つくもノヲ”X="1≠ 419
新年明けましておめでとうございます。
平成21年、平成になってからも月日が経つのは早いもの。
さて鉄道オタクの端くれとして、一度は気になっていた
年末年始の終夜運転、地元小田急でも毎年実施されているが、
幸いにも今年から小田原方面へも各駅停車の運転を実施することになった。
交通新聞社が発行している「東京時刻表」の巻頭、黄色いページには
小田急全線の終夜臨時運転の時刻表が載っている。
webによれば、最近載る様になったらしい。
それによると、新宿から「ニューイヤーエクスプレス11号」に乗るためには
地元を年明けとともに家を出なくてはならない。
江ノ島で初日の出を拝むため、終夜6時間以上は起きていなくてはならないのに
昼から寝ておくつもりが、何を思ったか、なぜか大掃除に力が入ってしまい
部屋の窓の汚れが気になりだすと、部屋全ての窓を綺麗にするどころか、窓枠の
汚れも気になり、それにも飽き足らず結局は部屋全体の掃除を始めてしまい、
掃除を始めた頃は太陽が出ていたのに、終わる頃にはすっかり日が沈んで夜に。
20時過ぎから寝たら、布団の中で年越しする恐れがあるので
ここは頑張って起きて、年越しそばを食べながら紅白歌合戦をしばらく楽しむ。
体を動かした直後だから、ものすごくそばがうまい!
こんな旨い年越しそばは久しぶりかも。
うまい年越しそばを食べるために次回から大晦日に大掃除してみるか。
23時45分、年越しの15分前には紅白歌合戦から「ゆく年 くる年」の各地の寺の
除夜の鐘を突くための人の行列が映し出されると、そろそろ出かける準備である。
0時00分、「ゆく年 くる年」が新年明けたことを静かに告げ始めたのと同時に
駅へ向かうべく、家を出る。
各駅停車でそのまま新宿へ乗っていってもいいのだが、向こうで時間が余ってしまう。
事前に調べた時刻表では、新百合ヶ丘で降りれば新宿からやって来る
「ニューイヤーエクスプレス1号/3号/5号」の停車を撮影することができる。
同じ考えの人はいるもので、停車するホーム側ではロマンスカーの足回りが
隠れてしまうためだろう、唐木田方面発着の3,4番線ホーム端の小田原寄りには
三脚を構えた人が10数人ほどすでに待ち構えていた。
特に先陣を切る「ニューイヤーエクスプレス1号」はデビューして1年近く経つ
青いロマンスカーMSEによる初の終夜運行である。
小田急ユーザーとしてもこのイベントを放っておくわけにはいかない。
新百合ヶ丘へは定刻の1時16分に到着。
普段なら途轍もなく長い乗車時間だが、終夜運転のためかそれほど苦痛ではない。
少し興奮しているためだろう。
降りたら少し急ぎ目に小田原方面のホームへ向かう。
「ニューイヤーエクスプレス1号」は1時20分に発車するからだ。
こちらのホームも多少の人だかりを予想していたが、こちらから撮影しようと
するものは殆どいないらしい。
じっとしていると寒いので、ホームの待合室に入ったり、ホームを歩き回りながら
目的のロマンスカーたちが入線してくるのを今か今かと待つ。
最初のロマンスカーは2分ほど早く入線してきた。
気になっていたのは、青いロマンスカーでどんなトレインマークを表示するかだ。
EXEのように、そっけない単色文字表示かと思ったが、思いのほか力が入っていた。
「New Year Exp」の横には、初日の出をイメージしたのだろう橙の扇形が表示。
1:20に青いロマンスカー「ニューイヤーエクスプレス1号」が走り去った後は
1:51発車の「ニューイヤーエクスプレス3号」、
2:21発車の「ニューイヤーエクスプレス5号」
を待つ。その次の7号も白いロマンスカーVSEによる運行であり、通常運用では
停車しない新百合ヶ丘への停車なので、是非撮影したいところだが、
これを待っていると目的の「ニューイヤーエクスプレス11号」に新宿から乗れない。
「ニューイヤーエクスプレス3号」は旧塗装LSE
そして「ニューイヤーエクスプレス5号」はEXEだった。
また少し急ぎ目に新宿ホームへ。各駅停車で新宿まで向かう。
新宿では目的の「ニューイヤーエクスプレス11号」として運転される
青いロマンスカーMSEがすでに待っていた。
新百合ヶ丘でもそうだったが、このロマンスカーの人気は衰えていない。
先頭車付近へ行くと、かわるがわる先頭車やトレインマークにカメラのレンズを
向ける人たちでホームは賑やかだった。
始めはロマンスカーの中でビールでもと思ったが、昨夜からずっと寝ていないために
気だるい眠さがつきまとい、ちょっと飲む気分にはなれなかった。
この青いロマンスカーで終点小田原まで乗り通してもいいのだが、
小田原で初日の出を待つにはだいぶ時間が余る。ただでさえ冷える外でじっと待っている
気力はない。そこで年に一度、元旦しか停車しない伊勢原まで乗っていくことに。
青いロマンスカーの開成停車に続いて、この伊勢原停車も滅多に見られないからだ。
それまで行先案内板では「空席あり」だったが、発車近くになって車両を見渡す限り
ほぼ人が座るようなり、大変賑やかな車内となった。おそらく満席だろうか。
江ノ島で初日の出を迎えるのに、なぜわざわざ伊勢原まで行くかといえば、
伊勢原停車が珍しいだけではない。常にダイヤ遅延しているような小田急でも、
こうしたイベントにはかなり力を入れているのか、我々鉄道オタクを楽しませる精神は
忘れない。もっとも鉄道オタクだけをターゲットにしたわけでないだろうが。
時刻表を見ると、うまい具合に地下鉄千代田線の綾瀬からやって来る臨時急行
「初日の出号」に間に合う。伊勢原で青いロマンスカーを降りたあと、
相模大野まで各駅停車で折り返せば、余裕でこの「初日の出号」に乗れる。
片瀬江ノ島の到着も6時前。日の出の時刻より少々早いが、江ノ島まで移動することを
思えば頃合の時間なのだ。
時刻表を見たとき、「さすが、オタ急!」と心の中で叫んだのは言うまでもない。(笑)
青いロマンカーは新百合ヶ丘に停車したあと、町田に停まるが、
町田を出ると、伊勢原まで停車しない。
最初は賑やかだった周りも伊勢原に近づく頃には、昨夜から起きていた人たちばかりなのか
静かな車内になっていた。ここで寝過ごすと目的の「初日の出号」に乗れなくなって
しまうので、殆ど眠らなかったが。
車掌が車内アナウンスする前に通常とは違う車内チャイムが鳴っていたが、
これはこの日だけの特別仕様だろうか?
伊勢原で下車。混雑を想定したのか、ダイヤは少し余裕を持たせてあるらしく
停車しても発車まで少々停車していた。お陰でゆっくりと撮影をすることができた。
青いロマンスカーを見送り、また新宿方面のホームで各駅停車を待つ。
今度は相模大野まで。相模大野からは片瀬江ノ島へ行く臨時急行「初日の出号」を乗る。
相模大野の1番線ホームでしばらく待っていると、先陣の「ニューイヤーエクスプレス1号」で
使われたのか、線路を挟んだ3番線ホームに10両編成のMSEがゆっくりと入線し、停車した。
しばし停車したあと、車庫のある小田原方面に方向転換し、ゆっくりと去っていった。
全くの予定外だったが、MSEの車庫回送風景を楽しむことができた。
「初日の出号」がやってくる少し前、臨時各駅停車の箱根湯本行きが車庫から入線。
よくよく思えば、相模大野から通しで箱根湯本まで運転する列車も珍しい。
去年の3月15日ダイヤ改正以降、箱根湯本直通の急行が廃止されて久しいが、
実はまだ一部新宿から通しで箱根湯本まで運行する列車がある。
平日の10両編成で新宿を7時49分発車する急行小田原行きは
途中の新松田で前6両と後4両に切り離される。
6両は先発急行小田原行きに、後発で後4両が各駅停車箱根湯本行きとして運転している。
時刻表で確認した限り、1日1本の設定みたいなので、そんな意味ではこの相模大野からの
各駅停車箱根湯本行きは珍しいし、新鮮でもある。
これに乗って行きたい衝動に少々駆られたが、そこは抑えて「初日の出号」を待つ。
去年はベテラン1000形、地下鉄千代田線直通運転もこなした経歴のある、古参の車両らしいが
今回は違っていた。入線してきたのはルーキー4000形。
去年の「丹沢もみじ号」では古参の1000形だったので、今年も1000形による運用と思ったが
4000形という新しい車両とともに、トレインマークも装い新たなものになっていた。
去年と同じようにボードを乗務員室内に立てかける方式だが、去年の単なる文字に比べたら
力の入れようが違う。気持ちも新たにして行こうという小田急の気持ちかもしれない。
ここで一般人ならあとは一路片瀬江ノ島まで乗っていくだけなのだが、
鉄道オタクとしてはまだ気が抜けない。臨時急行として運転される「初日の出号」なのだが
単なる急行運転ではない。通常の急行ではありえない運転がされたのだ。
注目するのは各ドア上に設置されている案内表示機だ。
藤沢に近づく頃、画面には現在位置を示す路線図が表示されている。
通常は「快速急行」でしか通過しない本鵠沼と鵠沼海岸だが、この急行は通過する。
藤沢を通りすぎた後、周りの三脚やカメラを抱える連中も気づいたのか、
同じようにレンズを向ける者もちらほら。
片瀬江ノ島に着いても、やはり気は抜けない。
ここにも「初日の出号」の前を走っていた「ニューイヤーエクスプレス15号」として
運行された旧塗装のLSEが停車していた。滅多に停車しないとあってか、
改札付近はちょとした撮影会となっていた。「回送」となっていた方向幕だったが
車掌の粋な計らいだろう「NEW YEAR」へ変えてくれた。
片瀬江ノ島駅前はその多くが、初日の出を拝もうと待っている人たちだろうが
ただ単に騒ぎたいという連中が多いようにも見受けられる。
臨時きっぷうりばも開かれ、乗車券や特急券を買い求める人たちを忙しそうに
捌いていた。
駅前のそうした喧騒を横目にひとまず江ノ島を目指す。
同じように大多数が考えているのだろう、江ノ島へ架かる弁天橋には江ノ島へ向かう
人だかりが前に前に続いている。
駅には「初日の出時刻 6:51」と貼られていた。
初日の出まで1時間あまりある。江ノ島の上の方まで行っても十分間に合うだろう。
入り口にあたる鳥居を潜り、すでに開いている店を横目に
行けるところまで行ってみる。弁天橋を渡る前からすでに空はグラデーションの
赤が増してきているところであり、もう少しで初日の出となることを告げている。
新展望台があるところまで行こうかと思ったが、そこへ行く途中の展望スペースで
拝むことにした。もっともすでに人だかりが出来ており、たまに背伸びをしないと
よく見えない状態だったが、それから30分ほど待つことになった。
それまでも「この方角で合っているの?」とか「来たー」など紛らわしいことを
言う者が周りでいたが、初日の出を純粋に祝いたいという気持ちは皆同じらしい。
6時51分、初日の出。ゆっくりとやわらかな丸い光が昇ってきた。
一斉に掲げられる携帯電話やデジカメ。それから完全に日が昇るまでしばらく
見続けていた。このまま駅へ戻ってもいいのだが、せっかく元旦に来たので
一度も行ったことがなかった岩屋までそのまま歩を進めることにしよう。
新展望台を右手に通り過ぎ、それまで上っていた階段を、今度は遠くに富士山を
眺めながら下りていく。
弁天橋から丁度島の裏側に位置する岩屋の存在は知っていたが、
そこへいく途中から海に開けており、そして向こうまで遮るものがないために
堂々たる富士山の姿をを拝むことができるポイントなのである。
しかも今年最初の太陽も反対側に顔を覗かせている。
これなら人ごみを覚悟でここまで来ても良かったかもしれない。
岩屋も訪れてみようかと思ったが、残念ながら9時からでないと観覧できない。
元旦くらい早めに開けてもいいだろうに、過去に事故などのトラブルでも
あったのだろうか、そのあたりはよくわからない。
ここまで1日近く寝ていない計算となり、さすがに岩屋から片瀬江ノ島駅まで
戻るのは少しきつかった。途中の店で一休みしようかと誘惑に駆られた。
私なりに満足な初日の出ツアーとなった。
道中で飲もうと買ったペットボトルのコーラは家に帰るまで飲むことがなかった(笑)
0 件のコメント:
コメントを投稿