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22日から24日まで3日間限定。東急渋谷駅は公園になった。
「公園」という触れ込みだったが、実際はもう一度だけ
「さよなら」と「ありがとう」
胸の中に綺麗に収めるための最後の入場機会だろう。
入場券は120円。駅時代の入場券ではなく、
「Station Park」のポスターに使われた現役時のホームの写真が
プリントされた横長のチケット。
入るとすぐ目に着くのがジオラマ。
国鉄時代、まだ都電がいっぱい走っていた頃の風景を忠実に再現。
中々見応えがあった。
工事中のクレーンが根元から元気なく倒れていたのはご愛嬌。
もう一つは現在の渋谷駅前の風景。今は当たり前に見ることが出来る
このかまぼこ型駅舎は将来消えて、埼京線のホームに生まれ変わる。
何故現在の風景もジオラマにと思ったが、これもやがては思い出の
風景となってしまう。
そしてホーム。線路は通れるように蓋がされてホームと地続きに。
だが、上を見上げると方面案内板はそのまま。カーブを描いた天井、
左へゆるくカーブする蛍光灯。列車がやってきそうだ。
天井から中吊り広告のように大きなモノクロ写真。
渋谷駅のハチ公前にある緑色のカエル君が現役の頃の風景だろう。
「すべてが終わったあと、駅長は静かに敬礼した」
壁の大きな写真、そこに映る駅長の表情。
85年の中で自身がこの駅で仕事が出来た事に誇りを感じている顔だ。
感極まって取り乱すまいとしているようにも見えた。
私は感極まりそうになった。あの場にいたら、泣いていたかも。
ホームの黄色い点字ブロックを意識して壁に寄りかかってみる。
横浜方面を眺める。列車は来ない。駅名票は白く何もない。
思い出の駅には思い出の列車が停車中だった。
トイレに続く階段を降りてみる。
「降車専用 ここからご乗車は出来ません。」
もう二度と、二度と乗ることは出来ない。
別の階段からホームへ登ってみる
この場面だけ見ると、まだ列車が来るのではと思いたい。
車止め。85年続いた歴史はこの線路のように行きどまり。
でも未来はこのすぐ真下で続いている。線路は人生に似ている。
渋谷駅前のスクランブル交差点。
桜のすぐ横を東急のカエル君が走っていた。
東急のカラフルなカエル君、井の頭線で下北沢へ。
新しくなった地下の下北沢から家路へ向かうことにしよう。
小田急線が通らない踏切は遮断機が撤去され、両側に青い柵。
永らく開かずの踏切は開きっ放しの踏切となった。
手作り感のある周辺案内図を発見。
この案内図は別の案内図に取って変わってしまうのだろうか。
モダンな駅舎が完成するまでは工事中の武骨な白い仮駅舎が
当分は続くのだろう。きっぷ売り場がとても狭い。
改札を入って地下2階へ。ここも将来は緩行線ホームにするために
工事中のため、むき出し殺風景な通路になっている。
奥へ進むと、地下トンネルの模型が展示されていた。
地下化する前、改札そばにあった「情報ステーション」内に
展示されていたもので、トンネルにはBトレインショーティーの
小田急線。よく見ると5000形。ロマンスカーはNケージだが。
小田急の愛を感じずにはいられない。
地下3階へ続く階段を降りるのは疲れる。そして怠い。
気分は土合駅の長い階段を降りているようだ。
そのうち、ここは小田急の土合駅と呼ばれそうな気がする。
地下ホームで列車を待つ。
奇しくも撮影したのが、地上駅最後に撮影したのと同様に
多摩急行唐木田行きだった。
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