2008年9月12日金曜日

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【1日目 『京都の乱』】



最初の鬼門「ムーンライトながらの指定席確保」に
何とか成功したことは、前のニッキで書いたとおり。
豊橋で4時間も待つことを覚悟していただけに正直安堵。

小田原出発は日付が変わる00:31。
日付が変わるまで後4時間近くも時間が空く。
一旦家に戻って少し寝てくるという手もあったが、
戻ってまた出かけるのは面倒だ。

駅前のネットカフェで時間を潰すことにする。
一見、目立つ看板などがないので
ネットカフェがないように思えるが、アーケードの
雑居ビルの中にあることを知っている。
いつかの開成あじさいまつりで小田原に寄ったことが
こうした形で役に立とうとは。

日付が変わるとともに改札へ。
その前から改札のそばでしばし待っていたが、
青春18きっぷのシーズンで人が多いのは予想していたが、
世代が様々であることに驚いた。
若い女性も見られる。近年の鉄道ブームの影響だろうか。



すでに廃止された寝台急行「銀河」の替わりに
00:19発の普通列車を見送る。
さらに10分すると、おなじみの313系がゆっくりと入線。



今回も窓側であった。
この列車に関してはできれば通路側がよかった。
6時間もクロスシートに座り続ければトイレを避けること
はできない。通路側の人に気を遣わないといけない。
おまけに夜行列車ゆえに寝る人もいる。
まさに隣の人は眠っている。
こうなってしまうと、長時間停車の時に彼が起きて席を
離れるタイミングを狙うしかない。


窓側なので、景色を楽しむ余裕は熱海を過ぎる位まで。
あとは少しでも尻が痛くならないように、時折座る姿勢を
変えることに神経が注がれる。
そのため熟睡はできない。盗難にあうリスクがあるため
眠ることはできない。
あとどうでもよい話だが、改めて車内を見渡すと
椅子や窓枠が小田急ロマンスカーのEXEと同じなんだと
気づいたこと。





最初の休憩ポイントは静岡。
ここでは貨物列車を通すために、20分停車する。
前回は気づかなかったが、停車している同じ2番線ホーム
から、東京行きのながらも発着することを知る。
初めて乗車する者にとって、長時間停車の度に
体を伸ばしたり、ホームでゆっくりすれば、
この先も何とかなりそうな気持ちになるだろうが、
それほど甘いものではない。






次の休憩ポイントは浜松。24分停車。
ここまでも結構長いが、この先もかなり長い。
トイレだけでは時間が潰れないので、ホームを少し歩いて
みる。階段を降りてホーム下を覗いてみる。静かだ。
浜松には未だに電光案内板ではない懐かしいタイプの
ものが稼動している。






そして最後の休憩ポイントは豊橋。
ここでは一番長く53分停車する。
ホームだけでなく、飯田線ホームや改札の外にも出歩いて
みることにする。豊橋には3日目に立ち寄ることになるが
こうしてゆっくりと撮影することはおそらくできないため
今のうちにカメラを向けておこう。






だが、本当の戦いは豊橋から先にある。
ここまではかなり駅を飛ばしてきたが、始発の通勤列車
としての役割もあるため、指定席は解除されて一部を
除いて各駅に停車する。大府あたりで朝日が輝き始めると
車内は徐々にデッキから込んでくる。
名古屋につく頃にはトイレに行くのも困難なくらいに
込み始め、とうとう通路にも人が立ち始める。
これまでの快速区間も長いが、大垣までのほぼ各停区間も
かなり長い。頻繁に座る姿勢を変えてはいるが、座る苦痛
がなおさら長く感じさせる。


場合によっては、名古屋あたりから席を離れることも
快適な乗車のコツかもしれない。
座っていれば楽に乗っていけるわけではないのである。

大垣は恒例のように乗り換え客でごった返す。
6:52着から次の乗り換えまでたった5分しかない。
向かいのホームで接続すると、我先に席に着こうと
駆け込む者がいて、怪我や事故になることを防ぐために
離れた隣のホームから接続するようになっているのだろう。
時間はあまりないが、階段を昇ったところにあるトイレ
には行っておくべきであった。

乗り換えの米原行きの列車にはトイレがないのである。
これが最初の失敗点でもあった。

行程では、乗り換え時分に余裕がないため、岡山まで
トイレに行く余裕がない。
行く先で乗り換える車内にトイレがあることを祈るばかり。

米原行きは発車して30分ほど、7:31に米原に到着する。
そして向かいのホームに7:32発の赤穂線直通の新快速
播州赤穂行きに乗ったところまでは順調だったが・・・・

8:27京都着。しかし様子がおかしい。
すぐに発車するはずの新快速はドアを開いたまま、
発車する気配がない。

数分待っているうちにホームのアナウンスでは
停電事故が発生したらしく、大阪までは急ぐ方は
別のホームから発車する快速に乗車との案内が入る。

ホームを移動し、乗ってすぐに発車した快速姫路行きは
途中の高槻まで各駅に停車。
大阪の途中までは順調に走行していたが、大阪に近づくに
つれてペースダウン。前の列車が詰まっているためとの
車内アナウンスが入る。



大阪9:37着。ここで新快速がやってくるというので、
乗り換えることにする。


乗り換えた新快速は次の尼崎に9:51着。
時刻表では予定の列車よりも数本後、3427M新快速姫路行き
であり、このまま順調に行けば姫路に10:48に到着する。
しかし、姫路11:06発の3429M新快速 播州赤穂行きが接続
していなければ、今日中に八代に到着することはできない。


明石10:24着。ここまではなんとか順調にやってきた。
このペースなら多少遅れても11時前には姫路につけそうだ。
時刻表をめくりながら、姫路で列車が接続していることに
淡い期待を持ちながら。

しかしその期待は姫路に近づく車内アナウンスで裏切られる。
定刻よりも大幅な遅れ(約43分遅延)のため、行き先は播州
赤穂行きから姫路行きに変更するとのこと。



姫路10:55着。
せめて相生まで行ってくれたらと思ったが、その思いとは
裏腹に、乗ってきた列車は回送として走り去ってしまった。
ここで定刻なら11:06に到着する次の播州赤穂行きをしばし
待つことになったが、やがて流れるホームのアナウンスで
またもや期待は裏切られる。

先述の3429M新快速 播州赤穂行きは20分ほど遅れている
と告げられる。
姫路~相生間で8時頃に架線停電事故が発生したために
軒並み列車が遅れているとも告げていた。

この瞬間、普通列車の乗り継ぎだけでは今日中には八代に
到着できないことになった。

それから待つこと30分近く。11:34。
ようやく3429M新快速 播州赤穂行きがやってきた。
乗った車内アナウンスでは案の定、相生での岡山行きに
接続していないと知らせてきた。

こうなると使いたくはなかったが、新幹線も乗らざるを
得なくなる。そこで時刻表としばし相談。
当初は相生から新幹線に乗ろうかと思ったが、
停車本数が少ない。
次は岡山だが、時間的に合う新幹線が14:11発ひかり467号。
これは博多に16:07に到着するが、これだと博多から
普通列車に乗り継いで八代に20時前に到着する。
だが、青春18きっぷだけで行くポリシーに反する。
出来る限り新幹線区間を最低限にしたい。

すると見えて来るのは、広島17:06発のぞみ31号である。
新山口まで乗っていけば、そこから予定していた行程に
復帰することができることがわかった。
おまけにこののぞみは最新型のN700系なので、
思わぬところで乗る機会を得て、結果として幸運だった。



相生には11:55着。

すなわち時刻表上では959M播州赤穂行きである。
そのため、次に接続するのは12:25発の1317M岡山行き
となり、それまで乗り換えの車内で食べようと
ながらに乗ってからずっと抱えていたコンビニの弁当を
図らずも食べる時間が出来た。

相生のホームに時刻表を座布団代わりに尻に敷いて
ゆっくりとカルビ弁当をほうばる。
そうしているうちに、やがて1317M 岡山行きが入線。






青春18きっぷのシーズンだけに車内は程よく込んでいる。
揺られること1時間半近く。のどかな山陽の風景が後ろに
流れていくのを見ながら、定刻13:36に岡山着。

このまま順調なら次の14:20発5365M快速 シティライナー
下関行きで広島には17:00に到着する。
広島では新幹線のぞみ31号で、新山口まで乗っていく。
駅前にカメラを向けながら、土産物を物色する。




2時間40分揺られていると、定刻16:56に広島へ到着。




広島からは17:06発のぞみ31号で新山口まで乗っていき
先行している1563M下関行きに新山口で追いつく予定だ。
最初は小倉まで乗っていこうかと思い、小倉までの
特急券・乗車券を購入してしまったが、時刻表をよく
確認すると新山口まで乗っていけば、乗るはずの列車に
乗ることができることがわかったが、払い戻して
買いなおすのも面倒だったので、そのままホームで待つ。

しばらくするとゆっくりとN700系が入線してきた。
見るのも初めて、乗るのも初めて。
もしかしたら、これが最初で最後かもしれない。





自由席は幸いにも3列の窓側が空いていた。
座ってみると、シートピッチはこれまでの700系と比べて
だいぶ広くなっていて、楽に足を伸ばせて圧迫感がない。
また今まで無かった電源コンセントが窓側の床下付近に
付属するようになり、携帯電話やノートパソコンの充電を
しながら仕事ができるようになった。
私の場合は、いつかの寝台特急のように、東京から博多まで
携帯電話でGPS取得の実験ができることになる。

普通列車にずっと乗り続けていたせいだろう。
揺れも走行音も抑えた静かな車内はシートピッチも広くて
快適である。このまま小倉まで乗って行きたい誘惑に
しばし駆られるが、ここはぐっと我慢して新山口で降りる
ことにする。

17:06に出発した新幹線は、在来線なら2時間45分かかる
ところを30分ほどで新山口まで運んでくれる。
前を走る列車に「ワープ」することになる。
時刻表の数字だけではわからない面白い感覚でもある。







新山口17:37着。
ここでようやく行程の列車に乗ることができる。
18:00にやって来る1563M下関行きは19:18に下関に着く。
クロスシートに座って流れる景色は徐々に夜に近づいていく。
下関に近づくにはすっかり夜となり、定刻19:18に下関。





ここで関門トンネルを越えるための列車、259M門司行きに
乗り換えとなる。19:27発で19:33には九州の門司へと到着。
同時に本州からしばしお別れすることにもなる。
本州とはお別れだが、ここで今年中に姿を消すと噂される
東京行きの「はやぶさ」の青い車体を目にすることができた。

前の旅行で乗った寝台特急「はやぶさ」の後方展望でも
見てはいるが、普通列車の運転席横の前面展望はまた一味
感覚は違うのである。所要時間はそれほど変わらないはずだが
前者はあっという間に抜けた感じがしたが、今回は普通列車
のためか、時間が長く感じた。

トンネルを渡っていることがものすごく実感できるが、
下関を出てすぐ、交流方式から直流方式に切り替わる
デットセクションを通るために、一旦車内の灯りが消えて暗く
なることも、いよいよ関門トンネルを通るのだと感じられる。

寝台特急では、下関、門司でそれぞれ機関車の交換をするため
客車自体の灯が暗くなることなく、関門トンネルを抜けていく。
だから眠っていたら、本州と九州を行き来していることを
感じることができない。
そして青函トンネルとは異なる、トンネル内に反響する走行音が
非常によい。こちらも独特のリズムを刻んでいた。


神奈川県は小田原駅から乗り継ぐこと19時間。
ようやく九州へと列車でやってきた。門司19:33着。



門司からは19:44発の大牟田行き、準快4381Mに乗り換え。
大牟田には22:22に到着する。
前の旅行では寝台特急「なは」では朝、寝台から窓越しに
眺めるだけだったが、今回はホームに降り立つことになる。

博多くらいまでは結構乗っていた人たちも降りていき、
大牟田に近づくにつれて静かな車内になっていく。
宮脇俊三が「最長片道切符の旅」で書いた気持ちがわかった。
夜の列車は人が多いほうがよい。(だったかな?)

22:22。定刻に大牟田到着。
ここで本日最後に乗ることになる5367M八代行きに乗り換え。
熊本は「なは」で一度やって来たが、手前の上熊本で
運転の終わった熊本市電の車両が静かに眠っているのが
見えた。


車内にはぽつぽつと何人か座っているだけ。
車内の走行音だけは闇を通り過ぎていく。
熊本から先の八代はすぐだと思っていたが、意外と長い。



24:00。八代着。
青春18きっぷほぼ1日分を使ったことになる。
日付が変わった八代の駅前を予約したビジネスホテルに
向けて歩き出す。



歩くこと15分ほど。
大通りに面した八代グランドホテルの入り口の灯が見えてきた。
フロントで料金を前払い。渡された鍵を持って部屋へと急ぐ。

体力に余裕があれば、八代の駅前でビール飲みながら夕食という
旅先の甘美な時間を楽しもうかと思ったが、熊本駅前のように
そうした店がなかった。
だいぶ疲れている。目を閉じればすぐに眠れるだろう。

明日朝早く起きれれば、八代から肥薩線で南下する予定だが
経験から恐らく起きれないだろう。
そうしたら、もうひとつのルートである阿蘇高原線で大分へ
向かうことにしている。近くのコンビニで買ったお菓子を食べ、
コーヒー牛乳を飲みながら時刻表をしばし確認。

ベットに体をあずけた。

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