2009年1月30日金曜日

つくもノヲ”X="1≠ 425


【餘部鉄橋物語】

福知山
8:20発

↓ 425M 山陰本線

9:25着
豊岡
9:47発

↓ 167D 山陰本線

10:55着
鎧  ※下車 駅の撮影 徒歩
   
餘部 ※駅と餘部鉄橋の撮影
12:45発

↓ 171D 山陰本線

13:00着
浜坂 ※駅弁購入
13:19発

↓ 533D 山陰本線

14:05着
鳥取
15:26発

↓ 659D 因美線

16:19着
智頭
16:29発

↓ 683D 因美線~姫新線

17:37着
津山
17:48発

↓ 3941D 津山線
  快速 ことぶき

19:00着
岡山
19:12発

↓ 3157M 宇野線~本四備讃線
  快速 マリンライナー57号

19:36着
児島
19:44発

↓ 1549M 予讃線

21:10着
観音寺 ※宿泊




起きたのは6時半くらいだろうか。
目覚めは悪くないから、ぐっすりと眠れたのだろう。
ベットの正面の窓から少し離れたところに
山陰本線が走るコンクリートの高架橋が見える。
7:04発の鳥取方面として発車する列車が鳥取方面から
ゆっくりと駅へ横切っていくのが見えた。

買っておいた菓子パンを食べながらテレビを見る。
今日の天気は晴れらしい。傘を差しながら駅前観光を
するのは憂鬱だが、その心配はないようだ。

寝癖を直すのと洗顔と髭剃りを兼ねて、しばしバスタブに浸かる。
餘部鉄橋を走る列車を撮影するためには一旦下車しないと
いけない。下車しなければ、鳥取で時間ができるので
鳥取砂丘を見てから昼ごはんにしても良い。

餘部鉄橋か、鳥取砂丘か。
見に行こうと思えば、もう一度くらいはできそうだが
その時には昔の餘部鉄橋の面影はなく、風情のない
コンクリートの橋となってしまっているだろう。
そうなる前に今回の機会を外すわけにはいかない。

時刻表で改めて時間を確認し、ホテルを後にする。
何とか目的の列車に乗り込み、席に落ち着くと
ちょっとして発車時間であった。




「電車でGO!」や写真、webでしか知らない山陰本線。
どんな車窓が広がっているだろうか。これも旅の楽しみだ。
しばらくすると、二段窓は再び白く光りだした。
山陰本線も雪が降っていた。思わずカメラのレンズを向ける。

山々が連なる谷間を左へ右へカーブしながらゆっくりと走る。
朝靄のように、すぐ向こうが白く霞んでいた。
まるで白い海のように。鳥肌が立つ。





豊岡で浜坂行きに乗り換え。気動車の旅はまだまだ続く。

城崎温泉で降りていった「口笛おじさん」。
半自動の扉は、発車以外はすべてボタンで開閉する形式だが
開けっ放しで降りていく人にひどく不機嫌なのだろう。
自分でボタンを押して、閉まったドアをなぜか蹴飛ばす。
そして席に戻って口笛を吹く。そして大声で独り言。






列車が動き出す。動き出してしばらくは大声での独り言が
続いたが、それでも飽き足らなくなったのだろう
運転中にも関わらず、運転士に話しかける始末。
しかし運転士もプロだ。邪険にすると質が悪いことを
心得ているのだろう、運転に集中しながらも応じている。
こうした客がいるから、運転士も心身ともに大変な仕事だと
改めて感じた場面だ。
例のおじさんは満足したのかまた元の席に戻り、城崎温泉に
近づく頃に坂本九の「上を向いて歩こう」を歌いながら
開いたドアから降りていった。






途中の鎧で下車。列車は鎧からトンネルを出ると、
目的の餘部鉄橋を渡ってすぐ餘部駅がある。距離にして2km。

鎧駅では反対側のホームと地下道で結ばれている。
反対側のホームからは冬の山陰の海が一望できる。
天橋立のようにお立ち台はないけれど素晴らしい景色だ。
しばし眺望を楽しんあと、携帯電話で自作のGPSツールで
智頭、ではなく地図を確認する。
どうやら海側には線路沿いの道はなく、内陸側の国道178号線を
ぐるっと遠回りしないとだめらしい。
時間にして1時間くらいだろうか。時間が少々読めないのが
不安だが、一本道なので迷うことはなかろう。



駅前にはバス停もあるが、待っているより歩いたほうが
よさそうだ。道なりに歩いていく。
山の中に作られた道路のようで、登山道のように蛇行しながら
駅から離れながら高度を上げていく。
途中から国道178号線に合流。再度携帯電話で位置を確認しながら
餘部駅を黙々と目指していく。道路沿いは真っ白な雪が残る。
歩道はないので、車に轢かれないように気をつけながら歩く。





途中で地元が立てたのだろう、「ありがとう 餘部鉄橋」と
書かれた看板があった。目的の鉄橋はもう近いようだ。
さらに10分ほど進むと、奥に山から山へ一直線に結ぶ鉄橋が
見えてきた。特徴的な橋桁と並行するようにクレーンが見える。
コンクリートの橋桁はその手前に作られている。






ここから更に国道を歩くのかと思ったが、どうやら鉄橋の足元に
ある家々を抜けながら、坂を上がったところに駅があるようだ。
ちゃんとした階段ではなく、手すりにつかまらないと
雪で固まっている坂はすぐに足元が取られてすべりそうになる。
手すりにつかまりながらようやく上がると、仮説の通路が踏切まで
設けられており、おじさんが一人通路の雪かきをしていた。
駅のホームにも工事用の柵がホームに立っている。
また雪が残っているため、ただでさえ狭いホームは
黄色い点字ブロック上しか、足の踏み場がない。

餘部鉄橋を渡る列車は香住方面への12:21発。

まだ20分ほどあるが、トイレは駅にはなく鉄橋の足元まで降りて
いかないといけない。坂に雪が残っていては急いで降りていく
わけにはいかない。そこで坂の途中まで降りて待つことにした。
足元に注意しながら降りたつもりだったが、それでも滑らせて
手すりに「弁慶の泣き所」をぶつけてしまった。
しばし痛みで悶絶したが、幸い骨折でも何でもなくちょっと凹んだ
傷程度で済んだ。どうやら日ごろウォーキングで鍛えた事が
こんなところで役立っているようだ。


12:22。そのまま待っていると気動車独特の音を発しながら
向こうのトンネルへ向けて、赤い2両編成の気動車がゆっくりと
鉄橋を渡り始めた。すかさずカメラを向ける。
なんとか目的を果たして、駅に戻る。






駅に戻ると、小さい女の子を連れたお父さんらしき男性。
列車に乗るわけではなく、やってくる列車を撮影するために
やってきたらしい。小さな待合室へ入ると、先ほどの男性は
荷物をベンチに置いて、女の子を抱いてホームの奥へ。
どうやらトイレがないことを知らなかったようで、女の子の
用を足しに連れて行ったようだ。

そろそろ列車がやってくる時間。
ホームに立って、鉄橋側を見つめる。
12:43.トンネルから2点のヘッドライトが見えると
ゆっくりと赤い気動車が鉄橋を渡ってきた。
先ほどの男性もカメラを構えていた。

それほど人が降りてこない思ったから、わんさかと団体が
降りたときは驚いた。どうやら餘部鉄橋を見に行く団体ツアー
の乗客らしい。団体はおじさんやおばさんばかりで構成。
こうした列車に乗る時間は短く、あとはバスか飛行機で移動
するような弾丸ツアーだろうか。そうなら個人的には嫌いだ。

団体客に少々驚きつつ、席に落ち着くと
列車は鳥取へ向けて、餘部駅をゆっくりと離れていく。
餘部駅にたどり着いて気づいたが、わざわざ鎧駅で降りて
国道を歩く必要はなかったということ。
列車で鉄橋を渡る経験はできなかったが、その代わり
鎧駅からの海の眺め、ちょっとした運動をしながら雪の
山陰の空気を吸うことができたからこれはこれでよいかも。




浜坂駅から鳥取駅へ乗り換えるが
ここでも時間が少々あるので、駅弁を買うことにした。
「餘部鉄橋物語」1000円。駅弁を携えて
次の鳥取行きの列車の席に落ち着くと、早速包みを開く。



中身は何ということの無い、幕の内弁当だったが
食べ終えた後に読んだ一緒に入っていた2枚の白い紙に
書かれたものには、思わず涙が流れそうになった。

・・・餘部駅が出来る前、地元の住民は鉄橋を渡り、
トンネルを抜けて2km先にある鎧駅まで歩いた。
餘部駅が出来たことを記念し、5本の桜が植えられた。
しかし餘部鉄橋の架け替え工事で桜が工事の支障となり
伐採の話が挙がる。だが、桜への強い思いから工事区画外へと
移植されることに決まった・・・

あの鉄橋は春見に行くのがよいのだろう。
だが早いほうがよい。鉄橋が掛け替わる前に・・・。






鳥取駅では次の因美線まで1時間20分ほど時間があるが、
鳥取砂丘をゆっくりと観光して戻る時間はなさそうだ。
こうしたコースを回るタクシーやバスが走っているが、
3時間は見ないと厳しい。タクシーで行こうか迷ったが
慌しい観光になるなら行くのは止めることにした。





結局鳥取駅構内で売っている土産物を冷やかしながら
時間を潰す。ベンチでしばし時刻表を確認する。
今回は四国に入り、観音寺で宿泊する予定だが
観音寺到着が23時と遅くなってもいいなら、
鳥取砂丘の観光も可能だが、それ以降の予定や観音寺での
夜のひとときが犠牲を思うと、やはり止めておこう。







鳥取から因美線。初めての路線。
うさぎさんの緑の列車は順調に駅を停車していく。







智頭も定刻に到着。智頭から1両の気動車。
列車は白い景色を走っていく。
あまりの白さにロングシートにも関わらず、カメラを向けて
体をひねる人が何人か。ちょっとした移動撮影会だ。




津山から岡山行き。
もう夜になろうとする寸前である。3日めの夜も早いものだ。




岡山ではすっかり夜の駅。因美線、津山線と本州を縦断し
四国へは快速マリンライナーに乗っていく。
都市圏だけあって、それまでののんびりした雰囲気から
一気に騒がしくなる。

夜であり、東京のような灯だらけのところを走る訳ではないので
四国へ近づいている実感がないまま、児島へ到着。
児島からいよいよ瀬戸大橋を渡る、3日目最後の列車で観音寺。





青色の列車は児島を離れると、
しばらくはコンクリートの陸橋を走るが、やがてトンネルへ潜る。
トンネルを出たところで轟音とともに瀬戸大橋を高速で走り抜ける。
島から島へと続く橋は、列車でも抜けるまでは長い。
白い鉄柱がしばらく続き、橋の向こうに四国の街の明かりが
徐々に近づいてくる。






「宇多津」の駅名板を見て、ようやく四国へ入ったことを実感。
時刻表を改めて見直してみると、この列車は多度津で一番長く
停車する唯一の普通列車であることがわかった。
多度津に発着する他の列車はせいぜい1分~10分で長くても
20分ほどだが、この列車だけは郡を抜いて33分も停車する
気の長い列車である。後から来る特急を接続するといっても
停車時間が長すぎる。青海川のときもそうだが、面白いダイヤも
鉄道旅の楽しみといえるかもしれない。






観音寺は「かんおんじ」と読む。
まずは駅から歩いてすぐのところにあるホテルへチェックイン。
荷物を置いてから早速ラーメン屋を探すが、福知山のように
理想的とはいかなかった。周辺を歩き回ったが結局ラーメン屋はなく
駅のホテルとは反対側に歩いて5分ほどのファミリーレストランで
ビールを飲みながらの夕ご飯となった。
歩き回って見つけたスーパーが閉店間際だったので、夜食を買った
袋をぶら下げながらファミリーレストランに入った格好だが、
スーパーへ行く途中、ファミリーレストランに面した交差点に
やけに力の入った交通安全の看板を発見。明らかにアニメに
影響された書き方だが、萌える交通看板といったところか。
とはいえ、こうした看板もそうそう見かけるわけではない。

福知山と同じようにホテルではベットに横になりながら
夜食を食べながらテレビを見る。明日は松山へ向かう。

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