2008年10月19日日曜日

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【1日目・・「あけぼの」で青森へ】

上野
21:45発

↓ 2021 寝台特急「あけぼの」

9:56着
青森


人間は嫌いだが、列車に乗るのは好き。
そんな私が計画した「青森・函館フリーきっぷ」を使った
3泊4日函館までの列車の旅。

こちらにも函館にも人間はいるけれど、
仕事関係や友人関係の煩わしさからしばし開放される。
それが4日間丸々続くことが旅を更に楽しみなものにしてくれる。

こうして甘美な4日間は夜勤の明けた11日夜から始まった。

寝台特急は上野から上越線~羽越本線経由を走る「あけぼの」で
青森を目指す。前回は「北海道&東日本パス」を使って
ムーンライトえちごで新宿から新潟まで乗っていった。
このときは新潟から青森までは普通列車を乗り継いでいったが、
今回は寝ながらして、一気に青森まで目指す。

私は列車から眺める景色が好きだ。
初めて乗る列車なら、同じ線路を走っていくとしても。

秦野18:09発、はこね36号。ビールを飲みながら新宿へ。
流れていく夜の景色を見ながら、少し酔いながらも高揚感。

山手線に乗る。
中央線に乗っていけばもっと早く着くんだけど
今日はゆっくり時間がある。
こんな日に乗ってもやはり山手線は嫌いなままだ。




上野駅に着く。
しばしコンコースをうろうろしながら
寝台特急は13番線ホームから発着することを思い出す。

13番線ホーム中ほどにある「五ツ星広場」。
2脚1対で等間隔に椅子が置かれているだけ。
けれどもどの顔も楽しげな表情を隠しきれていない。
通勤列車が行き交うホームではしかめっ面されるだろう。
でもここでは子供が走り回っても、誰も冷たい視線はない。
カメラを構えて、柱からホームの向こうからやってくる
はずの青い列車を待つ子もいる。楽しそうだ。


入線までの時間と出発するまでの時間、この旅立ちの
高揚感はいつでも始発駅にある。上野駅にある。






21:18。青い車体を後ろ向きにゆっくりとホームへ入ってくる。
前回の「北斗星」と違うのは、貫通扉を開いて運転士が
前方を確認しながらしている点だ。









車止めから見る青い列車はこれから旅する雰囲気がある。
はるばる続いている線路の向こうの闇を走ってゆく。


直前で奇跡的に取れたB寝台。
北斗星と比べると、隣の寝台との間隔は狭い。
前回の北斗星では札幌終点まで行くというおばあちゃんだったが
少し話し後に、カーテンを引いて眠ってしまった。

今回隣に来たのは女性。40代~50代と思しきその人は
途中の弘前まで行くという。持っている荷物や雰囲気などから
観光ではないのかなと思っていたが、色々と話しているうちに
やはり所用で行くらしい。
弘前で用を済ませたらすぐに帰ってくるそうだ。

当初はゴロンとシートの席を取っていたようで、
寝具類がないことを知らずに発車直前になんとか空いているB寝台
を手配してこちらに来たようだ。
また後でやってきた車掌とのやり取りでどうやら寝台特急に
乗っている経験があまりないようであった。



お互いの挨拶を終えて、落ち着いたところで買っておいた駅弁と
ビールを広げる。「牛肉どまん中弁当」をほおばる。
食べ始めてしばらくすると、少し揺れてから車窓がゆっくりと
動きはじめた。

22時前の大宮付近をゆっくりとリズミカルに走ってゆく。
「牛肉どまん中弁当」を食べ終える。

大宮到着。
缶ビールを傾けながら、今度は寝台側の窓側に移動する。
下段だからこその特権。カーテンを閉めてしまえば、
隣の目を気にすることなく、夜の景色を楽しめる。
天気には恵まれて雲は多いが、夜空を見上げると雲の隙間から
星の光が見える。





今日最後の停車駅。高崎を出てしまえば
明日の停車駅までひっそりと上越線を走っていく。
そのまま寝台側の窓の外を見る。


0:19 水上で運転停車。
大半が眠りに落ちているこの時間帯に上越線へ向けて走り出す。
水上から10分足らず。上越線が越える山々が右手に見ながら
先頭車が右カーブしながらトンネルに入っていくのが見えた。
清水トンネルである。トンネルを入るとすぐに湯檜曽駅の蛍光灯
の灯りを通り過ぎ、また暗くなる。

湯檜曽から次の土合駅までは結構な距離がある。
0:25分頃、トンネルの轟音が少し和らいだところにホームの
灯りが横切っていく。ホームはこの列車や貨物列車の通過線まで
拡張されており、少し前に普通列車停車用に使われていた線路は
拡張したホームが跨いでいる。ホームを過ぎてしばらくすると
その線路も部分的に撤去されはじめている。

前回「ムーンライトえちご」で通った際には、通路側の席では
トンネルが見ることができなかった。
トンネルを抜けてしばらくしてから明日に備えて毛布に潜った。
列車はゆれ、線路と車輪のリズミカルな子守唄を聞きながら・・・

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