2008年1月21日月曜日

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【貧乏旅行 2日目】


眠ろうとするが、眠れない。夜中も3時を回って6時まで、
3時間なんとか眠っただけだった。

9時間いっぱいの7時5分、店を出ると郡山駅前の朝の冷え込みは
きつい。待合室のないホームのベンチに座って、駅の中で買った
焼きそばパンを食べながらとペットボトルのお茶を飲む。
慣れない寒さに震えながら、7時35分発の福島行きを待つ。
待っている間に学生達の姿が増えてくる。

福島ゆきの電車に乗り込み、悩むことになる。
青春18きっぷはJR全線の普通列車のみに乗車することができる。
列車はJRでもJR以外の路線に乗り入れる場合は、別途その会社線の
運賃が必要になる。

青森に行く最も良いルートは盛岡から先、八戸に出ればいいのだが、
盛岡から八戸を結ぶ路線はJRから分離され、第3セクターの会社線に
なっている。つまり、青春18きっぷだけでは乗車できない。

今回は貧乏旅行である。交通費は一切出せない。

そこでJR線だけのルートとして、福島から奥羽本線で青森へ出る
しかない。盛岡から田沢湖線経由で、秋田に出るルートもあるが、
田沢湖線の普通列車は同じ線路を走る秋田新幹線の接続にあわせた
ダイヤになっているので、普通列車同士の接続はかなり悪い。
しかも午後帯でないと秋田まで出ることができない。

8時31分発の普通列車がある。この列車から乗り継いでいくと、
青森には19時49分に着く。昨日のネットカフェで調べた限りでは
駅前にカプセルホテルが一つ、30~40分ほど歩いたところにネットカフェ。
一夜を過ごすのはなんとかなるだろう。が、問題は帰りである。
朝一番の列車で奥羽本線で福島に戻り、東北本線に乗り換えて、
上野に着くのは、23時38分。ぎりぎり青春18きっぷの有効期限内である。

都内在住なら問題ないのだが、残念ながら神奈川県在住にとっては
上野からさらに列車に乗り、私鉄の列車に乗って帰らないといけない。
新宿始発の小田急線が本厚木以西に行く最終列車は23時35分。
3分前に家路に着く列車が出てしまっているのだ。
こうなると、帰れるところまで帰り、また一晩泊まらないといけない。
余計な宿泊費がかかってしまうのだ。

それでも頑張って青森へ行くか、盛岡までとするか、としばし悩んだが
盛岡までとした。盛岡にもカプセルホテルがあるようなので、
空いていれば、そこに泊まるつもりであった。

郡山を出た普通列車は時々、寝台列車の電気機関車に似た汽笛を鳴らす。
またあの「北斗星」を思い出した。

福島に到着。時刻表では乗り換えるものと思ったが、いままで乗ってきた
列車が9時発の快速になって出発する。30分の長時間停車。





仙台10時40分着。
仙台からは一ノ関行きの4両編成が待っていた。
後ろよりの2両は途中の小牛田止まり。



途中一ノ関でさらに乗り換えて、盛岡には13時57分に到着。
さっそく宿探しに駅前のカプセルホテルに向かう。
上野では見られなかった雪がここでは雪掻きをするほどに残っている。
寒い上に人通りが多いため、踏み固められたところが氷状になって
足元に気をつけていないと、足を滑らせてしまう。

ロータリーからはずれて、左側へ曲がったところにカプセルホテルが
あるが、営業時間が16時から。まだ2時間近くも待たないといけない。
2時間近くもどこかで待っていても、カプセルホテルが空いている保証は
ないので、点在するシティホテルを回って、少しでも宿泊費の安いところを
回ってみたが、ここで大きな誤算が発生。

軒並み満室。この時期はセンター試験の受験生が宿泊するのだ。
道中の列車内でも、やたらと学生らしき若い人をよく見かけると思ったら
そういうことだったのだ。

こうなると、シティホテルはどこも満室だろうからもう少し小さめのホテルを
探さないといけない。いろいろと歩き回っているうちに、こじんまりとした
ホテルを見つけた。「ホテル 照井」である。
営業時間の15時を待って、フロントに行くと部屋は空いていると少し無愛想な
おじいさんが応対した。料金は4500円。

フロントのすぐそばに上にあがる階段がある。部屋は2階。
窓からの景色はまったく楽しめないが、それを除けば同じくらいの規模の
シティホテルと比べたら、駅前にしては安い方ではないだろうか。

ベットに備え付けの時計は故障したようで、その代わりに市販で急遽買ってきた
と思われる目覚まし時計が置かれている。

電話ももう見かけることが珍しくなったダイヤル式である。
小さい頃、家の電話はこの黒色だったのでちょっと懐かしい。

隣にはコイン式のテレビ。といってもテレビ番組を見る分には無料。
ビデオ映画が有料らしい。



電灯も今は見かけないデザイン。ぶら下り式のもので、やはり小さい頃を
ふいに思い出す。だいぶ古い部屋である。
そして風呂はユニットバス。すぐ隣に便器があるあのタイプである。
旅先の宿のユニットバスでは、無性にオナニーがしたくなるのはなぜだろうか?
湯船にお湯を張り、この2日間の汚れを洗い流す。
寝床も落ち着き、さっぱりしたところで、今夜の食料や飲み物を散策がてら
外に出ることにする。

さらに奥へ歩くと、大きな川が流れている。開運橋を渡った向こうには
アーケードが伸びている。前回の熊本でもそうだが、駅前周辺はそれほど
景色として変わらない。コンビニエンスがあり、ラーメン屋、居酒屋、
ショッピングアーケード、ゲームセンター、パチンコ、カラオケ、シティホテル・・・。

日光や鬼怒川といった温泉街に行ったほうが、旅をしている気分になる。
こうした資本主義の景色を見ると、盛岡まで来たという気分よりも地方も
小都市化が進んできたなと少し呆れた気分になる。
それは昨日のネットカフェでネット検索して、青森にもネットカフェがある
という驚きと似ている気分だ。

アーケードが歩いた奥には、ライトアップされた城壁が現れる。
盛岡城址公園である。規模はさして大きくない。城壁の上は自由解放
されていて盛岡の夜景を楽しむことができる。冬だけにあまりにも寒くて
長く居られないのが残念だが。

城址公園のアーケード寄りにはスナックのネオンが固まって煌々と光る。

今夜の夕食や夜食の費用は最低限にしないといけない。
コンビニエンスで夕食のカップ焼きそば、105円の1リットル入りの紙パック
ジュース、生ビール、おつまみ、そして翌朝宿を出る前に食べる朝飯の
菓子パンを2つ。
オナニーしようとエロ漫画雑誌を買おうかと悩んだが、終わったあとの
虚しさを考えると、嫌になって止めにした。

途中で見つけた100円ショップで自転車のかごカバーを購入。
ナイロンのような肌触りで、宿に帰ってさっそく袋から取り出す。

自分の「モノ」にこのカバーの紐で根元部分を抜けないように締め付け、
射精しても漏れないように梱包する。そしてしごくのだ。
数十秒で射精した。やはりエロ漫画雑誌を買わないで正解だった。
もっと虚しい気持ちになっていたに違いない。

すっきりしたところ、テレビを見ながら、カップ焼きそばを食べる。
その前に一風呂浴びることにする。「モノ」に付いた精液を綺麗に
洗い流さないと気持ち悪い。

暖房の利きはあまり良くない。早々にベットに入って、ビール缶を開け
おつまみを食べながら、テレビでしばし時間を過ごす。
22時を回ったところで、明日のために早く眠ることにした。

やはり体を伸ばして寝ることがどれだけ幸せなことが、
あのネットカフェの後だから、よくわかった。

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