2011年12月17日土曜日

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目が覚めると雨は止んでいた。
夜中に目が覚めてトイレに行ったついでに食堂へ行くと、
入口の外では雨が止むのを待っている夜行登山者が雨宿りをしていた。

父と友人も夜中に見たときには星空が見えたらしく、
夜の内に嵐は過ぎ去ったようだ。朝日もぼんやりと差し込み、
どうやら無事に頂上へ向けて出発できる。

昨日に比べたら頂上までは時間がかからないはずだが、
頂上の目印となる白い鳥居が見え始めても中々辿り着かない。
砂漠のオアシスのように、鳥居は蜃気楼のような気分になる。

男の子連れの若いお父さんに出会った。
八合目の山小屋から出発したらしく、見るからに男の子はヘトヘトだ。
お父さんに発破をかけられて何とかここまで登って来た様子。
お父さんの趣味に付き合わせれる子供の構図だったが、
男なら富士山くらい登らないという気持ちはあったかもしれない。
我々もそのつもりで応援して、先に進むことにした。

九合五勺。胸突山荘。
頂上前の最後の山小屋を通り過ぎるが、頂上はまだ遠い。

頂上までの鳥居は直線距離ならそれほどないが、急な岩場のために
左へ右へと蛇行する形なので、なかなか到達しない。
たまに後ろを振り返ると、ダメかなと思っていた先程の親子の姿が
少し離れた下に見えた。こちらが手を振ると向こうも振り返す。
男の子はきっと諦めないだろう、そう確信して頂上を目指す。

息も絶え絶え、ようやく白い鳥居を潜る。
左手には日本で一番高い宿泊施設である頂上山頂館。
その奥にはこれも日本一高い郵便局があり、そして正面奥には
これも日本一高い神社がその本殿を構えている

郵便局ではここからハガキを出すことも出来る。
友人の方はここから台湾人の妻へハガキを出すらしい。
私はトイレに行くために小銭に崩すため、富士山山頂と書かれた
原価は安そうな木の札を購入した。

本殿で頂上の焼印をしてもらい、ようやく焼印が揃った。
これは下山する際に活躍する杖だけでなく、すれ違う登山者に
頂上まで登った事を見せびらかす証明にもなる。

左奥にはお鉢と呼ばれるお腕型の火山口が出迎え、
3776メートルである剣ケ峰と呼ばれる小さな岩山が聳え立つ。
前回はここまで登ったが、今回は見るだけにした。

頂上からの眺めに昼ごはん。
カップラーメンや宿泊した山小屋で作ってもらった弁当だとしても
この味は何物にも替え難いのだ。これも登山者のみが経験できる特典。

この後しばらく休憩した後にひたすら下山するのだが、
写真がないのは日焼けによる軽い脱水症状で下山する事だけで
とても撮影する余裕がなかったからだ。何とか無事下山はできたが。
今回は夏山に対する日焼け対策を怠るな、というのが教訓だろう。

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