2007年7月1日日曜日

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28日。
休日の昼ご飯を食べに、いつものスパゲッティー屋へ銀座へ向かう。

表参道までは小田急線に乗っていく。
先頭の車両に乗り込み、何駅か停まっていくたびに運転席そばも
人が増えていく。運転席そばのドアに寄りかかって見てみると
やはりだいたいの人に隠れた「がぶりつき願望」があるのではと
思いたくなる。なんとなしに見ているのではなく、
意識して見ているとしか見えない。

よほど電車に忌まわしい記憶が無ければ、運転席からの眺めを覗く
ことが嫌いな人はいないだろうが。

地下鉄を乗り継いで、銀座一丁目に降りる。
この駅はいつも、僕に現実を見せつける。

今の状況から転落すれば、出口から出ることはできない。
柱の間や隅で寝ている人たちのように、他人事ではなくなるからだ。
まだスパゲッティーを食べに通えるが、いつその出口への階段を
昇ることができなくなるかはこの先分からない。

階段を昇る途中でもその寝ている人たちを横目にみながら、
けれどもまだ自分には関係ないと少し思いつつ、逃げるようにして
階段を昇っていく。

人の列に並んだ末に、席についてインディアン大盛りを食べられる
ことはすなわち、私がまだ生きていることでもある。

お腹が一杯になると、ふと江ノ電に乗ろうと思いついた。
小さい頃に1度乗ったきり、長いこと乗っていない。


品川まで山手線に乗り、京急の青い電車で横浜まで飛ばす。
青い電車は、途中の京急川崎で赤い電車が後ろに連結した。




横浜からは相鉄線で湘南台を目指すことにした。
途中の二俣川からいずみ野線が出ていて、この終点が湘南台なのだ。
急行が二俣川のホームへつくと、いずみ野線が待っていた。

おおよそ予想していたが、車窓からの風景はベットタウンそのもの
である。小高い丘を貫くためにいくつものトンネルを潜り、
一斉によく揺れるつり革をなんとなしに眺めて20分ばかり揺られると、
地下ホームの湘南台駅に到着。

湘南台からは小田急線江ノ島線に乗り換えることができる。
藤沢で降りれば、目的の江ノ電は改札を出て少し歩いた小田急百貨店
のビルの中にある。




最近新造したばかりのレトロ風電車が鎌倉に向けて、ホームを出て行く
ところだった。電車が出た後はしばらくはやってこない。
ホームの人は高校が沿線にあるだけに特に高校生の姿が多い。
特に男子より女子が多いようだ。

10分ばかり待っていると、ゆっくりと電車が4両編成でホームに入ってきた。
先頭車両に乗り込む。この時間帯でも人は多くてにぎやかだ。

電車はゆっくりとレールをなめるように走っていく。
運転席越しに見ると、ありえないくらいにきついカーブを軋ませながら
走る。電車に乗り込む少し前に、江ノ島の新しくなった白い塔を見に行こう
と思い、途中の江ノ島で下車する。

反対側のホームにある改札へいくために踏み切りを渡る。
渡るとすぐに藤沢行きの電車がホームに停まる。踏み切りに少し出っ張る
形で停まるので、車輪がよく見える。

海へ出る通りをまっすぐに歩いていくと、次第に潮のにおいがしてくる。
ゆっくりと歩いていくと、建物と建物の間から見覚えのある風景が
開けてきた。右に曲がって少し行ったところには駅舎が龍宮城になっている
小田急線の片瀬江ノ島駅がある。


江ノ島に続く弁天橋を渡る。「湘南爆走族」のワンシーンを思い出す。
歩いてみると少し長い。左側に目をやると、霞んでいたけれど一面の
海とそして潮のにおいがしてくる。歩いている人も多い。

しばらくして二人組みの高校生らしい女の子が並んで自転車で追い抜いて
いった。白いシャツに黒いスカート、そして風になびかせている光景は
夏がもう間近であることを少し感じさせて、すこしわくわくした。

江ノ島の入口にあたる鳥居。この鳥居を潜って坂を上っていくが、
両脇にはお土産屋などが軒を並べ、鳥居前にはいろんな年齢層の人たちが
行き交い、にぎやかな雰囲気は坂を上っていても続いていた。

途中に枝分かれのように、神社への階段がある。
そして珍しい有料エスカレーター「江ノ島エスカー」もある。
ちなみにエスカーは大人350円のようだ。
頂上まで昇るとあるが、実際には頂上までは少し歩く必要がある。


曲がりくねった坂道、せまい階段を昇っていき、すこし息があがり始めた
ところで、見晴らし台が設置されているところに来た。
ここからの眺めは先ほどの弁天橋よりもいいが、全体が霞んでしまって
いるのが、ちょっと残念なところ。


また、しばらく歩くと目的の塔が見えてきた。
500円(塔への入場料込み)を払って、入場券を片手に塔に昇ることにした。
塔への入場は階段か、エレベータを利用する。



ゆっくりとエレベーターが昇っていく。
降りてひととおり、眺めをしばし楽しむ。
見晴らし台より少し高い位置からの眺めだが、屋外に出ると少し湿っぽい
風が吹いていて気持ちよかった。
しばらくそのまま居たかったが、閉鎖時間の18時まであまり時間がなかった
ので、ちょっと急ぐように階段にも降りてみた。




階段から下を見るとこの塔は面白い形しているが、この円錐を逆さに
したようなデザインは建設もそう簡単では無かったのではと思う。


閉鎖30分まえに塔を後にして、江ノ電の駅へ歩いていく。
駅に着くと、丁度鎌倉行きがホームで待っていた。
車内は相変わらず、高校生が多い。
この車内できっと、ひと夏の恋愛もあるのだろう。
腰越を出ると、あの有名な海に面した道路と併走する風景になった。
それをしばらく見ているうちに眠くなり、鎌倉につく少し前まで
眠ってしまった。






鎌倉についたら鎌倉大仏でもと思ったが、時間が遅いということ、
だいぶ疲れてしまったこともあり、横須賀線で帰ることにした。


大船からは東海道線で茅ヶ崎まで。相模線に乗り換えて厚木まで。
厚木に降りると、ちょうど来た小田急線の各停に乗り込んだ。

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