2008年10月21日火曜日

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【3日目・・・やきとり弁当食べて竜飛海底駅へ】

青森
10:40発

↓ 4018M 白鳥18号

11:48着
竜飛海底駅 ※海底駅、記念館見学
13:59発

↓ 4022M スーパー白鳥22号

14:45着
青森
15:22発

↓ 4015M 白鳥15号

15:52着
蟹田    ※聖地巡礼
17:10発

↓ 4030M スーパー白鳥30号 

17:37着
青森
18:08発

↓ 2022 寝台特急「あけぼの」

6:58着
上野

朝8時に目が覚める。
昨日の目玉が函館山からの夜景なら、今日は竜飛海底駅の見学である。




函館駅へ急ぐ前に、食べてみたいと思っていた「やきとり弁当」を
買いに行くことにしたい。
この「やきとり弁当」、ハセガワストアというスーパーでなんと
店員がやきとりを焼いてくれる正真正銘の弁当として、
函館のみならず、B級グルメとしても有名な弁当らしい。
ひとつは市電の十字街電停から降りて少し奥の路地に入った
ところにあるので、ちょっとわかりにくい場所にある。

やきとり弁当なのに、蓋に豚の絵が描かれているのは
使っている肉が鳥肉ではなく、豚肉のためだ。
大きさと味(タレか塩)が選べ、注文書に書いて店員に渡して、
出来上がると店員が呼んで手渡してくれる。注文から15分くらい。

この弁当をこれから乗る特急列車の駅弁である。

木古内に停車。窓側が空いたので早速移動。
弁当の蓋を開ける。やきとりとタレのいいにおい。
それほど量がないかと思ったが、食べたらお腹一杯になった。
たまらず車内販売のコーヒーを啜る頃にはすでに青函トンネル。

コーヒーを飲み終え、竜飛海底駅に近いのだろう。
列車は減速をし始めた。このコースの見学者は今回30名ほど。
2号車前よりの左のドアには降りる準備が整った見学者が
通路まで並んでいた。




画像や写真では見てはいたが、やはり実際にホームに降り立つと
興奮してくる。情報の通り、避難所へ続く通路以外はホームは
狭い。1メートルもない。あの有名な春日野道駅よりも狭いだろう。























特急列車は青森へ向けて、ゆっくりと走り去っていった。
そして見学者も案内スタッフの指示でしばらくは行動することに。
ところどころで説明のために立ち止まる時が撮影の狙い目。
ただし、立ち止まる時間ほんの少しで見学時間の関係上、スタッフが
説明しながら先頭を歩いていくので、後方のスタッフに注意されない
ように後についていかないといけない。

見学者がひとりでも所在がわからなければ、大変なことになる。
後方にいたスタッフに話を聞いてみたら、まだ見学公開を実施してから
そうしたアクシデントはないとのこと。

そのため、三脚でトンネル内をじっくり撮影という余裕はない。

歩いてみて分かるが、通路は単純な一本道ではない。
途中でいろんなところへ分岐しているところもあるので、まるで迷宮だ。



しばらく入り組んだ通路を歩いていくと、鉄の扉がある。
トンネル内を流れる風圧の関係で二重の扉になっている。
入る側の鉄の扉を開けると、完全に閉めるまでサイレンが鳴り続ける。
入る側の扉を完全に閉めて、次に出る側のもう一枚の扉を開けて
向こう側へ進む。もちろん出る側の扉も完全に閉めるまで
サイレンが鳴り続ける。




このようにして強い風圧から防いでいる構造だ。
「竜飛海底ワールド」と名づけられた先には、工事関係の資料が
いくつか展示され、当時の難工事やその苦労が偲ばれる。
工事で命を落とした数十名の方の功績を忘れてはならない。






さらに進む。ここからは体験坑道という形で、見学以外は
作業用として使用しているケーブルカーで地上の青函トンネル記念館
まで続く斜坑を7分かけて乗っていくことになる。
動いている最中はソナーに似た大きな音を発しながら。



地上の青函トンネル記念館駅に着くと、ここも風圧を防ぐためか
背後で鉄の扉がゆっくりと上から閉まっていく。
完全に閉まったことを確認してから、ケーブルカーから下車。
ここから青函トンネル記念館へ一旦集合。

13:25まで自由時間。選択肢は2つ。
青函トンネル記念館周辺を下調べしているなら自由に行動するか、
していないなら、スタッフの案内について行動するか。

ただし前者は集合時間13:25は厳守のこと。
ひとりでも見学者が行方不明なら大変なことになる。





スタッフの案内についていくと、青函トンネル記念館から少し
高くなったところに出た。
竜飛岬の向こうに北海道の陸地が見え、振り向いてもすぐ目の前に海。
そして強い風が絶えずこちらに吹いてくる。

地図ではイメージできなかったが、実際はこんなすごい景色に
なっている。10月の風がこれほど強くて冷たいなら、冬はそこにもっと
厳しいものになるのだろう。



有名な階段が国道になっている国道339号線の「階段国道」。
図らずもアニメの聖地巡礼を果たすことになった。
沢渡との約束を果たすため、ヒロキは自作の飛行機「ベラシーラ」で
沢渡を乗せて、この階段国道の上空から向こうに見える北海道の陸地を
目指して飛んでいくシーンを思い出していた。









記念館に戻って記念乗車券を渡された後、再びオレンジ色の
ケーブルカーで斜坑を降りていく。
スタッフの案内によると、青函トンネル記念館駅の脇に置いてある
もうひとつのケーブルカーは作業用の車輌とのこと。
見学以外の作業では、見学者が乗るこの見学用車輌から作業用の車輌に
交換するらしい。



日本で一番低いところ(?)にある電話ボックス、そしてトイレもある。







別名「ゾーン539」の見学はなかなか面白かった。
ちょっと前までは海底駅見学整理券にもそんな記載があったような
気がするが、今回購入した整理券には記載がなかった。
別のコース(第2コース、第3コース)も見学してみたいものだ。

「あけぼの」に乗る前に聖地巡礼の続きをしなくては。
まずは特急で一旦蟹田まで引き返す。



まずはヒロキが学校帰りにホームへ降りていくシーンで登場する階段。
函館へ向かう際にここだけ撮るのを忘れていた。


改札を出て、国道280号線を三厩方向へ歩き、蟹田川を跨ぐ橋を渡って
すぐ左に曲がると県道12号線。この県道をしばらく歩いたところに
外ヶ浜警察署がすぐ右にあるこの場所が病院から強引に連れ出した
沢渡を車に乗せて運転する拓也がこの信号の奥へ進むシーンとして
使われている。

撮ったらそのままこの信号の奥へ歩いていく。再び蟹田駅へ。
蟹田駅を左手に見て、桜町踏切へ向かう。
そろそろ青森行きの白い気動車が踏み切りを通る時間だ。


桜町踏切にあと少しで踏切が鳴り出したので、急いだが
やってきたのは函館方面の特急だった。
なんとか踏切の前に到着。さっそくデジカメを構える準備をする。
しばらくして再度踏切が鳴り始めるが、肝心のデジカメのレンズが
うまく作動しない。

何度か電源を入れなおすが、それでもうまく作動しない。

目の前を目当ての白い気動車が踏み切りを通過していった。


通過していき、遮断機が上がったころにようやく作動・・・orz
行きに予備で撮っておいて正解だった。ただし701系だが・・・。


桜町踏切を渡り、向こうの堤防へ。
この手前をヒロキと拓也が、沢渡をバイト先へ案内するときに
歩いていくシーンに登場する堤防だ。



なんとか無事に聖地巡礼は終わった。
あとは特急列車で青森へ戻るだけである。

青森へ着いたら、さっそく「あけぼの」での食べ物・飲み物を
調達しなくてはならない。
本当は行きの「あけぼの」で会ったりんご専門家が言っていた
黄色いりんごも見たかったが、青森駅からすこし歩いた市場まで
行かないといけないようで、時間的にあぶないので止めておく。






ホームにはもう「あけぼの」の赤い機関車と青い車体が待っていた。
赤い機関車はなんとEF81 95。横のペイントが特徴的なこのタイプは
初めて実際に見る。ちょっとラッキーな気分。
車輌最後尾へ回ってみると、行きとは逆にここまで引いてきた
赤いDE10が切り離されて、ねぐらへと戻っていくところだった。






帰りはB寝台ソロ。上段は圧迫感があるとwebでは噂だが、
実際に乗り込んでみると天井が低いことは確かだが、気にするほどの
ものではない。それよりもベットとして折りたたみ板とマットを
広げてもドアを開けられるかが心配だったか、問題なく出入りできる。
今はなき「なは」のソロに比べれば若干狭いが、寝そべって星空を
楽しむ分には問題ない。




ドアの施錠は4桁の暗証番号を入力する電子式。

たまたまだが、12上段の入り口そばに業務用と思われるコンセント
があった。洗面台まで行かなくてもこっそりと充電できるわけだが
ちょっと見て回ったところだとすべての入り口そばにコンセントが
あるわけではない。後あるのは24上段近くにひとつあった。

となりの人がどこから乗り込むかわからないので、
やはり目立つにくい洗面所でデジカメの電池を充電することにした。



その間に星空を見ながらの駅弁をほおばり、缶ビールを傾ける。
寝台特急ならでは甘美な時間なのだ。







青森駅で買った駅弁「帆立釜めし」は美味しかった。
寝そべると星空が窓を通して見える。今どの辺を走っているのだろう。
夜の日本海を初めて見た。でもデジカメでは真っ暗な写真。
そう、自分の目に焼き付けるしかないのだ。
寝台に寝転がりながら、窓から見える動く月を見る。
月が動いているのか、こちらが動いているのか、わからなくなる感覚。

デジカメに残せない景色があることを列車で旅するとよくわかった。
時刻表にも載っていないことだった。

寝台に潜って時刻表を見るのは楽しい。
上りの「あけぼの」とはどの辺ですれ違うのだろう?
他の列車に出会うのはどの駅だろう?

不意にクリーム色と赤い帯が特徴的な列車とすれ違う。
「ムーンライトえちご」だろう。

時刻表を見てみると、30分ほど前を先行して
寝台特急「北陸」が走っている。




長岡に運転停車。ホームの向こう側に青い列車が停まっている。
煌々と光る方向幕を見る。青森ゆきの「日本海」だった。
1時30分頃。静かに「日本海」はホームから走り去る。

「あけぼの」はしばらく動かない。

すると今度はホームの手前側、隣の線路に青い列車が停まった。
今度は下り、上野行きの「北陸」である。

「あけぼの」はまだ動かない。

すると今度は同じ線路に大阪行きの「日本海」が入ってきた。
ちょうど停まったのを待って、入れ替わるように
「あけぼの」はゆっくりと動き出した。

寝ていれば知らずに過ぎ去るシーン。
近い未来無くなってしまうだろう鉄道風景だろう。


月は淡くやさしい光で窓から差し伸べる。
目を閉じて、寝台に身をまかせる。




目が覚めると、すっかりと夜は明けていた。
窓から確認できた駅名には「北本」。
しばらくしたら大宮に到着。

もう終点まであと少し。窓の外で忙しく流れている日常。
次第に通勤電車とすれ違うようになる。
高い建物が見え始めるようになる。朝日の明るさが増してくる。






寝ぼけた朝が完全に目覚める頃、「あけぼの」は上野のホームへ。
寝台特急で初めて、上野のホームへ帰ってきた。
上野も隣のホームでは通勤、通学としての時間がすでに流れ
はじめている。しばらく通勤電車から改札へ絶えず黒い川が
流れていた。

朝7時。13番線ホーム。
乗客がほぼいなくなった静かなホームで「あけぼの」は
回送されるのをじっと待つ。









役目を終えたみたいに、テールライトの赤色等が落とされると
青い車輌の最後尾を先頭にして、上野のホームを離れていった。