付き合っていたりはしていることだろう。
「らしい」とか「そうだ」とか、推測形なのは連絡もしていないし、興味がないからだ。

・・・・・そんなことを考えたわけでないが、
鴨川シーワールドに入場しないにしても、どんな雰囲気か見てみようとは思った。
11:20発の千葉行きに乗れたが、駅員に聞くと次の12:16発がボックスシートということで
この列車まで時間があるので、歩いて鴨川シーワールドまで行って戻ってくることにした。

国道をずっと20分ほど歩いたところに鴨川シーワールドはあるのだが、
車道の左側には停まっている長蛇の車の列。鴨川シーワールドへの駐車待ちの列だ。
5連休ということで、こういうときは考えることは皆一緒である。
そういえば、先ほど駅に到着した特急列車からも狭い改札口にどっと人が出てきた。
駅前に3つのホテルか旅館の送迎バスの案内係がそれぞれのロゴが入った旗を
広げて待っていたところを見ると、鴨川シーワールドなどを観光しながら、安房鴨川の
これらホテルに宿泊する観光客が大半を占めているのかもしれない。





帰りがけに買ったマンゴーアイスクリームを舐めながら、
すでにホームで待っている12:16発の千葉行きに乗り込む。
ボックスシートはガラガラで、難なく席を確保することができた。
これからゆったりと駅弁を食べながら、海の眺めを楽しむことができそうだ。

俗称「スカ色」、青と白のツートンで塗り分けれた4両編成は
しばらくして海を左に見ながら、軽快に走っていく。
窓を上まで開け放すと、潮の香りが風に乗って車内に入ってくる。
駅弁を広げて、缶チューハイを傾ける。少々おっさん風味となりつつある今日この頃。
間違いなく、ここ最近アルコールの量が増え続けている。ま、いっか。

地図では路線図が海岸沿いなので、ずっと海が見えるものと思っていたが、
安房鴨川を出てしばらくの間だけ。そのうちに民家が割り込むような感じとなり
海は離れてしまって見えなくなってしまった。
館山を出て何駅か後に再び海が見え始めてくるが、手前の民家や道路が、
風景の邪魔だなと思えてくるのだから、人間はかくも勝手な生き物である。

目が覚めるともうすぐ千葉。袖ヶ浦のあたりまでは覚えていたが
駅弁を食べ、なおかつチューハイの酔いも手伝って、いつのまにか意識がなかったようだ。
千葉では15:01発の成田空港行きに乗ると、用も無いのに成田空港までの盲腸線を
乗り潰すことができる。発車まで5分もなかったが、小便もしたいし、ごみも捨てたいし
とうろうろしているうちに成田空港行きは発車の時間となる。
無理して乗ることもなかろうとこの列車は見送り、当初乗る予定としていた15:47発まで
構内の喫茶店でコーヒーでも飲みながらまったりすることにしよう。

構内の土産物屋を冷やかしていると「い鉄揚げ」なる煎餅が売られていた。
経営難で列車の点検費用もままならず、濡れ煎餅の販売収入で何とか乗り切ろうと
全国的に有名になった銚子電気鉄道のいすみ鉄道版である。

いすみ鉄道は内房線の五井から途中の上総中野までを走る小湊鉄道を乗り継ぐと
外房線の大原までを走っている路線だ。写真か映像でしか見たことがないが、
黄色い1両編成が走っている。確か、いすみ鉄道の歌としてCDも出していたはずだ。
「い鉄揚げ」を買うのも助けることになるだろうが、鉄道オタクなら実際に乗ってあげる
のが礼儀(?)のような気がする。
そこで時刻表を広げてみると、これからやって来る内房線の15:39発の列車に乗ると
幸いにも小湊鉄道もいすみ鉄道も待つことなく、乗り継ぐことが可能だ。
外房線に出てまた千葉へ戻り、鹿島線経由で乗っていけばその日のうちに
水戸へ到着することができる。ただし23時過ぎなので、向こうでビジネスホテルの部屋を
取れるかどうかが微妙だ。そのリスクと財布の中身から止めることにした。

近いうちにいすみ鉄道に乗ることにしよう。そのときは1日乗車券を買っての旅を。






15:47発の銚子行きは成田で15分ほど停車。
向かいのホームでは青いTシャツを着た少年がデジカメと携帯電話のカメラで
こちらの車両に向かって撮影していた。余程好きなのだろう、うろうろと歩くその仕草に
私と同じようなオタクとしての雰囲気が出ている。

鹿島線で鹿島神宮へ。1日目の旅では一番乗車時間が短い路線である。
民家や田んぼの間を縫うように走っていくのかと思っていたが、ずっと高架線を
走っていくため、家も利根川も北利根川も北浦も見下ろす形になる。



鹿島神宮からは水戸まで繋がっている鹿島臨海鉄道に乗っていく。
実際は次の鹿島サッカースタジアムまではJR線なのだが、
鹿島サッカースタジアムがサッカー開催期間だけの臨時駅のため、
鹿島臨海鉄道の車両が鹿島神宮まで乗り入れている。

鹿島アントラーズのチーム色をイメージしているのか
赤と白と黒に塗り分けられた2両編成の気動車が暗くなりつつある線路を走っていく。
荒野台でロングシートの運転士寄りに座っていた青いジャージ姿の小柄な女の子が
ひとりホームへと降りていった。窓の外は夜。秋の夜長といわれる時期なのか
夜になる時間も少し早くなった。ホームに停車中はすずむしの鳴き声が聞こえてくる。

虫が入ってくるので窓を開けられないが、開けていなくとも秋の気配を感じる。
開けると、風邪を引いてしまうかもしれない涼しいというか、少し寒いというか
風が入ってくることだろう。長袖か、半袖か、調整に忙しい季節である。



鹿島灘辺りまでは進行方向右側に海が見えるはずだが
真っ暗な夜では車窓が望むべくもない。ホームの黄色い蛍光灯は、虫除けのためだろう。
水戸まであと少しだが、少し遠くに街灯か家の灯が見えるだけ。
車内に誰も乗っていなかったら、もっと寂しい雰囲気になっていたに違いない。

水戸駅から徒歩1分のビジネスホテルにチェックイン。
JR東日本が展開するホテルだが、駅から近いとあってか少々高い宿泊料金。
しかし、ホームこそ建物の影でよく見えないが、水戸駅を発着する貨物列車や
旅客列車の往来が楽しめる絶好のトレインビュースポットである。
踏み切りの音、列車の走行音を聞きながらベットに入れる幸せがある。

ラーメン屋を探すために歩いて30分くらい、とうとう隣の偕楽園のあたりまで
歩くことになってしまった。スナックかどこかの店のホストだろうが、
私が注文してしばらくしてそんな風貌のお兄ちゃんはタンメン大盛りを頼んだ後に
タバコをふかしていた。
ホテルに戻ると、出るときには気づかなかったラーメン屋がすぐそばに・・・

知らない街で宿泊するとどうしても夜更かしする傾向があるのはよくないと思いつつ。
コンビニで買ったアイスクリームを食べながら、ダラダラとテレビを見て過す水戸の夜。

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