2007年7月8日日曜日

つくもノヲ”X="1≠ 176


小田急を走る「思い出」を撮るのにこれほど苦労するとは。
22:20、新宿駅からまさに去ろうとしたその姿をなんとかデジカメに
収めることができたのだ・・・・。

昼過ぎに起きた土曜日。しばらくしてその写真を撮ろうと思い立ち
家で昼ごはんを食べてから、小田急線に乗り込んだ。

いつ見かけるかわからない。だからよく見える側の座席に座って
じっと流れる景色を見ていた。

そのときだ。愛甲石田の直前で不意にすれ違ったのだ。
それも数秒のことだが、一瞬見たその配色は間違いない。

本厚木から引き返すか。それともこのまま新宿まで行って待つか。
少しの間迷ったが、新宿まで行く方を採ることにした。

1時間ばかり座っていると次第に眠くなり、目が覚める頃には
あと少しで新宿というところだった。

久々ではないけれど、新宿駅を降りる。
早速、改札横の案内係に尋ねてみた。

「旧塗装のロマンスカーは次はいつ出発しますか」

そう、「思い出」とは7/6から運行を開始したLSEを昔の3000形
塗装ロマンスカーのことである。

情報では1編成しか運行しないので、どの駅で何時何分発か
わからないのだ。

「今日」の次の旧塗装は20:40発、ホームウェイ73号とのこと。
早速、前展望の3列目の席を購入した。

それまでの約3時間を潰さないといけない。

まずなんとなく丸ノ内線に乗って、どこかで降りてぶらぶら
しようかと、丸ノ内線乗り場に向かう途中、「メトロ食堂街」
の文字が目に入った。

これもなんとなく、その階段を上がってみるとすぐ正面に
「パーコーラーメン」の看板が。

肉の万世だけにアキハバラの万世橋だけかと思っていたが、
ここにも新宿西口店として、出ていたのは知らなかった。

万世橋同様の食券スタイルだが、中は広めの店内の壁に
沿って、テーブルが並べられて、ウェイトレスよろしく店員が
テーブルまでラーメンを持ってくる形式になっている。
さすがに狭いカウンター席の万世橋と違って、ロープにくくった
目玉クリップで食券の半券を滑らせる光景はなかったけど(笑)

野菜ラーメンを頼んでみた。これも野菜がくどくなくてGood。

ゆっくり食べてもまだ、2時間ばかり時間が余っているので
店を出て、コンコースを歩いていると「西武新宿線」が目に
ついた。そうだ、田無に行こう。

田無はアニメ「ケロロ軍曹」、「あたしンち」の舞台になって
いるのだ。つまり俗に言う「聖地巡礼」だ。

西武新宿駅はJRや小田急、京王と違って、少し離れている。
そのため、ただでさえわかりにくい新宿駅の連絡通路を看板を
頼りに歩いていかないといけない。本当にわかりにくい。

西武新宿駅は小田急のホームのように改札からホームまで
続いている形式になっている。
写真を撮ろうとデジカメを構えると、ファインダーにこれから
乗ろうとする急行が左側に入り込んできた。

急行は新宿を出ると、高田馬場ととまり、いくつか駅を飛ばして、
田無に停車する。

急行電車に乗り込むと、飛ばすのかと思いきや、カーブが多い
せいか、高田馬場を止まってしばらくはゆっくりした速度で
走っていく。

急行らしいスピードを発揮したのは、次が田無という区間だ。
時間にして約15分。田無に到着した。

下調べすれば、出てきたシーンと同じところを巡礼できたが
時間が制約されているので、それほど歩き回れない。
そのため、田無タワーだけを見に行くことにした。



新青梅街道の広い道をずっとまっすぐ歩いていき、しばらく
すると左側に田無タワーが見えてくる。

もう少し近づいてみると、タワーの半分くらいの高さあたりに
しろいアンテナが2つ付いていて、どうやら電波塔のようだ。
そして足元まて来ると、根元は建物になっていて
株式会社田無タワーの看板が見えた。ここからタワーへは登る
ことができようになっているようだ。

タワーを折り返し地点に田無駅に向けて歩いていく。

20:00丁度に駅のパス乗り場あたりに到着。

急行が20:15発。新宿到着が30分過ぎる辺り。
果たして、間に合うか???

35分に西武新宿駅に到着。もうこの時点で間に合わないことは
確定した。なぜなら、新宿サブナードを新宿駅に向けて歩き
だしたときに40分になってしまったからだ。

あのロマンスカーは今まさにホームをゆっくりと滑り出した
ところだろう。

果たして、7分遅れて小田急ロマンスカーホームに来たときには
姿はもうなかった。これが第1の悲劇。

乗れなかったけど、せめて写真は撮りたい。
諦めずに唐木田へ向かう「思い出」を追うことにしたのだ。

急行で代々木上原から来た多摩急行に乗り換える。
東京メトロの名車6000系は、新百合ヶ丘に向けて夜の線路を
疾走する。

停車するたびに新百合ヶ丘に近づく。駅の時計を見る。
21:14。ちょうどあのロマンスカーは終点唐木田に着いた
ところだろう。

唐木田・・・唐木田にも車庫があるのを思い出した。
このまま車庫に入る可能性もある。そしたら今日はこのまま
引き下がるしかないのか?
しかし、また唐木田から戻ってくることはないのか?

新百合ヶ丘に到着する。ここから6000系は多摩線に入り、
終点唐木田を走っていくのだ。

そして小田急永山のホームへ滑り込んだとき、第2の悲劇が
起こったのだ。あのロマンスカーがすれ違ったのだ。
車内の明かりを消さずに走り去っていったのだ。

小田急永山に着くと、すぐに反対側のホームにまわって
電車を待つ。10分ほど待って各駅停車がやってきた。

新百合ヶ丘に出て、折り返し車庫のある相模大野へ行った
のか、それとも新宿へ向かったのか。
あのロマンスカーの足取りを考えていたが、新宿へ向かった
だろうという勘を頼りにさっき6000系で戻ってきたばかりの
線路を今度は新宿へ向けて疾走する。

新宿駅に再び降り立つ。そしてロマンスカーホームへと向かう。
22:20。ホームウェイ91号としてまさに出発する寸前で、その
「思い出」を撮ることができたのだった。

ホームを出て行くまでのほんの1~2分だったけど、塗装は
昔の3000形を再現できているが、やはり同じLSEでも7000形の
窓までは隠すことはできないようで、少し違和感があった。

それでも懐かしい。昔の3000形、そして今回の旧塗装7000形
には小学校の頃、親に何十回も乗せてもらった思い出があるのだ。
それが10年来に戻ってきたのだ。
本当は今日乗るはずだったロマンスカー。
できれば明日、といっても日付は変わってしまったが
乗ってみたいと思っている。

乗れなかったのは残念だったが、思わぬ形で(自分がいけない
のだが・・・)思い出のロマンスカーに振り回される1日だった。
これはこれで楽しかった(笑)

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