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ふと列車で、旅に出たくなった 。
正確に言えば、ただ列車の揺れに身を任せたいだけだ。
予定では水上まで行くつもりだったが、
出発の時間が昼過ぎだったので
時刻表と相談して、高崎まで行くことにした。
 
高崎に行っても特に用はない。
なので、来た列車で引き返すことにした。
 
普通列車を待っていると時間がかかりそうなので、
待たずに乗れる特急列車に乗ることにした。
 
特急草津6号は幸運なことに湘南色だった。
この湘南色を見て、あの震災を思い出した。
 
あの日は仕事の夜勤明けに水上まで温泉に入ろうと、
上野から特急列車に乗り込んだ。
確か新前橋から吾妻線に向かう草津号が、
湘南色として連結されていた。
 
湘南色に乗るつもりで特急券を購入したのだが、
買い間違いに気づいたのは発車直前だった。
それで仕方なく水上まで向かったのだ。
 
水上は温泉街だが、駅前に気軽には入れる温泉はない。
近場でもタクシーでちょっとばかり時間がかかる。
ワンメーター少し越えた料金で、温泉施設に向かうことにした。
 
「湯テルメ」で湯船に使っている時にゆっくりと大きな揺れが感じた。
最近地震が多いと感じていたが、あの大震災になるとは予想だにしなかった。
 そんな思い出になってしまった湘南色だが、今日は何の心配もなく
終点上野まで満喫できた。