2009年9月27日日曜日

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立川
10:30発

↓ 9091M 南武線~東海道本線
  特急 リゾート踊り子91号

11:44着
横浜
12:18発

↓ 2670E 東海道本線~山手線~東北本線~高崎線
  快速 湘南新宿ライン

14:01着
籠原
14:11発

↓ 879M 高崎線

14:44着
高崎
15:07発

↓ 9736M 高崎線~東北本線
  快速 一村一山

16:48着
上野


前夜の金曜日。JR横浜線の町田駅へ寄る。
指定席券売機を操作すると、あっさりと「リゾート踊り子91号」の指定席が取れてしまった。
運転経路の珍しさも手伝ってか、5月に運行してみたところ、利用状況が良かった事を受け
7月と続き、今回9月26日、27日にも運転されることになった特急列車である。
最新10月号のJR時刻表を開くと、どうやら11月14日、15日も運転される予定だ。
横浜開港を記念したY150イベントに関連したものと思っていたが、この状況が続けば、
南武線に初の定期特急列車誕生となるかもしれない。

この特急列車は列車名の「リゾート踊り子」を冠しているように
伊豆急行の伊豆急下田まで東京から直通運転する特急列車としてお馴染みだが、
始発が東京ではなく、南武線の立川駅である。

立川から南武線を走り、横浜へ向かうために、川崎まで出てから
スイッチバックをして横浜まで向かうものと思ったが、時刻表には「浜川崎」の文字。
南武線の尻手から浜川崎までの南武支線を走り、浜川崎から折り返し再び南武支線に。
(正確には同じ線路に折り返しではなく、東海道貨物線として使っている線路に)
東海道貨物線は八丁畷から東海道本線の鶴見への連絡線の左カーブを走っていくと、
右側に見えるはずの東海道本線へと合流して横浜へ向かう。
前の日記では浜川崎での撮影で終わってしまったが、
今回はホリデーパスのフリーエリア区間である横浜まで乗ることにした。

朝7時半起床。10時30分に立川を出発するこの特急列車に乗るためには
車外、車内の撮影する余裕を考えると、10時前後には立川に着いていないといけない。
携帯電話の乗換え検索で調べてみると、地元を8時23分発の小田急線に乗れば
間に合うことがわかった。あと30分起きるのが遅かったら、朝ごはんもままならず
慌しい出発になっていたところだった。ある意味奇跡だ(笑)

横浜線は町田からホリデーパスの旅はスタートした。
途中で見慣れない車両がすれ違った。
普段走ることのない115系、通称「スカ色」の列車がなにやらヘッドマークを掲げていた。
ホームの端で構えるカメラマンを見かけたので、何か来るのかと思っていたが
初めは特急 はまかいじ?と思っていたが。






その答えは八王子駅で判明した。
後でwebで調べたところ、これはJR東労組(JREU)が開催している「旅のプレゼント」で
身体に不自由を追っている者(障害者とよぶのは個人的に好きではない)が
列車の旅を楽しめるように、何十組も招待して運行している団体列車であった。

そのほか、富士急ハイランドで開催される「ランティス祭り」というアニメソングライブに
あわせた臨時列車(これも後でwebで調べて判明)「ランティスエクスプレス」とロゴが
前面にも側面にも貼られていた。ロゴを見たときロッテリアのロゴみたいだなと思ったのは
私だけかもしれない。ランティスというレコード会社があるそうな。
秋葉原発というのが、いかにもアニメソングライブ向けらしい(?)





すでに目的の「黒船電車」は南武線のホームに待っていた。
向かいのホームに停まっている普通電車と見比べるとインパクトは大きい。
ホーム上にある行先案内板は、列車名が長すぎて「リゾート踊り子9」までしか
表示しきれていない。


南武線は普通列車で何度か行き来しているが、特急列車から眺める景色は違う印象だ。
それもそのはずで、普段は見慣れる列車とあって、窓の外の歩いていたり、
自転車に乗っている人たち、ホームで待っている人たちの普段は見られない反応が
あるからだ。見ていて面白い。






尻手からはいよいよこの黒船電車の個人的にはクライマックス(?)ともいうべき
浜川崎へと向けて南武支線に入っていく。南武線から渡り線で南武支線へと
しずしずと走っていく様も珍しい。ここからすでに少し興奮してくる。
南武支線の終点である浜川崎のホームを右手に見ると、折り返し尻手方面の
普通列車が待っていた。そのまま奥の貨物ヤードへとやってきて7分ほど停車。
普段は立ち入る事ができない貨物線に堂々と乗りながらにして、両隣に鎮座する
タンク車両をしばし、堪能することができた。

ここで進行方向が変わるために、運転士と車掌がそれぞれ移動する準備に追われる。
もちろん通常は貨物線として使われているため、車外でも安全に列車を運行できるよう
作業員が線路脇でこの列車が発車するのを見つめている。




列車は動き出す。展望席に座ってみたかったが、みどりの窓口で訊いても
運転日直前ではおそらくすでに満席であったろう。展望車両の入り口のドア越しに
滅多に拝めない前面展望を失敬することにした。
先ほど走ってきた線路とはちょっと違う位置を走り、八丁畷を過ぎると右側へと
南武支線の線路と別れ、しばらくして右手から東海道本線の線路が併走してきた。
急行 ぶらり鎌倉号のように、鶴見駅の少し離れた線路上で少々停車した後
横浜へ向けて走り出した。
横浜の次は小田原。ホリデーパスのフリーエリアから出てしまうため
横浜で下車することにした。

さて他に臨時列車はないものかとみどりの窓口にあるJR時刻表で調べてみる。
こうしたときに頼りになる(?)高崎線のページに目を向けてみる。
土合まで運行している臨時快速 一村一山号が運行している。しかも今日だけ。

ということで、湘南新宿ラインで高崎まで向かうことにした。
ホリデーパスは熊谷まで有効だが、熊谷~高崎の往復乗車券を買うという
先ほどの横浜下車の理由と矛盾していることはま、鉄道オタクの気まぐれ
ということで目を瞑っていただきたい。

途中から席から空き始めたので、座ったとたんにお昼ねモード。
黒船電車で買った弁当を食べたり、缶のカルピスサワーを飲んだりしていたから
睡魔がやってきたらしい。気持ちよくまどろんでいると、終点の籠原ということで
駅員の方の声で起こされた。ここからさらに高崎まで乗りかえ。
また居眠りしていると、やはり終点の高崎で駅員に起こされる。





高崎のホームはまだ夏ではと思うほどの日差しが差していた。
欠伸をしながら、7番線にやってくるはずの快速 一村一山号を待つ。

そしてやってきた臨時列車のヘッドマークと側面の行先表示幕がおかしい。
「足利 藤まつり」となっている。念のために車掌に尋ねると方向幕の故障とのこと。
よほど使い込まれているのだろう、車両とデッキを仕切る自動ドアも一部は
故障しており、「手動で」と張り紙がされている始末。



6両のうち、前よりの2両である自由席車両へと移動。
先頭の1号車の中ほどの席、通路側に座ることができた。2号車に比べると人の出入りは
それほど気にならないし、トイレにも行きやすい。
しかし5連休のあとの週末とあってか、途中駅から乗り込む人が増えて、デッキに収まらず
通路側に人が少し立つほどの混み具合となってしまった。
夫婦同士での旅行だったのか、片方の夫婦の夫らしい男性の笑い方が厭らしい。
個人的に一緒に長くはいたくないと思うタイプだ。それもしばらくしたら座れたことで
機嫌がよくなったのか、静かにはなったが。

新宿でホリデーパスの旅を終えることにした。
地元の友達から「秦野たばこ祭り」に行かないかと誘いのメールがあったからだ。
久々の祭りはひとりより誰かと一緒のほうが妙にくつろげて楽しめた。
だた小学校の頃と違って、数字合わせやらくがきせんべいにときめかせていた心を
失う代わりに紙コップに入ったビールを飲みながら、やきそばを食べてその頃を
懐かしむ心を手に入れていたらしい。

一緒に言った友達がそうした数字合わせなどの露店で働いた経験があり、
ここでは詳しく書けないが、露店で働いている一部の人々は「ヤクザ」と呼ばれる
人たちが存在し、その売り上げの収入の行先、親分、アルバイトの関係など
堅気(笑)な我々には知らない話を聞くことができた。

2009年9月25日金曜日

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会社を定時で上がる日は帰宅時間をウォーキングに。
つい最近、これを実施するようにしている。

1時間歩けば、ちょうど小田急相模原でハンバーグ定食が食べられる。
1時間歩けば、大和でラーメンが食べられる。

でも歩いた分を食べているから、メタボリック対策にはならない(笑)
むしろ、この時間をつくるために定時退社するように意識してみるのはありかもしれない。

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ロゴを見るのと、ついでに臨時60号に乗車。

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【ツーデーパスの旅 2日目】欲張らずに水郡線で

水戸線
11:15発

↓ 825D 水郡線

14:41着
郡山
(15:26) ※この列車に接続する列車遅れのため、6分遅れ

↓ 2142M 東北本線

(16:29)
黒磯
16:54発

↓ 1578M 東北本線

17:45着
宇都宮
17:53発

↓ 1270Y 東北本線~山手線
  快速 湘南新宿ライン

19:44着
新宿


朝5時頃に一旦目が覚めたが、二度寝をしてしまう。
結局起きたのは8時過ぎ。まずはホテルで朝食を食べに部屋を出る。
苦手なバイキング形式。自分の好きな分だけ食べられるのがメリットか。
部屋に戻る。時刻表を改めて開いてみると、9:23発の次の11:15発でも郡山まで走っている。
11:15発は途中の常陸大子までは毎日運転しているが、うまい具合に今日は郡山まで
延長運転している。しかも宿泊しているこのホテルもチェックアウトは11時。
つまり11時近くまでベットの上でゆっくりとすることができる。

郡山は14:41着。もうひとつくらい未乗路線に乗って帰れるが、
そうすると帰りが夜遅くになってしまう。明日仕事であることを考えて止めておく。





水戸駅で買った駅弁を抱えて、ホームで待っていた列車に乗り込む。
何とか空いているボックスシートに座る。列車が発車してからしばらくして
買っておいた駅弁の蓋を空けることにする。駅弁はやっぱり列車で食べるのが美味い。

西金辺りから久慈川が左側に見え始め、線路と並行したり、また反対側へと蛇行する。
線路のまわりは田んぼや少し奥に山々が連なる景色だが少しほっとする。
夏も緑色で映えるのだろうが、この水郡線に関しては秋の紅葉の時期に来ると
景色が十分に楽しめそうな感じがする。






3両編成の気動車は常陸大子で一番後ろの1両を切り離すために少々停車。
幌を切り離してから、次に連結器を切り離す。連結の場合はこの逆となるだろう。

磐城石井でひとりのおばあさんが乗り込む。
ホームまでやってきた知り合いか親戚かのふたりの中年女性に見送られながら。
ドアが閉まり、列車はホームを離れていく。
昼過ぎの車内はほどほどに乗客が乗っている。地元でいえば相模線と利用者規模は
同じくらいかもしれない。

磐城浅川は水郡線で一番高い駅であることを、ホームの少しに立つ看板が教えてくれる。

泉郷のホームうしろから列車を見つめるひとりの女の子。
女の子の腕には子猫が抱かれていた。

駅弁を食べてそろそろ2時間経つ。少し気を抜くと隣の席で居眠りし始めている
おばさんのようになってしまうのだろう。



そしてふと目が覚めると安積永盛の手前を東北新幹線の高架が
オーバークロスするところであった。東北本線の線路が左側に並行して安積永盛着。
ホームを出ると、東北本線の下り線に合流して終点の郡山に到着する。

郡山から15:20発のロングシート車両で黒磯へ。
しかしすでに席は埋まっているどころか、立ち客で満員電車さながらの混み様。
そしてこの列車に接続する列車の到着が遅れているために、発車はさらに6分ほど
待たされることになった。冷房は効いているようだが、それ以上に人の熱気で
少々蒸し暑い。東北本線の車両が水郡線のようなクロスシート車両ならまだ良いが、
ロングシート車両で、北海道へ旅をするときはなるべく行きでは使わないようにしている。
もちろん、寝台特急「北斗星」や臨時列車は別である。

普段はこんなに混まないだろうが、「北海道&東日本パス」と「ツーデーパス」の
利用期間が5連休と重なっているために、こうした利用客がいるのかもしれない。
旅行用のキャリーバックやリュックサックを背負った人たちで車内は混んでいる。
途中の新白河は東北新幹線の乗換え駅だから、ここでどっと降りるのかと思いきや
ほとんどの人は降りなかった。やはり「ツーデーパス」などの客ばかりか。

黒磯まで遅れを取り戻すことは適わず。
黒磯では数少ない上野直通の快速列車に乗ることはできたが、
すでに座れないことは分かっていたので、この列車は見送ることにした。
もっともここまでロングシート車両だったから、さらに上野方面までロングシートに
乗るのは気分が乗らなかったというのが理由だ。





黒磯では一旦、改札の外に出る。
地元の高校と小学校が共演して定期演奏会をするポスターが貼られていたが
描かれたサックスを口にしてこちらを見ている女の子の絵が妙に萌える。
描き方は現代の漫画に影響されているものだ。

16:54発の宇都宮行きではボックスシートを座るが、
しばらくして向かいにカップルが座りだす。お座敷外房に乗ったときとは違う種類の
気まずさが漂うが、それも最初だけで次第にどうでも良くなってくる。
今までの列車旅では色んな人に話しかけられたり、出会ったりしているので
そうした慣れというか、自信みたいなものが付いてきたのかもしれない。

宇都宮からは湘南新宿ラインで大船まで乗っていこうかと思ったが、
時刻表で確認すると、途中の新宿から小田急線で帰るほうが早いことがわかったので
新宿で2日間のツーデーパスの旅を終えることにした。

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【ツーデーパスの旅 1日目】快速「お座敷外房」

町田
6:00発

↓ 544K 横浜線

6:29着
東神奈川
6:32発

↓ 507A 根岸線

6:34着
横浜
6:50発

↓ 1600E 東海道本線~山手線
  快速 湘南新宿ライン

7:23着
新宿
8:04発

↓ 山手線~中央本線~東北本線~総武本線~外房線
  快速 お座敷外房

10:34着
安房鴨川
12:16発

↓ 184M 外房線

14:55着
千葉
15:47発

↓ 453M 総武本線~成田線

17:18着
佐原
17:23発

↓ 541M 鹿島線

17:44着
鹿島神宮
17:49発

↓ 180D 鹿島線~鹿島臨海鉄道

19:15着
水戸 ※宿泊


始発列車はギリギリのところで間に合った。
地元の小田急線は始発に乗り遅れてしまうと、JR線だけで旅をする計画が崩れてしまう。
始発列車はまだ朝日の出ていない少し暗いうちから町田へと向かう。
薄いぐらい中に線路の2本の白い線が向こうまで伸びている。

車内は席が埋まるほど。立っている客はほとんどいない。
5時代の始発列車だが、この時間から何をしに行くのだろう。
もちろん通勤の方はいるだろう。だが、運転士寄りの席に座る4人の女性は
地元スナックのママとその女の子達という感じで、店仕舞いして家に帰る途中だろうか。

町田からJR線の旅は始まる。そしてツーデーパスの旅の始まりである。
まずは横浜線で東神奈川へ。予定よりも1本早い列車で横浜、そして新宿へ。






新宿から今回のメインである快速「お座敷外房」がやってくるのを7番線で待つ。
特急「新宿さざなみ」が発車してから8時少し前に列車が東京方面からやって来た。
快速「すいごう」でも使われているジョイフルトレイン「ニューなのはな号」の車両であり、
ボックスシートもお座敷にもなる6両編成。
側面の方向幕も「すいごう」で使われる味気ない「快速」かと思ったが、
今回はちゃんと列車名称と行先が書かれたものになっている。

はじめて座ることになったお座敷タイプだが、通常は通路にあたる部分にテーブルが
固定され、その下は掘りごたつのように足を入れたり、荷物などを入れられるように
なっている。そして仲間や家族連れと話しやすいように、テーブルを挟んで向かい合わせで
座るようになっている。だから、周りが家族連れやカップルばかりの乗客のなかで
ひとり旅をしようとしている私にとってはしばらく気まずい思いである。
でもそれを気にしていたらせっかく乗った列車も楽しめないので、堂々と構えることにした。
買っておいたパンやおつまみを食べながら、ビールを飲みながら流れる景色を見ながら
次第に東京を離れていくことを実感する。

それまで座っていなかった他の席も途中駅から人々が乗り込んで埋まっていく。
ひとり、私と同じくこの列車に乗ることだけを目的であろう中年のおじいさん以外は
家族連れかカップルで賑やかな車内になる。

右も左も会話が弾んでおり、飲み会で孤立してしまう人の気持ちとなったが、
この状況を打破してくれたのは1歳の男の子であった。
左となりに座っていた家族連れの子供2人のうちのひとりだったが、
退屈しのぎにお父さんかお母さんかもってきた白いWiiテレビも飽きてしまったらしく
抱かれたお父さんの背中越しに男の子がこちらを見たのがはじまりだ。

こちらが笑うと、向こうもうれしそうに笑い返す。
珍しく人見知りをしない男の子であった。今も人見知りの気がある私にしたら
知らない人にも笑顔を向けられることがうらやましい限りである。
そんなことをしているうちに気まずさもなくなってきて、お父さんとも少し会話する
きっかけを持つことができた。やはりというか、行先は同じく安房鴨川であり、
鴨川シーパラダイスへ行くそうだ。






終点間際になって進行方向左側に海が見え始める。
「お座敷外房」となっているのに、ずっと内房と勘違いしていて右側に見えるものと
ばかり思っていた。だから新宿から乗り込んだときに左側の席は失敗したと思ったが
何も考えずに取った席とはいえ、失敗ではなかった。

安房鴨川着。ここで先ほどの家族とはお別れ。
鴨川シーワールドでも寄ればよいのだろうが、ディズニーランドほどの勇気がなくとも
やはり行くのは何とも心苦しい。行ったところで先ほどの家族連れとまた会ってしまう
ことを考えれば、止めておくのが賢明だろう。



万が一にも彼女ができたら、デートスポットとして覚えておくのはよいのかもしれない。
地元の友達に連れて行ってもらったスナック、ピンクサロンの女の子か、
あとはアルバイトをしていた高校生時代に同じアルバイトの女の子と会話したくらいで
まともにデートすらしたことがない私にとっては妄想もよいところだろう。

辛うじてデートといえるのは高校生時代のその子と映画を一緒に見に行き、
帰りにマックで食べたその日だけで、それっきり女の子と一緒にどこかへ行く
ということは今までない。風の便りでその子は今、デザイナーとして頑張っているそうだ。
上にお姉さんがいるが、その人も同じアルバイトの人であった。
他のアルバイト仲間の女性陣は去年、お互い打ちあせたように次々に結婚していき、
この姉妹だけはまだそういう縁談がないらしい。
しかし、姉妹ともに男性と付き合っていたりはしていることだろう。
「らしい」とか「そうだ」とか、推測形なのは連絡もしていないし、興味がないからだ。

・・・・・そんなことを考えたわけでないが、
鴨川シーワールドに入場しないにしても、どんな雰囲気か見てみようとは思った。
11:20発の千葉行きに乗れたが、駅員に聞くと次の12:16発がボックスシートということで
この列車まで時間があるので、歩いて鴨川シーワールドまで行って戻ってくることにした。

国道をずっと20分ほど歩いたところに鴨川シーワールドはあるのだが、
車道の左側には停まっている長蛇の車の列。鴨川シーワールドへの駐車待ちの列だ。
5連休ということで、こういうときは考えることは皆一緒である。
そういえば、先ほど駅に到着した特急列車からも狭い改札口にどっと人が出てきた。
駅前に3つのホテルか旅館の送迎バスの案内係がそれぞれのロゴが入った旗を
広げて待っていたところを見ると、鴨川シーワールドなどを観光しながら、安房鴨川の
これらホテルに宿泊する観光客が大半を占めているのかもしれない。





帰りがけに買ったマンゴーアイスクリームを舐めながら、
すでにホームで待っている12:16発の千葉行きに乗り込む。
ボックスシートはガラガラで、難なく席を確保することができた。
これからゆったりと駅弁を食べながら、海の眺めを楽しむことができそうだ。

俗称「スカ色」、青と白のツートンで塗り分けれた4両編成は
しばらくして海を左に見ながら、軽快に走っていく。
窓を上まで開け放すと、潮の香りが風に乗って車内に入ってくる。
駅弁を広げて、缶チューハイを傾ける。少々おっさん風味となりつつある今日この頃。
間違いなく、ここ最近アルコールの量が増え続けている。ま、いっか。

地図では路線図が海岸沿いなので、ずっと海が見えるものと思っていたが、
安房鴨川を出てしばらくの間だけ。そのうちに民家が割り込むような感じとなり
海は離れてしまって見えなくなってしまった。
館山を出て何駅か後に再び海が見え始めてくるが、手前の民家や道路が、
風景の邪魔だなと思えてくるのだから、人間はかくも勝手な生き物である。

目が覚めるともうすぐ千葉。袖ヶ浦のあたりまでは覚えていたが
駅弁を食べ、なおかつチューハイの酔いも手伝って、いつのまにか意識がなかったようだ。
千葉では15:01発の成田空港行きに乗ると、用も無いのに成田空港までの盲腸線を
乗り潰すことができる。発車まで5分もなかったが、小便もしたいし、ごみも捨てたいし
とうろうろしているうちに成田空港行きは発車の時間となる。
無理して乗ることもなかろうとこの列車は見送り、当初乗る予定としていた15:47発まで
構内の喫茶店でコーヒーでも飲みながらまったりすることにしよう。

構内の土産物屋を冷やかしていると「い鉄揚げ」なる煎餅が売られていた。
経営難で列車の点検費用もままならず、濡れ煎餅の販売収入で何とか乗り切ろうと
全国的に有名になった銚子電気鉄道のいすみ鉄道版である。

いすみ鉄道は内房線の五井から途中の上総中野までを走る小湊鉄道を乗り継ぐと
外房線の大原までを走っている路線だ。写真か映像でしか見たことがないが、
黄色い1両編成が走っている。確か、いすみ鉄道の歌としてCDも出していたはずだ。
「い鉄揚げ」を買うのも助けることになるだろうが、鉄道オタクなら実際に乗ってあげる
のが礼儀(?)のような気がする。
そこで時刻表を広げてみると、これからやって来る内房線の15:39発の列車に乗ると
幸いにも小湊鉄道もいすみ鉄道も待つことなく、乗り継ぐことが可能だ。
外房線に出てまた千葉へ戻り、鹿島線経由で乗っていけばその日のうちに
水戸へ到着することができる。ただし23時過ぎなので、向こうでビジネスホテルの部屋を
取れるかどうかが微妙だ。そのリスクと財布の中身から止めることにした。

近いうちにいすみ鉄道に乗ることにしよう。そのときは1日乗車券を買っての旅を。






15:47発の銚子行きは成田で15分ほど停車。
向かいのホームでは青いTシャツを着た少年がデジカメと携帯電話のカメラで
こちらの車両に向かって撮影していた。余程好きなのだろう、うろうろと歩くその仕草に
私と同じようなオタクとしての雰囲気が出ている。

鹿島線で鹿島神宮へ。1日目の旅では一番乗車時間が短い路線である。
民家や田んぼの間を縫うように走っていくのかと思っていたが、ずっと高架線を
走っていくため、家も利根川も北利根川も北浦も見下ろす形になる。



鹿島神宮からは水戸まで繋がっている鹿島臨海鉄道に乗っていく。
実際は次の鹿島サッカースタジアムまではJR線なのだが、
鹿島サッカースタジアムがサッカー開催期間だけの臨時駅のため、
鹿島臨海鉄道の車両が鹿島神宮まで乗り入れている。

鹿島アントラーズのチーム色をイメージしているのか
赤と白と黒に塗り分けられた2両編成の気動車が暗くなりつつある線路を走っていく。
荒野台でロングシートの運転士寄りに座っていた青いジャージ姿の小柄な女の子が
ひとりホームへと降りていった。窓の外は夜。秋の夜長といわれる時期なのか
夜になる時間も少し早くなった。ホームに停車中はすずむしの鳴き声が聞こえてくる。

虫が入ってくるので窓を開けられないが、開けていなくとも秋の気配を感じる。
開けると、風邪を引いてしまうかもしれない涼しいというか、少し寒いというか
風が入ってくることだろう。長袖か、半袖か、調整に忙しい季節である。



鹿島灘辺りまでは進行方向右側に海が見えるはずだが
真っ暗な夜では車窓が望むべくもない。ホームの黄色い蛍光灯は、虫除けのためだろう。
水戸まであと少しだが、少し遠くに街灯か家の灯が見えるだけ。
車内に誰も乗っていなかったら、もっと寂しい雰囲気になっていたに違いない。

水戸駅から徒歩1分のビジネスホテルにチェックイン。
JR東日本が展開するホテルだが、駅から近いとあってか少々高い宿泊料金。
しかし、ホームこそ建物の影でよく見えないが、水戸駅を発着する貨物列車や
旅客列車の往来が楽しめる絶好のトレインビュースポットである。
踏み切りの音、列車の走行音を聞きながらベットに入れる幸せがある。

ラーメン屋を探すために歩いて30分くらい、とうとう隣の偕楽園のあたりまで
歩くことになってしまった。スナックかどこかの店のホストだろうが、
私が注文してしばらくしてそんな風貌のお兄ちゃんはタンメン大盛りを頼んだ後に
タバコをふかしていた。
ホテルに戻ると、出るときには気づかなかったラーメン屋がすぐそばに・・・

知らない街で宿泊するとどうしても夜更かしする傾向があるのはよくないと思いつつ。
コンビニで買ったアイスクリームを食べながら、ダラダラとテレビを見て過す水戸の夜。