2008年6月9日月曜日

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さあスタート。
今回は相模大野駅から、横浜駅までを歩く予定。


国道16号線をしばらく歩いていると、青い看板に「横須賀」。
距離はあと45kmもある。9時間。果たして歩けるか?
今まで遂げたことがないこの距離をやってみようと気が変わった。

そうだ、横須賀まで歩こう。


横浜駅までは以前も歩いたことがあるので、歩くペースも時間も
わかっている。歩き始めて3時間過ぎたところで、
国道16号線は相鉄線の西横浜駅を跨ぐ。



しばらく歩いていくと、右手にランドマークタワーがちらっと見えて
すこし奥に赤い電車が鉄橋を横切っている。京急の戸部駅だ。
少々ここでシャッターチャンスで時間を潰したので、
横浜駅までは歩いた時間だけなら3時間15分くらいだろう。
距離にして20km足らず。
ようやく梅雨入り宣言したばかりなのに、半袖で無防備な腕と顔は
見事に日焼け。

横浜駅のトイレで顔と腕の汗を流すときにヒリヒリして気づく。
真夏日のような暑さ。そして日差し。たった3時間でも猛烈に体力を奪われる。
だから一旦一休み。十分な水分補給をしないと後半は倒れてしまう。
休憩している間に日差しも少し和らいできたが、きっとしんどいだろう。
ペットボトル飲料は絶やさないように新しいのをサックに潜ませておいた。



さて後半再開。横須賀まで歩く旅。
国道16号線は途中で左折すると、しばらくは京浜東北線を横須賀方面に沿っていく。
途中の桜木町駅まで続く有名な「落書きガード」。
(最近軽自動車のCMでも背景で使われていたが、ご存知だろうか?)
この時点で腹に何も入れていない状態だったので、ちょっと吐き気がしたけれど。

歩いてしばらくは今までにない疲れが襲ってきて、しんどくなりそれまでの
歩く速さからほんの少しペースダウン。途中で止めてもいいかなと思い始める。

この真夏日のような暑さもあるけれど、前半の横浜駅までように距離感がわかっている
わけではないので、あとどれくらい歩けばいいのかわからないところが大きい。
登山のように頂上が見え始めれば、それまでの疲れも消し飛んで、後少しだ頑張ろうと
なれるところだが、それができない。

なんとなくまだ遠いとしかわからない、ゴールが見えないことがこれほどまでも
苦しいものなのだ、ということが歩いてみるまでわからないのだ。
だから前半ほど景色を楽しむ余裕はなかった。
ただ足を前へ前へ運ぶ動作に神経を集中させていた。

ウォークマンの音楽のリズムが時々、私の気持ちを鼓舞してくれる。
これがなかったら、このあたりで座り込んでしまうかもしれない。
それほど体力、とくに両足は悲鳴をあげていた。


それでもしんどい。ちょっと休憩。
どこの隋道だろう。名前を忘れたが、赤い電車が通り過ぎていくのが見えた。
でも地図で確認したおぼろげな記憶では、横須賀に近づいていることは確かだ。
もう少し自分の体力を試してみよう。まだいけるかもしれない。

それでもしんどい。またどこかの橋のたもとで座り込む。
このときはわからなかったが、横須賀市まであと少しのところだった。
残り少ないスポーツドリンクを喉に流し込みながら、下を流れる川をしばらく眺める。
吹いてくる風が気持ちいい。

体力はそろそろ限界だけど、なんとか横須賀にはたどり着きたい。
再び歩き始めて、ウォークマンから流れる音楽を聞きながら奮い立たせる。
なにか「ヨコスカ」という見えない敵に挑んでいる気持ちになってきた。
待っていろ、ヨコスカ。今倒してやるぞ!、そんな感じ。


横浜駅から歩くこと4時間ちょっと。ようやく横須賀市に!
なんともない看板にちょっと感動したり。
距離にすると横浜駅から20kmほど。さきほどのトンネルからずっと京急に
沿って歩く形だが、横須賀市に入って最初の駅である追浜駅を通り過ぎる。

はじめはJR横須賀駅まで目指そうとしていたが、追浜を過ぎたあたりからさすがに
限界が近づいてきた。次の駅でおしまいにしよう。



ようやく次の京急田浦駅でゴール。

駅の看板はアーケードの途中にひっそりとある。
赤い電車は普通(各駅停車)しか止まらない駅。
ホームは工事中でトイレは仮設だったので、汗くさい服を着替えたり、
顔や腕を洗うのにちょっと大変だったが、ターミナル駅でないことがよかったかも。
まだ新しそうなベンチには何人か電車を待っていたが、普通電車がやってくると、
だれもいなくなった。おかげで次の電車が来るまで人目を気にせず
1リットル紙パックの明治「カフェ・オレ」をかぶ飲みすることができた。

残りは空いたペットボトルに移して、サックにしまう。
ちょうど次の普通電車がやってきた。これに乗って帰ろう。

写真に撮れなかったが、夕焼けは今まで見たことがないものが車窓から見えた。
これから沈もうとする太陽に広げた白い羽根。
雲が太陽の光の具合でそう見えたものだと思うが、次の駅で降りて撮ろうと思ったが、
駅では手前の建物が邪魔してうまく撮れなかった。
そうこうするうちに太陽は沈んでしまった。
これだけ頑張って歩いたご褒美なのかな、とそう感じたひとときだった。

太陽の日差しを受けて、赤い腕と顔。乗っている電車も赤い色。


自宅に向かって最寄駅から歩くころには綺麗な三日月。
タイミングよく雲に霞んだところを一枚。

予定を大幅に変えて、相模大野から横須賀市まで9時間。
間に休憩を丸々1時間としても8時間。距離だと40kmほど。
これで真夏のような暑さでなければ、50kmまでなら歩けるかもしれない。

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