つくもノヲ”Ｘ="1≠ 432

青いロマンスカーMSEで行く地下鉄散策の旅。
鉄道オタクを喜ばせているとしか考えられないイベントを
今回も小田急はやってくれた。

それが2月の14日(土)・15日(日)・21日(土)･22日(日)だけ運行する
臨時特急「メトロおさんぽ号」である。

オタクの端くれとして注目すべきはその停車駅である。
なんと初めて湯島へ臨時停車するのだ。
乗りながらそいつを見届けるのが最大の目的である。
なので、湯島天神で開催されている梅まつりはおまけのおまけ。

町田始発のこの臨時特急、9:44発と夜勤明けにすぐ出向ける
私にとってはこの上なく、ベストなダイヤとなっている。
残業があったらどうしようと当日朝は気を気でなかったが
無事に定時で終わり、町田駅へと急ぐ。




町田駅ホームには9時30分過ぎに到着。
と、どうやらJR御殿場線に相互乗り入れをしている特急ロマンスカー
あさぎり2号が安全確認のために到着が遅れるとのアナウンス。
その影響で、後のロマンスカーにも遅れが生じたために
本来はありえないはずのロマンスカーより終点新宿まで急行が先行する
という珍しい事態に出くわした。

実はこの9時30分から30分の間に続けざまに2本、今回は臨時の特急が
停車するので、3本が町田駅を出発し、その間を縫うように普通列車も
やってくるため、かなりの過密ダイヤになっている。
そこに遅延が発生したために今回だけはロマンスカーを先に行かせる
小田急スタイルを貫くことはできなかったようである。
特急券の払い戻しを終点の新宿で受け付けるとアナウンスで流れていたが、
ロマンスカーに乗って新宿で払い戻そうと考える輩は少なくないはずだ。
つまり、タダでロマンスカーに乗ろうということだが
その辺りのチェックは機能しているのだろうか？


当然、これから乗ろうとしている「メトロおさんぽ号」も
定刻より6分ほど遅れてホームへやってきた。
「湘南マリン号」の時も「湘南マリン」と先頭車の電光掲示板には表示
されていたが、今回も期待通り、「メトロおさんぽ」と表示されている。





代々木上原から地下鉄千代田線に入っていくこの臨時特急だが、
地下鉄線は進行方向左側の景色はずっと壁になる。
だから今回は早めに右側の窓側席を確保していたが、
やはりイベント列車だけに車内を見渡す限り、まあまあの乗車率である。
MSEはEXEのように連結併合ができるようになっているロマンスカー。
今回はその連結面が先頭車として運行されているため、一番前の席で
通路側でないと前面展望が楽しめない。同じ特急でも観光客に人気の
展望席がある白いロマンスカーVSEや、昔からのLSEやHISEと比べると
運転席が前にあり、なおかつ前面の窓が少々高い位置にあるので、
座ったままでは前面展望が楽しめないのが少し残念なところだ。

途中駅でホームの行先案内表示は「先発　北千住」。
どんな表示なのか、ちょっと期待していたが・・・



遅延していたダイヤも代々木上原から千代田線の線路を走り始め、
MSE初の停車駅となる、湯島に着く頃にはほぼ定刻運転に回復していた。



北千住には10:58到着。
この臨時特急をカメラに収めようとホームは人だらけ。
そうした事態を予想してか、北千住で降りたときにはすでに電光表示板も
「回送」に切り替わっていた。MSEはそのまま綾瀬車庫へ向かうため、
綾瀬方面へとホームを走り去っていった。

北千住には用はないが、湯島天神の梅まつりでも行ってみようと
すぐに普通列車で湯島まで折り返す。乗ってきた特急列車ではそれほど
ではなかったが、やはり各駅停車に乗っていると長い。


ようやく湯島へ到着。
あるいて3分ほど坂を上って右へ曲がったところに露店が並ぶ鳥居が
見えてきた。梅まつりの提灯がぶら下がっているが、
思ったほど規模は大きくない。境内の中ほどに確かに梅の木があるが
それもまだ時期が少々早いのか、完全に開花ではなかった。
むしろ、周辺の露店が無ければ寄る気も起きなかっただろう。




金を落とさないのも悪い気がしたので、今川焼きのチョコとチーズ味を
一個ずつ買って食べながら、梅の木をしばし鑑賞。
甘酒を飲みながら、帰りがけに買ったたこ焼きを食べながらたこ焼きを
焼いている話好きのおばちゃんと少々話す。

今日の変な暑さでたこ焼きが腐ってしまうと笑う。
そして、露店ほど割りに合わない商売もないと言う。
冬場はともかく、夏の暑い中、たこ焼きを焼いている鉄板のそばは更に暑い。
バイトの人はすぐに音を上げて辞めてしまうそうだ。
客として外から眺めている分にはわからないが、体力的にきつい仕事だろう。
本当かどうか知らないが、たこ焼きの露天商としては三代目らしい。
自分の代で店を畳むそうだ。

湯島天神で引いてみたおみくじは「大吉」。
この事を話してみると、大抵の神社は「大吉」は多めにあるので
むしろ中々ない「大凶」の方がいいかもね、と笑いながら話す。
そうか、その発想はなかった・・・

そんなおばちゃんに「ごちそうさま」と別れ、近くのカプセルホテルの風呂で
この変な暑さで吹き出た気持ち悪い汗を流す。