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夜勤明けは危険だ。
それまで勤務で続いていた緊張が開放されて、思考が冷静でなくなる。
冷静を欠いた頭は、横須賀方面に行こうとしていた。
その場の思い付きという場合もあるが、今回はそれなりの動機がある。
今は面倒になって退会してしまったが、携帯電話のGPSを使った位置情報ゲーム「コロプラ」で
そのゲームを有利に進めるための「土地力」を得るためだ。
折角時間をかけて遠方に行くなら、他にも何かしようという貧乏性故に
京浜急行の末乗区間である、終点の浦賀までを乗り潰そうと思い立つ。
これなら横須賀方面に向かいながら、なかなか行けない場所の「土地力」を得る事も出来る。
眠いのを我慢しながら、iPhoneの画面から目を離せない。
獲得してない「土地力」を確実に得るためには、各駅毎に位置登録の操作をしないとならない。
普段なら列車に乗っていれば、iPhoneの画面などは見ずにずっと車窓を流れる景色を
楽しんでいるのだが、 これほどiPhoneを楽しむ体験をしたのは、ゲームアプリとしては
「スペースインベーダー・インフィニティージーン」以来である。
居眠りせずに終点は三崎口に到着。昼ご飯に三崎マグロラーメンでも食べようと考えたが
油壺マリンパークでも食べられる事を思い出し、路線バスに乗り込む。
バス停はマリンパークの目の前とばかり思い込んでいたが、バス停からは少し歩くことになる。
景気の良かった頃はマリンパークの目の前に観光バスが鈴なりに停車して降りてきた大勢の観光客で
賑わったのかもしれない。
入場料は1700円。高い。ちゃんと確認すれば行かなくても済むのだが、
おそらくこれからの人生でそうそう訪れる場所ではないと思っているので良い機会だろう。
マリンパーク内のレストランはもうすぐ閉店の時間だった。
レストランというより、公民館などの食堂という雰囲気だ。客はほとんどいない。
三崎マグロ丼と一緒にラーメンを頼んだが、値段の割に損した気分になる。
まずくはないが、凄く美味しいわけでもない。ラーメンとマグロ丼はそれぞれの店で
食べるべきで、欲張ってはいけないのだと実感する。
食事中は食事にだけ集中するようにしているが、例のゲームから目を離せない時間になってしまい
止むを得ず、iPhoneを弄る。 毎月開催されるイベント内のラスボスがイベント終了の15時直前で
登場する仕様になっていて、この時間はずっと画面から目を離せないからだ。
普通の水族館と思っていたが、「魚の国」は他の水族館とは差別化のためか、
珍しい生物に興味を持って見てもらえるように展示の工夫に力を入れている。
イルカ、アシカのショーは他の水族館でもありふれたイベントだが、ここではシマダイ等の
魚達が学校の授業よろしく、簡単な足し算などを答えさせるショーも開催するようだ。
誰も見ていないイルカの泳ぐプールも規模は小さいが、柵から手を伸ばせば、イルカに手が届きそう。2匹のイルカは優雅にけれども少し退屈そうな感じに見えた。
土産物の店で売っていたソフトクリームを舐めていると、アシカのショーを見終わったらしい
数人の客が階段を昇って、建物が出て来た。これらの客を含めてもやはり賑やかとはいえない。
今回が大型連休や、夏休み、お盆休みといった観光シーズンでも休日、祝日でもない普通の
平日だったということが一つにあるのだろうが、 それでも客足が少ないような気がする。
団塊の世代が大量退職して、 時間に余裕のある人達が沢山いるようなイメージがあるが、
優雅なセカンドライフを送れる人たちは思った程は多くないのかもしれない。
帰りの京急は未乗区間の浦賀まで乗って行く。試しに下車して駅前を散策して見たが、
見事に何もない。何もないわけではないが、駅前を少し歩くと大きな道路沿いは住宅地で
塾やら予備校やらの建物が目立つ。そして今、このニッキを書くまで知らなかったが、
京急の堀ノ内〜浦賀は路線図とその直通の優等列車の本数からずっと支線だと思い込んでいたが、
こちらが本線で、快特がバンバンやってくる三崎口方面が久里浜線という支線なのだ。
路線図では本線と誤解してしまう支線だが、バブル期には三崎口から更に油壺までの延伸計画が
あったそうだが、今はその事業が廃止されているとのこと。 計画が頓挫していなければ
マリンパークまで赤い列車で一本で行けたのだろう。またさらに南下して三浦半島の端である
三崎港まで線路が伸びれば、沿線住民はバスに乗り換える不便から解消されただろう。
ホリデー・パスを有効活用すべく、横浜からJRで東海道線に乗り換える。
小田原で下車すると、もうすぐ小田急線の終電の時間。ダイヤが乱れているためか、
停車するはずのない、サンライズ出雲・瀬戸の姿がホームに停車中だった。
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