2008年8月2日土曜日

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地元から小田急線で20分ほど。
本厚木駅を降りると、近くに相模川が流れている。
厚木では最大のイベント、あつぎ鮎まつりの
花火大会が行われる。

8/1は前夜祭。2日には花火大会。
1日は、祭り見物も兼ねて地元の友達と飲んだ。
中学校の同窓会で久々に意気投合し、彼からよく飲みの
誘いがあり、月一度の割合で会っている。

そんな彼は仕事が朝早くても、時間があれば夜は
よく飲む、いわば飲み友達であり、遊び人でもある。

彼が知り合いの女の子を呼ぶというので、
高校生以来、女の子としゃべる事がなかった私は
その女の子に期待しながら、二つ返事で誘いに乗った。

18時地元の駅で彼と待ち合わせ。
そう約束していたが、夜勤明けでつい家で寝過ごして
しまい、起きたのは19時半。大遅刻である。

携帯を開くと、彼からメールや電話がひっきりなしに
掛かっていた。先に女の子と向こうで楽しんでいるらしい。
このまま行っては初対面の女の子にはかなり印象が悪い。
ダメ男確定である。
遅刻した責めての侘びとして、行きがけのコンビニで
ビールと酔い覚まし用にお茶やサイダーのペットボトルを
買い、駅へと急ぐ。
ホームに降り立つと丁度来た電車に乗り込む。

1日目の前夜祭は21時で終わりである。
今20時過ぎ。向こうについても30分しか祭りを楽しめない。
模擬店で飲み物が買えなくなるかもしれない。

21時の20分前。何とか祭りの会場で彼とその女の子と合流。
遅刻したことを誤り、自己紹介も簡単に済ませたところで
もうすぐ祭りは終わるところである。
ビールを買ってきたのはやはり正解であった。
女の子もそれほど嫌な顔はしていなったと思う(多分)

缶ビールを飲みながら、酔いの勢いも手伝ってか
初対面にも拘らず、女の子とは他愛のない話で盛り上がった。
もちろん素面ではこうはいかない。

女の子は夜遅くても大丈夫と言ってくれたが、
あまり遅いのもよくないので、22時過ぎ一緒に電車に乗り
帰ることにした。その女の子は途中の最寄駅で降りたところで
お別れ。後で彼の携帯にその女の子からメールが来たところに
よると、印象は良かったらしい。ひとまず面目は保たれた(笑)

が、ここで終われば楽しい夏のひとときだったが
そう簡単には終わらなかった。

この後彼とふたりで地元に戻り、スナックで焼酎をカブ飲み。
祭りでビールを飲んで酔いが抜けてないのと、ボトルキープ
として出してもらった吉四六(きっちょむ)が飲みやすくて
つい調子に乗り、二人で一瓶空けてしまうハイペースが
良くなかった。

彼もグロッキーだったが、問題は私の方だった。

学生の頃のバイト仲間での飲み会など、何度か飲み会をした
機会で気をつけているつもりだったが、スナックを出て、
そばのコンビニ前の駐車場でぶっ倒れてしまった。
最初は吐いていたが、ほとんど何も食べていなかったため
胃液ばかりが出て、胃のムカムカが最高潮に。

そう、急性アルコール中毒である。

彼が必死に呼びかけてくれたのは聞こえていたが、
胃のムカムカと血の上るような火照りでとても返事をする
余裕はなかった。
しばらくそのまま様子をみていた彼がヤバイと判断し
すぐに私の両親に連絡してもらい、救急車も呼んでもらった。

後で彼と駆けつけてくれた両親の話では、触れると体が
冷たかったようで、かなり危険な状態だったらしい。

救急車も来たが、その場から運び出せなかったらしく
救急車には彼が、私は両親の車で病院へ運ばれることになった。

それから5時間ほど昏睡。
気づいたら白いベットの上で、右腕に点滴の針が刺さっていた。

私が目を覚ますまで、点滴の袋は一袋では足りず
二袋を使い切ったようで、治療代は5000円。
自業自得だが、痛い出費であった。

心配をかけてしまった彼とそのご両親、そして私のご両親には
本当に迷惑をかけてしまった。

そのお詫びとして、彼には近々家でバーベキューをやろうと
話をして、私の両親には8月2日の花火大会に見物がてら
寿司でもごちそうすることになった。

この時ほど、甚平を着た彼が格好よいと思ったことがなかった。
甚平を着た男はまさに命の恩人であった。
酔い、良い友人とはこういうことかと実感した事件でもあった。

彼には2日いっぱい自宅謹慎するとは話したが、
鮎祭りの花火だけはどうしても見たい。
両親には自宅謹慎を命じられたが、お詫びとして寿司をご馳走する
条件で出かけてもよい許可を頂いた(笑)

本厚木へ向かう小田急線の車内はどんどん混んでくる。
夏色に染まった若い男女、特に女性の浴衣姿が目立つ。
みな、鮎祭りの花火大会だろう。案の定、本厚木で浴衣姿や甚平姿
の男女たちがどっと降りていく。



いつもはない、熱気が改札口からずっと外まで続いている。
駅の外に出ると、駅前の高い建物の向こうに花火の打ち上げる音が
聞こえてくる。すでに始まっている。
大通りの両側は露天がずらっと並び、たこ焼きややきそば、生ビール
そしてお好み焼きなど店員の掛け声にも熱が入る。
各店も食べ物や飲み物を店の前に出し、この掻きいれ時を逃しまいと
負け時に声を張り上げ、祭りムードを一層高めている。

昨日の飲み会でぶっ倒れてから何も食べていないので、
まず露天で買ったやきそばで腹を満たす。

打ち上げされている相模川まで行ってみたかったが、
すでに河川敷には動けないほどの人で埋まっているだろう。
なので、両親ともに露天が並ぶ大通りの花火が見えるところまで
移動することにした。






見えるところでは花火に向けてデジカメや携帯のカメラを構える
人だかりができていた。

私も持参のデジカメで何枚か撮ってみたが、いまいち写りは悪い。
手ぶれ防止にセルフタイマーを使ってシャッターを切っているため
打ちあがるタイミングをうまく図らないと、なかなか花が開いた
瞬間を収めるのは難しいのである。

何とか収め、しばらく見てから帰ることにした。
地元へ戻る小田急線も途中まで祭り帰りの人たちのにぎやかな
雰囲気を乗せていく。

地元では約束どおり、駅前の居酒屋で両親にビールと寿司を
ご馳走した。そして家路についた。

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